海外就職する日本人はもはや珍しくなくなりましたが、ヨーロッパで、しかも現地採用社員として働くことは、日本人にとって簡単なことではありません。
そんな中、イギリス・ロンドンで日系商店に職を得た日本人女性(51歳)がいます。留学先のイギリスでの暮らしが気に入って現地で就職活動し、給料は月約30万円だそうです。
仕事を見つけるまでの経緯や、実際に海外就職してみて感じるメリット・デメリットについてお伺いしました。
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留学中にイギリス就職に向けて活動を始める
イギリスには、最初はフルタイムボランティアとして1年間、その後大学に留学して3年間滞在し、ここでの暮らしがとても気に入っていました。
当時、大学内には外国人が少なく、クラスメートは最終学年になるとみんな就職活動をしていたので、自分もその流れでイギリスで就活を始めたんです。
当時は長い不況を脱してイギリスの景気が上向き始めていた頃でもあり、いくつか合格通知はいただけました。
ですが、就労ビザの取得について知識や関心のある企業がなく、その後、日本語新聞で就職先を見つけることになります。
ロンドンの日本語新聞の求人広告に応募
初めは留学中の学校経由での就職活動をしていましたが、上述したようにビザの取得が必要な外国人の採用に不慣れなイギリス企業ばかりでうまくいきませんでした。
最終的に、ロンドンの日本語新聞に出ていた求人広告に応募してアルバイトとして採用され、就労ビザを取得してもらったんです。
ロンドンでは生き方は自分次第!個人主義が心地よい
日系の企業に就職したので、職場環境はある意味で自国にいる時よりも濃い「日本村」です。
ですが、一歩会社を出ればそこはイギリス・ロンドンなので、完全な個人主義を謳歌することができるんです。
プライベートな時間にどこで何をするかを自分で決められるという環境は、特に独身女性の場合、実は日本にいては得るのがとても難しいのではないかと思います。
友人や会社も含めて、社会全体が個人の生き方に一切干渉してこないので、快適な生活を送ることができていますね。
イギリス就職の罠:外国人労働者には職業選択の自由がない
自国に住んでいれば当たり前すぎて意識することもありませんが、どこで働くか、どのように働くかを選ぶ自由は、とても貴重なものです。
イギリスで働くためには就労ビザが必要ですが、これは個人が申請したり取得したりできるものではないんです。就労先の企業が、雇った労働者とそのポジションのために申請し、就労の許可として与えられるものです。
そのため、イギリスで働く身には、就労先を変えたり勤務形態を選んだりする自由はありません。極端な話、今働いている職場をクビになれば即強制送還もあり得ます。
うわさが広まりやすい狭い人間関係
このように、イギリスで働く人は原則として全員就労ビザに縛られているため、人材全体にも限りがあり、流動性も極めて低い状態です。
そのため、良くも悪くもうわさが広がりやすく、一度固定された評判を覆すのは容易ではありません。
そのような人間関係を断ち切りたいと思っても、現地採用の場合は個人の裁量で転職することは許されず、狭い職場で難しい舵取りを迫られることになります。
ロンドンでの休日は人脈を広げるために活用
ありがたいことに、仕事とプライベートな時間を完全に切り離すことができるので、早朝出勤があっても遅くまで残業しても、会社の外に出ればすべて忘れることができます。
職場以外に人脈を持っていないのは厳しいので、休日は興味を惹かれる場所やイベントにどんどん出かけて行って、新しい人間関係を広げることを心がけています。
まとめ~問題があっても好きな国で働けることは幸せ
イギリス就職するには、まずビザの問題をクリアしなければいけません。無事に取得でき、働けるようになったとしても、窮屈な人間関係や転職できない不自由さがあるのも事実です。
それでも、ご紹介した女性のように、自分が好きな国、ここで生きていきたいと思った国で働けることは、とても幸せなことではないでしょうか。例えうまくいかなくても、日本とは異なる環境に身を置くことは貴重な経験になるはずです。
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