「バレリーナ」と聞いて、最初に思い浮かべる国はどこでしょうか?フランスやイタリアもしくはロシアなど、ヨーロッパ諸国のイメージが強いかと思います。
実際にバレエの発祥はフランスとイタリアで、ロシアで大きく発展しました。また、アメリカやアジアの国々にもバレエ団はたくさんあります。
その中で私は、現在オーストラリアのバレエ団で研修生のバレリーナとして働いています。この記事では、なぜ私がオーストラリアを選んだのか、ご紹介したいと思います。
海外で働こうと思ったきっかけ
私は現在22歳。オーストラリアに来てちょうど1か月が経ちました。日本の東京都出身です。バレエを始めたのは7歳の時です。プロになりたいと真剣に考え始めたのは16歳でした。
叔母がアメリカのシカゴに住んでいて、小さいころに遊びに行ったり、中学生の時に参加した夏休み期間に行われるバレエ学校の短期留学がきっかけで海外生活に憧れを抱き始めます。
14歳で初めて1人で飛行機に乗ってアメリカに行ったとき、とても緊張していたけど、それ以上にわくわくしていたのを覚えています。その頃から海外で生活してみたいと考えていました。
オーストラリア以前の私
アメリカへの憧れ
10代の若いうちから海外のバレエ学校へ留学をする方が多いのですが、私がバレエを仕事にしたいと思ったのは高校生になった後だったので、普通科の高校に通っていました。
叔母の影響でアメリカに住みたかったので、卒業したらオーディションを受けに行く!と決め、高校卒業後にシカゴへ。
しかしオーディション結果は、希望していたバレエ団の研修生としてではなく、バレエ団の付属学校の生徒としての契約しかもらえなかったため、2か月で帰国し東京の元居たバレエ団に戻りました。
私がオーディションを受けたバレエ団は、研修生はバレエ団のダンサーと同じスケジュールで毎日レッスンができますが、生徒として入団すると、学費がかかる上にスケジュールも、出演できる公演もプロのバレエ団と別になっていました。
生徒として入団すると、研修生に昇格するために1年かかってしまうため、シカゴのバレエ団は断念しました。
ビザ取得の難しさ
その後ニューヨークへ単身渡り、オーディションに応募しました。無事に合格してアメリカで1年間踊っていましたが、シーズン中にケガをしてしまいました。加えて、ビザ取得の大変さを知りまた帰国。
私がアメリカに長期滞在するためには、アーティストビザと呼ばれるO1ビザというものが必要でした。アーティストビザは芸術家やスポーツ選手など特殊技能保持者に与えられるビザです。
このビザを取るために、たくさんの推薦状が必要なだけでなく、弁護士も雇わなければなりませんでした。さらに私がアメリカ滞在中に大統領がトランプ大統領に代わったため、ビザの取得が難しくなりました。
取得できたとしても最高3年の滞在、その後は1年ごとの更新が必要になります。たくさんの時間とお金を費やす余裕はなかったので、帰国することにしました。
ギリシャからオーストラリア
ニューヨーク滞在中にギリシャ料理の虜になり、たまたまバレエ学校時代の先輩がギリシャのバレエ団にいたため、2月に旅行とオーディションを兼ねてギリシャへ行くも、オーディションに受からず。
何となく住みやすそうだしビザが取りやすそうという理由で今度はオーストラリアに挑戦してみました。2か月間の滞在でオーディションをいくつか受け、無事契約をもらい、今に至ります!
なぜオーストラリアを選んだのか
先ほども書いたように、なんとなく住みやすそうだしビザが取りやすそうという理由でオーストラリアを選びました。
元々アメリカに憧れていたので、これもまた漠然としたイメージでオーストラリアも同じくイギリスの植民地だったから似てるのかな?という考えもありました。
また、オーストラリアは南半球にあり、季節がアメリカやヨーロッパと真逆なため、オーディションシーズンも異なります。ギリシャに行った後に渡航費等の費用を貯める必要もあったので、オーストラリアはまさにぴったり!という国でした。
バレエ団のオーディションはたいてい冬の間に行われます。私が今までにオーディションを受けたアメリカとヨーロッパはオーディションシーズンが12月~3月頃ですが、オーストラリアは8月~10月頃です。
2月にギリシャから帰国し、オーストラリアに行くまで半年間十分に渡航準備をすることができました。
オーストラリアでの仕事の探し方
バレリーナの主な仕事の探し方は2つあります。
毎年オーディションシーズンに各バレエ団が開催するオープンオーディションに参加するか、日付の都合がつかない場合はメールで履歴書を送り、プライベートオーディションと言って バレエ団の朝のレッスンに参加して見てもらうかです。
バレエ団によっては、オープンオーディションでもまず最初に履歴書をチェックし、オーディションに来てもらうか決めるところもあります。オーディションでは約1時間半のレッスンをしますが、途中で人数をカットするバレエ団も多いです。
私が合格したオーストラリアのバレエ団は、まずメールで写真と履歴書を送り、オーディション当日に1時間半のレッスンをした後、およそ1分間のソロを踊ってから最後にインタビューがありました。
実際の仕事内容
バレリーナの仕事は、日々のレッスンとリハーサル、シーズン内に行う公演の出演です。
私の所属するバレエ団は月曜日から金曜日の朝9時半からレッスンが始まります。1時間半のレッスンが終わると10分ほどの休憩の後、すぐに公演に向けてのリハーサルがあります。これがだいたい3時間程。遅くても必ず14時には1日の練習が終わります。
公演回数は月に6回くらいです。1日に2公演行う日もあり、クリスマスシーズンになると公演回数が増えたりすることもあります。
土日祝日に公演があるときは、その翌日はお休みになります。週に5日、1日5時間程度踊り、公演がある日は朝から夜まで劇場で働きます。
海外で仕事をしてよかった点
バレエ団は日本にもありますが、やはり海外のバレエ団は公演数が多く、経験をたくさん積めます。また、バレエ関係者だけではなく一般の方にもバレエが身近にあるように感じます。
以前、レッスンに行く前にお団子ヘアで電車に乗っていると、隣に座っていたおじさんに話しかけられました。
彼は、バレエやってるの?私は奥さんと記念日に公演を見に行くのが楽しみなんだ~と言っていました。日本ではこんな経験はしたことがありません。
観に来てくださるお客様ありきの仕事なので、街中でこういってくれる方に出会えるのはとてもいいことだなあと思いました。
まとめ
バレリーナとして仕事をしたいと思ったとき、国選びはとても重要になります。オーディションに受かってもビザが取れず、仕事ができなかったり、生活に馴染めずに日本へ帰る方も少なくありません。
海外で仕事をするのは、最初はどこも大変です。その中でもオーストラリアはとても住みやすい国だと思います。ぜひ一度訪れてみてください。
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