「見本市」という言葉を聞くと、皆様はどのようなものを想像しますか?
見本市とは、企業が自社の新商品の紹介やデモストレーションのために行う展示会のことで、どちらかと言うと、企業アピールのお堅いイメージが強いかと思います。
「見本市」という言葉は仰々しく感じるので、エキスポ(エクスポジション=博覧会の略)と言うと、皆様に馴染みのある言葉になりますでしょうか。
フランスでは見本市のことを「Salon」(サロン)と呼びますが、企業アピールの場としての「サロン(Salon)」だけではなく、一般人も参加し、楽しむことができるサロンがいっぱいあります。
今回はフランスっぽく、一般の私たちも楽しむことのできる5つの「サロン」をご紹介します。
チョコレートの見本市:Salon du chocolat(サロン・デュ・ショコラ)
- オフィシャルHP:http://www.salonduchocolat.fr/
- 開催期間:10月28日~11月1日(2017年)
- 開催場所:Parc des Expositions de la Porte de Versailles
- 入場料:大人14ユーロ、子供6.5ユーロ (3歳以下無料)
日本でも2002年から開催されるようになったチョコレートの祭典「Salon du chocolat」の発祥は、やはりパリです。パリでは1995年から始まり、かれこれ20年以上続いている見本市です。
大きな会場に足を踏み入れると、チョコレートの甘い香りに包まれ、それだけですでに幸せいっぱいな気持ちになってしまいます。
このサロンの魅力は、なんと言っても、普段お目にかかれないショコラティエ(チョコレート職人)ご本人にお会いできたり、発売前の新商品が試食できたりすることでしょうか。
またモデルさんはチョコレートやチョコレート菓子で作った衣装を身にまとっています。そんなモデルさんたちによるファッションショーは、これ本当にチョコレートでできているの?と目を疑ってしまうほどの見事なできばえで圧巻です。
日本ではバレンタインデー前の1月に行われるこちらのサロンですが、パリでは10月末に行われます。どうしてだと思いますか?
フランスでは、クリスマスにチョコレートを食べる習慣が昔からあるので、クリスマス目前に新作チョコレートを披露するという目的があるのです。
クリスマスに向けて大量のチョコレートを買って行かれる方もいますし、クリスマスに買うチョコレートを決める人もいます。
子供はいっぱい試食させてもらえて、ニコニコ笑顔になれる、チョコレート好きにはたまらないサロンです。
ワインの見本市:Salon des Vins des vignerons indépendants(サロン・デ・ヴァン)
- オフィシャルHP:http://www.vigneron-independant.com/
- 開催期間:11月の終わりの5日間
- 開催場所:Parc des Expositions de la Porte de Versailles
- 入場料:大人6ユーロ
フランスの秋の風物詩といえば、こちらの「サロン・デ・ヴァン」でしょう!
パリのみならず、フランス各主要都市で行われるこちらのワインの見本市、ワインの消費量が常に世界のトップ5に入るワイン大国フランスならではの秋のワインの祭典です。
こちらのサロンの楽しみ方は、「とにかく飲む!」こと以外にはないでしょう。入口で購入したチケットと引き換えに渡されるのは、サロン・デ・ヴァンのロゴ入りのワイングラス!
このワイングラスを手に、フランス各地から参加している600以上のワイナリーのワインを試飲し、気に入ったワインを卸値でケース買いできるのも魅力のひとつです。
ただし、心して試飲しないと、あっという間に酔っ払ってしまい、どのワインがお気に入りだったか忘れてしまうなんていうことにもなりかねませんので要注意です。
ワインの他にも、シャンパン、ブランデーなど、地方色豊かなお酒もたくさんありますし、フォアグラのサンドウィッチやボルドー地方のカヌレ、ワインに良く合う各地のチーズなどを販売しているブースもあります。
ワイングラスを片手にサンドウィッチやチーズをつまみ、朝から晩まで過ごせてしまいそうですね。ワインが大好きな方にはたまらない見本市ではないでしょうか。
農業国際見本市:Salon international de l’Agriculture à Paris(サロン・インターナショナル・ド・アグリキュリュチュール)
- オフィシャルHP:https://www.salon-agriculture.com/
- 開催期間:2月25日~3月5日(2017年)
- 開催場所:Parc des Expositions de la Porte de Versailles
- 入場料:大人14ユーロ、子供(6歳~12歳)7ユーロ
フランスは、世界で屈指の農業大国なのは、皆様もご存じですよね。
毎年、3月になると、パリで国際農業見本市が開催されるのですが、ここは、都会のパリにいながらにして田舎の農家に行った様な気分を味わえる大人にも子供にも魅力的なアクティビティがたくさんある、とても楽しい見本市です。
東京ドームの10倍ほどの広さのある広大な会場に入ると、家畜のにおいが漂ってきて、牛・豚・鶏・山羊など動物園かと見まごうほどの動物たちがそこかしこにたくさんいます。
子供達は、家畜たちに触ることもできますし、お料理教室や乳搾りなどのデモストレーションに参加することができたり、かわいいワンちゃんたちによるドッグショーを見たりすることができます。
パパとママのお目当てはなんと言っても、会場にいる牛さん、豚さんたち、農作物で作った食品類の試食です!
