観光地として人気が高く、世界中からたくさんの人が集まるベトナムは今、ビジネス面においても注目の国です。年々海外から進出する企業が増えており、中国からシフトしてくる日系企業も多いです。
近年、物価は上昇しているとはいえ、まだまだ飲食などの生活費は安価。ベトナム人との付き合いにも余計な気遣いは必要なく、人間関係に悩むことはあまりありません。
そんなベトナムでの就職に興味があるならぜひ知っておきたい情報をご紹介していきます。
- ベトナムの就職状況・特徴を知る
- 英語を勉強し幅を広げる
- ベトナムで働く自分をイメージする
- ハノイ、ホーチミンなどの生活状況を知る
- 転職サイトを利用する
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ベトナムで働く魅力とは
経済成長が目覚ましい
ベトナムでの仕事を考えている人の中には「日本とは違う環境で働きたい!」と思っている方もいるのではないでしょうか?その期待通り、ベトナムは日本とは全く違う「刺激的な環境」です。
この20年の間に、ベトナムの1人当たりのGDPは約20倍にも伸びています。ベトナムは経済成長が目覚ましい国でもあり、今後ますます経済が発展していく可能性を秘めています。市場の成長によって、企業の業務拡大なども大いに期待できます。
そんなベトナムで働くことは、成長のエネルギーを肌で感じながら国が発展していく様子を目撃できる、めったにない機会と言えるでしょう。
比較的治安が良い
勢いにあふれる国だということ以外にも、食の豊かさや旧市街の街並みの美しさ、観光スポットの多さなど、ベトナムの魅力はたくさんあります。
しかし何と言っても、親日国で治安が比較的よいことは働く上で大きな安心材料と言えるでしょう。
他にも、特に北部のベトナム語は学習しやすいこと、四季を楽しめることなども、ベトナムを働く地として選ぶ大きな理由となるはず。
ただし、あまりにも湿度が高いこと、曇りや雨の日が多いことなど、メリットばかりではないことも書き添えておきます。
ベトナムで働く方法
ベトナムで働く方法
- 現地採用で就職する
- 日系企業の駐在員になる
- ベトナムのインターンシップをする
- 注意:ワーキングホリデーは不可
現地採用で就職する
ベトナムで就職する方法のひとつが現地採用です。現地採用とは、日本企業の現地子会社やベトナム人を社長とする現地法人と直接雇用契約を結ぶことです。
日本から履歴書などを送って採用が決まるケースと、ベトナムで会社訪問をして採用が決まるケースがあります。
現地の物価をベースに給与が決定されるので、日本で働くよりも所得が少なくなる傾向があります。
仕事内容は、日本語に関わるものがメインです。たとえば、日本企業のベトナム進出を支援する、日系企業へ営業に行く、ベトナム人に日本語を教える、日本料理を作るなどになります。
日系企業の駐在員になる
日本の企業に雇用されている人が海外に派遣される(赴任する)場合、日系企業駐在員と呼ばれます。
日系企業駐在員になるかどうかは、自分で決めることはできません。どの国か、どれくらいの期間滞在するのか、すべて企業が決定します。
日本人駐在員に多い仕事
ベトナムには、日系企業の工場が多数進出しています。そのため、製造業の工場のマネジメントのために駐在員として派遣されている人が目立ちます。
また、商品の販路拡大のための営業拠点となるベトナム事務所の所長や所員も増えてきました。ベトナムに飲食店や小売店を複数出店する際、それを統括する本部に駐在員として派遣されることもあります。
ベトナム駐在員が希望なら、流通・電力関係などに参加している商社などが狙い目です。また、最近は日本人向けの賃貸物件を扱う不動産関係の会社も増えており、日本人の求人も見かけます。
インターンシップをする
日本企業のベトナム法人、また現地企業でも、インターンシップを受け入れているケースがあります。仲介会社を通して探す、直接問い合わせる、大学のプログラムを活用するなどして、受け入れ先を探せます。
ベトナムでインターンシップをする場合、2週間であればビザなしで滞在できます。それ以上の期間は、1か月ビザ、3か月ビザ、1年ビザなどを申請する必要があります。
