ニュージーランドで活躍する日本人ガラス細工アーティストEikoさん(Studio A&Co)にインタビュー

Studio A &CoのEikoさん ニュージーランドの働き方

私が家族とともに住むニュージーランドでは最近、クラフトショップや土産店、カフェやマーケットなどで、たくさんの日本人のクラフトアーティストが作品を販売するようになりました。

地元のニュージーランド人にも手作り作品が好きな人が多く、お気に入りやプレゼントなどを探して、ちょっと珍しい日本人アーティスト達の作品を買っていくのを見かけます。

ニュージーランドで活躍するそんな日本人の一人であるガラス細工アーティスト、Studio A&CoのEikoさんにインタビューしてきました。

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ニュージーランド南島にある「Studio A&Co」

Studio A&Co

南島クライストチャーチ市から北へ約30分ほどドライブしたWaikukuという町に、工場跡を改築したレンガ造りの建物群The Millがあります。

その一角にあるのがStudio A&Coのスタジオ兼ショップ。そこにお邪魔してインタビューを行いました。

日本人としてニュージーランドで制作に取り組む醍醐味、どういう生活ができるのかなどを素敵な作品とともにお伝えしていきます。

すべてのきっかけは、Fall in Love

ガラス細工

━まず、Eikoさんがガラス細工アーティストになったきっかけと、ニュージーランドに移住するまでの経緯を教えてください。

ガラスに興味を持ったのは、当時の同僚の結婚式に参列するため日本からオーストラリアに行った1997年の休暇中のことでした。

クラフトマーケットで偶然見つけた香水瓶に一目惚れしちゃったんです。その時に、ガラスっていいなあと思いました。

そして、日本に帰国してすぐに、働きながらガラスの学校(東京ガラス工芸研究所)に通い始めました。

ガラス細工

━すごい行動力ですね。一目惚れからの一直線。まさに”恋する乙女”という感じがします。

ほんとそんな感じですね。

そして、その2年後の1999年にワーキングホリデー制度を使ってまたオーストラリアに渡航しました。

到着してから1ヶ月も経たないうちに、オースガラスという2年に1度のガラス関係者(アーティスト、キュレーター、サプライヤー、ツールメーカー、バイヤーなど)の集まりがあったんです。

そこに私はガラスを教えてくれる人を求めて参加しました。そのプログラムの一環で、ガラス・ミュージアムのオープニングがあって、そこで今の夫に出逢ってしまったのです。

━なんと!渡航して1ヶ月で、2年に1回しか開催されない大きなイベントがあった上に、そこで今の旦那様と出逢っちゃうなんて。

あの頃は目標に向かって頑張ってたわー、私。

ー運命というか、引き寄せたというか、そんな感じですね。

ふふふ。そして、1年の遠距離恋愛後に日本で結婚して、夫の仕事の都合で2001年にニュージーランドに移住したんです。

その後、ランプワーキングのワークショップに参加後、家にスタジオを設置しました。

ーじゃあ、当時はご自宅で作品づくりをされてたんですね。

2011年の6月にStudio A&COを設立し、スタジオ兼ショップをこのThe Mill内にオープンしました。

ーまさに、1つの恋が永遠の愛を呼んだ感じですね。なんだか私もとってもときめいてきてしまいました。

ニュージーランドで作品づくりをすることのメリット・デメリット

ガラス細工

ーニュージーランドで制作をするにあたっていいところはどんなところですか?

今住んでいるところは周りが海と山に囲まれていて、誰もいない場所にもすぐに行けます。自然をすぐ近くに感じられて、自然の恩恵を思い切り受けることができるんです。

ニュージーランド

ーアーティストとして作品づくりに大事な、インスピレーションを受けやすい環境がすぐに手に入るということですね。だからEikoさんの作品は、とてもかわいらしいけれど、なぜか自然と調和している感じがして、まるで木とか花とかの妖精が作っているような感じがするんですね。

では逆に、ニュージーランドで作品づくりをしていてちょっと大変なことってありますか?

