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語学学校てどんなところ?フランス語学留学体験

学校

フランスでの語学留学が初めての方は、語学学校は一体どんなところ?どういう雰囲気?フランス語がまったく話せなくても大丈夫?などと、不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

私は36歳で、初めての語学留学を決心しました。しかもそれまでフランスに行ったこともなければ、渡仏した時はほとんどフランス語を話せなかったのです。さらに、無謀にも、敢えて日本人の少ない学校を選んでしまい、当初は予想外に苦労しました。

ここでは、フランスのニースの私立語学学校に合計1年間通った、私の体験談をご紹介していきます。学校によってもそれぞれ特色が異なると思いますので、ひとつの参考にしていただければと思います。

目次

留学の入校日に待ち受けていたこと

前述したとおり、私は渡仏時まったくと言って良い程、フランス語が話せませんでした。ですから留学前の語学学校とのやり取りは、日本の留学エージェントを介していました。

エージェントから、「入校日にクラス分けのテストがある」とは聞いていました。通常、クラスはレベルによって振り分けられるのです。ちなみにフランス語のレベルはA〜Cで分類されています。

例えば、入門(Débutant)はA0、初級(Élémentaire)はA1〜2、中級(Intermediaire)はB1〜2、上級(Avancé)はC1〜2、というようになっています。

留学エージェントからは、私が入校する日はすでに入門クラスの授業は開始しているので、初級クラスしかないと言われていました。

私は、渡仏までの3ヶ月で、レベルゼロから初級レベルまで上げようと、ほぼ独学でフランス語を勉強しました。しかし、この考えは甘かったと、後で知ることになりました。

待ちに待った入校日、学校に着くと受付があり、名前を言うと「テストまであちらで少し待っていて下さい」と言われました。正確に言うと、恐らくそう言っていただろう、です。

指定時間の10分程前に着いたと思いますが、すでにたくさんの生徒が集まっていました。留学が初めてだった私は、外国人だらけの中で不安でいっぱいでした。

クラス分けテスト

教師が来て、テストの説明をフランス語と英語で始めました。なんと、筆記とヒアリングがあるというではないですか!簡単なミニテストだろうと思っていた私は、数ページにも渡るテスト用紙を渡され、一気に血の気が引くのを感じました。

完全にあなどっていました。確か筆記が50問、ヒアリングが50問ほどあったと思います。まず質問の量に気が動転し、読んでもまったく分からなくて、ただただ焦って時間が過ぎるだけでした。結局数問しか記入できず、魂が抜けたように一人呆然としていました。

そんなボロボロの状況で、今度は面接があると言うのです。もう勘弁してくれ、という感じでした。面接は生徒2人ずつでしたが、簡単な自己紹介くらいしかできず、完全にノックダウン状態でした。

最後に、その日入校の生徒全員を集めて、オリエンテーションがありました。フランス語と英語で学校の説明をしていましたが、私にはほとんど理解ができませんでした。

周りの生徒は理解しているらしく、みんな教師の話に笑ったりしていましたが、私はまったくついていけず、「明日からどうしよう……」と焦燥感に駆られていた記憶があります。

留学情報誌やサイトの「留学経験者からの一言」で、「留学する前にある程度フランス語を勉強しておいたほうが良い」というアドバイスをたくさん見ましたが、それは本当だったと、その時に強く実感しました。

クラスの雰囲気

クラスルーム

クラスは10人ほどの少人数でした。生徒の国籍は豊かで、特に多かったのがスイス人。お隣の国だからでしょうか、学校がスイスの学校と提携を組んでいて、団体で来ることもありました。

次に多かったのがコロンビア人やスペイン人。他にもウクライナやブルガリア、ドイツ、ロシアなど様々な国から来ていましたが、アジア人は少なめでした。

時期によって、年代、国が違う

実は、私はある学校に6ヶ月、もう一つの学校に6ヶ月と、合計2校通いました。1校目は4月から夏にかけて行ったので、バカンスを兼ねて来る生徒がたくさんいました。ですから生徒の年齢は10代後半から20代前半がほとんどでした。

逆に2校目は、秋から冬にかけて通ったので、生徒の数もそれほど多くなく30代も多かったので、私にとても合っていました。

このように時期によってもクラスの雰囲気は違いますので、留学の時期を決める参考にしてみてください。また、2〜3週間という短期間で来る生徒も多かったので、クラスの入れ替わりはとても激しかったです。私が6ヶ月通うと言うと、みんなに驚かれました。

授業内容

授業

最初の授業で、学校が制作したテキストを配布されました。それに加え、教師が毎日用意するプリント用紙を使って授業が進行されました。

入門クラスや初級クラスでは、基礎となる文法や動詞活用、単語を中心に習いました。とにかく練習問題の数をこなしました。

フランス語は人称によってすべて動詞が活用するので、それを覚えるのが大変でした。また男性名詞と女性名詞があり、日本語にはそんなものはないので、これもまた覚えるのに苦労しました。

プリントやテキストで読み書きの練習をたくさんしましたが、もちろん会話の練習もしました。隣りの生徒とロールプレイングをしたり、また毎日のように「昨日何をしましたか?」という質問をされるので、知ってる単語を並べて必死に答えていたのを覚えています。

授業はもちろんフランス語ですが、当時レベルゼロの私が不思議と教師の言っていることが分かったのは、やはり教師の教え方が良かったからでしょうか。

中級クラスになると、ビデオを見て感想を述べたり、新聞の記事を読んで要約したり、自分の考えをまとめて長い文章を作ったりと、授業内容も難しくなりました。パワーポイントを使って、みんなの前で日本を紹介するプレゼンテーションをしたこともあります。

