フランス人はホームパーティが大好き。
クリスマス、誕生日などの特別なイベントはもちろん、新居祝いパーティや年越しパーティーなど、なにかにつけてホームパーティーをします。
ホームパーティーといっても、テーブルについて前菜からデザートまで一通りサーブされる場合や、きっちりとした食事はせずに、お酒とおつまみを楽しむ『アペリティフ』、夏には庭でバーベキューという場合もあります。
私は今まで、友人の新居祝いパーティー(crémaillèure)や、誕生日会、他にも単に「ご飯を食べにおいでよ」など、色々な誘いを受けました。
もちろん、我が家でも何回ホームパーティーをしたことか、数えきれない程友人を招待しました。
ここでは、フランス家庭のホームパーティーに招待された時のマナーや、体験談をご紹介します。
フランスで参加するパーティーへの手土産
フランスでは招待されて、手ぶらで行く人はいません。日本でも、家に呼ばれたら何か手土産を持って行くのが礼儀ですよね。
これはフランスも日本も同じです。
招待してくれた人の嗜好が分かっていれば、それに沿ったものを用意して行けば喜ばれるでしょうが、何を手土産として持参すればいいの?とお困りの方に、私の経験からランキングを付けてみました。
手土産ランキングベスト3
1位ワイン
さすがはワインの本場フランス。ワインが嫌いという人は私の周りでは聞いたことがありません。
食事にワインは付きものです。まずはアペリティフでロゼワイン、前菜で白ワイン、メインで赤ワイン。ですから何本あってもいいわけです。手土産に困ったら、ワインを持って行けば間違いなしです。
ワインの値段は、日本と比べて驚く程安いです。5ユーロ(約600円)ちょっと出せばシャトーのワインが買えますし、10ユーロも出せば美味しいワインが買えます。
パーティーの内容にも寄りますが、一般家庭のパーティーであれば、10ユーロ前後のワインで十分でしょう。セレブなパーティーだったら、また違うでしょうが……
2位デザート
フランス人は男性も女性もデザート好きが多いです。必ず食後にデザートを食べますから。
デザートの種類としては、ケーキとかマカロンが主流でしょうか。もちろん、手作りケーキも大歓迎です。
3位花束
女性は花束をもらうと嬉しいもの。フランスで良く見かけるのが、お花いっぱいのベランダ。
花好きのフランス人女性は多いようです。
私も友人を家に招待した時に、花束をもらったことが何度かあります。これは女性にとっては嬉しいですよね。
番外編
若者同士の気軽なパーティーであれば、コーラやオレンジーナなどの飲み物、ポテトチップス、ピーナッツやスナックなど、いかにも若者好きな物を持って行く人が多いですよ。
パーティーへ集合時間
日本人からすると、遅れるより早く着いたほうがいいだろう、と思いがちですが、時間前に到着するのはおすすめしません。
フランスでは時間通りに行くか、少しだけ遅れて行くのが礼儀のようです。
よくあることですが、時間通りに行っても、食事の準備が出来てないことが多いです。周りも少し遅れてくるので、待ちぼうけをくらうことも多いです。
私が家に人を招待する時は、時間までにテーブルセットして、料理も全部作り終わって、招待客が来たらすぐ始められるという体勢を取っていますが、フランス人は意外とのんびりしてます。
以前友人を家に招待した時、20時と設定したのに待てど暮らせど来ないので、30分経って「遅れてる?」とメールをしたら一組は「あと少しで着く」。もう一組は「21時頃になる」と。
遅れるという連絡も入れず、何事もないように返事が来たのに驚いた経験があります。時間にルーズなフランス人は少なくありません。
とは言っても、遅れても5〜10分くらいにしておきましょうね。
パーティーで座る場所
座る場所は、その家のオーナーが決めます。勝手に座ってはいけません。
あなたはここ、あなたはそこ、と指図された席に座ります。カップルで行けば、だいたい隣同士にしてくれますが、敢えて離された時もありました。色々な人と話ができるようにとの計らいでしょう。
パーティーの流れ
乾杯
遅れている人がいれば、ソファーに座ったり、場所がなければ立って他の人と会話をして待ちます。全員が揃ったら、テーブルにつきます。揃っていないのに始めることはありません。
