中国に行くと、日本で標準的な治療法である西洋医学「西医(シーイー)」に加え、中国医学「中医(チョンイー)」がかなり大きな役割を占めていることに気づきます。
「中医」専門医も多く、専門の病院もあります。薬局でも、置いている薬の半分くらいは中国医学の薬「中药(チョンヤオ)」のように見受けられます。日本の漢方薬があくまで補助的な役割なのと対照的です。
ではこの「中医」は漢方と同じなのでしょうか。利用したい場合はどうしたらよいのでしょうか。医学の専門的な知識は抜きにして、一般人として利用する上で知っていると役立つ内容をご紹介します。
漢方との関係
簡潔に言うと、漢方はもともと中国医学を源とするものの、後に日本独自の発展を遂げたものなのなので「中医」とは似て非なるものです。
個人的な感想としては、日本にいた時何度か服用した漢方薬はあまり効き目を感じなかったのですが、中国で服用した「中药」の中にはとてもよく効いたものもいくつかありました。
だからと言って漢方より「中医」がおすすめだと言いたいわけではありませんが、漢方は自分に合わないと思っていた人でも、「中医」を試してみる価値はあるかもしれません。
「中药」は大きく分けて2種類
「中医」と言っても鍼やお灸などたくさんの治療法が含まれますが、外国人にとって一番手軽に接することができるのは「中药」、つまり「中医」の薬でしょう。
「中药」の中にも大きく分けて2種類あります。一般的な薬と、「草药(ツァオヤオ)」という薬草です。
錠剤や顆粒状になった一般的な薬は、西洋医学の薬「西药(シーヤオ)」と同じような感覚で飲むことができます。1回に飲む錠剤の数が多かったり、臭いがあったりする以外は普通です。
薬局に行くと、「中药」と「西药」のどちらがいいかを聞かれるので、選ぶことができます。症状に合ったものを出して、どんな薬か説明してくれるでしょう。納得がいったらレジに行き会計し、その後薬をもらいます。
「草药」は「中医」の処方が必要で、薬の値段はかなり高いです。処方によってだいぶ違いますが、風邪薬5日分で5000円~10000円くらいもします。
「中医」の医者に診てもらいました
風邪があまりにもしつこくて、色々な薬を飲んでも治らなかった時に診てもらったことが何度かあります。病院に行ったこともあれば、薬局にいる医者に診てもらったこともあります。
病院の場合はまず受付「挂号(グアーハオ)」をします。その際、希望の医師がいれば伝えます。特に希望が無ければ症状に応じた医者にまわしてくれるでしょう。薬局の場合「中医」の医者は普通1人で、他に客がいなければすぐ診てもらえます。
順番が来て医者の前に腰掛けると、まず脈を診られます。症状やその他の体の様子(排便など)について聞かれたり、舌を見せるように言われたりします。
私たちにはよく読めないような字で処方箋を書いてくれます。もし、値段が心配ならこの時点で希望を伝えたり相談したりすることも可能です。
処方箋をもって薬草専門の薬剤師がいる場所に行きます。たくさんの引き出しに薬草が入っていて、そこから処方箋に応じた薬草を量り出してくれます。
自分で煎じたいか、ここで煎じて欲しいかを聞かれます。煎じてもらう場合は数時間後に取りに行くことになります。
「草药」ってどうやって服用するの?
自分で煎じる
私自身は煎じたことはないのですが、それほど難しいわけではないそうです。ただ、小さな火でゆっくり煎じなければならず時間がかかり、家が薬草の臭いでいっぱいになるとのことです。
それでも、自分で煎じた方が徹底的に薬草を煎じることができて、薬効が十分出ると言う人も少なくありません。病院や薬局では、そこまでやってくれないとのことです。
煎じてもらう
1回に飲む分を1袋ずつ密閉した形にしてくれるのでとても便利です。入れ物に入れて温めてから飲みます。
粉末状にしてもらう
どこでもやっているわけではなく、薬によって向き不向きがあるようですが、粉末状にしてもらったものをお湯に入れて飲むという方法もあります。
漢方薬だと大抵食前に服用するよう言われることが多いので、「草药」もそうかと何度か尋ねたことがありますが、食後でいいと言われました。処方される薬によって違うかもしれませんが、これも漢方薬との違いの1つと言えるでしょう。
まとめ
中国医学について、おおまかに理解していただけたでしょうか?中国で身体の調子が悪くなった時、お世話になる機会があるかもしれませんね。
日本の漢方と似ているようで、違いもあります。身体に直接関わることなので、医者や薬剤師の説明をよく聞いて、納得の上で利用したいものですね。
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