ベトナム旅行をしたり、ベトナムに住んだりするならば、ベトナム語を使ってみたくありませんか。
今、私はベトナムの首都ハノイに住んでいるのですが、正直なところ若い人を中心に英語ができる人は多いです。また、日本語を話すベトナム人も増えつつあります。ベトナム語ができなくても、十分に生活することはできてしまいます。
しかし、外国人が自分の国の言葉を使ってくれたら誰でも嬉しいものです。少しでも多くのベトナム語を使うことで、現地の人とより深くコミュニケーションができるようになることは間違いないのではないでしょうか。
今回は、ベトナム生活や旅行ですぐに役立つ簡単なベトナム語をご紹介したいと思います。
ベトナム語はカタカナ読みでは通じない
ベトナム語の発音は一般にとても難しいと言われますが、実際に生活してみると本当にその難しさを感じます。
たとえば、「ムア」。ちょっとした発音の違いで、
- 雨(mưa)
- 季節(mùa)
- 買う(mua)
- 踊る(múa)
など、意味が異なってきます。
ベトナムの南部には雨季があります。ベトナム語で書くと「mùa mưa」。
ベトナム人にとっては最初の「ムア」と後の「ムア」は全く違う発音になるわけですが、正直最初に聞いたときは「ムア・ムア」と「ムア」を繰り返しているようにしか聞こえませんでした。
つまり、日本語のカタカナ表記では表せないレベルで、ベトナム人は発音をしているということです。
ガイドブックなどによく、簡単なベトナム語がいくつか紹介され、カタカナで発音が書いてありますが、カタカナ読みをしても、英語以上に通じにくいですよ。
カム・オン(ありがとう)が通じやすくなる方法
発音がとても難しいベトナム語。それでも、「ありがとう」ぐらいは現地の言葉で伝えたいものです。私も初めてのベトナム旅行で、ありがとうの意味の「カム・オン」(Cảm ơn)を日本から覚えていきました。
しかし、実際、現地で使ってみるとほとんどと言っていいほど通じません。通じないというより、私がベトナム語をしゃべっていることにすら、気付いてもらえない。
おそらく、私がカタカナ発音でカム・オンと言っても、彼らの耳には外国語に聞こえていたのでしょう。そこで、私はどうしたら、カム・オンが通じるのか試行錯誤してみました。
サンキューと組み合わせる
まず、1番簡単なのは「サンキュー、カム・オン」、「ありがとう、カム・オン」など、サンキューやありがとうと組み合わせる方法です。
このように言えばベトナム人は、外国人ががんばって自分たちの国の言葉を使ってくれていると理解してくれるでしょう。
カタカナ発音のサンキューでも、都市部ならばほぼ100パーセントの確率で通じます。また、ありがとうも観光客向けの店ならば、ほぼ100パーセントの確率で知られている言葉です。
「シン」を頭につける
次の方法は「シン」(Xin)をカム・オンの前につける方法です。カム・オンではなく、「シン・カム・オン」と言うのです。
シンを頭につけることで丁寧語になるわけですが、シンから話し始めることによって、ベトナム人は「この外国人はベトナム語をしゃべっている」と認識しやすくなるようです。
ジェスチャーや雰囲気で思いは伝わる
カム・オンをベトナム人に理解してもらう上で一番大切なのは、実はこれかもしれません。
ベトナム人はカム・オンを言うときに両手を合わせませんが、思い切って両手を胸の前で合わせ、とびきりの笑顔でカム・オンと言ってみてください。この人は感謝しているというのが必ず伝わるはずです。
カタカナ発音のまま、無表情で緊張しながらカム・オンを言っていても絶対に通じませんよ。
「tra」の読み方をマスターせよ
ハノイの有名な通りの一つに、「Tràng Tiền通り」という通りがあります。「この通り、どのように読めますか。おそらく、「トラング・ティエン通り」と読んでしまいがちだと思います。しかし、正解は「チャン・ティエン通り」です。
ベトナム語では、「tra」が出てきたら、「チャ」と発音するのだと頭に入れておきましょう。同様に、「tru」は「チュ」、「tre」は「チェ」、「tro」は「チョ」です。
正しい発音はなかなか難しいですが、意味はわからなくても、街の看板をなんとなくカタカナ読みできるようになります。
冷たいお茶を注文する方法
日本で飲食店に入ると、何も言わなくても必ず 無料の水やお茶が出てきますが、ベトナムでは有料のお茶を頼む場合が多いです。
有料ならば注文しなくてもいいか、とも考えがちですが、実はこのお茶は格安です。だいたいどこの店も数十円。ローカルの店で50円以上でお茶を提供することはまずありえません。