初めて訪問する家だと、家の中を案内してくれることもあります。日本だと、部屋を他人に見せることを躊躇する人も少なくないですが、フランス人は堂々と案内してくれます。
さて、全員が揃ったら、まずは食前酒で乾杯です。こちらの乾杯の方法は、日本のようにみんなで一斉にグラスをかち合わせるのではなく、一人一人グラスを合わせ、お互い目を見て笑顔で「チン!」とか「サンテ!」などと言います。
よく日本のフランス料理店では、グラスは合わせず目の高さに持ち上げ、アイコンタクトだけするのがマナーだと言われていますが、本場フランスではガチンとグラスを合わせます。乾杯の時に言う「チン!」は、グラスを合わせた時に鳴る音を表現してますから。
この時、他の人と手がクロスしてはいけません。フランス人はよく「クロスしないようにね!」と言います。
というのも、手をクロスすると十字架の形になりますよね。フランスではそれは不幸をもたらすと言われているからです。ですから、乾杯の時は他人と手がクロスしないように気を付けましょう。
ここでは軽いおつまみなどをつまみながら、お酒と会話を楽しみます。
前菜、メイン、デザート
日本でフレンチレストランに行ってコースを頼むと、必ず『前菜、メイン、デザート』という流れで出てきますよね。フランスは家庭でもこの流れで食事をいただきます。
万が一食べられない食材があったら、正直に伝えるのが良いでしょう。パートナーが一緒の場合、食べてもらうのも問題ないでしょう。
フランスでは、チーズはデザートに食べます。正確に言えば、デザートの前に食べます。ここではよくチーズの盛り合わせが出てくるので、自分の食べたいチーズを自分でカットしてお皿に乗せます。フランス人はよくバゲット(フランスパン)と一緒に食べます。
日本だとデザートと一緒にコーヒーなり紅茶を飲みますが、フランスでは違います。デザートを食べ終わった後に、飲み物を楽しみます。
ゲーム
食事が終わって一段落をすると、ゲームの時間です。おしゃべりで突き通す場合もありますが、ゲームをするケースが多いです。
中でもトランプやUNOなどの、カードゲームが主流でしょうか。
フランスで最も有名なゲームが『scrable(スクラブル)』です。配られたアルファベットをクロスワードのように並べて単語にし、得点を競うというゲームです。これはフランス語の勉強にもなるので、おすすめのゲームです。
日本だと、負けた人が罰ゲームというのがよくありますが、フランスでは見かけません。
おいとま
フランスのホームパーティーは長丁場です。なにせおしゃべり大好きフランス人ですから、会話はノンストップです。
日本人のように「長居しては申し訳ない」という考えはありません。むしろ、早く帰るのが失礼のようです。
夜のホームパーティーですと、まず一般家庭の平均的な夕食時間が20時なので、始まるのが遅いのです。
食事が終わって眠気が出てきても、帰ると言い出す人はいません。
夜中の12時近くになって、やっと誰かが「そろそろ帰ります」と言うケースが多いです。
市街だと電車やバスが夜遅くまで走っているので問題ありませんが、郊外に住んでいる方で帰宅できなくなる恐れのある方は、もちろんその旨を伝えて先に失礼することはできます。
まとめ
国によってホームパーティーの内容やマナーは異なりますよね。
フランス人は家族と過ごす時間を大切にします。ですから、夫婦なりカップルなら必ず二人とも誘われます。どちらか片方だけということはありません。
以前、義母の家に食事に招待された時、いつものようにただ家族で食事をするのかと思って気軽に行ったら、親戚勢揃いで10人以上集まった食事会がありました。
そんなサプライズにも慌てないために、予めマナーは知っておいた方が良いでしょう。
ホームパーティーは、その国の文化や伝統、習慣などが見れて大変興味深いものです。
ホームパーティーに招待されたら、興味を持ったことを質問してみたり、日本と違う部分などを紹介してみるのも良いかもしれませんね。
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