各地の果物の砂糖漬けや焼き菓子を頂いた後は、フランス各地のチーズや生ハム、ソーセージを頂き、なんと生牡蠣の試食まであり、試飲のワインも何杯も頂いてしまい、すっかりお腹いっぱいになってしまうなんてことも。
本当は買って食べようと思っていたフォアグラのサンドウィッチが入らなくなってしまったほどでした。
もちろん帰りには、気に入った各地の生ハムやチーズを購入し、たくさんの荷物を抱えていたのは、私たちだけではなかったようです。
この見本市、1週間で約70万人が訪れるほどの大人気イベントです。ぜひ、皆様もパリで農業に触れてみてください。
子供のための見本市:KID EXPO(キッドエクスポ)
- オフィシャルHP:http://www.kidexpo.com/
- 開催期間:10月26日~30日(2017年)
- 開催場所:Parc des Expositions de la Porte de Versailles
- 入場料:大人1名+子供1名18ユーロ、ファミリーパス(大人2名+子供3名)36ユーロ
その名の通り、子供と遊びに行くのにピッタリのとても楽しい見本市です。
おもちゃメーカー、お菓子メーカー、文具メーカー、スポーツ用品メーカーなど、子供に関連するブースがところ狭しと並び、子供達は、お菓子教室、ダンスイベント、お絵かき教室などのアトリエに参加することができます。
会場内には、50平米のプールまで設置され、元オリンピック水泳選手を招いての子供向けの水泳教室や、警視庁主催の自転車の乗り方教室など、盛りだくさんな内容で、朝から晩まで子供が飽きることなく遊べる内容となっています。
1度アトリエに参加すると、15分~30分、親は子供達のアトリエが終わるのをブースの外から眺めながら待ちます。
最初は我が子が楽しくアクティビティに勤しむ姿を微笑ましく眺めているのですが、最後の方は親も待つことに疲れてしまうので、辛抱強くがんばらないと1日乗り切れません。ぜひぜひお父様、お母様、頑張って下さい!
Japan expo(ジャパンエクスポ)
- オフィシャルHP:http://www.japan-expo-paris.com/fr/(フランス語)、http://www.japan-expo-france.jp/jp/(日本語)
- 開催期間:7月6日~7月9日(2017年)
- 開催場所:Parc des Expositions de Paris-Nord Villepinte
- 入場料:4日間の共有パス56ユーロ、6日(木)17ユーロ、7日(金)12ユーロ、8日(土)22ユーロ、9日(日)17ユーロ
こちらは、数年前から大人気の「日本」をテーマにしたエキスポです。
「日本人から見た日本」と、「フランス人から見た日本」の違いが私にとっては衝撃的だったこちらのエキスポも、来年で18回目を迎えるほど、フランス人には大人気のイベントです。
日本のアニメやマンガなどの日本文化の大ファンであった数名のフランス人によって発起された、日本の文化をフランスに広めようという目的のイベントが、こちらのジャパンエキスポの始まりでした。
今では、広大なスペースを誇る会場に、アニメやマンガやゲームのブースがところ狭しと並び、最新作品の宣伝から様々なグッズの販売まで行っています。
さらには、たこ焼きややきそばなどの日本のソウルフードが販売され、日本のご当地キャラのブースや鳥居が設置された神社もあって、それはそれはバラエティに富んでいます。
来場者の多くはコスプレをして来ていて、「コスプレコンテスト」なんかもあったりするのですが、気合いの入ったフランス人のコスプレは本当にクオリティも高く、目を見張るものがあります。
もちろん、日本の音楽の披露もあり、伝統的な三味線コンサートから、AKB48などのアイドルのコンサートまで、フランス人がこんなにも色々知っているのかとビックリしてしまうほど。
ノリノリでコンサートに参加しているフランス人たちは、日本人顔負けのオタクぶりです。
こんな感じで、「日本の文化のすべてをフランスに持ってきてしまった!」ようなこちらのイベント、フランスで母国「日本」がどのように思われているのか外から見るには本当に興味深いエキスポだと思います。
日本人として参加すると、今まで知らなかった新たな日本を発見することもできるかと思います。
まとめ
フランスをもっと知り、もっと好きになれる楽しいエキスポは、今回ご紹介したこの5つだけではありません。
パリおよびパリ近郊だけでも、年間400を超える見本市が行われるここフランスでは、年間を通して様々な種類の見本市が行われています。
最新の情報を手に入れるために、もっとよくフランスを知るために、おいしい物を手頃な価格で手に入れるために、ぜひご自分の興味のある見本市を見つけて、遊びに行かれてみて下さいね。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
フランスで働くには?フランスでの就職方法や仕事・求人の探し方
あわせて読みたい