イタリアで働くためには「忍耐力」と「運」が必要!経験者が教えるイタリア就職事情とイタリアで働く魅力

イタリアで働く イタリアで働く

イタリアは素晴らしい国です。過ごしやすい気候、おいしい食べ物、至るところにある世界遺産……。幸せを感じながら生きるために必要なものが、この国には豊富に存在します。

だからと言って、天国かのようにイタリアをほめちぎるつもりはありません。この国にもデメリットやイライラさせられることはあります。それでも、マイナス面を上回るメリットがあります。

イタリアで働くために必要なのは「忍耐力」と「運」です。それがあれば、きっとあなたも私と同じように、イタリアで働くチャンスに恵まれるはずです。

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イタリア国内の就職難

パソコンとノート

イタリアは深刻な失業率に悩まされています。

イタリア国立統計研究所ISTATによると、2017年8月時点での国内失業率は11.2%です。2017年11月時点の日本の完全失業率は2.7%、イタリアはほぼ4倍ということになります。25歳以下の若者の失業率に至っては40%という深刻さです。

雇用が生まれない状況を理解する

この失業率の高さにはイタリアの税制も深く関わっています。

イタリアでは雇用契約を結ぶと、企業はその人に払う給料とほぼ同額の税を納めなければなりません。それを嫌う雇用側が、フルタイム雇用ではなくパート契約を結びたがるのも理解できます。

こういった悪循環が、イタリアの雇用の流れを遮断してしまっているように感じます。イタリアで働きたいとお考えの方は、まずこの状況を理解した上で忍耐強く職探しをする必要がありそうです。

イタリアでは簡単に就労ビザが取れない

仕事

忍耐強く就職活動し仕事が見つかったとしても、就労ビザの問題が待ち構えています。

イタリアにはDecreto Flussi(デクレート・フルッシ)という、外国人の就労ビザ取得のための法令があります。これは、制限枠内で外国人に就労ビザを取得する機会を与えるもので、これが解禁しない限り就労ビザで働くことができないのです(就学ビザで認められた労働は最大週20時間)。

取得のチャンスがいつ巡ってくるかは分からない

しかも、デクレート・フルッシはいつ執行されるのか分かりません。2017年には3月、2018年は1月に解禁されたので、ここ数年はほぼ1年に1度という頻度で解禁されていることになります。しかし、今後のことは分かりません。

そのため、必要のある方はStranieri in Italiaのサイト上でDecreto Flussiの情報を随時チェックすることをおすすめします。

運よく仕事が見つかって雇用契約を約束してもらい、デクレート・フルッシの枠に入って就労ビザを取得できた暁には、あなたも晴れてイタリアで正式に働くことができるというわけです。

イタリアで働く魅力1. 仕事後の一杯「アペリティーボ」

食前酒

仕事が見つかり就労ビザも取得できたら、さあイタリアの暮らしを満喫しましょう!厳しい就職状況に挑戦しイタリアで働く魅力とは何でしょうか?

私がまず紹介したいのはアペリティーボというイタリアの文化です。アペリティーボというのは、直訳すると「食前酒」。これは、夕食の前に軽く食べながら一杯飲むことを指します。

イタリアでは、夕方にバールなどの飲食店でワインやビール、カクテルやジュースを注文すれば、飲み物と一緒にハムやチーズ、ポテトチップスなどのおつまみを持って来てくれます。

お店によってはビュッフェ形式で、飲み物を注文すれば好きなものを好きなだけ食べることもできます。これだけでお腹いっぱいになることもあるので、夕食兼用にしている人もいるぐらいです。

手頃な値段でイタリア文化を楽しめる

場所や内容で差はあれ、主要な街での一般的な値段としては5ユーロから7ユーロ(約700〜1,000円)といったところ。

仕事の後、同僚や友人、恋人とバールで待ち合わせ、一杯のグラスワインを飲みながらおしゃべりをする。とってもおしゃれな文化です。あなたもぜひアペリティーボを体験してみてください!

※1ユーロ=約133円(2018年4月現在)

イタリアで働く魅力2. 長期休暇が取りやすく旅行三昧

イタリア

私自身がイタリアで働いてよかったと思うもう一つの理由は、長期の休暇が取れることです。

私の勤務先では年間26日の休暇が与えられ、その内の2週間ほどを日本への一時帰国に、残りはクリスマス休暇や近場への小旅行に利用しています。

たくさんの格安航空会社(Ryanair・easyJetなど)があり、ロンドンやスペインなどヨーロッパのいろんな国へ格安で訪れることができます。

世界遺産を巡るイタリア旅へ

でも、私はあえてイタリア国内旅行をおすすめします。イタリアはなんといっても世界遺産(文化遺産)保有数世界一です(2018年4月現在)。50もの文化遺産を有する国を旅しない手はありません。

さまざまな場所で美しい風景や素晴らしい建造物を眺め、それぞれの土地ならではのおいしいものを食べる……。イタリア世界遺産を何日かに分けて旅するのも面白いのではないでしょうか?

遺跡巡りもいいですが、私は個人的に自然の地形がそのまま世界遺産に登録された場所がおすすめです。例えば、チンクエテッレ(Cinque Terre)。海沿いに連なった5つの町、それぞれが絵になります。

電車や船を利用して、2泊3日ぐらいでゆっくり周遊してみるのも楽しいと思います。青い空と透き通る海を見ながら、海の幸に舌鼓。また行きたくなりました。

モンテロッソアルマーレ(チンクエテッレ)

※モンテロッソアルマーレ(チンクエテッレ)

イタリアで身につけた技術とセンスを日本へ逆輸入

職人

多くの日本人の友人がイタリアで働いた後、日本へ帰国しました。彼らは今、日本でシェフ、バリスタ、革細工の職人などをしています。

イタリア料理は多くの日本人から愛され、カフェの文化も日本に浸透しています。また、カバンや靴などの「Made in Italy」はたくさんの人を惹きつけてやみません。イタリアは日本人にとって常に魅力的な国なのです。

特に、以下のような方にはイタリアをおすすめします。

  • 将来、イタリアンのシェフになって自分のお店を出したい人
  • イタリアの風情を感じさせるバールでカプチーノを振る舞いたい人
  • 自分が作ったカバンや靴で生計を立てたい人

本場で培った経験を日本へ持ち帰り、日本でさらに開花させる。イタリアで働くからこそ得られる本物の技は、強力なアドバンテージになるはずです。

実際に働くことは簡単ではないと思いますが、夢を持つ限り、挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか?

まとめ〜忍耐も挑戦もすべて楽しむ

イタリアで働くことは簡単ではありません。運にも大きく左右されます。でも、忍耐強く待てばチャンスはあるはずです。

そのチャンスをつかんだ人には、きっと楽しい生活が待っています。大切な人ときれいな景色を見ながら、おいしいものを食べる。そんなシンプルな幸せを感じることができるはずです。

「働くだけが人生じゃない、人生は楽しむためにある」

イタリア人はいつもそう言っています。努力・忍耐・挑戦、すべてを楽しむこと。あなたもいつか、その意味が分かるはずです。

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