期間中は無給が多いものの、生活費程度が支給されることもあります。仕事内容は、営業、情報収集、日本語教師などです。
ワーキングホリデーは不可
働いて給与をもらいながら外国に滞在できるワーキングホリデー。特徴は、仕事をしたり観光したり勉強したりと、滞在中に複数の体験ができること。留学するには資金が足りない人がワーキングホリデーを選択することもあります。
ただし、ワーキングホリデーはどこの国ででもできるわけではなく、日本と協定を結んだ国のみで可能です。ベトナムはワーキングホリデーの協定国ではないため、これを利用して働くことはできません。
ベトナムで働く日本人向け求人の特徴
雇用形態・待遇
ベトナム現地採用の場合、正社員という形であっても契約制がほとんどです。2年ごとに労働許可証の更新があること、成果主義を採用している企業が多いことが主な理由です。
また、経験や能力に応じて待遇にかなりの開きが出ることもベトナム求人の特徴です。
最初は給与が低めに設定されていても、仕事で結果を残せば給与がアップします。一方、結果が残せなかったり現地に適応できなかったりすると、日本の会社よりも早い段階で契約が打ち切られます。
必要な語学力
英語など語学力が問われる求人と、問われない求人に分かれます。
営業は、日本人のほかベトナム人、韓国人、中国人と話すことが多いため、ビジネスレベルの英語力が求められます。一方、日本語教師の求人は、日本語がネイティブレベルであればその他の語学力は基本的に求められません。
なお、ベトナム語のコミュニケーション力を必須とする求人はめったにありません。ベトナム人は英語を話せる人が多く、また日本語を話せる人材の雇用も比較的容易だからです。
必要な経験・スキル
ベトナムで3か月以上働く場合、労働許可証と一時在留許可証を取得します。それらを申請する際、同一企業における3年間の就業を証明しなくてはなりません。そのためベトナムで働くには、どの国でかに関わらず少なくとも3年間の就業経験が必要となります。
また、即戦力が求められる傾向があるため、同一職種で経験を積んでいる方が採用や待遇面で有利です。
語学力が問われる求人であれば、応募条件で「ビジネスレベル」と指定されます。
日本語教師の場合は「日本語教師養成講座420時間コースの修了」「日本語教育能力検定試験の合格」「大学・大学院にて日本語専攻修了」のいずれかを満たす必要があります。
ベトナム日系企業で働きやすい職種
多数の日系企業が進出
バイク大国であるベトナムで高い知名度を誇る日系企業がホンダベトナムカンパニー・リミテッド。ベトナムに行ったらホンダのバイクだらけで驚くでしょう。
また、エースコック ベトナム株式会社は、即席めん「ハオハオ」の人気によりベトナム市場シェアが50%を超えました。
小さな子どもがいる家庭で人気なのがヤクルト。ホーチミン市の隣のビンズオン市に大きな工場を構えています。
また、日本の商品を現地で紹介する役割を担っているのがイオンベトナム。2020年6月現在、ハノイやホーチミンエリアに合計5つのモールが出店しています。
日系企業で求められる人材
日系企業はベトナム人労働者の間でも人気があるので、就職希望の人々が集まってきます。しかし、日本人の管理職は足りないのが現状。現地の日本人社長とローカルスタッフをつなぐ管理職的な立場の人材が求められています。
生産業の工場も多く、そのような職場の管理職や品質管理、工場長を務めるなら通訳もいるので言葉の不自由さは感じないでしょう。
また、日系企業では営業職の募集が多く、営業経験のある人材が歓迎されています。さらに、ベトナムではIT関係の営業許可が取りやすいため小さなIT関連の会社も多数あり、エンジニアを求めるところも増えています。
その他、最近は高島屋やユニクロのような販売関係の企業も出店しているので、注目しておきたいところです。
- 品質管理などの工場管理者
- 営業職(セールス)
- エンジニア
- 料理人
- 旅行スタッフ
- カスタマーサポート
採用されやすい職種
ベトナムで圧倒的に求人数が多いのが日本語教師です。常勤、非常勤、ボランティアなど、いろいろな雇用形態で働くことができます。
