海外就職すると、異なる文化的背景を持つ人とともに働き、生活します。分かり合えているつもりでも、やはり小さな習慣や考え方など日本人との違いに日々遭遇します。
イタリアで働き暮らす日本人の中には、イタリアに順応して考え方もイタリア人的になり、日本との国民性の違いに悩むことなんてない人もいます。でも、日本人独特の振る舞いや価値観はそう簡単に捨てきれるものではありません。
イタリアで就職した私がどうしても気になってしまう、イタリア人と日本人の考え方・働き方の違いを紹介しようと思います。
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イタリア人は自分の非を認めない
どんなに気をつけて仕事をしていても、多少の間違いはつきものです。仕事を進める上でミスが見つかると、「誰のミスだ!」と犯人探しが始まります。
常に責任の押し付け合い
イタリア人はその間違いの原因が自分にあったとしても、「○○が先に書類を見ているはずだ」とか「☓☓がきちんと説明しないのでミスを引き起こした」というように、自分の非を認めず逆に他人に責任を転嫁します。
その責任の押し付け合いは、時に激しい口論を引き起こすことにもなります。日本人の私から見ると、言い訳ばかりを連ねて間違いを認めない……と、なぜかこちらが残念な気持ちに。
ミスは誰にでもあるものです。起こってしまったことは仕方がないですが、間違いの原因を見つけて正さなければ問題は解決しません。しかし、責任を互いに押し付け合うイタリア人は数カ月経つとまた同じミスを引き起こし、再び口論します。
証拠を取っておくのが正解
基本的にこういう姿勢なので、自分に非がないのにミスの責任を押し付けられそうになることもあります。
そういう時、私は該当するメールや文書など「私はここでこう指示を出していた」と証拠を突きつけ、身の潔白を証明。そうすると相手も納得します。
そして、自分がミスしたときは非を認め、「次は間違えないようにする」と伝えています。イタリア人と同じように言い訳をしたいところですが、下手な言い訳をして誤解を生んでしまう方が怖いので、素直に謝っています。
結果、ミスをしても同僚が「このくらい大丈夫だから」とかばってくれることの方が多いです。
割り切って頭を切り替える
イタリア人は日本人と考え方が違うんだと頭で分かっていても、正直……イタリア人の同僚の言い分にカチンときてしまうこともあります。仕事の取引先は日本なので、日本的な気配りや仕事の進め方はそのまま残しておかなければ円滑に仕事ができません。
取引先には日本的な気配りを、イタリアの同僚にはイタリア人的な発想とふるまいを。瞬間的にスイッチを切り替える必要があります。
イタリア人は問題が起きてから考える
日本人とイタリア人の大きな違いは、日本人が「問題を想定し先回りしていろいろ解決策を用意しておく」という姿勢なのに対し、イタリア人は「問題が起きたらその場で考える」という姿勢であることです。
こういう状況になったらどうしたらいいか?と同僚に相談したら「まあ、それはその時考えればいいんじゃない」と言われてしまいます。日本人ほど用意周到な民族はいないんじゃないかと思いますね。
起きてもいないことへの準備は無駄
イタリアでは地震が起きるたびに「日本の耐震設計や地震への備えを私たちも見習うべきだ」と専門家がテレビでコメントしています。でも実際、乾パンや簡易トイレを備えている人がいるかというと……。少なくとも私の周りでは見たことも聞いたこともありません。
きちんと用意しておけば問題が起きた時にさっと解決できます。でも、その問題が起きない可能性の方が高い場合もあり、そうなるとそのシミュレーションにかける時間と労力は無駄に終わる、と思っているフシがあります。
用意周到だと思われている日本人
出張先で急に雨が降ってきたことがあり、「折りたたみ傘、持っているよね?」と聞かれました。もちろん、その同僚のイタリア人は持っていません。私は出張先まで折りたたみ傘を持ってきていたのですが、うっかり滞在先のホテルに置きっぱなしに。
すると同僚から「日本人だから普通持ち歩くでしょ!」と笑いながら突っ込まれ、結局大雨の中、2人仲良くずぶ濡れになってしまいました。
イタリア人は社内連絡がマメでない
一緒に仕事を進めているのに、横の連絡があまりマメでない場合が多いです。そのため、社内でお互いに確認せず自分の判断で仕事を進めてしまう同僚が多く、後で問題になることも。
自分のチェックがないと進めてはいけない仕事に関しては、かなりしつこく何度も「この段階で私に見せて」と言わないと連絡をくれません。自分の責任にも関わる仕事が自分の知らないところで最後まで進められていたこともありました。
イタリア人も念を押す時はかなりしつこいので、こちらもしつこく言って大丈夫です。
イタリア人はおしゃべり好き、でも仕事は時間内に終わらせる
基本的に定時出社、定時退社というスタイルなので、繁忙期以外に残業はありません。就業時間内に終わらせるという意識も高く、残業代を稼ぐためにダラダラ仕事をする人はいません。
とはいえ、おしゃべり好きなイタリア人のこと、ずっと黙って仕事をするのはつらいようです。仕事をしながらちょこちょこ業務とは関係のないおしゃべりをしています。
同僚の一部は定時ぴったりに上がれるように終業時間15分前くらいに仕事を終え、残りの15分はおしゃべりタイム。おしゃべりしながら片付けをしています。
イタリアの職場には上下関係がなく、対等に主張し合う
イタリアでももちろんボスと部下の間に上下関係はありますが、ファーストネームで呼び合い、敬語を使わなくても怒られるようなことはありません。先輩・後輩のような上下関係もないので、年齢や入社順序などをあまり深く考えなくてもよいのが楽だと思います。
もちろん、仕事をする上で自分より経験がある同僚に敬意を示すことは必要です。でも、それを敬語という形で示す必要は特にありません。
また、新人だからという理由で雑用を押し付けられるということもありません。
言いたいことを言い合って後腐れなし
自分の言いたいことははっきり主張します。しかし、仕事上で激しく意見を交わすことがあってもお互い根に持つようなことはなく、あっさりしています。その場で言わずに我慢して「あの時、本当はあんな風に思っていたのに」などと後悔することは皆無です。
それでもやはり仕事をしている仲間同士、ちょっとしたことでお互いにストレスを与えることはあり、同僚間で上司や仲間の悪口や愚痴を言い合うこともあります。そのあたりは日本とあまり変わらないですね。
イタリアでは各社員の裁量権が大きい
仕事を自由にさせてもらえることが多いので、窮屈さを感じることはありません。ゴールさえ間違えなければ、そこまでの過程は個人の裁量で変えられるという感じです。日本は要所要所で上司に途中経過を伝える必要があり、その点がとても違うと思いました。
イタリアで同僚間での横のつながりが希薄なのは、裁量権を一人ひとりに委ねているからなのだと思います。
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まとめ〜困った時に助け合うのはどの国も同じ
なんだかんだと重箱の隅をつつくようなことを書いたかもしれません。イタリアと日本のオフィスでは両極端なことが多いので、足して2で割ったらちょうど良いかもしれませんね!
でも、イタリア人は基本的には面倒見が良いタイプの人たちが多く、困っている時はみんなよく助けてくれます。日本の会社ほど社外での同僚同士の付き合いというのはありませんが、日本とはまた違った仲間意識があるように感じます。
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