学生時代に些細なことからイタリアに興味を持ち、留学、就職、結婚を経てイタリアのフィレンツェで6年生活をしています。
イタリアはブランド品や美しいものに囲まれ、食事がおいしく、そして自由で楽しい国としてイメージを持っている方も多いと思います。しかしふだんは日本に比べると意外とシンプルで、とても生活がしやすいです。私が暮らしの中で発見したイタリアの気取らない日常をご紹介します。
※1ユーロ=約120円
オン・オフがはっきりした仕事スタイル
イタリアの仕事スタイルはとてもシンプルです。決められた時間で彼らは与えられた作業をします。
始業時間前よりも早く出勤するということはほぼなく、残業も美徳とされていないため、定時になればすぐさま帰宅します。そのため、仕事とプライベートのオン・オフがとてもはっきりとしています。
同僚同士も勤務中にコミュニケーションをとるため、「飲みニケーション」と呼ばれるようなアフターファイブでの上司や仕事仲間との食事の席などは一切ありません。
勤務時間以外は仕事について考えない
ヨーロッパではコミュニケーション・ツールとして「WhatsApp」というLineのようなアプリが使用されています。私の職場でもグループチャットがあり、スタッフ同士の連絡で使用しています。
あるとき、すでに仕事を終えたスタッフに店長が仕事の要件でメッセ―ジを送りました。しかし、退勤したスタッフからの返事はありません。
どうしても急用であったため、しびれを切らした店長が少し怒りながら彼女に電話をしてみると「私の今日の仕事はもう終わっているから、仕事の話は明日にしてほしい」と一言。
急な用事があるときに連絡がつかないのは少し問題ですが、この仕事のスイッチのオン・オフの潔さは、ぜひ見習いたいと思いました。
美食だけど手のかからない食事
日本にいるときは、圧倒的にお米を食べることが多い私でした。そのため、ご飯と共に必ず主食、副菜がテーブルに並ぶ食卓のイメージがあります。小さいころからご飯の準備をしてくれた母は、毎日食事の準備がとても大変だったのではないかと思います。
朝はバール、ランチは手軽な携帯食か外食
イタリアのテーブル事情は驚くほどシンプル。朝はおのおの職場近くのバールでコーヒーと甘いパン、クロワッサンで簡単に朝食をすませます(2ユーロ=約250円)。ランチも自宅から用意した簡単なサンドイッチと果物や、外食ですませたりします。
夕食もメインつけあわせ野菜と簡単
夕食は一日の中で一番ボリュームは多いですが、お肉やお魚の簡単な主菜と合わせてContorno(つけあわせ)と言われる野菜など一品、パンのみ。
野菜やお肉も素材の味がいいので、火を通してオリーブオイルとお塩をかけるだけの簡単調理。驚くほどシンプルです。食後には果物を食べる習慣があり、栄養バランスもいいですが夕食の準備にかかる時間はとても短いです。
イタリアは現在、共働きがとても多く、女性も忙しい毎日です。しかし、平日の食卓はとてもシンプルで料理に時間を費やしません。
きれい好きでがんばりすぎない家事
イタリアの女性はきれい好きです。どのお宅を訪れてもいつもピカピカの状態に保たれています。そしてリネンや洋服の隅々までアイロンがけしてあります。
しかし、フルタイムで仕事をする女性が多い中で、どのようにして掃除やアイロンがけを完璧にこなしているのか、いつも不思議に思っていました。
実はイタリアの家庭は家事の負担を減らすため、週に1回のハウスクリーニングを使用しています。使用料も1時間で8ユーロ(約1,000円)からとリーズナブルなスタートが多く、好きな時間に希望するサービスをお願いできるのです。
ハウスキーパーを使ってみた感想
私も実際、こちらで仕事を始めてから週に1回掃除サービスをお願いするようになりました。各部屋の掃除(イタリアの家は基本土足のためモップ掛けまで)から洗濯、アイロンがけを週1度お願いするだけで、自分の時間が増え、余裕ができたように感じます。
一通りの掃除ほか一切が完了するまでに3時間ほどかかるので、1回24ユーロ(約3,000円)の月々96ユーロ(約12,000円)です。仕事や育児に追われる女性にとっては、とても使い勝手のいいサービスといえるでしょう。
大勢で屋外で楽しむスローな週末
イタリアの週末スタイルもとてもシンプルです。私は日本の大都市で生活をしていたため、週末になると必ず百貨店や、レストランで友人と時間を過ごしていました。もちろん華やかないい思い出として記憶に残っています。
無理せず上手にリフレッシュ
イタリアの週末スタイルはとてもシンプル。住んでいる街の規模が小さいということも関係ありますが、天気が悪い日以外は基本的にイタリア人、どんどん外に出かけます。
といっても近くの公園で日焼けをしたり、ピクニックをしたり。夕方になれば広場でカクテルを片手に何時間もおしゃべりをしたり。外食もしますが、友人と大人数でバーベキューをすることも多いです。
イタリアは平均年収が他の先進国と比べて低いです。そのため、無駄な散財はしないように心掛けている人が多いです。節約をしながらもリフレッシュができるように、休日を楽しみます。華やかさには欠けることもありますが、シンプルで笑顔の多いこの生活が私は大好きです。
男女ともに心がける人が多い適正美容法
イタリア人は美しいものが好きです。男女問わずいくつになっても美しくいるために、気を付けている人が多いように感じます。しかし、美容法は至ってシンプルなことが多いです。
多くのイタリア人に美容法を尋ねてみると、高価なエステや美容液に頼っている人はほとんどいません。彼らの多くは平日ジムに通い体を鍛え、果物をたくさん食べ、睡眠時間はしっかり確保する――きれいなイタリア女性が口をそろえて教えてくれるシンプルな美容法です。
まとめ
以上がこちらで生活するまで、知ることがなかったイタリア人のライフスタイルです。彼らは着飾ったり美しい体形を保ったりするために並々ならぬ努力をしているように見えますが、実際はいたってシンプルです。
もちろん時には、全力で物事に取り組む姿勢も大事です。しかし、がんばりすぎて疲れてしまっては人生を楽しむことはできません。イタリア人のように公私ともがんばりすぎず、ほどほどに楽しみ、ストレスをためないことが、毎日の生活をよりよいものにしている鍵だと私は思います。
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