そうですね。人口が少ない分、同業者との刺激が少ないことかな、と思います。

ーなるほど。どうしても人口の少なさはやっぱり影響しますよね。

そうですね。私の場合、ガラスの技を伝授してくれる作家さんがいなくて、同レベルで足踏みしている気がしているのがとてももどかしいんです。

ー行動力があって、常に向上心を持ってらっしゃるEikoさんにとっては辛いところですね。

ニュージーランドで日本人アーティストとしてビジネスになる?

ニュージーランド

ー日本人であるEikoさんがニュージーランドでアーティストとして活動すること、特にビジネスをすることについて教えてください。

ニュージーランドには日本人と接したことがあるという人が多くて、潜在的に日本人のイメージを「器用で繊細、色彩感覚もよく、礼儀正しい」と、とてもポジティブに持っているありがたい環境です。

もうこれは先人の日本人の方々のおかげなんですけど、このおかげで、最初から私の作品をポジティブな目で見てもらえることが多いんです。

ガラス細工

ーあ、それわかります。日本人というだけで、ちょっと他の国の人達と扱いが違うっていうことありますよね。日本人にとっては、嬉しいですよね。期待されすぎるとちょっと困ることもありますが。

それから、ニュージーランドでは工芸品の物価が日本より高いので、ここで活動する方が生計が立てやすいというのも利点の1つですね。

ーなるほど。確かに買う側から見たら、ニュージーランドではちょっといいなと思った手作りのものは特に、結構なお値段するなあという感じがします。しかし、日本での工芸品の物価が逆に安すぎるのかもしれないですね。アーティストとしてビジネスをするには、いい環境みたいですね。

ニュージーランドでは時間にも空間にも自由がある

ガラス細工

ーEikoさんが思う、日本での生活とニュージーランドでの生活との違いについて教えてください。

ニュージーランドは日本より生活のペースがゆっくりしています。

また、通勤時間や労働時間が日本で会社に勤めていた頃よりずっと短いです。私の場合ですが、通勤時間は3分、労働時間は1日6時間です。余った時間を趣味や家庭菜園、家のリノベーションなどに費やせます。

ー通勤時間3分は魅力的ですね。もちろん、渋滞も満員電車に揺られることもない。

ないない!このスタジオ兼ショップが家のすごく近くなんです。

ーここ、本当に素敵なところですね。昔は工場だったんですよね。

そうです。The Millは、昔フラックス(アマ)でロープを作っていた工場を改築したレンガ造りの公共の場になっています。

私のStudio A&Coの他に、カフェやアンティークショップ、セカンドハンドの洋服屋さんが入っています。

カフェ

ークライストチャーチからも30分ほどですし、遠からず近からずの距離がいいですね。不便すぎず、山も海も近くて、ちょっと人里離れた生活もできて。

そうですね。自分の居心地のいい空間に向かって進めることが、ここで生活する上でいいところかな。

ー時間とともに、空間においても自由があるということですね。素敵!アーティストにとって、この自由さは大事ですよね。

チャンスがあれば迷わずチャレンジを

ガラス細工

ー最後に、これからニュージーランドで生活しようと思っている方達に一言お願いします。

やりたいと思ったこと、人から誘われたり、何かチャンスに巡り合ったりしたら是非チャレンジしてみてください!

ー異国で1つの素敵な香水瓶に一目惚れして、努力を重ね目標にひたすら向かってこられたEikoさんのお言葉、身にしみます。トキメキを素直に受け入れるということは、とても大事なんだなと思いました。

今日は本当にありがとうございました。

こちらこそ〜!

「Studio A&Co」基本情報

Eikoさんの作品はウェブサイトやInstagram、Facebookで見ることができ、日本への発送もしてくれるそうです。

インタビューを終えて

Eikoさんの素敵な作品に囲まれながらのインタビュー。お話を伺っている間ずっと、それらのガラス細工にキュンキュンさせられっぱなしでした。

香水瓶に一瞬で恋に落ちた時のEikoさんのトキメキが、作品の1つ1つに詰め込まれているからに違いない、そう思います。

Eikoさんの自由なライフスタイルやアーティストとしての向上心には、本当に学ぶことがたくさんありました。

ガラス細工が好きな方、手作りのものが好きな方、最近ちょっとトキメキが足りないなと感じている方、機会があれば是非少しドライブしてStudio A&Coを訪れてみてください。

きっと、いい出会いがあると思いますよ。

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