東南アジアの発展途上国カンボジア。とはいえ、首都プノンペンにはたくさんの外国人やビジネスマンが生活しています。外務省の統計によると、登録在住者だけでも日本人は約3,000人(2017年10月1日現在)います。
私は2016年5月から約半年間、そのプノンペンの旅行会社に在籍していました。主に在住日本人をターゲットにした旅行会社です。ここでは、そのツアーデスクで働いていた当時の私の一日をご紹介します。
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カンボジアで働く一日の朝
07:30 起床
寒くてベッドから出たくない……なんてことはありません。
常夏の国カンボジアは、若干の寒暖差はあるものの、基本的に年中暖かい気候です。それゆえ、朝の目覚めの爽やかさたるや!「おっはよ〜!」という感じで、毎朝勢いよく目覚めることができます。
朝日が美しい
見てください。自宅のベランダより撮影したものです。
季節関係なくほぼ一年中、この素敵な朝日を見ることができます。なんだか良い一日を過ごせそうな、幸先良さそうな、そんな予感がしませんか?
この朝日と共に目覚め、支度をします。
08:00 朝食
カンボジアでは、基本的に朝食は外食です。
家で作ることももちろんできますが、外で食べた方が早い!安い!そして美味しい!この三拍子が揃えば、もう家で作る理由はないですよね(と、自炊をしない言い訳になってしまっていますが……)。
注文したらすぐに出てきます。値段は2,000リエル(約50円)から様々です。自宅近くのお店、道端、屋台と、至るところで簡単に朝食を手に入れることができます。
写真は、屋台で朝ごはんを売っている様子です。
カンボジアの鉄板朝ごはんといったらコレ
在住日本人に「カンボジア料理で一番好きなものは?」と聞くと、半数以上の人がこう答えるのではないでしょうか。
「バイサイチュルーク!」
- バイ=ご飯
- サイ=肉
- チュルーク=豚
つまり、「ぶためし」です。
ご飯の上に焼いた豚肉、運が良ければ卵焼き、さらに運が良ければお漬物やスープも付いてきます。
同じお店でも、その日の材料仕入れ状況によって卵が付いていたりなかったり、はたまた、店主の気分で卵焼きだったり目玉焼きだったりと様々です。お漬物の具材も、日によって、さらには行った時間によっても違うことがあります。
これ全部で1ドル(約100円)です。なんてコストパフォーマンスの良いこと。
在住日本人にも大人気のバイサイチュルークはカンボジアの朝ごはんとしては鉄板です。何を食べようか迷ったら、とりあえずコレ。朝からにんにくたっぷりのぶためしを食べて、一日の好スタートを切りましょう。
カンボジアで働く一日の午前
08:30 出発
朝ごはんをしっかり食べ、心もお腹も準備万端です。出かける前に、忘れ物がないか確認します。お財布、スマホ、仕事道具、そして戸締り。防犯対策も忘れずに。
いざ、出勤です!
プノンペン名物、渋滞!
発展途上国の首都や大都市にありがちの渋滞。プノンペン在住者にもとんでもない渋滞が待ち受けています。
信号は一応ありますが、守る人は半数以下。おそらく、ルールを分かっていないのでしょう。「赤でも青でも、とにかく進めー!」といった状態です。
交差点では、大型車、自家用車、バイク、自転車、トゥクトゥク、歩行者が入り混じり、カオス状態です。それぞれが行きたい方向を主張し合い、「譲らないぞー」といった感じ。朝からけたたましいクラクションの音で、完全に目が覚めます。
信号が本来の機能を果たしていればこんなことにはならないのでしょうが、ここはカンボジア。郷に入れば……ですね。毎朝毎朝、カオス状態の交差点を何箇所もなんとかクリアし、オフィスに向かいます。
09:00 出勤、午前の業務開始
渋滞を乗り越え、若干の疲労を感じつつもオフィスに入ります。
最初にやることはカンボジア人スタッフの出勤チェック。出勤時間にオフィスに来る、そんな日本人にとっては当たり前のことも、彼らにとってはちょっと違います。今日はちゃんと時間通りに全員揃っているかな……と、毎日心配です。
もし来ていないスタッフがいれば、間髪いれずに電話です。
「もしもし、おはよう。もう出勤時間を過ぎています。早く来て」
カンボジア人独特の時間感覚
