アジア最後のフロンティアと呼ばれるミャンマー。民主化が進み、経済成長が期待される国として注目を集めています。
実際、ミャンマーは近年、日系企業の進出が急激に増加している国の一つ。インフラの整備が進んでいること、人件費が安いことなどがその理由です。
日系企業だけでなく、中国や韓国の企業進出も進んでいるため、今後はミャンマー進出を巡る競争が激化することが予想されます。
そんな大きな可能性を秘めたミャンマーへ転職するためのステップをご紹介します。
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記事の目次
就職前に知っておきたいミャンマー基本情報
中国やタイ、ラオス、それにインド、バングラデシュと隣接する東南アジアの国、ミャンマー。面積は68万平方キロメートル、人口は約5141万人(2014年9月、ミャンマー入国管理・人口省発表※)です。
※外務省「ミャンマー連邦共和国 基礎データ」より:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/myanmar/data.html
2018年5月現在、日本からミャンマーへの直行便は成田からヤンゴンまでの1日1便しかなく、フライトは約8時間かかります。
ミャンマーの気候
ミャンマーは南北に細長いため、地域によって気候が異なります。北部は温帯に、中部・南部は熱帯に属します。
いずれの地域も1年は暑季(3月~5月中旬)・雨季(5月下旬〜10月中旬)・乾季(10月下旬〜2月)の3つのシーズンに分かれます。
ヤンゴン
暑季は35度を超える厳しい暑さ。雨季は降水量が多くなり、生活などに影響が出ることもあります。
最も過ごしやすいのは乾季です。湿度が低く、日本の初夏のように過ごしやすくなります。
マンダレー
暑季は暑さが厳しいシーズン。雨季でも降水量は多くはありませんが、蒸し暑くなります。
乾季は平均気温25度と過ごしやすいものの、13度くらいまで下がり寒く感じる日もあります。
ミャンマーの言語
公用語はビルマ語(ミャンマー語)です。ミャンマーは多民族国家ですが、最も多いビルマ族が使用する言語がこのビルマ語です。
また、イギリスの植民地だった経緯と、英語教育が行われている背景から、英語が話せる人も少なくありません。
ミャンマーの有名企業・大手企業
- ガス田開発のMoattama Gas Transportation
- パイプライン建設のTanintharyi Pipeline
- 食品のMyanmar Brewery
- 金融のKanbawza Bank、Myawaddy Bank
- 製造のMyanma Economic Holdings
- 卸小売のMyawaddy Trading、Shwe Byain Phyu
Myawaddy Bank、Myanma Economic Holdings、Myawaddy Tradingは軍系の財閥である Union of Myanmar Economic Holdings(UMEHL)のグループ企業です。
UMEHLは宝石、縫製、木材、タバコ、飲料、電子機器、コンピュータ、小売、金融、ホテル、通信などありとあらゆるビジネスを展開しています。
このほか、財閥ではKanbawzaグループもミャンマー経済に大きく貢献しています。また、精米、木材、建設、ホテル、運輸業などを展開するHtooグループも大きな財閥です。
ミャンマーで日本人の多い地域
日本人が多く住んでいるのは首都ヤンゴンです。その中でも、
- ダウンタウンエリア
- ヤンキンエリア
- バハンエリア
- レーダンエリア
- マヤンゴンエリア
- サンチャウン周辺
- ヨーミンジー通り
などが人気です。
ミャンマー就職の働き方3パターン
ミャンマーには438社(2017年10月1日時点※)の日系企業が進出しています。最近では自動車関連の企業の進出も加速し、今後、日本語人材の需要は伸びることが予想されます。
※外務省「海外在留邦人数調査統計(2017年)」より:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_003338.html
ミャンマーでの働き方には3つの形態があります。いずれにせよ、即戦力となる人材が求められることが多いです。
1. 現地採用
ミャンマー現地の企業で採用される働き方です。現地採用者には営業職などの20代や30代前半の人が多いです。
2. 駐在
日本の会社に雇用され、ミャンマーの子会社もしくは現地の関連会社に出向します。営業職、管理職など30代、40代、50代の人が比較的多いです。
3. 大使館勤務
ミャンマーの日本大使館では、「経済協力調整員」という国際協力を行う人材を募集していることがあります。狭き門ですが、関連の専門知識がある方は選択肢となるでしょう。
