胡同(ふーとん)とは、北京を中心に点在する路地のことです。古くは元の時代からあって、都市に住む普通の人々の生活の場となっています。日本で言うなら、庶民的な下町のたたずまいに近い感じです。
大通りから一本狭い路地に入るだけでまるでタイムスリップして異空間に入り込んだような体験が出来る胡同めぐりは観光客にも人気ですが、ほとんどの人は有名ショップが並ぶ華やかな南楼古巷を散策したり、三輪タクシーに乗って人気胡同のハイライトを駆け抜けるだけ。
せっかく北京に住んでいるならお金もかけず自分の足で歩いて、静かで人々のなまの生活を感じられる有名無名の胡同をめぐってみるのも楽しいのではないでしょうか。
今回はそんな胡同をご紹介します。
胡同のいま
老北京人(北京っ子)といえば小説や映画でもたびたび登場する人情に厚くて胡同に住んでいる庶民というイメージですが、今や都市化した北京では老北京人も胡同も消滅の危機に瀕しています。
胡同に建つ家には元々電気や水道もなく共同の水場やトイレを利用したりするので、現代の生活には馴染みません。
そのため大規模に改装したり、レストランやプチホテルなどに作り替える家も増えています。また、近年の都市開発で胡同自体が取り壊され、古き良き北京を忍ばせる風景も減ってきました。
元々市の中心部に集まっていて交通の便も悪くないので観光客も呼び込みやすく、すっかり映画のセットみたいになってしまった胡同もありますが、それでもまだ街のあちこちにひっそりと昔ながらの胡同も残っています。
昔の面影を今も残す胡同:小石桥胡同
地下鉄8号線の南楼古巷~什刹海~鼓楼大街エリアは胡同の密集地です。鼓楼大街駅の近くにある小石桥胡同は昔の面影を残した懐かしい雰囲気の建物が並んでいるおすすめスポットです。
鼓楼や后海といった観光名所の近くにあるので観光客や三輪タクシーが通ったりもしますが、それでもまだまだ暮らしの息遣いを感じさせる風情のある胡同です。
北京で一番狭い胡同:钱市胡同
前门は地元の人も観光客も押し寄せる繁華街ですが、ここにも別世界への抜け道があります。
「北京で一番狭い胡同」と言えば钱市胡同です。
メインストリートである前门大街の一本西側に珠宝市街という通りがあります。この通りを大栅栏街側から北上してすぐの左側です。
単なるビルとビルの隙間のように見えますが、入口近くの壁に「钱市胡同」というプレートが貼ってあるのでわかります。
一番広い所でも70センチ、狭い所は40センチほどの幅しかありません。自転車を押して通るのがやっとです。繁華街のど真ん中ですがここだけはひっそりとして、普通の人の日常の生活があります。
もちろん胡同の中には入れますが、住んでいる人のプライバシーを尊重して邪魔にならないようにしたいものです。
この胡同の先は行き止まりになっているのでまた引き返すわけですが、ここに住んでいる人は大きな家具などどうやって運び込むのでしょうね。
北京で一番古い胡同:砖塔胡同
観光客にはあまり縁のないエリア、地下鉄4号線の西四駅で降りるとすぐ近くに「北京最古の胡同」と言われる砖塔胡同があります。
実際のところ特に昔の面影が残っているというわけでもない普通の住宅街なので面白味には多少欠けます。
それでも胡同の歴史を知る上では一度行ってみるのもおすすめですし、現代北京の普通の生活を感じるという意味では、それなりに興味深いものがあるかもしれません。
まとめ
北京には数千とも言われる有名無名の胡同があります。それぞれの胡同にはそれぞれの歴史と物語があります。
休日にでも気の向くままにそぞろ歩きながら、お気に入りの胡同を見つけるのもまた北京の楽しい過ごし方なのではないでしょうか。
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