ハノイへ移住して「手描き地図作家」を目指す私の1日

手書き地図 ベトナムでの働き方

先日34歳になった私は、現在ベトナムのハノイで「手描き地図作家」を目指しています。日本では小学校の教員をしていましたが、「好きなことや、やってみたいことをやらない人生は、きっと後悔する」そう思いハノイにやってきました。

大好きな国、ベトナムのいいところをたくさんの日本人に紹介していきたい、と思って日々奮闘しています。

ここでは、そんな私の1日を紹介したいと思います。会社員とはちょっと違った1日かもしれません。

※1万ドン=約50円

ハノイに行くまでは好きな仕事に挑戦できなかった

絵を描いたり、お芝居をしたり、文章を書いたりと、ありとあらゆる表現が子どものころから好きでした。

自分の感じていることや考えていることを何らかの形にして人に伝える仕事がしたいというのが、小さなころからの私の夢です。しかし、本当にやりたいことを仕事としてなかなか選べない自分がいました。

安定を選び教師に

高校時代に進路を選択する際、美術の先生に「美大を目指すクラスに入らないのか」と声をかけられたのですが、私は就職を考え文系大学を目指すクラスを選んでしまいました。

そして、教員養成課程のある大学に進学し、小学校の教員に。収入が安定している公務員の仕事を選んでしまったのです。もちろん、教師もある種の表現者だと思うし、決してつまらない仕事ではありません。

しかし、私の中でもっともしたい表現方法であるかと問われると、そうではありませんでした。

その後も、一度は教師を辞めデザインの専門学校に通ったのですが、結局卒業後の仕事は教育関係の会社や、またしても小学校の教員でした。

高校時代に進路を決めたときからずっと、好きなことで生活しようとなかなか決心できない自分がいました

ハノイという、大好きになる国との出会い

ベトナム

教育関係の会社で仕事をしているときに、初めてベトナムのホーチミンを旅行で訪れました。近い、安い、料理がおいしい、雑貨がかわいい、そんな理由で休暇の旅行先をホーチミンに決めたのです。

このときは、 まさか自分が生活しようと思うほどベトナム好きになるなんて想像していませんでした。しかし、私はベトナムに到着し、1日でベトナムのとりこになってしまいました

ベトナム人のくったくのない笑顔、東南アジアでありながらフランスの要素が混じり、どこか日本の家庭料理の味も感じさせてくれるベトナム料理、色彩豊かな街並み、誰もが驚くバイクの波。すべてが自分のからだにしっくりとなじみました。

その後4年間ほど、毎年1回ベトナム旅行をするようになりました。

好きな国で、好きなことを仕事にしようと決意

フライト

年に1回のベトナム旅行を続けていましたが、それはあくまで旅行。ベトナムという国に住もうとは考えていませんでした。

しかし、あるとき、度々ベトナムに行く私を見て父が言いました。「そんなに好きなら、ベトナムで仕事をすれば?」と。

ホーチミンの会社に就職

ネットで「ベトナム」「求人」といったキーワードを検索してみました。すると、予想以上にたくさんの求人情報が見つかります。

そして日本で就職活動し、ホーチミンの会社に就職することになりました。行動を起こしさえすれば好きな国で仕事ができるということに、私はこのとき気づいたのです。

父はまさか、本当に就職してしまうとは思っていなかったかもしれません。けれど、柔軟な発想を持ち、理解のある父に感謝しています。

仕事が好きになれず再び日本で教師に

無事にホーチミンの会社に就職することができ、憧れのベトナムライフスタート!といきたかったのですが、就職した会社の仕事が好きな仕事かというと、決してそうではありませんでした。

教師の方が、まだ自分に合っていると感じてしまう始末。どこで働くか、それは大切なことだけれど、何をして働くか、こちらはもっと大事なことだったのです。少なくとも、私にとっては。

その後、日本に戻り、再び教師になることを決めました。けれども、教師をしている間もやはりベトナムへの思いを断ち切ることはできません。ついつい、ベトナムのことを考えてしまいます。ベトナム旅行にも、もちろん行きました。

自由に動けるのに挑戦しないのはもったいない

そんなある日、ふと一つのことを思ったのです。

「結婚していない自分。守るものが何もない自分。そんな自分が好きなことに挑戦しないのは、とてももったいないことではないか」と。

通帳には多少のお金がありました。また、以前ホーチミンで働いた経験から、ひと月5万円程度で生活できることを知っていました。区切りのよい3月に教師の仕事を辞め、4月にベトナムへと旅立ちます。

もし子どもがいたら、おそらくこの選択をしていません。しかし、子どももパートナーもいない自分が好きなことをしないのは人生という時間の無駄遣いだと、今、私は思うのです。

ハノイで「手描き地図」を作っています

手書き地図

さて、ここまで「好きなこと」という言葉を何度も使ってきましたが、私の「好きなこと」とは何なのでしょうか。少し、紹介させてください。

最初に、私は「ありとあらゆる表現が好き」と書きました。そしてその中でも、調べてまとめ、それをイラストと文で表現していくことが、とくに好きです。

現在は、ベトナムの首都ハノイに住み、ハノイの美味しいお店やかわいい雑貨の店を手描き地図にまとめています。今はまだ大きな収入にはなっていませんが、このイラストマップを使って仕事をつくりだしていきたいと考えています。

ハノイの物価の安さもポイント

これは結果的なことなのですが、私が好きになったベトナムは、まだまだ物価の安い国です。日本料理のお店に毎日のように通うとなると話は異なってきますが、先に述べたように5万円もあれば1か月生活することができます。