また、営業も就職しやすい職種です。
海外販路拡大を試みている企業の商品やサービスを売り込む、既存顧客のサポートをするなどの仕事がメインです。一定レベル以上の英語スキルが求められます。
ベトナムには、日本企業の受託先であるIT関連会社が多数設立。現地の日系企業に対する売り込みも盛んです。そこでSE、WEBデザイナー、IT講師の求人が増えています。
資格やスキルがあれば有利
日本の会社での経験を重要視するところもあれば、経験よりも積極的な姿勢や人間性を評価するところもありますが、仕事に必要な資格や技能を持った社会人経験がある人の方が就職しやすくなっています。
また、日系企業であれば簡単な英語のみで就職することも可能です。ただ、ベトナムで働くのでベトナム語が話せると仲間とのコミニュケーションも円滑になります。
ベトナムで働くのに日系企業?と思うかもしれませんが、同僚のほとんどがベトナム人になります。日系企業といえども、社内の雰囲気はベトナムさながらです。
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ベトナムの日本人向け求人・仕事を探す方法
日系企業の投資や進出が活発なベトナム。では、ベトナムで働くための仕事や求人はどのように探せばいいのでしょうか。
転職エージェントを利用する
ベトナムの求人を探す方法のひとつが、日本の転職エージェントの利用です。転職エージェントを利用すれば、自分のスキルや経験にマッチした求人を紹介してもらえます。
日系企業駐在員、現地採用、インターンシップなど、どのタイプの雇用が適しているのか判断に迷うことがありますよね。また、特に現地採用の求人の場合、企業に関する情報を自力で集めることが難しいことがあります。
そうした場合にも、日本の転職エージェントを利用することで効率的に就職・転職活動を進められます。
リクルートエージェント
日系企業駐在員としてベトナムで働きたい人におすすめの転職エージェントです。将来に「海外赴任の可能性有」と記されている求人が目立ちます。
また、「海外工場長候補」「マネージャー候補」など職位が具体的に記されている求人が多く、キャリアアップを目指す人とのマッチングがいいでしょう。
ベトナムの現地採用を目指すのであれば、リクルートグループのベトナム法人であるRGFベトナムの利用をおすすめします。
LHH転職エージェント
スイスに本部を置くアデコグループが運営する転職エージェントです。
一般的に、転職エージェントにはコンサルタントが在籍しています。LHH転職エージェントの特徴は、コンサルタントの名前と顔をすべて公開していること。求職者に対するコンサルティングに特に力を入れていることが分かります。
サイト上で求人の内容を閲覧することは可能ですが、企業名など部分的に非公開の状態です。そのため、詳細を知りたい求人があれば会員登録しましょう。
JACリクルートメント
イギリスに本社がある転職エージェントで、公開されている求人には日本人だけを対象としていないものも目立ちます。
英語の求人は世界中の求職者が閲覧しているため、ライバルも日本人とは限りません。英語を社内共通語としている企業の求人も多いので、英語力に自信がある人、海外駐在を目指す人におすすめです。
なお、日本人の採用を想定している求人は日本語で書かれているため、見分けがつきます。
doda
仕事内容、求人の対象者、勤務地、勤務時間、雇用形態、給与、待遇、休日など、かなり細かく記載するフォーマットが採用されています。そのため、条件や待遇をしっかり確認してから応募したい人におすすめの転職エージェントです。
また、日系企業駐在員候補者の求人も多いので、安定した収入を得ながらベトナムで働きたい人にもおすすめです。現地採用の求人の場合も条件や待遇が詳細に公開されているため、話が進めやすいでしょう。
LinkedInを利用する
LinkedInはビジネス特化型のソーシャル・ネットワーキング・サービスで、その規模は世界最大級といわれています。転職エージェントと比較すると利用料が安価であるため、中小企業を含めた多様な求人が掲載されていることが特徴です。
