みなさんはクリスマスシーズンをイタリアで過ごしたことがありますか?
ツリーやイルミネーションで街中がキラキラと輝き、このシーズンだけの名物料理を食することもできるとてもにぎやかな期間です。たくさんのクリスマス・イベントも各地で開催されます。
そんなわくわく楽しいクリスマスシーズンですが、イタリア人はどのようにこのシーズンを楽しむのでしょうか。
キリスト教カトリック総本山のイタリアのクリスマス・カレンダーをご紹介します。
クリスマスマーケットが始まる11月末(アルト・アディジェ編)
「クリスマスマーケット」、というとドイツやオーストリアのイメージをもたれがちですが、イタリアでも11月末から12月にかけて、特に北イタリアの各地でクリスマスマーケットが開かれます。
一番よく知られているのは、オーストリア系の住民の多いアルト・アディジェ地方(南チロル)のクリスマスマーケットです。
「アルト・アディジェ」とは、イタリア北部を流れアドリア海にそそぐイタリアで二番目に長いアディジェ川の上流の地域、という意味。
この地方はイタリア国内ですがドイツ語が主流という地域で、公用語もイタリア語とドイツ語です。オーストリア系の伝統文化も今も根強く受け継がれているところです。
この地域にはそれぞれの場所でクリスマスマーケットが開かれる土地柄ですが、ぜひおすすめしたいのがボルツァーノとブレッサノーネのマーケットです。
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ボルツァーノ(Bolzano)
クリスマスの歌や伝統音楽を耳にしながら、中世の街の雰囲気が味わえるマーケットです。
砂糖漬けのフルーツやリンゴのシュトルーデル、自家製のクッキーなど、地域のたくさんな名物品に出会えます。華美に彩られたロウソクやその他クリスマス装飾品、伝統的に受け継がれているローデンコートのお店、香水、スパイスのお店等々、数多く出店します。
2016年11月24日から2017年1月6日まで、FS鉄道ボルツァーノ駅から徒歩2分程のヴァルテル広場(Piazza Walther)でオープンしています。
- 月—金:10時から19時
- 土:10時から20時
- 日:10時から19時
- 11月24日:17時から19時
- 11月25日:10時から22時
- 12月8日:10時から19時
- 12月24日:10時から14時
- 12月25日:休み
- 12月31日:10時から18時
- 1月1日:12時から19時
ブレッサノーネ(Bressanone)
イタリアではクリスマスはツリーよりもプレゼピオ(キリスト誕生を人形で再現したもの)を教会や自宅に飾ります。ナポリのプレゼピオの職人はいまやとても有名ですが、ここブレッサノーネも800年のプレゼピオの歴史を誇ります。
ドゥオーモ広場(Piazza Duomo)で開かれるブレッサノーネのクリスマスマーケットは、アルト・アディジェで最も美しいマーケットと評判です。
2016年11月25日から2017年1月6日までオープンし、こちらも伝統的なお菓子やスパイス、地域の食材、クリスマス用品等、40近い個性的なお店が出店し、多くの人々で賑わうマーケットです。
- 月〜金:10時から19時半
- 土、日、祝日:9時半から19時
- 11月24日:17時から19時
- 11月25日:10時から22時
- 12月24日:10時から16時
- 12月25日:休み
- 12月31日:10時から16時
- 1月1日:12時から19時
11月末からあるイタリア各地のクリスマスマーケット
もちろん、上記のアルト・アディジェ地方以外でもクリスマスマーケットはイタリア各地で開かれます。
トレント
トレント(アルト・アディジェと接するトレンティーノ地方を代表する都市)でのクリスマスマーケットも見逃せません。厳選された地元の食材や特産品、数々の工芸品のショップが並びます。
2016年11月19日から2017年1月6日まで開催。
場所は、フィエラ広場(Piazza Fiera)とチェーザレ・バッティスティ広場(Piazza Cesare Battisti)の二ヶ所で行われます。
ミラノ
1500年代から伝わるミラノ市のお祭り『Oh Bej Oh Bej(オベイ・オベイ=綺麗ね!綺麗ね!という意味)』はクリスマスシーズンの恒例のビックイベントです。
スフォルツェスコ城の周りに設けられる、25000平方メートル以上の展示スペースには400近いショップで埋め尽くされます。昔からミラノの人々がクリスマスプレゼントを探すのに活用してきたマーケットです。
ここでぜひ試してみたいのが、ホットワイン。Vin Brule’ (ヴィン・ブルレ)と呼ばれ中世から12月の寒い時期に多くのミラノの人々に愛されてきました。
伝統的なローストされた栗もおすすめです。
2016年12月7日から12月10日まで、スフォルツェスコ城周辺(Castello Sforzesco)にて、終日オープンされます。
