映画ファンのみならず世界中が注目するフランスのビッグイベント、カンヌ国際映画祭。
この華やかな祭典は、毎年5月に2週間開催されます。この時期は各地から集まる映画ファンや、スターを一目見ようとする大勢の人でごった返します。
さて、私が行ったのは、同時期にカンヌ国際映画祭の会場の横のビーチで行われる『Cinéma de la plage(シネマ ドゥ ラ プラージュ)』という、野外映画鑑賞会です。
カンヌ国際映画祭は大変有名ですが、このCinéma de la plageを知っている日本人は少ないのではないでしょうか。
毎日上映される映画が異なり、その内容はアメリカ映画やフランス映画、中国映画などさまざま。ちなみに私は、1995年に公開した『アポロ13』を見ました。
今回は、野外映画鑑賞会(Cinéma de la plage)での私の経験談をご紹介していきます。
野外映画鑑賞会(Cinéma de la plage)とは
野外映画鑑賞会(Cinéma de la plage)とは一言で、一昔前に公開された映画を、星空のもとビーチで鑑賞しましょう、というもの。
カンヌ国際映画祭と同時期に会場の横のビーチで行われます。しかも入場無料なのです!メイン会場に出入りするタキシードを着た男性、ドレスアップした女性をを見られるので、ちょっとした高級感を味わえます。
時間
5月はサマータイムになるので、日が落ちるのは21時過ぎ。ですから、映画が始まるのは少し暗くなってからの、21時30分からです。
開場が21時だったので、場所取りのために私たちは19時半過ぎから並んでいました。その時間ですでに10人以上は並んでいました。
場所
カンヌ国際映画祭のメイン会場『Palais des Festivales et des Congrès(パレ デ フェスティバル エ デ コングレ)』のすぐ横にあるビーチです。
ちなみにニースからカンヌまでは、電車で30分程度です。駅から会場までは歩いて約10分です。
上映後ですが、電車でいらっしゃる方は帰りが気になりますよね。カンヌからニース行きの最終電車は23時半頃です。作品の上映時間にもよりますが、2時間を超える映画ですと途中で切り上げる必要があります。
最後まで観たいという方には、夜行バス(Noctambus)もあります。
カンヌの駅前から『N200』番のバスが出ており、夜中の1時と2時30分に出発します。(2016年12月現在。時間改訂の可能性もあり。)
ただ、ニースまでは1時間15分かかり、さらにニース空港止まりとなっているので、空港からはタクシーになります。カンヌを2時半に出発するバスは、運転手に依頼すれば、市街まで行ってくれるようです。
バスだと上映後に時間を持て余しますし、便利とは言えません。
私たちは車で行ったので、時間を気にすることなく楽しめました。車がある方は車で行くことをおすすめします。グループで行って、車を所有している友達などに便乗させてもらうのも、一つの手ですね。
会場設備
ビーチに巨大なスクリーンが設置され、たくさんのチェアーが並んでいました。仮設トイレはありません。入口でブランケット1枚が配布されます。
服装
会場は極寒です。真冬のようでした。できればスキーウェアーとか登山服のような、防寒着で臨むのが好ましいです。そんな大げさな、と思うかもしれませんが、本当です。
友達から「寒いから暖かい洋服を持ってきた方がいいよ」と言われていたのですが、5月なんだし大丈夫だろう、と軽い気持ちで考えていたのが失敗でした。
私は綿のニットの上に、革のジャケット、首にショールを巻いて、下はジーパンという服装で行きました。しかし、5月の夜の海辺は想像以上に寒かったです。
ブランケットを追加で1枚もらい、ショールを頭に巻き、もはや遭難した人かのような様相でした。それでも震えながら鑑賞しました。当然ですがビーチは砂浜なので、女性の方はハイヒールは避けた方が良いでしょう。
持ち物
会場内は飲食禁止です。
私達は場所取りで場外に並んでいる間に、用意してきたサンドイッチなどを食べました。場内飲食禁止は知らなかったので、水筒に暖かいお茶を入れてきたのですが、並んでいる最中寒かったので持ってきて正解でした。
防寒具として、帽子や手袋、ホッカイロなどもあったほうがよいでしょう。
座る場所
私は大型スクリーンの場合、画面酔いすることがあるので、映画を観る時はいつも後ろの方の席を選びます。この時は真ん中あたりの席を選んだのですが、字幕が見えないという事態が発生しました。
もちろんビーチは平らなので、映画館のように傾斜しているわけではありません。さらに椅子がリクライニングになっているので、寝転んだような姿勢で観ることになります。
私が観たのはアメリカ映画だったので、音声は英語で、字幕はフランス語でした。私は英語よりフランス語のほうが理解できるので、フランス語の字幕を見たかったのですが、それが見えません。凍えながら観た映画が、あまり理解できなかったのは少々残念でした。
字幕が見たいという方は、前の方に座ることをおすすめします。
まとめ
映画が終わった時間にメイン会場の式典も終わったようで、中からタキシード姿の男性、ラグジュアリーなドレスを着た女性が流れ出てきました。それを見て少し高級感を味わえました。
カンヌ国際映画祭は敷居が高くてちょっと……。でも会場の雰囲気は味わってみたい、という方、Cinéma de la plageに行ってみてはいかがですか?
ちなみに、2017年のカンヌ国際映画祭は5月17日から28日です。
上映される映画や時間は、こちらのページで確認できます。
参考サイト:http://www.festival-cannes.com
毎年この時期はよく雨が降ると言われていますが、Cinéma de la plageは予約が不要なので、晴れた日に思い立って行くこともできますよ。
星空の下、波の音を聞きながらの映画鑑賞なんてロマンチックですよね。ただし、暖かい格好で行くことをお忘れなく!
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