遅刻の理由は「渋滞」がほとんどです。渋滞なんて毎日あることだし、その分、少し家を早く出るとかできないのかな……とも思いますが、そうです、ここはカンボジア。
初めの頃は、カンボジア人の時間に対する感覚にどうしても慣れなくてイライラしてしまうこともありました。でも、今となってはこれも普通になり、「オーケー。遅刻した分、今から頑張ってね〜」と伝えることにしています。
遅刻したスタッフを待っていると自分の仕事まで遅れてしまうので、先に始めます。
時間感覚の違いをいかに埋めるか
日本とカンボジアの時差は2時間。とはいえ、こちらの勤務開始時間9時には日本はすでに11時。たかが2時間、されど2時間です。業務の中には日本本社とのやりとりを必要とすることもあるので、この2時間のズレは小さいようで大きいです。
まずは、大急ぎでメールのチェック。旅行会社なので、急な変更やキャンセルはつきものです。緊急性の高いものから片付けていきます。
ここで重要なのが、カンボジア人に同じ感覚で仕事を進行させる、ということ。例え、私たち日本人が緊急性が高いと判断して急いで対応してほしかったとしても、相手のカンボジア人の感覚が違っていては「ごめんなさい、忘れちゃった〜」なんてことにもなりかねません。
まずは、相手のカンボジア人に状況を説明し、きちんと理解してもらいます。相手の理解さえ得られれば、あとはスムーズにことが運ぶはずです。
現地スタッフを通した方が話が早い
メールチェックと同時進行で、既存案件と新規案件の手配を開始します。フライトやバスの予約、ガイドや通訳の手配など、業務内容としては多岐に渡ります。これらに関しては特に言語的な問題から、カンボジア人の手を借りないことには進みません。
旅行業界なので、英語を話せる人がほとんどです。でも、やっぱり同じ言語同士でやりとりをした方がスムーズに進み、片付くのが早いです。
午前中は終始バタバタしていますが、なんとか乗り切ります。
カンボジアで働く一日の昼と午後
12:00 ランチ、外出
会社によって異なりますが、お昼休憩は2時間あります。「12:00-14:00 Closed」こんな看板をドアに下げてオフィスを完全に閉めます。
2時間にしている理由は、カンボジア人スタッフが一度家に帰るからです。家に帰って、家族と食事をして、少し昼寝をして、午後また出勤する。スタッフ達は、そんな毎日を送っています。
「家族愛があるな。素敵だな」と思いつつ、日本人スタッフはカフェに行って時間をつぶしたり、オフィスに戻って昼寝をしたり、はたまた早めに仕事を始めたり、と様々です。
私は、カフェに行ったり、家に帰って洗濯をしたり、色々と有意義に(?)使わせてもらっています。
14:00 午後の業務開始
午後もやりますよ、スタッフの出勤確認!ランチ時間に移動するカンボジア人が多いのか、お昼渋滞なるものも存在します。朝ほどではありませんが、交差点には再びカオスが訪れます。
2時間も休んだのだからもう十分でしょ、そう思いますが、ここはカンボジア。遅刻して来たスタッフにも「では、午後も頑張りましょう〜」と伝えることにしています。
午後は車で外回り
午前とは異なり、午後は外回りに行くことが多いです。航空会社やバス会社への支払い、お客様からの集金などなどです。
大金を扱うことが多いので、移動は社用車にしています。自転車移動の方が小回りが効くので本当はその方が好ましいのですが、それだと危険が伴うことが多いです。防犯対策はいつも心がけていなくてはいけません。
その日と翌日の業務内容確認
既存案件、新規案件の進捗をスタッフ間で共有し、翌日やるべき業務をまとめます。カンボジア人は定時15分前くらいからザワつき始めるので、その前に次の日のタスクを確認しなければなりません。
日本人だけが頑張るのではなく、日本人とカンボジア人が同じ感覚で仕事をすることが重要です。お互いがお互いの文化を尊敬する、よく言われる一般論ではありますが、実践するのはとても難しいですね。
18:00 退勤
退勤時間だけはしっかりと守るカンボジア人スタッフ。まだあの案件終わってないでしょ〜と心の中で言いつつ「今日も一日お疲れさまでした〜」と笑顔で送り出し、その日の業務は終了です。
カンボジアで働く一日の夜
18:30 カフェでネットサーフィン