- 在ミャンマー日本国大使館:https://www.mm.emb-japan.go.jp/
ミャンマーへの就職活動4ステップ
転職エージェントに登録する
数ある転職サービスの中でも、転職エージェントへの登録はちょっと面倒だと思われる方も多いかもしれません。
しかし、転職のプロから支援を受けるのが転職成功への一番の近道です。
おすすめは日系大手の転職エージェントであるリクルートエージェントやLHH転職エージェントです。
転職エージェントを利用するメリットをご紹介します。
転職エージェントを利用するメリット
- 特定業界の情報を知ることができる
例えばですが、外資系に転職したい場合、外資系専門のエージェントがあり、アパレル業界が希望ならアパレルに強いエージェント、海外転職なら海外に強いエージェントがあります。
そして、それぞれのエージェントには業界の情報に詳しいリクルーターがいることも多いです。そのため、ネット上には出てこない業界の情報を聞くこともできます。
個人的な経験ですが、筆者は日用品製造メーカーに新規参入した企業に転職したことがあります。その母体がアパレル企業だったため、アパレル業界に強いリクルーターに相談したところ、その母体の企業情報を詳しく聞くことができ大変参考になったことがあります。
- 非公開の海外求人情報をもらえることも
海外の求人情報は全部がオープンになっているわけではありません。業界によっては、求人があってもほとんど表に出てこないものもあります。
そういった場合、企業はエージェント経由で人材を探していることがあります。イメージとしてはヘッドハンティングに近いものです。あらゆる人が応募してくる公募ではなく、より理想に近い人材だけに絞れる方法で探しているわけです。
転職エージェントに登録しておけば、そういったクローズドの情報もつかめるケースがあります。
- 自分のセールスポイントがクリアに
エージェントは転職させるプロです。登録者と面接し、「いかにこの人材を高く売るか」を考えます。そのため、自分では見えていなかった自分の強みやセールスポイントを教えてくれたりします。
また、職務経歴書などの書き方をアドバイスしてくれることもあるので、お付き合いしておくと便利な点もあります。
- しっかりした企業の求人を探せる
大手の転職エージェントを使えば、ビザの出ない違法労働、給料が支払われないブラック企業などを避けることが可能です。
日本とは事情の異なる海外就職では、大手のエージェントを使うことで危険を回避することができるのです。
転職エージェントを利用するデメリット
強いてデメリットを挙げるとすると、「役に立たないエージェントもある」ということです。
親身になって情報をくれるエージェントもある一方で、登録しても何の案件も紹介してくれないエージェントもあります。
また、最初のうちは何件か紹介があっても、「売り物にならない」と判断した登録者とはあっという間に疎遠になったりすることもあります。
そのため、過度な期待を抱かず、情報がもらえたらラッキーというくらいのイメージで登録しておくとよいでしょう。情報源は多いに越したことはないのですから。
求人傾向の調査
ミャンマーで働くには日系企業、外資系企業、ローカル企業など様々な選択肢があります。
具体的には、以下のような項目をざっくりとでも調べておくといいでしょう。
- ミャンマーではどのような求人があるのか
- ミャンマーではどのような業界に求人が多いのか
- 働きたい企業・業界での募集はあるか
- 需要が多い人材年齢は何歳ぐらいか
- 給料や待遇面はどの程度か
- 語学力はどれくらい必要か
転職するつもりでいざ調べてみると、今自分がいる業界についても意外と知らないことが多いものです。インターネット上で転職サイトに登録するだけでも上記のことが調べられるので、まずはイメージをつかむことです。
自分で調べてもわからない時は転職エージェントに質問してみましょう。ここで質問するしないで年収に大きく影響することもあります。
大手企業から中小企業まで、少し視野と裾野を広げて探してみることをおすすめします。
自己分析する
ミャンマーでは、営業力・交渉力・タフさなどが求められることが多いです。求人を調べるのと同時に、社会人として自分がどの位置にいるのか、実力はどれくらいかなど、自己分析をしてみましょう。
また、なぜミャンマーへ転職したいのか、転職の一番の目的は何かをはっきりさせておきましょう。このときに、頭で考えるだけでなくメモにしておくと、後の履歴書作成や面接の際にも役立ちます。
ミャンマー就職に強いおすすめの転職エージェント
実際のミャンマー転職成功者は2つ以上の転職サービスを利用しています。まずは以下の転職エージェントに登録することをおすすめします。
