ミャンマーは食文化の宝庫です。中国とインドと国境を接しているため両国の食文化の影響を受けています。
中国由来であることが明確な食べ物(例:焼売、春巻、肉まん)と、インド由来であることが明確な食べ物(例:サモサ、ビリヤニ、ナン)があります。
中国とインド両国の食べ物が合わさり、ミャンマーに根付いたと思われる食べ物もありますし、ミャンマーに元からあった食べ物もあることでしょう。とにかくミャンマーは食べ物の種類が豊富なのです!
今回はミャンマーの麺料理にフォーカスします。ミャンマー麺料理の代名詞「モヒンガー」の作り方を紹介します。
モヒンガーとは何か?
モヒンガーとはミャンマー麺料理の「定番中の定番」です。米粉で作った細い麺にナマズ出汁のスープと豆粉の入ったとろみがかったスープをかけ、トッピングをのせて食べます。
トッピングはゆで卵、豆や野菜の天ぷら、刻んだコリアンダー、薄切り玉ねぎが定番です。見た目は辛そうに見えますが、必ずしも辛いとは限りません。マイルドな味付けのモヒンガーもあります。
スープがポイント
ポイントはスープです。スープの辛さで味が決まります。辛い物がお好きな方はトッピングでチリパウダーを入れるとよいでしょう。
モヒンガー1杯の量はそれ程多くはありません。モヒンガーには日本のラーメン店で使われているような深めのお椀は使いません。それよりもやや浅く、平たいお皿に盛りつけられて出されます。
レンゲで食べる
ミャンマーではモヒンガーを食べる時に箸は使いません。モヒンガーを食べる時は必ずステンレス製のレンゲを使います。このレンゲを使うとモヒンガーの麺を簡単に一口大に切ることができ、スープと一緒に口へ運ぶことができます。
ミャンマーでは汁物のお椀やご飯が盛られたお皿に直接口をつけて食べることはマナー違反とされています。そのため、このステンレス製のレンゲは実に理にかなっているのです。
モヒンガーを食べる時だけでなく、ステンレス製のレンゲはミャンマーでよく使われています。
おかずを取り分ける時、デザートを食べる時、料理をする時にも使われます(日本の大さじ、小さじと同じように使われます)。私のミャンマー人の知人が言うには「ステンレス製のレンゲはミャンマーのどの家庭にも必ずある。」とのことでした。
モヒンガーはいつ食べるのか?
私がこの質問をしたところ、ミャンマー人の知人は次のように答えました。
- 「特に決まりはない。いつでも好きな時に食べていい。」
- 「法事などで多くの人が集まる時によく食べられている。」
- 「ミャンマーには早朝からオープンしている食堂や屋台が多いから、出勤前の人々が朝食としてサッと食べられるものとしてモヒンガーがよく選ばれる。」
この話を聞いたとき、私は日本人がそばを食べる感覚と似ているなと思いました。そばは朝、昼、晩、好きな時に食べられます。通勤や通学で忙しい人々のために、日本の電車の駅には早く食べられて、しかもお得なそば屋が多く見られます。
今はあまり見られなくなりましたが、かつて日本には引っ越しの際に「引っ越しそば」を振る舞う習慣がありました。多くの人々が集まった時にそばを振る舞う日本の習慣と、ミャンマーでモヒンガーを振る舞う習慣が重なって見えました。
モヒンガーの材料
モヒンガーは各家庭によって味が異なると言います。これは私のミャンマー人の知人から聞いたモヒンガーの作り方です。
ご参考までにどうぞ!
<モヒンガー材料(目安:5人分)>
- モヒンガーの麺(ビーフン)適量
- 米粉:300g~350g程度
- 水:適量
- 塩:大さじ1
- 味の素:少々
- ナンプラー:少々
- ナマズペースト(サバ缶で代用可)250g
- ゆで卵:5個(人数分。1人1個。)
- 玉ねぎ:大2~大3個程度
- レモングラス
- バナナの茎
<トッピング>
- レンズ豆の天ぷら
- コリアンダー
- 薄切り玉ねぎ
- チリパウダー
- ライム汁
- スライスしたゆで卵
モヒンガーの作り方
- 米粉を鍋に入れ、水を少しずつ加えながらよく混ぜる。水は使用する鍋の7分目くらい入れる。
- 塩と味の素を入れる。好みでナンプラーを入れる。
- スープを火にかけて、米粉の香りが消えるまでよくかき混ぜる。スープを火にかける時間は30分から45分。手を止めずにスープをかき混ぜ続けることがポイント。
- ナマズペースト(サバ缶)を入れる。スープの量は常に鍋の7分目をキープする必要があるので適宜、水を加える。塩と味の素で味を調える。
- 玉ねぎ、レモングラス、バナナの茎を入れ、火が通るまでよく煮込む。スライスしたゆで卵をスープの中に入れる。
- ゆでた麺をスープ皿に盛り付け、スープをかける。自分の好きなトッピングをのせたら完成!
<ポイント>
- 米粉の香りが消えるまで、スープをかき混ぜ続けること。
- 米粉の香りが消えるまで、ナマズペースト(サバ缶)は入れないこと。
日本でモヒンガーを作りたい人へ
日本でナマズのペーストを手に入れるのは難しいでしょう。ナマズのかわりにサバを使ってモヒンガーを作っている人の話を聞いたことがあります。サバ缶でOKです。
玉ねぎは一口大の角切りにするといいと思います。ミャンマーの玉ねぎは日本のものより小さい(ゴルフボールくらい)ので、よく洗ったあと包丁で切らずにモヒンガースープにそのまま入れられています。
レモングラスは香りづけに、バナナの茎は食感が楽しめるのでモヒンガー作りには必要なのですが、日本での入手は難しそうですね……。
麺はビーフンを使います。日本の素麺でも代用できますよ。
まとめ
私がミャンマーに住んでいた頃、ある駐在員の方がこう言っていました。
「お酒をたくさん飲んだ日の次の日になぜかモヒンガーが食べたくなるんだよね。」
その方は思い当たることを自分なりに分析して、ある答えを導き出しました。答えは「ターメリック」。つまり、「ウコン」です。モヒンガーのスープにはウコンが使われています。ウコンは二日酔いに効果があると言われています。
後日、「モヒンガーを食べると二日酔いがすっきりする答えがわかったぞ!」と嬉しそうに語るその方の姿を今でもよく覚えています。
二日酔いが気になる方はお酒を飲んだ日の翌日にモヒンガーを食べてみてはいかがでしょうか?
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
ミャンマー転職の進め方とは?ミャンマーへの転職を成功させる方法
【ミャンマー求人】未経験からでもミャンマー就職を狙える転職サイトまとめ
あわせて読みたい