そのまま帰宅するのもなんだかもったいないので、退勤後はいつもカフェでネットサーフィンをしています。実は、プノンペンはカフェ天国です。遂にStarbucksも進出し、在住外国人の憩いの場となっています。
そのStarbucksへ行ったり、お気に入りの小さなカフェに行ったりと、カンボジアにいることを忘れてしまうような優雅な空間で一人の時間を過ごします。
友人と頻繁に遭遇
日本人、みんな考えることは似ているのでしょうか……。退勤後のカフェタイムに、在住仲間に遭遇する確率がとても高い!プノンペンはコンパクトシティーです。それゆえ、友人に偶然会う可能性はそもそもかなり高いんですが、それにしてもかなり会いますね
そんな状況なので、一人の時間を過ごすこともあれば、たまたま居合わせた友人と一緒に過ごすこともあります。もしくはお互いのタスクを終わらせてから、ご飯に行ったりすることも。
彼らの存在が励みにもなるので、私にとってカフェはパワースポットでもあります。
20:00 夕食、友人と待ち合わせ
プノンペンには本当にたくさんの日本食レストランがあります。本格派割烹料理屋から居酒屋まで様々で、もしかしたら日本にいた頃より日本食を食べる機会が多いかもしれません。
友人と待ち合わせをして、まず確認するのが移動手段です。もちろん公共交通機関なんてありません。
- 車?(ドライバー付き?自分で運転?)
- バイク?(自分で運転?後ろに乗る?)
- トゥクトゥク?(お店の外で待たせておく?食事が終わったら呼ぶ?)
- 自転車?(自分で運転?帰りが遅くなったら危ない?)
移動手段によって帰るべき時間が決まってくるため、その日の移動手段をお互いに確認するのです。
防犯対策には、いつでも気をつけていなくてはいけません。闇が深まれば犯罪発生率も高くなります。自分の身の安全は自分で守ります。
ただ一つ、終電の時間を気にしなくていいのは本当に幸せです!
とりあえず「ビアモーイ!」
カンボジアはビールが安い!ペットボトル500mlの水と缶ビールの値段が一緒です。ビールジョッキ1つは2,000リエル(約50円)。
そんなわけで、とりあえずビールです。カンボジアでの飲み会は「ビアモーイ」という一言と共に始まります。
- ビア=ビール
- モーイ=1(数字)
「ビアモーイ!(ビール一杯くださーい!)」という掛け声で一日の疲れが取れます。
22:00 帰宅
繰り返しになりますが、帰る手段が何であれ細心の注意を払います。どんなに楽しい飲み会だったとしても、どんなに酔っていたとしても、防犯対策を忘れてはいけません(私はお酒は強い方ですが、カンボジアでは飲む量を少し制限しています)。
帰宅後の戸締りにも細心の注意を払います。どんな犯罪に巻き込まれるか分かりません。
24:00 就寝
排気ガス、埃など、目に見えない汚れをたくさん浴びているので、夜のシャワータイムは至福のひとときです。しっかりシャワーを浴び、さっぱりしてから寝ます。灼熱の太陽を浴びているのでスキンケアも忘れずに。
さて、長い長い一日が終わりました。
渋滞にはまったり、防犯対策をしたり、カンボジア人に気を遣ったり……。日本にいた頃にはあまりなかった経験なので、慣れるまでは大変でした。家に帰った瞬間ベッドに倒れこみ、そのまま朝を迎え慌てて準備、なんてことが何度もありました。
それも、今となっては少し慣れてきました。もうすぐ在住3年目に突入するので、半分日本人、半分カンボジア人のようになってきたのかもしれませんね。
まとめ~日本と比べるのではなくカンボジア流を楽しむ
ここ数年でカンボジアには多くの日本企業が進出し、より日本との関係性も深くなっています。
2014年6月にはイオンモール開業、2016年9月には日本(成田)からの直行便就航と立て続けに日本・カンボジア間でのイベントがあり、在住者の生活も大きく変わりました。
防犯対策を含め、いろいろな面に気を遣わなくてはいけないので終始少し疲れ気味ではありますが、基本的にはシンプルライフ、スローライフです。日本と比較して優劣を付けるのではなく、日本は日本、カンボジアはカンボジアとして毎日を過ごしていこうと思います。
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