日系企業のホームページで探す
日系企業のベトナム支社のホームページに求人が掲載されることもあります。一般の求人サイトに募集が出ていない時期にも随時、応募できることがあります。
この会社に就職したい、この職種に応募したいなど目標がはっきりしている人は、直接ホームページを見る方が効率的に探せる場合もあります。
フリーペーパーで探す
日本人によく読まれているフリーペーパー「ベトナムスケッチ(Vietnam Sketch)」には、現地情報のほかに求人情報も掲載されています。ただ、掲載されている求人数はあまり多くないので、一般の求人サイトとあわせて利用することをおすすめします。
なお、フリーペーパーは、ベトナムのイオンモールなど日本が関連する施設などで入手できます。
現地社員の紹介・推薦で探す
ベトナム現地で知り合った社員に紹介・推薦してもらうリラファル採用も増えています。
ベトナム勤務を想定する求人は、マネージャー候補など事業を管理する仕事がメインです。企業側としても、まったく知らない人を雇用するより、人となりや能力が具体的に分かるリラファル採用の方が安心感があります。
さらに、すでにベトナムで働いている日本人が、現地のネットワークを活用して次の会社を紹介・推薦してもらうこともあります。その場合、日本人に限らず現地で知り合ったベトナム人のネットワークが力を発揮することが少なくありません。
ベトナムで働くための就労ビザ
取得が必要な書類と要件
ベトナムで働く場合、就労ビザと労働許可証の2種類を取得する必要があります。
就労ビザは、15日以上ベトナムにいる場合に申請が求められます。取得要件は、パスポートを持っていること、渡航履歴に問題がなく入国管理及び難民認定法に抵触していないこととされています。
また、労働許可証の発行には、健康診断書、犯罪経歴証明書、勤務歴証明書などを提出する必要があります。
ベトナムで3か月以上働く人は、労働許可証と一時在留許可証を取得することになります。労働許可証とあわせて一時在留許可証が発行されたら、就労ビザは免除されます。
日系企業ならビザ取得サポートあり
近年、ベトナムでの滞在ビザ取得基準がコロコロ変わります。就労許可証取得の条件も厳しくなっています。ただし、日系企業に就職するならビザサポートがあるのでそれほど心配はいりません。
契約前の面接時などに、労働許可証関係の取得について会社側に確認しておきましょう。
ベトナムで働く日本人の給料相場と生活費
会社や職種により異なる待遇
ベトナムで働いている日本人の平均年収は、雇用先や雇用形態により違います。
日系企業駐在員は好条件で雇用されている傾向があります。通常の給与に海外赴任手当が付くので、日本にいるときよりも年収はアップします。現地採用の場合、現地の物価が反映されることから、年収は下がる傾向があります。
また、職種や企業規模、経験によっても待遇に差が出ます。たとえばSEは月給15万~40万円、海外営業職は月給35万~61万円、日本語教師は月給10万~15万円あたりが中心です。
現地採用者の給料
安い人件費が魅力のベトナムです。先にも述べましたが、日本での就職と違い、現地採用の場合は収入が低くなることが多いです。
- 営業(セールス):約12万〜30万円
- 一般スタッフ:約10万〜30万円
- マネージャー(管理者クラス):約28万円〜
- カスタマーサポート:約11万〜30万円
- ITエンジニア:約20万〜50万円
- SE:約15万円~40万円
- 日本語教師:約10万円〜15万円
※経験・能力・企業によって異なる
ベトナムでの給与は額面か、手取りか確認する
ベトナムで働く上で一番気になるのがお給料だと思います。
日本では支給総額表示が一般的ですが、海外では手取り額表示のケースもあります。これは、それぞれの国で税金や社会保障の仕組みが複雑なので、給料体系が不明確になるのを避けるためです。
給料額を提示されたら、総額と手取り額どちらなのか必ず確認してください。後者であれば問題ないですが、前者なら「思っていたより手取りが少ない!」となる場合があります。
支給は円?ドル?ベトナムドン?
