中国で病気になった場合どうしたらよいのでしょうか?医療機関の受診が必要になった場合、海外保険の加入の有無によって病院の選び方やどういう形で受診するかが変わってきます。
今回は中国で病院へ行く際に、「外国人向けの病院」と「ローカルの病院」とでどのような違いがあるのか、そのメリット・デメリットをご紹介します。
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外国人向けの病院での診察
キャッシュレスサービスが受けられる
日本の海外保険に加入している方、またはクレジットカード付帯の海外保険が使える方は外国人向けの病院(※各保険会社と提携している病院)でキャッシュレスでの受診が可能です。
キャッシュレスサービスを受けるときの必要な書類
病院でキャッシュレスサービスを受けようと思った時に準備する資料は以下の通りです。特に難しいことはないので、必要書類だけそろえて病院に行ってみましょう。
▼クレジットカードの場合
- クレジットカード
- パスポート
- 日本の出国印
- 中国入国印
▼海外旅行保険の場合
- 海外旅行保険証のコピー
上記を持って行けば、キャッシュレス(お金不要)での対応が可能になります。
通訳が同行してくれたり、海外経験のある医者がいる
外国人向けの病院を利用するメリットは、診察時に通訳がついたり、医者が海外経験のある者(病院によっては日本人の医者)であることです。また、病院内に外国人向けの書物・情報誌や映像も準備されています。
体調の悪い時に自分の症状を中国語で伝え、医師の言葉を正しく理解することは精神的にも物理的にもハードルの高いですよね。そういったこともあり、多くの日本人は外国人向けの病院を利用しています。
処方される薬は漢方系が多い
処方される薬は漢方系の薬が多いですが、西洋薬も併せて処方されることもあります。漢方系の薬といっても、乾燥させた漢方や粉になったものというよりは、錠剤になったものが多いです。
もちろん、煎じて飲むタイプの漢方もあります。
漢方薬と西洋薬のどちらが良いか、希望を聞いてくれる病院や医者もいます。普段飲んでいる薬等があれば、忘れずに持参しましょう。またアレルギーがある場合も忘れずに申告しましょう。
海外旅行保険に入っていない場合は診察代を先に聞いておこう
外国人向けの病院はサービスが充実している分、診療費も高いのが一般的なので(海外保険に加入していればその場ではキャッシュレスで受診可)、海外保険に加入していない方が受診する際は注意が必要です。
海外旅行保険に加入していない場合は、あらかじめ症状を伝え、だいたいの治療費用を聞いた上で診察を受けるのが無難です。診察後、思ったより費用がかかったというようなトラブルを避けるためにも事前に確認しておきましょう!
外国人向けの病院の探し方
また、外国人向けの病院の情報は日本人向けの情報誌(『ジャピオン』等)やサイト、保険会社からの紹介等で知ることができます。
大都市では外国人向けの病院が多くありますが、外国人が少ない都市では対応している病院が無いというケースもあります。
いざという時に慌てないように、最寄りの外国人向けの病院を前もって探しておくことをおすすめします。
その他の注意点
また、海外旅行保険に加入している場合でも症状によっては保険適用外になるケース(健康診断、予防接種、慢性的な病気等)もあるので、症状ごとに事前に確認することをおすすめします。
また海外旅行保険を使い、あまりにも頻繁に病院にかかると、次回の更新時の審査に落ちてしまうということもあります。
これは筆者の知り合いのケースですが、仕事や旅行などで中国に来ると必ず体調を崩して入院し、1年間で200万元(1元17円で計算すると3,400万円)分の医療費を海外旅行保険で補ったそうです。
すると、次回の更新時に審査に落ちてしまい、再び利用できるまで何年かかかったとのこと。メリットとともにそのような一面もあることを踏まえ、賢く利用しましょう。
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国や市の運営するローカルの病院での診察
中国のローカルの病院での受診は、地域差はもちろんのこと、病院によっても評価が分かれています。なので、外国人にとっては病院選び自体が難しいです。
診察前の先払いが基本
一般的にローカルの病院は受付で順番待ちをし(受付だけで費用がかかる)、先に診察費用を払い、診察をしてもらった後、薬を処方してもらうために改めて並び、薬を受け取る(そこで薬代を払う)という流れになります。
順番待ちで長時間待つこともあり、サービスがいいわけではない
大病院であるほど順番待ちで長時間を要します。
外国人向けの病院に比べれば医療費は格安ですが、日本とは違って医者が必ずしも丁寧に対応してくれるとは限らず、言葉の面・医療技術の面・サービスの質共に日本人が受診するとなると少しハードルが高いでしょう。
例えばこんな例も
ある日本人の友人は、肺炎の疑いがあると言われてレントゲンを撮ることになりましたが、更衣室のようなスペースは無く、他の患者さん達の前で上半身裸になることになり、心が折れたと言っていました。
また、これは現地の人の体験ですが、診察台の上に横になっていてねと言われ待っていたところ、医者も看護師もその人のことを忘れて昼休憩に行ってしまい、3時間もその状態で待たされた挙句、「あ、ごめんごめん」の一言でおしまいだったとか。
筆者もよく、入院した現地の方のお見舞いのためにローカル病院に行くことがありますが、初めは見るものすべてに衝撃を受けました。
部屋に収まりきらなかったベッドが廊下にズラッと並び、患者さんがそこで寝ている姿、処置室に入れきれなかった人たちが病院の外で点滴している姿、点滴や薬の交換は看護婦がやるのではなく、患者や家族がする、医者の白衣が汚い、入院しても食事などは出ないので、お見舞いの人たちに持ってきてもらう、などです。
日本の医療の常識からは考えられない事ばかりなので、相当のチャレンジャーでない限り難しいかもしれません。また、医者がわかりやすい中国語を話してくれることは期待できません。
聞き取れないことがあって聞き返しても、同じ言葉を繰り返すのみで、最終的には強制的に診察終了にされてしまうこともあります。英語を話せる病院スタッフもそれほど多くありません。
診察料はだいたい1,000円程度から
一般的な風邪で受診する場合、診察料は薬代込みで数十元(1,000~1,500円)、点滴を受ける場合は約200元(約4,000円)程度かかります。ローカルの病院に関しては住んでいる地区の最寄りの大学病院等に行くケースが多いです。
よほど大きな国際病院は別として、一般的に中国の多くの病院は日本の病院に比べ診察室内の医療機器の品揃えが少なく、精密検査をした上での的確な処置というよりはそれぞれの医師の経験と簡単な問診に基づく診断・処方が多い印象です。
まとめ
中国にも外国人向けの病院やローカル病院、また診療所などたくさんあります。しかし、中国の病院では地域によっても医療レベルが異なるので、事前に口コミなので、病院の評判を確かめておくと病気になった時にスムーズに対応出来ます。
特に緊急でない場合や精密検査が必要な症状については、日本に帰国した際に日本の病院でじっくり診てもらうことをおすすめします。
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