しかし、ローカルの場合メニューに載っていないこともあります。そこで、お茶という言葉を覚えておくと、とても便利です。
さて、ベトナム語のお茶ですが、実は日本語と非常に似ていて「チャー」です。「trà」と表記します。「tra」の発音は既に書いたように「チャ」。
そして「a」の上に斜めに下がった短い線がついていますが、この線の通り、やや下がり目のトーンで発音します。とても簡単ですね。
このチャーに「ダー」をつけてみましょう。「チャー・ダー」(Trà đá) です。ダーをつけることで、ただのお茶から冷たいお茶に変化します。
チャーというより、チャー・ダーの方が、よりお茶が欲しいことが伝わりやすいのでお茶が欲しいときには、「チャー・ダー」と言ってみてくださいね。
勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが、ダーの方には、上向きの短い線があります。これは「上げて発音しなさい」という意味です。
しかし、このチャー・ダーは状況的にも通じやすい言葉なので、あまり音の高低は気にせず、カタナカ発音で思い切って発音してみましょう。きっと、すぐに冷たい美味しいお茶が運ばれてきますよ。
会計を頼むときはジェスチャーも
ベトナムは、例外もありますがテーブル会計が基本です。そのため、食事をし終えたらお店の人を呼ばなくてはなりません。
お店の人を呼ぶときのフレーズは、「ティン・ティエン」(Tính tiền)です。ほとんどのガイドブックで紹介されている言葉です。この言葉は、ありがとうのカム・オンに比べるとかなり通じる言葉です。なので、自信をもって使ってみましょう。
しかし、そうは言っても離れたところにいる店のスタッフに向かって、大きな声で初めての外国語を使うのは恥ずかしいものです。
私はハノイに住んでいますが、いまだに大きな声で 「ティン・ティエン」が言えません。では、どうやって会計をしているのでしょう?
私は、お店の人を会計のために呼ぶとき、いつもジェスチャーをします。鉛筆をもって、文字を書くそぶりをすれば、それが会計をしてほしいという合図です。この方法を使えば、しゃべらなくても会計をお願いすることができますよ。
数の区切りに要注意
ベトナムは、お金の桁数がとても多く、日常的に使うお金の最小額は1,000です。なので、大きい数をマスターする必要があります。
さて、千の位の次の位は何でしょう。もちろん、万の位ですね。そして、その次の位が十万になり、1万、10万、100万、1000万と「万」がつく位が4つ続きます。日本は、一、十、百、千と、0を4つずつ区切って数を数えています。
一方ベトナム語は英語同様、0を3つずつ区切って数を数えます。つまり考え方として、1万は十千となるのです。英語で1万は「ten thousands」です。
具体的にベトナム語の場合、10が「ムイ」(mười)、1000が「モッ・ギン」(một nghìn)です。「モッ」は1を表します。なので、10,000は、「ムイ・ギン」となるわけです。
日本人は3つずつ数を区切って言うことに慣れていないので、最初はベトナム語の数の数え方に混乱しやすいです。
ベトナム語を習得せず英語で生活するにしても、英語の大きな数の言い方はよく確認しておくと買い物などスムーズにすることができるようになりますよ。
ベトナム語の発音練習法
発音が難しいベトナム語、一人で黙々と発音練習をしていてもそれが正しいのかどうかわかりません。しかし、習いに行くまでの余裕がない場合、どのように自主学習を進めたらよいでしょうか。
とても簡単な方法があります。それは、スマートフォンの「グーグル翻訳」アプリを使うことです。グーグル翻訳は音声入力ができるので、ベトナム語で音声入力をするのです。
意図した言葉に翻訳されなければ、発音が間違っているというわけです。そんな時はグーグル翻訳の発音を聞いて、発音の仕方を確認します。
「カム・オン」と発音し、「感謝」と表示されたら、あなたの「カム・オン」はきっとベトナム人に通じますよ。
この方法は他の言語を学習するときにも役立ち、おすすめです。
まとめ
ベトナム語は、発音が難しく外国人の発音が現地の人にとても伝わりにくい言語です。そして都会の人たちは英語も通じるので、街中では英語でコミュニケーションしがちです。
しかし、思い切ってベトナム語を使ってみると、英語が話せる人ともより深いコミュニケーションができるのは確かです。まずは、「サンキュー、カム・オン」からベトナム語を使ってみてはいかがでしょうか。
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