宿題は毎日必ず出されました。プリント用紙を数枚渡され、翌日の授業で答え合わせをします。授業は午前中で終わりで、午後いっぱい自由時間があるので、私は勉強がてら図書館に行って宿題をやることもありました。

というのも、入校して3ヶ月くらいで、周りの生徒との差が生じ、授業についていけないと感じたのです。英語やスペイン語、イタリア語などはフランス語ととても似ているので、そういう言語を話す人にとってはフランス語はそう難しくないのです。

一方、日本語とフランス語は何一つ似ているところがないので、他の生徒と差が出てしまうのは当然のことなのですが、私はとても焦りを感じてしまいました。それで、学校が終わってから図書館で自習するようになったのです。

休憩時間

学校

選択するコースにより異なりますが、私はスタンダードコースを選んだので、授業は毎日8時45分から12時までの3時間でした。合間に休憩が15分入ります。

生徒たちは休憩時間になるなり教室の外に出て、中庭でおしゃべりをしたり、外にコーヒーを飲みに行ったりしていました。

ここで、入門レベルの生徒たちは、同じ国の人たちでグループが出来ていました。なぜかというと、このレベルだとフランス語はまだあまり話せないので、母国語や英語が話せる人たちで固まってしまうからです。

私は英語が流暢に話せるほうではなく、周りに日本人もいなかったので、初めの頃は孤独を味わいました

当時36歳だった私にとって、周りが20代前半と若い生徒ばかりだったので、尚更そういうグループに入る勇気がなかったからです。ですからこの15分は私にとってはとても苦痛でした。

初級から中級レベルになると、自分の意見などもフランス語で表現できるようになり、色々な国の生徒とフランス語で話せるようになりました。また同年代の友達もできて、ようやく楽しくなってきたのを覚えています。

積極的に外国人と溶け込める性格の方は問題ないと思いますが、そうでない方は、初めは辛抱が必要かと思います。

かといって日本人が近くにいて、ずっと日本人同士で固まって日本語ばかり使っていると、フランス語はまったく上達しないので、何のために語学留学に来たのか分かりません。これは休憩時間に関わらず、日常生活においても言えることです。

アクティビティー

ほとんどの学校では、授業外のアクティビティーを提案しています。これが何かというと、近郊の街やモナコの半日観光、サントロペに週末一日観光、ダイビングやラフティングなど、参加したい生徒を募集し、引率者と一緒に行動することです。

私は参加したことがありませんが、友達を増やしたい人や、誰かに案内してもらうのが好きな人には良いかもしれません。実際、このアクティビティーで他のクラスの生徒と仲良くなった、という話も聞きました。

ちなみに、アクティビティーは無料ではありませんので悪しからず。

ホストファミリー

短期でも長期でも、滞在先を決めなくてはなりません。ホストファミリー、学生寮、ホテル、アパート、シェアハウスなどが挙げられますが、私は悩んだ結果、ホストファミリーを選びました。

なぜかというと、フランス人の家庭に入ることで、フランスの文化や習慣を肌で感じることができると思ったからです。そして何より、常にフランス語を話す環境に身を置くので、フランス語の上達が早いと思ったのです。

これが大正解でした。私のホストファミリーは、一人暮らしをしている70代前半の女性でした。まったくフランス語が話せなかった私に、いつも分かり易くゆっくり説明してくれたり、紙に書いてくれたりと、とても気の長い優しい方でした。

私がフランスに到着したのが土曜日の夕方で、学校は月曜日から開始だったので、日曜日にわざわざ一緒に学校までの行き方を案内してくれました。すでに数十人という学生を受け入れているマダムですが、ここまでしてくれたのは私だけだったようです。

朝食と夕食込みのプランを選んだのですが、料理も大変上手な方で、毎日ワインに前菜、メイン、デザートと、ビストロにいるかのようなご馳走を出してくれました。

私は3ヶ月滞在したのですが、2部屋あったので、もう一人生徒がいる時もありました。オーストリア人の50代の女性、ドイツ人の20代の男性と一緒になりましたが、二人ともとても良い方だったので、快適に問題なく生活できました。

ホームステイは一丁両端があります。ホームステイを経験した周囲の友人から、ひどい体験話を聞いたこともあったので、半ば賭けのようなものでした。

実際、私のホストファミリーは大当たりでしたが、同じ学校の生徒の中には、「冷蔵庫の中の物を勝手に食べなさい」とか「外で買った物を家に持ち込まないように」などと言われ、ストレスを感じている人もいました

私はマダムととてもよい関係になり、3ヶ月滞在した後はアパートを見つけて一人暮らしを始めたのですが、それ以降も家に招待してもらったり、連絡を取り合ったりと、第二の母と呼べる程の関係になりました。

まとめ

初めての語学留学は、不安なことがたくさんあると思います。私は無防備な状態で飛び込んでしまったので、とても苦労しましたが、振り返ればそれがとても良い経験となっています。

またクラスには様々な国の生徒がいるので、フランスの言語や文化だけでなく、他国の文化や習慣なども学ぶことが出来るので大変興味深いです。

私は学校で知り合ったノルウェー人のご夫婦と仲良くなり、卒業後も連絡を取り合い、毎年彼らがニースに来る度に会う程の仲になりました。ノルウェーに一人で旅行した時は、彼らの家に泊めてもらったこともあります。

このように、語学学校では人との貴重な出逢いもあります。

語学留学をしようか迷っている方は、是非挑戦してみてください。努力は必須ですが、日本にいたら出来ない経験が、たくさんできるはずです。

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この記事を書いた人

36歳にして語学留学を決意。16年務めた会社を潔く辞め、フランス語会話力ほぼゼロで単身渡仏。
何とかなる精神で山谷乗り越え、1年で帰国のはずが、フランス人との運命の出逢いによりニースに根を下ろす。

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