リクルートエージェント
転職といえばリクルートエージェントが定番です。非公開求人などが多数あります。
- インフラエンジニア
- WEBエンジニア
- 営業
- マネージャー
などの求人があります。
ミャンマー求人には限りがあるため、ミャンマー就職を考えているならまず登録してみましょう。
他の転職エージェント(LHH転職エージェント)と併用し、比較しながら仕事探しをするのが上手な使い方です。
JACリクルートメント
ミャンマー求人を探すなら外すことができないのがJAC Recruitment。海外にも複数の拠点を持つ転職エージェントです。
海外駐在から現地採用までさまざまな案件があり、登録すれば非公開の求人を紹介してもらえます。
- 工場長
- 品質管理
- マネージャー
- 営業
などの求人があります。
特に海外駐在員や外資系企業を目指す方、30代以上で現在の年収が600万円以上の方ならぜひ登録しておきたいエージェントです。
また合わせて登録したいハイクラス求人サイトがビズリーチです。職務経歴書まで入力すると企業からオファーが来ます。
スキルを示す職務経歴書を作成
先に述べたように、ミャンマーでは即戦力となる人材が求められることが多いです。実力をアピールするために、スキルやキャリアを整理していきましょう。
実績は特に大げさなことでなくてかまいません。取引先の売上実績を○○%上げたとか、シェアを広げたとか、まずは何でもいいのでいったん書き出してみて、後から絞り込んでいきます。
自分の活躍は自分では意外と気がつきにくいものなので、よく思い出してみましょう。そして、最終的にはそれらを「職務経歴書」にまとめることになります。
簡潔に分かりやすく
職務経歴書には、勤務している(していた)会社の簡単な紹介とともに、どのような業務をしているのか、その範囲や深さも記載します。
その際、「主要遂行職務」と「実績」を中心に書いていきましょう。先に整理したこれまでのキャリアデータをもとに、どのような職務を任され、どのような動きをし、どのような結果を出したのかをまとめます。
転職回数が多かったり、アピールしたいことが複数あったりするとつい文章が長くなってしまいますが、読む立場になって考えて、簡潔に分かりやすく書くことが大切です。
ミャンマーの就職活動の注意点
必ずミャンマーへ行ってみる
ミャンマーへの転職活動をするにあたって、現地へ足を運ぶことをおすすめします。できれば1〜2週間程度は滞在してみましょう。
どんな会社があるのか、街の雰囲気、食事、衛生面など実際の様子を知ることで、より踏み込んだ転職活動を行うことができます。
現地での思わぬ出会いから、仕事が見つかることもあります。
今の勤務先をすぐに退職しない
日本の会社を辞めてからミャンマーへの就職活動をしよう、などと考えるのはおすすめできません。転職活動は現役で働いている方が有利です。
ただし、働きながらだと時間は限られるので、できるだけ効率的に転職活動を進めましょう。
会社のPCで転職サイトを見ない
転職活動していることを現在の会社に知られるのはあまりいいことではないのはもちろんですが、会社のパソコンで転職サイトにアクセスしていることを知られると企業によっては処分されることがあります。
「うちの会社はそういうのゆるいから」と思って油断してはいけません。
普段は何事もなく関係ないサイトを見ていておとがめなしだとしても、パソコンにアクセス履歴が残り、会社側はあなたがどんなサイトを見ているかばっちりチェックしている場合もあります。
特に在職中に転職活動をしているとやってしまうことがあるので、これだけはくれぐれも注意して転職活動を進めてくださいね。
まとめ~しっかりと準備して採用までを乗り切ろう
上記のことが終了したら、いよいよミャンマーの求人に応募することになります。ただ、採用までの道のりは平坦ではありません。
まず、国内での転職と同様に書類選考や面接があり、無事に転職先が決まれば今度は就労ビザの取得や引っ越しの手続きが待っています。
海外就職・転職の実現までにはたくさんの壁がありますが、勢いのあるミャンマーで働くことは何にも代えがたい経験になるはずです。十分な情報を集め、しっかりと計画を立てて転職活動に臨んでください。
上手にミャンマー就職・ミャンマー転職するには
ミャンマーで理想の仕事を見つけるには、転職サイトを使い、気になる求人をストックしておくことが大事です。情報収集が進めば、より具体的にミャンマーにいる自分をイメージできるはずです。
以下の転職エージェントは待遇がしっかりとした求人が多いので、不安の多いミャンマー転職でも安心して利用できます。登録は3分程度、利用は全て無料です。
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