90日以上イタリアに滞在する時に、取得しなければいけないものが「滞在許可証(Permesso di Soggiorno ペルメッソ・ディ・ソッジョールノ)」です。到着してすぐに取り掛からなければいけない、イタリア生活最初の難関なんです。
取得すること自体は難しくありませんが、慣れないイタリアの街で必要書類を揃えるのは簡単ではありません。
今回は滞在許可証の取得方法を、注意点と合わせてご紹介いたします。
イタリアの滞在許可証概要
長期滞在するには
90日以上滞在する予定の人は、まず日本のイタリア大使館または領事館に行って、何らかのビザを取得します。日本で手に入ったこのビザは、簡単に言うと「イタリアに入国する許可証」のことです。イタリアに滞在する許可証ではありません。
滞在許可証とは
一方滞在許可証とは、名前のとおり「イタリアに滞在する許可を証明したもの」です。90日以上滞在する場合、滞在許可証を取得しなければ不法滞在と見なされます。長期滞在者は、必ず取得しなければいけないものなんです。
必要書類を揃える
KIT(キット)を入手する
必要書類のひとつ目は、「KIT(キット)」と呼ばれるものです。これは記入書類が入った大きめの封筒を指します。この封筒に入った書類に記入し、必要書類を入れます。
このKITは、郵便局(Poste italiane)で無料で入手できます。しかしどこの郵便局でも入手できるわけではなく、「Amico」の区分がある郵便局でなければ扱っていません。入り口に「Amico」というステッカーが貼ってある郵便局に行きましょう。
KITの受け取りには、パスポートなどの身分証明書の提示を求められることがあるので、念の為持って行きましょう。
収入印紙を購入する
次に必要なものは、16ユーロの収入印紙(Marca da Bollo マルカ・ダ・ボッロ)です。「T」の看板がでているタバッキで購入できます。
滞在許可証取得のための必要書類
滞在許可証を取得するための他の必要書類は以下のものです。
- パスポートのコピー(写真のあるページとビザが貼られたページは必須)
- クレジットカードのコピー(両面)
- 申請期間をカバーする海外旅行保険の保険証(英語またはイタリア語表記)
- 入学許可証のコピー(大使館または領事館のサインが入ったもの)
- 証明写真(5枚ほど)
この書類は日本でも用意できるものなので、渡航前に準備しておくといいでしょう。
書類に記入する
大抵受け入れ先の学校や会社でKITへの記入をしてもらえます。
自分で書いて間違えると滞在許可証がもらえなかったり、最初からやり直しになったり、ということがあります。何人もの外国人を受け入れてきた学校の役員など、記入しなれている人にお願いしましょう。
KITに必要書類を入れる
KITに入れる必要書類は以下のものです。
- 申請用紙
- 海外旅行保険の保険証のコピー(イタリア語または英語表記)
- 入学許可証のコピー(大使館または領事館のサインが入ったもの)
- パスポート全ページのコピー
- 16ユーロの収入印紙
郵便局で確認作業があるため、絶対にKITの封はしないでください。
郵便局に行く
必要書類を入れたKITを持って、「Amico」の区分がある郵便局に行きましょう。郵便局で書類の確認作業が行われ、滞在許可証発行代とKIT郵送手数料を支払います。
滞在許可証発行代は1年有効のもので70,46ユーロ、郵送手数料は30ユーロです。(いずれも2019年4月現在)
その場で滞在許可証の半券と呼び出し状を受け取ります。必ず忘れずに受け取ってくださいね。
警察署に行く
郵便局で受け取った呼び出し状に、行くべき警察署の場所と日付、時間が書かれています。たいてい郵便局に行った日から2、3ヶ月後になります。
警察署に行く日になったら、以下のものを揃えて行きましょう。
- 呼び出し状(郵便局で受け取ったもの)
- 領収書(郵便局で受け取ったもの)
- パスポート
- 海外旅行保険の保険証書原本(イタリア語または英語表記)
- 入学許可証のコピー
- 証明写真(1から4枚程度)
2度目の警察署訪問で滞在許可証を受け取る
最初の警察署の訪問は、指紋採取と書類の提出が求められます。ミラノでは後日、滞在許可証受け取りの日付が警察署からSMSで送られます。たいてい最初の警察署の訪問から2、3週間後になるようです。
2度目の警察署の訪問でやっと滞在許可証を受け取ることができます。
注意点・ポイント
注意点として、イタリア入国後8日以内にKITを郵便局に提出するよう求められています。
Amicoの区分がある郵便局を探すのに手間取ったり、Amicoの区分がある郵便局でもKITの在庫がなかったり、収入印紙を扱うタバッキが見つからなかったり、とスムーズにいかないこともあります。
そのため日本にいるときから、書類を揃えるなどの準備をしておくことをおすすめします。そしてイタリア入国後はKIT提出の準備にすぐに取り掛かりましょう。
まとめ
滞在許可証を申請してから受け取るまでに、3ヶ月から半年、もしくはそれ以上かかります。
申請したなら、3ヶ月以上たっても不法滞在にはなりません。郵便局で受け取った領収書が滞在許可証の代わりになります。無くさないように気をつけてくださいね。
この情報は2019年4月、ミラノでのものです。申請を提出する街によって取得までかかる時間や警察署からのお知らせの方法などが違います。その街の最新情報を取り入れるようにしてください。
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