仕事などで海外に長期滞在している方、こんな経験をお持ちではないでしょうか。
言葉、食事、気候など現地での生活に徐々に慣れ始め、移住直後は楽しめていた環境の変化。しばらくするとそれに不満を感じ、日本が恋しくなってしまう……。
これが、ホームシックの症状です。でも実はこれが、現地に適応するための大事なプロセスなのです。
ここでは、現地適応までの過程を確認しながらストレスが溜まりやすいポイントを押さえ、ホームシックを乗り切る方法をご紹介します。
海外生活でホームシックは必ず通る道?適応までの4段階
移住直後から現地に適応するまでに、多くの人が下記の4つの段階を踏むのだそうです。
- 段階1:ハネムーンステージ(期待や希望を持ち、新しいものとの出会いに感動する)
- 段階2:カルチャーショック(無力な自分を目の当たりにし、アイデンティティが揺らぐ)
- 段階3:適応開始(自分なりの居場所や存在の仕方を見つける、自己発見の時期)
- 段階4:適応
この段階2でかかりやすいのが、ホームシックです。
「できていたことができない」時期も海外生活適応のプロセス
日本で簡単にできていたことが、言葉や文化が違う異国でうまくいかない。そうなると無力感におおわれて、移住先の国の欠点が目に付き始めます。
新しい生活への期待でいっぱいの移住直後は、ホームシックになる自分なんて想像できませんよね。
新しい環境はストレスも未知数と心得よう
学ぶことや得ることがたくさんの新しい環境は、自分にとって未知の世界。ストレスも未知数だと想定しておきましょう。
でないと、知らず知らずのうちにストレスを抱え込み、楽しめるはずの海外ならではの体験もおっくうになってきます。そして、それがまたストレスになりホームシックに拍車をかけてしまうこともあります。
ストレスになりやすい原因をあらかじめ把握し、これも適応へのプロセスと心得て、あせらずにゆっくり自分のペースで乗り越えていきましょう。
海外でストレスになりがちなこと〜言葉
ストレスの第一歩になりやすいのが言葉の問題でしょう。
海外で仕事をするなら、現地の言葉は必須です。現地の言葉が必要ない職場だとしても、日常生活や友人づくりなど様々な場面で言葉は重要となります。
ストレスを減らすためにも、渡航前の事前勉強には力を入れるのがベターです。
渡航後に言葉のストレスを感じる場合は、あまり自分にプレッシャーをかけすぎず、趣味の時間や体を動かす気分転換の時間を持つことも大切です。
買い物など日常のちょっとしたやり取りから「言葉が通じた」という自信を積み重ねていき、言葉に対するストレスを減らしていきましょう。
海外でストレスになりがちなこと〜食事
日本食は高級、手を伸ばしにくい
移住先によっては日本食は高級とされていて、日本食レストランでの食事は値が張ります。
また、日本によくある24時間営業のコンビニエンスストアやファーストフード店はあまりないことも多く、飲食店も日本の居酒屋のように明け方近くまで営業している店舗は少ないでしょう。
ただ、昨今の日本食ブームもあり、アジア食品コーナーなどを設けるスーパーも多くなりました。醤油や日本のお米(スシライスという名前で販売されている国も)、インスタントの味噌汁などを購入することができます。
心身の健康を保つため自炊にもチャレンジしよう
外食派の人でも簡単な料理が作れるようになっておくと、食事からくるストレスを減らすことができます。
ストレスが原因で体を壊してしまう、ということがあるように、体の健康と心の健康は大きく関わっています。心の元気がない時ほどヘルシーな食事を心がけ、心と体、両方の健康を調整しましょう。
海外でストレスになりがちなこと〜友達
同じ環境でがんばる仲間や友達を見つけるなど、刺激的な新しい出会いは海外生活で期待することのひとつですよね。
しかし、文化の違いや言葉の問題からストレスを感じることもあるかもしれません。
家族や日本の友人と話してストレス回避
低料金で国内外と通話のできるIP電話や、スマートフォンやPCから利用できる通話・メッセージアプリが多数あります。
家族や親しい友人とは共通のメッセージアプリが使えるよう準備するなど、気軽に連絡を取り合える環境を整えておきましょう。
ストレスやホームシックを自覚していなくとも、家族や親しい友人ならあなたの些細な変化に気付いてくれることも多いはず。こまめに連絡を取り合う習慣をつけておくに越したことはありません。
親しい人の前で思い切り泣くのも効果的
人は、泣くことでストレス成分を涙と一緒に体外へ排出することができるのだそうです。
心に負担がかかっていると感じたときには、親しい人に話を聞いてもらい大いに泣く、というのも有効なストレス解消になりますよ。
海外でストレスになりがちなこと〜仕事
新しい仕事に就くとなると、心身ともに負担がかかるものです。ましてや海外となると、想像の域を越えます。
言葉や会話に問題がなかったとしても、現地の同僚や顧客の仕事に対する取り組み方や進め方、文化・考え方の違いなど戸惑うことばかりでしょう。
お互いが心から理解し合うのには時間がかかることと理解して、あせらずに物事を進めるのがベターです。
自分の意見を求められている、どんどん発信しよう!
海外では自己アピールをすることが基本中の基本です。積極的に自分の意見を発言する人の評価は高く、意見を言わないと「意見のない人」と思われてしまいます。
シャイな傾向が強い日本人は、このような環境でストレスを感じる人も多いと思います。しかし、自分の意見を自然に口にすることでこのストレスは大きく減らすことができます。
日常生活の中で「なんでもいい」というフレーズを極力使わないようにし、小さなことから自分の意見を発言することを心がけること。徐々に慣らしていきましょう。
経験者だから伝えたい、ホームシックには終わりがある!
ホームシックの苦しみは、経験者でないとなかなか理解しがたいものです。 海外で生活をする中で、筆者もホームシックにかかったことがあり、思い切って短期の帰国を決めたとたん治った、という経験があります。
それ以降、海外での生活にストレスを感じたり、ホームシックにかかったりしたときに自分に言い聞かせているのは「ホームシックには、必ず終わりがある」ということ。
ホームシックから脱すると「私は何を悩んでいたんだろう?」と思うことも多く、その切り替わりには本人が驚くほどです。
自分に自信を持つことが一番の薬
ホームシックからの脱出ポイントは人によって違いますが、思い切って旅行に出るなど一時的にでも環境を変えることは効果的です。
海外で生活をしていくのは楽しく刺激的な反面、障害やストレスも多く大変な側面もたくさんあります。「今、自分が海外でがんばっているのはすごいことなんだ」と自分に自信を持ち、自分がしていることを誇りに思うことが一番の薬かもしれません。
まとめ〜自分が経験したことは必ず困った誰かの支えとなる
海外で生活する多くの仲間が通る道であるホームシック。ホームシックにかかることは、決して恥ずかしいことではありません。周りの人に話をし、食事に出かけたり、イベントに参加したりするなどして積極的に助けてもらいましょう。
母国を離れての生活には一人では乗り越えられない壁も多く、いろいろな場面で周囲の人に助けてもらう機会が増えるもの。自分以外の誰かがホームシックにかかったときに温かく支えてあげられるようになるためにも、周りと助け合って乗り越えていきましょうね。
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