給料支給通貨の確認も必要です。
私はアメリカドル(USD)支給になっています。銀行でUSDからベトナムドン(VND)にその日のレートで両替し、その月に必要な分だけ引き出しています。
ドンの価値が低いため、また日本へ帰ったときに円に戻しやすいように、ドルで貯金をしています。
ボーナス
ベトナムには旧正月明けの2月もしくは3月に、2カ月分の給料を従業員へ支払う慣習があります。これを「13カ月目の給料」と呼んでいます。
それとは別に、日系企業なら日本のボーナスが支払われることもあるでしょう。日本では夏冬の2回が一般的ですが、ベトナムでは13カ月目の給料がある関係で1回の会社もあります。
賞与については、給料と並んで会社を選ぶ際に重要なポイントとなるので、しっかりと確認しておきましょう。
ベトナム人の平均収入
ベトナム人の平均年収は約30万円で、月収にすると3万円を切る金額です。これは、すべてのベトナム人の平均年収であり、最近は所得格差がかなり開いています。
現在のベトナムではIT企業が勢いを増していることから、高いスキルを持っているIT技術者は年収100万円を超えるケースもあります。また、一定レベル以上の日本語能力があると、平均月収3万円に2万円程度が上乗せされます。
一方、路上で物売りをしている人や、仕事をせずにふらふらしている人も多数存在します。
ベトナムでかかる生活費
給料の目安が分かったところで、生活費を見てみましょう。ベトナムでは物価が日本の3分の1ほどだと言われていますが、実際には生活費はどのくらいかかるのでしょうか?
ホーチミンのワンルームサービスアパートメントで一人暮らしをする、ある20代の日本人女性の場合、1カ月の生活費は約121,000円です。
もちろん、住む場所や家賃、交際費や趣味にかける金額によっても異なるので、節約し月10万円ほどで生活することも可能です。予算と快適な生活を天秤にかけて、自分にとってベストな生活費のバランスを探りましょう。
家賃が会社負担かどうかがカギ
ベトナムでは生活費は比較的安く済みますが、日本人が住む場合の家賃の相場は日本と同じくらいかそれ以上になるでしょう。同じ家を借りても、ベトナム人と日本人では差があるのです。
したがって、就職時の福利厚生として家賃は会社負担にしてもらうことが生活安定の大きな条件になります。
福利厚生はしっかりと確認しておくようにしましょう。
ベトナムで働く際の福利厚生
交通費
私の駐在するホーチミン市内を走る公共交通機関はバス・タクシー・バイクタクシーの3種類です。
会社によっては通勤に送迎が付くこともあるようですが、そうでない場合は自力で勤務先に向かうことになります。交通費を負担してくれる会社もありますが、支給がなければ給料から捻出しなければなりません。
通勤時間帯は道が混み合うため、ベトナムでは小回りの利くバイクタクシーが人気です。2キロほどの道のりで約10,000ドン(約47円)です。
1回分は安いのですが、毎日往復となるとそれなりの出費となるので、交通費の有無と住宅の場所は注意したいポイントの1つです。
家賃補助
ホーチミンは思っているほど安くない
東南アジアと聞くと、日本より安くて豪華な住宅に住めるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、急成長中のホーチミンの場合、そのイメージを大きく覆す家賃相場となっています。
日本人が住めるような設備などが整った住宅であれば、スタジオ・タイプの部屋で月600USドル(約66,000円)くらいが最低ラインとなります。ファミリーで住むような2LDKなどの部屋であれば、月900〜1,300USドル(約99,000~143,000円)ほどとなります。
ホーチミンは近年、高級マンションなどの開発ラッシュが続き、家賃がどんどん高騰しているのが現状です。
「東南アジアだから家賃は安いだろう!」と甘く見ていると、住居を探す際に予算が足りないといった事態に陥るので気をつけましょう。
補助金額の相場は?
