日本でデリバリーと聞くと、筆者など真っ先に思い浮かぶのが「ピザ」ですが、中国ではスマホの普及とIT産業の成長に伴い、ピザなどのファーストフードはもちろんのこと、様々な業態でデリバリーサービスが普及しています。
今や中国でデリバリー出来ないものはないかも?と思うほどです。
ここではそんな中国の超便利なフードデリバリーサービス事情について見ていきましょう。
Q.中国生活を便利にするWeChatとは
中国のデリバリー事情とは
写真はデリバリー用バイク
デリバリーのことを中国語では「外卖(ワイマイ)」と言います。
中国では特にフードデリバリーが昔から一般化していて、筆者が中国に駐在し始めた2002年ごろには、すでに大体どこの飲食店もデリバリーしてくれていました。
オフィスでは決まって10時半くらいからスタッフたちが、今日は何を食べようかと話し合うことから始まり、どのお店がいい、あそこは遅いから嫌だ、などとざわつき始めて、意見がまとまると、担当のスタッフが皆の分の注文をまとめて電話でお店に注文。
ちょうどランチタイムにおじさんがバイクで届けてくれていました。
配達時間が遅れたり、注文した数と合わなかったり、電話したはずなのにお店には注文が入っていなかったりということもよくあって、注文担当のスタッフが電話越しで大声でクレームをつけているというのも日常の光景でした。
「中国あるある」の1つですね。
当時は10元くらいでボリューム満点のメニューが豊富だったので、ビックリしていたのを覚えています。
10数年経った今は、上海などの大都市では特に、再開発により昔ながらの小さな中華料理店などが立ち退きにあっています。
葱油开洋面(13元)炸猪排(15元)
それに代わって、ランチでも50〜100元(750〜1500円)くらいの価格帯で料理を提供するお洒落な和洋中レストランが多く立ち並ぶようになりました。
それに困ったのが、都市中心にオフィスがあるホワイトカラー達です。
100元のランチもたまにならいいものの、毎日となるといくらリッチな上海ホワイトカラー達でも懐も寂しくなります。
そのため、ランチタイムに外に出ると、20〜30元くらいでランチを提供している昔ながらの中華料理店などは早い時間から行列になっており、少し出遅れた人たちはたちまちランチ難民になってしまうという具合です。
地元のラーメンなどは中国では今も安く、庶民の味方!ですが、毎日ラーメンというわけにもいかないですしね。
中国フードデリバリー産業の現状
このような背景とスマホの普及、中国IT業界の急速な成長などが相まって、現在のような非常に便利な状況に進化したのが中国のフードデリバリー産業です。
マクドナルドなどの専門店はもちろん自社でデリバリーをやっていますが、面白いのはこの後に紹介するデリバリーサービスです。
中国では「餓了么」「百度外卖」など、デリバリー専用ECサイト(APP含む)がプラットフォーム化
中国では現在「餓了么」「百度外卖」など、デリバリー専用ECサイト(APP含む)がプラットフォーム化されており、そのプラットフォームに、街中のほとんど全てと言っていいほどの飲食店が参加しています。
利用者がスマホなどからプラットフォームを通じて注文すると、プラットフォーム提供者の専用バイク便が各飲食店まで注文の品を取りに向かい、発注者の指定場所まで配達するという仕組みです。
スマホ1台で楽々決済
もちろん支払いもスマホで電子決済です。
さらにスマホは位置情報がありますから、自分のいる近くでデリバリーが利用できるお店がリストアップされるので、届いてみたら、料理が冷たくなっていたなんてこともほとんどありません。
しかも本当にどこのお店も参加しており、和洋中他、料理のバリエーションも豊富なので、飽きるということもありません。
上海のいたるところで見かけるデリバリー専用バイク
街中このようなフードデリバリー専用のバイクで溢れかえっています。
デリバリー専用バイクを見かけない日はないのです。
地下鉄構内の広告もデリバリーサービス一色です。
青色の配達員が両手に持って急いでいますね。
ランチタイムになるとビルにはこのような赤や青や黄色のシャツの配達員だらけになります。
このビルにはよく見ると3人も赤シャツの配達員が配達していますね。
配達員はアルバイトでしょうか?総じて若い男性の配達員が多い印象です。
まとめ
現在の中国フードデリバリー産業は、物価の高騰、忙しい人の増加、スマホの普及、中国IT業界の急速な成長などが相まって進化し、市場からも熱い視線と資金が集まっています。
そのことにより消費者としては便利で快適な生活が送れていますのでありがたく、寒くなってきたこの季節、ますます外出の機会は減りそうです。
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