クリスマスにちなんで行われるミラノのもうひとつのメルカートが、『アルティジャーノ・フィエラ』です。
2016年12月3日から12月11日まで、地下鉄赤ラインのRho Fiera駅を最寄りとした国際展示会場で行われます。
こちらはイタリアの各地の名産・特産品はもちろん、ヨーロッパ、またはアジアの国々のからの出店もある大規模なメルカートです。観光客にも大変人気があり、会期中は大勢の人々で賑わっています。
フィレンツェ
ドイツのハイデルベルグと姉妹都市を結ぶフィレンツェでは、毎年サンタ・クローチェ広場(Piazza Santa Croce)でクリスマスマーケットが開催されます。
今年の日程は、2016年11月30日から12月18日まで。最終日12月18日を除いた全ての日は10時から22時までオープンします。最終日の12月18日は10時から20時までです。
このメルカートは『Mercatino di Natale Tedesco(ドイツのクリスマスマーケット)』と呼ばれ、ドイツのクリスマスマーケットを意識したもの。
ドイツだけではなく、オーストリア、フランス、ハンガリーなどヨーロッパを中心に、いろいろな国からのショップが出店しています。もちろん、イタリア各地の食材、工芸品もいっぱいです。
12月8日
12月8日にイタリアでは祝日。 『Imamacolata Concezione』という宗教上の祝日で、イエスの母マリアが、マリアの母アンナの胎内に宿った瞬間、神の恩恵により現罪から免れたというカトリックの教理より、マリアをその母アンナがご懐妊した日とされています。
この日から12月24日前までの2週間に、イタリア人は、友人や知人、または職場の同僚たちと、『Cena Natalizia (クリスマスの夕食会)』を計画します。
日本でいうと、忘年会のようなものですね。
数人で集まって、レストランに美味しいものを食べにいく、というのが定番です。クリスマスプレゼントもその夕食会の席でお互い渡し合います。
人気のあるレストランや有名シェフのいるレストランは、12月のはじめにはもうこの夕食会の予約でいっぱいです。
街のクリスマス・イルミネーションもこの日を前後に点灯します。
家庭や職場ではクリスマスに向けての飾り付け(プレゼピオの制作やツリー)を始めます。
イタリアの12月24日と25日
イタリアでは、クリスマスは家族と過ごします。
12月24日の数日前からイタリア全土で帰省ラッシュが始まります。24日のクリスマス・イヴの夕食に間に合うようにと、遠く離れた家族や親戚が故郷の街へ戻るため。
各地域や各家庭の習慣の違いはありますが、通常、イヴの夕食は基本的には魚系、野菜系の軽めのメニューを組むことが多いです。
これは翌日のクリスマスの昼食がメインダイニングで、肉系のものを食べることが多いため、前日は少々控えておこう、ということからきています。
日本はクリスマス・イヴの方がもてはやされていますが、イタリアではクリスマス当日が一番重要です。
24日の夕食に集まった家族、親戚たちは、その家のプレゼピオやツリーのもとに持ってきたプレゼントを置き、夕食を楽しみ、歓談した後、日付が変わるぐらいの時刻に全員集まってプレゼントを開けます。
25日クリスマス当日は、また家族、親戚が一同に集まり、クリスマスランチを楽しみます。
アンティ・パスト(前菜)から始まり、プリモ(パスタやリゾット)、セコンド(メインディッシュ)、コントルノ(付け合わせ)、チーズ、フルーツ、そしてデザート、と何時間もかけてこのランチを味わうのが定番です。
基本的にこのランチは各家庭で行われ、街は閑散とし、レストランも閉まっていることが多いのが普通です。各都市にもよりますが、バスやメトロ、地下鉄などの公共機関もある一定の時刻まで運行し、その後は深夜まで停止している場合が多くなります。
イタリアの12月26日から1月6日にかけて
12月26日はイタリアでは『聖ステファノの日』で祝日。その日から一週間は、次のイベント、新年への用意で忙しくなります。
大晦日の12月31日は、友人同士が集まって夕食をとり、元旦へと日付が変わる際、それぞれの街の中心で花火が上がり、新年の幕開けを祝います。
イタリアでは新年のイベントもクリスマスシーズンの一環として捉えられているので、 街のイルミネーションも家庭に置かれているプレゼピオやツリーも1月6日の別の祝日『エピファニア(御公現の祝日)』の日まで、飾られるのが普通です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少しでもイタリアのクリスマスの雰囲気が伝われば、と思い記事にしました。
11月末から始まる楽しいイタリアのクリスマスシーズン、機会があればぜひ体験して頂きたいです。
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