会社からの家賃補助額はそれぞれのようで、まるごと全額負担してくれる企業もあれば、一定金額で決まっている会社もあるようです。
私の場合は全額補助が出ており、会社契約の住宅に住んでいます。現地採用の場合、補助が全くないケースもあるようなので、契約の際に確認しましょう。
医療保険
長期間ベトナムで働くとなると気になるのが医療費です。もちろん日本の健康保険は使えないため、基本的には長期の旅行保険など民間の保険を利用することになります。
私の場合、1年間でおよそ15万円ほどかかっていますが、会社負担です。病院を利用した際の自己負担は0円なので安心です。
なお、契約する保険会社によっては使える病院が決まっています。日本人医師のいる病院とそうでない病院があるので、会社が保険を用意しているならどの病院で利用できるのか確認しておくことをおすすめします。
一時帰国航空券の補助額
日本からの出向か現地採用かにかかわらず、多くの日系企業には日本に一時帰国する際の航空券の費用を補助する制度があります。
上述した旧正月の期間中に日本に帰る人が年間を通してもっとも多いのですが、この期間は日本の年末年始同様、航空券の値段も大幅に上がります。
そのため制度があっても、いくらまで補助が出るのかなど細かいところまで事前に確認しておくといいでしょう。
ベトナムで働き始める前に日本で必要な出費
無事にベトナムで仕事が見つかったとしても、喜んでばかりはいられません。出発前に日本で支払いが必要になるものがあります。
ビザ取得の費用
海外で働くために真っ先にやらなければならないのが就労ビザの申請です。
ベトナムの就労ビザを申請する際には、
- パスポート
- パスポートコピーの公正証書
- 証明写真
- 英文の健康診断書
- 就労可能と記された英文の医師の診断書
- 英文の大学卒業証明書
- 無犯罪証明書
と、自分で用意しなければならない書類だけでも多岐にわたります。
そして、ビザの取得手続きには費用がかかります。それを自身で負担するのか会社が負担するのかを必ず確認してください。
ビザの種類によって料金は異なりますが、書類をそろえたり大使館での手続きなどを行ったりするのに30,000円程度は発生すると考えておいた方がいいでしょう。
予防接種の費用
海外に長期滞在するにあたって心配なのが感染症。ベトナムの場合、接種した方がいいとされているのは「A型肝炎」「B型肝炎」「狂犬病」「破傷風」「日本脳炎」の5つです。
これらのワクチンは、医療保険が効かないため1つの接種に10,000円ほどかかります。また1回の接種で終わるのではなく、それぞれ2〜3回程度打たなくてはならないため、すべて終えると100,000円以上になります。
この費用を会社に負担してもらえるかどうかも大事なポイントです。
引っ越し費用
ベトナムで働くためには、当然ながら引っ越しが必要です。もし日本で一人暮らしをしていたなら、住居の解約金や、使っていた家具などを処分したり実家に送ったりする費用も発生するでしょう。
ビザが取れた翌月に出発といったケースも多いです。そうなると空いている業者に頼まざるを得ず、通常より高い費用が発生することもあります。
また、住居を引き払ってから出発までの間、日本でホテルに滞在する場合は、その宿泊代も必要です。
ベトナム就職後の働き方
1日8時間労働が基本
ベトナムでも基本的には1日の労働時間は8時間です。社会主義国のため労働者側に立った規定が多く、労働時間は1週間に最長で48時間と決まっています。
勤務時間は午前8時か9時から午後5時か6時までが一般的。途中にお昼休憩が1時間あり、実質8時間労働となります。早朝から、工場などが多く存在する郊外へ通勤する人が多いですが、ベトナムの朝は交通渋滞が頻発するので遅刻してくる人もたくさんいるようです。また、昼寝をする人もいます。