私の場合、現在お金をあまり使わないので、ひと月の生活費は家賃も入れて3~4万円程度です。つまり、1年にかかる費用は50万円前後となるわけです。

50万円や100万円なら、日本で仕事をすれば1年から数年で貯金できる金額。日本で生活しているとすぐになくなってしまう額ですが、こちらなら数年、生活することができます。

その間に、自分のやってみたいことに挑戦することができるわけです。

ハノイでの1日

起床~朝食、掃除、洗濯など

スープの素

朝はだいたい6時頃起床し、すぐに朝食を取ってしまいます。

よく食べるのはインスタント粥。袋に乾燥したお粥とスープの素が入っているので、それを器にあけて、お湯を注ぐだけで出来上がります。簡単に食べられて美味しいので、ベトナムで一人暮らしを考えている人にはおすすめです。

朝食中、インターネットで日本のニュースを確認します。ニュース動画を視聴すれば、まるでテレビを見ているのと同じ感覚です。

朝食後は、掃除や洗濯を済ませます。掃除と言ってもワンルームなので、あっという間に終わってしまいます。掃除機はありません。ほうきではいて、たまに雑巾がけをしています。ベトナムの家はタイルのことが多いので、掃除はしやすいです。

ハノイでの1日:ベトナム語の勉強を30分

その後、ベトナム語の勉強を30分ほどしています。日本から持ってきたベトナム語のテキストを繰り返し読み、日本語訳を見てベトナム語で書けるようにしています。

なかなか単語の声調を覚えられず、テキストの同じところを何度も繰り返してばかりです。それでも勉強しないよりはいいようで、段々と簡単な会話を楽しめるようになってきました

ハノイでの1日:日本語授業の準備

私は手描き地図作家を目指しながらベトナム人に日本語を教えていて、午前中はその日の授業準備をすることが多いです。授業の教案をもとにプリントを作成したり、単語カードを作成したりもします。

基本的に、日本語で日本語を教えています。しかし、本当に何も知らない生徒には英語やベトナム語で補足しています。単語カードにベトナム語を書き入れることも多いので、授業準備が自分自身のベトナム語の勉強にもなります

ハノイでの1日:昼食は自炊でがっつり食べます

お昼ご飯

授業の準備が終わると昼食です。基本的に自炊しています。日本語の授業があるため遅くなりがちで、夕食は軽めにすることが多く、その分、昼食ではお米をしっかり食べるようにしています。

ベトナムは空心菜がとても安いです。一束買って、1万ドン(約50円)することはありません。そのため、空心菜のにんにく炒めや空心菜のスープをよく作ります。

そして、ベトナムで生活してみて驚いたのは、冷凍春巻きのレベルがとても高いこと。こちらの春巻きは皮が薄く、サクッと揚がって美味しいです。3万ドン(約150円)前後で1パック買うことができます。

ハノイでの1日:手描き地図作成タイム

午後は、手描き地図を描いたり地図を描くための取材に出かけたりします。地図を掲載するホームページの作成をする日もあります。

小さなメモ帳片手にハノイの街を歩き回っている時間は、とても幸せな時間です。美味しいお店や、すてきな雑貨屋さんを見つけるとワクワクしてきます。

ベトナムに来るまで自分でホームページを作ったことがなかったのですが、ワードプレス(無料のホームページソフト)を使って、なんとか作れるようになりました。

ハノイでの1日:日本語を教えに生徒の自宅へ

現在は夕方から日本語授業のある日が多いです。授業の場所である生徒の自宅などへは自転車で向かいます。

ベトナムはまだ街中を電車が走っておらず、ベトナム人の交通手段は基本的にバイクになります。私もバイクに乗りたいところなのですが、日本でもバイクを運転したことがないので自転車を使っています。

初めてベトナムの交通状況を見た人はみんな驚き、「こんなところでは絶対に運転できない」と言います。しかし、慣れてしまえばバイクの波の中で自転車を走らせるのは案外難しくありません。

生徒の自宅に到着し、授業です。基本的に2時間単位で教えています。「日本語って楽しい」と思ってもらえることが大切だと思うので、明るく楽しく授業をするよう心がけています

ハノイでの1日:帰りがけにスーパーで買い物

ハノイのスーパーマーケット

週に2回くらい、授業の後にスーパーに立ち寄ります。ベトナムのスーパーはどんどんきれいになっています

以前は買い物かごの中に野菜くずやゴミが入っていることが多かったのですが、最近はきれいになってきました。生鮮食品も新鮮になってきているように感じます。

段々と日本のスーパーに近づいてきています。

ハノイでの1日:軽く夕食、夜はのんびり過ごす

帰宅後は、フライパン1つで作るパスタなどで簡単に夕食を済ませます。

夕食後にシャワーを浴びます。今の私の部屋にバスタブはありません。ベトナム人は基本的にシャワーしか使わないので、バスタブはついていないことが多いのです。もちろん、外国人向けの部屋などバスタブがある部屋もあります。

夜は日本から持ってきた本を読んだり、Facebookを見たり、YouTubeを見たりして過ごします。日本のテレビが視聴できないので、日本にいるときよりもYouTubeの動画を見ることが増えました。

まとめ~好きな国で好きなことをする生活

ベトナムで「手描き地図作家」を目指す私はこんな風に1日を送っています。

日に日に新しい地図やホームページが出来上がっていく毎日はとても充実しています。また、日本語が上達していく生徒たちを見るのも、とても嬉しいことです。

自分のやりたいことに、自分の住みたい国で挑戦してみる生活。「おもしろそうだな」と思った人は、ぜひチャレンジしてみてください。一緒にがんばりましょう。

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