国際条約に加盟していないため国際免許証が使えないミャンマー。しかし、タクシー運転手の運転の荒さから、自分で運転したいという外国人も増えています。
そこで、今回は筆者が実際に体験したミャンマーでの自動車運転免許の取得手続きをご紹介します。
国際免許証があれば、テストは免除
ミャンマーで外国人が運転免許を取得するには、主に2つのパターンがあります。ひとつは、ペーパーテストと実技試験とを受けて取得する方法。
もうひとつは、日本で取得した国際免許証を使い、ミャンマーの免許に切り替える方法です。筆者がこのほど試したのは、国際免許証からの切り替えです。
国際免許証だけでは直接ミャンマーで自動車を運転することはできませんが、国際免許証を使って切り替えると、ペーパーテストと実技試験が免除になります。
この方が断然楽ですので、日本で国際免許証を取得してから来緬することをお勧めします。日本での国際免許証の取得手続きは一日で終わります。
「ヤンゴン管区交通局本部」で手続き
筆者が訪れたのは「ヤンゴン管区交通局本部」です。ヤンゴン在住の方でも、住所によって手続きをする場所が違うので注意しましょう。
この本部は、ヤンゴン北部のティンガンチュン郡区のタントゥマ通りにあります。敷地に入ると、たむろしている男性らから「ライセンス?」などと声をかけられます。
彼らは手続き代行業者で、煩雑な手続きを代わりにやってくれるのでミャンマー人からは重宝されていますが、自分でもできるので、あまりメリットはないと思います。
外国人受付窓口がサポート
建物に入ると、多数の窓口がありますが、外国人専門の受付窓口は4階の303号室です。
階数と部屋番号が一致していないのは、ミャンマーではイギリス風に日本での1階を「地上階」、2階を「1階」と数えるため、日本の数え方とはずれているからです。
英語で303号室までの案内はないのですが、まごまごしているとミャンマー人職員が親切に教えてくれます。エレベーターが壊れていたので階段で303号室までたどり着きました。
その部屋の外には、英語で必要書類などが掲示されています。なお、必要な書類は以下の通りです。
- 局長あての運転免許取得の申請書
- 母国の運転免許証の原本とコピー(コピーは現地でもできる)
- 国際運転免許証の原本とコピー
- パスポートの原本とコピー
- 顔写真3枚
- ミャンマー人が代理人申請する場合、NRCカードとそのコピー
- 母国の免許証が英語で書かれていない場合にはその英訳(不要な場合もある)
- 費用は登録手数料50,000Ks、保険料5000Ks、スマートカード料2000Ks
申請書は手書き?
303号室に入ると、外国人の担当者が書類を確認して、手順を説明してくれます。筆者が訪れたときには、女性職員が丁寧に指導してくれました。
手続きに必要なのは局長あての申請書ですが、筆者は申請書のフォームがあると思っていたのですが、女性職員によると特に決まった書式はなく、局長あてに取得を依頼する手紙を書けばよいとのこと。
「取得したい理由などを書いてもらえばいい」ということで、その場で、英語で書きました。実際に前に申請したひとの書類を見せてもらえるので、それと同じように書けば問題ありません。
いくつか足りないコピーがあったため、本部1階のコピーセンターに頼んで複写してもらいました。
「背景が白」はダメ
驚いたのは、用意していた顔写真を見せたときです。
女性は、筆者の写真の背景が白であるのをみると、顔をしかめて「背景は青でなくてはいけない。敷地の外にたくさん写真屋があるから、もう一度撮ってきてくれ」と言うのです。
かなり広い敷地の外に出るのは疲れましたが、仕方がないので撮りなおしました。確かに、たくさんの証明写真を撮る業者があり、5分程度で撮影とプリントをしてもらえます。
幹部のサインが必要
必要書類がそろうと、そこから幹部のサインをもらいに行きます。外国人担当の別の職員に案内してもらい、幹部の部屋まで行き、そこでサインをもらいます。
筆者の場合はその後さらに別の人のサインが必要になったので、外国人担当職員もきちんと手続きを把握してないようです。
手続きは2時間半で終了
サインをもらうと、そこから手続きの窓口に行きます。そこはたくさんの窓口が横に並んでおり、費用の支払いや書類の確認などを別々の担当者が行うことになっています。
日本の市役所に似ているかもしれません。
そこで初めて、フォームのような用紙を渡されるので、自分の名前やパスポート番号、親の名前などを書き込みます。ビルマ語で書かれていますが、職員が説明してくれます。
手続きが終わると、待ちあいスペースで座って待つように指示されます。40分ほどたつと、写真入りの運転免許が交付されました。
ライセンスBという種類で、3トン以下の自動車のほか、バイクも運転できます。
写真の色指定のような官僚的な対応もありましたが、概して手続きはスムーズに進み、所要時間は2時間半といったところでしょうか。わいろを要求されることもありませんでした。
まとめ
今回はミャンマーでの運転免許取得の手続きを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ヤンゴンでは交通渋滞がひどく、おまけに鉄道もルートが限られているうえ本数が少なく、実用的ではありません。
タクシードライバーの運転も荒く、実際に交通事故を目にすることもしばしばです。飲酒運転も横行しています。
外国人の間でも、ミャンマー人に車をぶつけられた経験を持つ人もいます。こうした場合、外国人の立場では交渉が不利になるということも聞きますので、十分な注意が必要でしょう。
運転するかしないかはミャンマーの状況をよく知って判断してもらいたいと思いますが、現場の手続きを知っていただくことで、判断材料を提供できればと思っています。
日本でもミャンマーでも、自動車は凶器になり得ますので、運転には十分注意しましょうね。
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