ベトナム企業は、日曜日が休日・土曜日の午前は出勤というところが多いです。日系企業でも、毎週あるいは隔週で土曜日出勤というパターンが多く見られます。
残業はなし
ベトナムの会社では時間外に働く残業は一般的ではありません。理由のひとつは、ベトナム人は家族との時間をとても大切にすること。就業時間が終わるとすぐに帰宅します。
また、法的にベトナムで認められる残業は200時間以内で、それを超える残業は禁止されていることも理由です。
残業が発生する場合は、超過した時間分の給与が支払われます。ベトナムは規制が厳しいためベトナム人の残業は少ないのですが、日本人は残業が多くなる職場もあります。
ベトナムで働く日本人の一日
現地で実際に働く人のスケジュールを見てみると、ベトナムならではの特徴が分かります。
朝の通勤は、電車がないのでタクシーやバイクタクシーを利用するのが日本人の間では一般的なようです。夜は基本的に残業がないので自炊したり、シェアメイトと外食したり、映画を見たり、ジムへ行ったりと、終業後の時間が充実していることもメリットですね。
詳しくは以下の記事をどうぞ。
祝日は少ない
ベトナムでは残業はほとんどありませんが、祝祭日が日本より少ないため、休暇日数は少なく感じるかもしれません。
ベトナムの祝祭日は1年で6日のみです。祝祭日以外にテトと呼ばれる旧正月で5日間ほどの連休が取れ、合計すると1年で10日程度になります。
休暇制度
日本と同じく有給休暇制度があります。同じ会社で1年間、継続して働いた場合、12日の年次有給休暇が認められます。また、危険な業務にたずさわっている人は、危険度の度合により14日あるいは16日の有休が認められます。
このほか、ベトナムには独自の休暇制度があります。自身が結婚する場合に3日、子どもが結婚する場合に1日、父母・義父母・配偶者・子どもがなくなった場合に3日の有休が認められます。
それ以外に休暇を取る場合は、無給休暇が一般的です。
産休・育休
ベトナムでは産休制度が法的に規定されており、「産前」は2ヶ月以内、「産後」は4か月以内を目安に休暇を取れます。
しかしながら有給ではないため、ベトナム人の女性はあまり長く休暇を取りません。妊娠していてもギリギリまで働き、出産の前日まで出勤する人もいます。そして出産後も、比較的早い段階で職場に復帰するのです。
勤務地が家から遠い、また体力的に厳しい場合は、すぐに職場を変えることも一般的。両親と一緒に住んでいるケースも多いため、家族に子どもを預けるなどして対応しています。
ベトナムの主な産業と有名企業
主要産業
ベトナムの主要産業のひとつが農林水産業。無農薬野菜の栽培も盛んになるなど、新たな事業としても注目されています。
また、ベトナムは魚の消費量が多い国。最近は日本にベトナム産の魚が輸入されることも増え、今後の漁業の拡大も注目点です。
鉱工業・建築業は、外資系企業の工場進出や高層マンション建設ラッシュの影響もあり好調。
中所得者層の拡大により、小売業や飲食業をはじめとするサービス業も主要産業のひとつに仲間入りしました。
現地の大手企業、有名企業
2019年の「Asia300パワーパフォーマーランキング」の100位以内に入ったベトナム企業は3社。25位のビナミルクは、牛乳やヨーグルトを製造している会社です。スーパーやコンビニで必ず見かけるので、ベトナムで働くことになったらきっと口にすることがあるでしょう。
ベトナムの銀行として唯一ランクインしたのがベトコムバンク。メインバンクとして使っている日系企業も多い大手銀行です。
また、84位のペトロベトナムガスは、国営企業の傘下で市場を独占しているガス会社です。
ベトナムの主な有名企業
- 食品のビナミルク
- 銀行のベトコムバンク
- 石油のベトナムオイル&ガスグループ
- ベトナムナショナルペトロリウムグループ
