最近、外国人の出てくるテレビ番組が増えてきましたよね。
彼らの「日本人から見ると」突拍子もない行動や、日本の素晴らしさに感動する姿が受けているのかもしれません。逆に、海外で生活する日本人を特集する番組もあり、日本との文化や習慣の違いがこれまた視聴者を惹きつけている様です。
外国に住んでびっくりしたことはたくさんあります。
今回はその逆に、長年イギリスに在住した後に日本で感じた、逆カルチャーショックをご紹介します。
「お客様は神様」という美学が生んだモンスター・カスタマー
日本の接客サービスは世界に誇れる素晴らしいものだと思います。イギリスでは、お店に入っていっても挨拶すらされず、店員同士で延々とお喋り……などという光景は珍しくありません。
イギリス在住時代、一時帰国した日本でコンビニやスーパーの店員さんの親切、丁寧な接客に逆に恐縮してしまうことすらありました。
そして対照的に、見ているこちらが恥ずかしくなるほど横柄な客の姿も目につきました。日本へ帰国した際、空港で目にしたのはインフォメーション・カウンターの受付嬢に怒声を浴びせる中年の男性でした。
顔を真っ赤にして怒鳴り続ける男性と、ただただ平身低頭に対応する受付嬢。
これは、イギリスではなかなか目にしない光景なのです。
お客さんとスタッフは対等
たとえお金を払っていても、お客様は神様ではないイギリス。クレームを入れる際に平常心を失うと、「あなたが落ち着かないと話ができない」とバッサリ対応を拒絶されてしまいます。
また、電車が遅れたり運行停止になったりすることが多いロンドンの地下鉄駅構内には、駅員に対して「虐待的な言動を取る人は容赦なく警察に通報される」旨がハッキリと書かれたポスターがあちこちに貼られています。
イギリスのカスタマー・サービスは日本とは比べものにならないほど程度が低いことは否めませんが、その分期待度も下がり、また冷静さを欠くと相手にしてもらえなくなるので必然的に耐性が強くなっていきます。
日本のサービスは素晴らしいですが、顧客側の態度はイギリスを少し見習った方が良いのではないかと感じました。
会議での発言はタブー?日本とイギリスのビジネスマナーの違い
イギリスでも日本でも、仕事をしていれば必ず打ち合わせや会議という場に出席する機会があるでしょう。
社会人生活の大部分をイギリスで過ごした後、日本の企業に就職した私が最初にぶち当たったのは会議でのタブー行動でした。
会議の雰囲気の違い
イギリスでは、内部での会議はリラックスムードで行われ、コーヒーを飲んだり足を組んだりすることもOKでした。また、どんな立場の社員でも発言権を与えられ、様々なアイディアが飛び交う活気のある場でした。
そんなイギリス風会議から抜けきれずに日本での会議に出席した私は、テーブルの上でペンを弄んだり、足を組んだり、本社からの通達に異論を発したりと初日から問題児のレッテルを貼られてしまいました。
会社によって様々なスタイルがあると思いますが、未だに私は「会議」と聞くだけで気が重くなってしまいます。
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求人票に記載された年齢制限と存在する差別
イギリスの履歴書(CV)には証明写真はもちろんのこと、生年月日も記載する必要がありません。日本に本帰国し職探しを始めた際、求人票にはっきりと年齢制限が書いてあるのを見て衝撃を受けました。
「三十代の女性が活躍している職場です」などと書かれているのは仕方ないにしろ、イギリスでは考えられないものでした。
日本の年齢制限
日本で就いた仕事を辞める際、引き止めてきた女性の上司が「あなたの年齢で次の仕事を見つけるのは容易なことではないのだから」と説得してきたときも、もっともな意見とはいえ大きな違和感を感じました。
三十代後半の同僚が、「転職したいけど年齢的にできない」とため息をつく姿にも何ともいえない憤りを感じたものです。
イギリスで働いていた頃、日本人の同僚のほとんどが三十代後半〜四十代でしたが、年齢を理由に転職を断念した人など一人もいませんでした。実際、年齢が上なら経験もある為転職活動は年々楽になるように思えました。
終身雇用が珍しくない日本の状況は決して悪いものだとは言えませんが、優秀な人材を逃しているこの年齢差別は残念としか思えません。
まとめ
いかがでしたか?
日本には日本の良さが、イギリスにはイギリスの良さがありますが、どちらも住めば都。郷に入っては郷に従う柔軟な心構えが、海外生活をエンジョイする鍵なのかもしれません。
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