- 通信のViettel telecom
- 電力のベトナムエレクトリシティ
- 通信のベトナムポスト&テレコミュニケーションズグループ など
全体的に、国営企業が多いのが特徴です。
ベトナムで働く日本人の多い地域
ベトナムでは、ハノイとホーチミンに日本人が多く住んでいます。
ハノイ
ベトナムの首都。ホーチミンに比べると若干、経済発展が遅れています。これからの発展を期待でき、働きながらその経済成長を感じられる地域です。
ホーチミン
経済の中心地ホーチミンがあるベトナム南部では地震も台風もなく、テロに関しても2018年1月現在までに問題はありません。
仕事・生活をする上での障害はなく、特にホーチミンのレタントン通りは日本人街として知られています。
ベトナムのビジネス文化
郷に入れば郷に従え、と言いますよね。ベトナムに就職すれば同僚は基本的にベトナム人です。ベトナムで働くなら知っておきたい、ベトナム人の仕事に対する考え方や価値観についても少しご紹介します。
プライドが高いベトナム人
ベトナムでは学歴がそのまま就職先に直結するため、特にホワイトカラーの人たちはプライドの高い人が多いです。
もし部下を注意したり、叱ったりする立場になったとしても、大勢の前で大声で怒鳴るようなことは避けてください。相手の顔を立てて、皆が見ていない時にポイントを押さえて注意しましょう。
些細なことでもベトナム人に聞いてコミュニケーションを取っていくうちに、彼らと働く仕事環境になじめると思います。
ベトナム人が会社を選ぶ基準とは?
ベトナム人が重視することは、自宅から勤務先までの距離です。
日本では1時間かけて出勤することは普通にありますが、ベトナムではありえません。というのも、ベトナムはバイク社会。遠い勤務先は少々待遇が良いぐらいでは敬遠されてしまうのです。
とはいえ、給料・福利厚生・会社の評判などは考慮されるポイントです。
ベトナム就職体験!ベトナムでの仕事を決めるまで
ベトナムで就職・転職する理由や目的は人それぞれで、実際に働くまでのストーリーも人それぞれです。
- 日本とは違う環境で働いてみたい
- ベトナムの経済成長を感じてみたい
- ベトナムの雰囲気が好き
- 自分の時間を充実させたい
実際にベトナムで現地採用として就職を果たした日本人の体験談を読んで、自分の働く姿をイメージしてみましょう。
新卒でベトナム就職に挑戦
日本での就職経験がないままベトナムで働くことを選ぶ人も増えてきています。ビザの要件が厳しくなったとはいえ、しっかりと申請すれば就労ビザを取れるのがベトナムのいいところ。
20代前半で海外の良さや厳しさを経験しながらスキルアップにチャレンジすることが可能です。
まとめ~自分の可能性にチャレンジ!
同じアジアとはいっても、日本とは違う点がたくさんあるベトナム。すでに大きく経済成長を遂げた他の東南アジア諸国ともまた異なる雰囲気を持ち、熱気とエネルギーを感じながら働けるはずです。
大きな可能性を秘め、どんどん発展するベトナムで、眠っているかもしれない自分の可能性にチャレンジしてみませんか?ベトナム就職を成功させて、人生をもっと面白くしましょう!
ベトナム就職・ベトナム転職するには
今すぐのベトナム就職・転職を考えていなくても、転職サイトに登録しどんな求人があるのか見ておくのがおすすめです。
ベトナムの求人状況は日々変化しています。「ベトナム就職・転職に興味がある」という人は、いい条件の求人やスカウトがないか、まずは気軽に探してみましょう。
求人を見れば、職種や給与、待遇の傾向がつかめてきます。すると、ベトナムで働くあなたのイメージが具体的になるので、就職・転職の成功率はぐっと高まりますよ!
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