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ニュージーランド・オークランドにて50代でパティシエの資格を取る!

スイーツ

子供の頃からの夢だったパティシエになるべく、ニュージーランド・オークランドでアラフィフにしてオークランド工科大学(Auckland University of Technology)に入り、晴れてパティシエの准学士号を取得したMizukiさん。

大学では2年間のパティシエコースを選択。今回、コースの概要や入学資格、実際の授業内容、そして50代にして新しい世界にチャレンジした動機などをいろいろお伺いしましたのでご紹介します。

目次

私がパティシエを目指した経緯

ニュージーランド

はじめまして、Mizukiです。まずは私がパティシエを目指した理由をお話します。

私がニュージーランドのオークランドに来た目的は息子の英語教育のためでした。私のニュージーランド滞在期限は「息子がニュージーランドの大学に入学するまでの間」と決めており、その間によい機会だから私もなにかニュージーランドで勉強したいと思いました。

20代の時にアメリカの大学で会計コースを受講していましたので、さらにその分野をもっと勉強してみたいとも思いました。しかし、昨今の人工知能の発達でその分野は将来性がないのではないか? と思い、いろいろと自分の将来について模索し始めました。

将来性がある好きなことを仕事にしたい

現在、なにかを新たに勉強する際に気をつけなければいけないのが人工知能。多くの職業が人工知能にとって代わり、将来は働き方が今までとはまるっきり変わってくるのでは、と考えました。

アラフィフで第2の人生を考え始めたときに、やはりお金もまだまだ稼がなくてはいけません。人間の五感のひとつである繊細な味覚に関係する仕事だったらロボットに淘汰されることもないのではないか、と思いました。

そして、なにより自分の好きなことを勉強し、それが仕事に結びついたら最高だ、と思い始め、子供の頃の夢だったパティシエになろう! と決めたのです。

周りからの反対

ニュージーランド

自分の気持ちをまず夫や両親に相談したのですが、最初のひと言が「身体持つの?」ということでした。確かにケーキ職人は体力勝負のお仕事です。しかし、不思議なことに私は「できるんじゃないか」という思いしかなかったんですよね。根が楽観的なんです。

ほかの人からも「若い人たちばっかりだよ~大丈夫?」とも言われました。しかし、私は友達を作りに行くのではなく技術を学びに行くのであって、その点に関してはまったく問題ではなかったんです。

それでも、会う人ごとに同じことを言われたので少し気持ちがゆらいだのですが、最後は息子のひと言「やってみればいいじゃん」で決めました

オークランド工科大学を選んだ理由

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オークランドでパティシエの資格を取りたい場合は、マヌカウ技術専門学校(Manukau Institute of Technology)かオークランド工科大学(Auckland University of Technology)で勉強することになります。

どちらもコースの内容は似たような感じでしたが、自分の家から通いやすいダウンタウンの中心部にあるオークランド工科大学にしました。

結果、オークランド工科大学を選んで正解。設備もとても充実していて、教授陣は、技術はもちろん人柄も素晴らしい方たちばかりでとてもよかったです。

パティスリーコースの概要・入学資格

学校の入り口

オークランド工科大学のパティスリーコース(Diploma in Patisserie)は、2年間のフルタイムになります。こちらの学校では1週間20時間以上のコースをフルタイム、それ以下をパートタイムと言います。フルタイムを選択する場合は、学生ビザが必要となってきます。

入学資格は、NCEAのレベル2が必要でこれは高校卒業レベルになります。また、英語が母国語でない人は、IELTS試験のポイントが平均5.5ポイント以上かつ、すべての科目(スピーキング・リスニング・ライティング・リーディング)で5.0ポイント以上が必要とされています。

私の場合は英語圏の大学を卒業していたので、その成績書を提出しIELTS試験は免除されました。

1年目は基本を

大学の授業は週4日間でした。授業内容によっては曜日が変わったりもしました。学校の朝は早く、7時から午後2時までという時間割。これは実際のパン屋やバティシエの仕事になるべく近い環境に生徒を早く慣れさせるために、朝早いスタートなのだと思います。

1年目の授業内容は、基本の冷たいデザート・温かいデザート・パン・ケーキ・パイやタルトなどの生地作りを勉強しました。

2年目は実践的に

2年目は、授業の内容が更に濃くなりました。1年目に習った内容を掘り下げて勉強し、また1年目では習わなかったチョコレート作り、砂糖菓子、トルテ、ガトー作りなどもカリキュラムに入ってきます。

座学の授業もたくさんあり、例えば「フランス菓子の歴史を学ぶ」というような授業がありました。そのほかにも、キッチンマネジメントというクラスがあり、キッチンを清潔に安全にそして効率的に使う方法なども徹底的に実践に向けて勉強しました。

楽しかったのが味覚の勉強をする授業です。今まで見たこともないようなさまざまな種類のナッツやドライフルーツなどを試食し、どんなケーキやパンに使うと材料が活きてくるのかなどを学びました。

2週間のベーカリー体験

面白かったのは2週間にわたって、グループで実際のパン屋さんのようにパンやペーストリーを作って一般の人たちに販売するという授業でした。

先生たちのアドバイスを受けながらチームのみんなでなにを売るかを決め、レシピを考え販売実績を競うのです。

この大学のよいところは、大学施設にPiko Caféという大学が運営しているカフェが併設されているという点です。そこでは通常プロのパティシエが働いていますが、生徒たちの作品も一般の方々に販売できるのです。

もちろん、まだ資格のない生徒のものを販売していますので商品には「生徒による」と明記され、お値段も通常の半額ほどで販売されます。ご近所のビジネスマンにはとても好評でした。

卒業前の現場実習

建物

2年目も後半になってくると現場実習をします。学校側と提携しているオークランド近辺のパン屋・ケーキ屋・レストランなど、実際の現場でプロのパティシエたちと一緒に仕事を経験するのです。

この現場実習前はクラス全員が緊張していましたね。若い20代のクラスメイトたちはみなオークランドで1番忙しいレストランといわれているところに志願して行ったりしていました。

私はさすがに50代なので体力面を考慮し、先生と相談して学校に併設されている小さなカフェで現場実習をやりました。

卒業試験

スイーツ

卒業試験は、生徒それぞれがお菓子のテーマを決めて、そのテーマの世界観をパンやお菓子、ケーキ、チョコレートで表現するというものでした。

テーブルにクロスやお花や小物などを使って自分が作った作品7品をプレゼンテーションして、それにジャッジたちが味はもちろんデコレーションにも点数をつけます。テーブルには番号しかついておらずジャッジにはどの作品がどの生徒のものかはまったくわからないというやり方でした。

私は、2段ケーキ・ホールケーキ・ムース・マカロン・チョコレート・パン・シュークリームを仕上げ、無事卒業点をクリアし、パティシェの資格を取ることができました。そのときは、飛び上がるほどに嬉しかったですね。

大変だった点

パン

大変だった点はやはり体力面でした。特に2年目の授業は1日を終えるとヘトヘトに疲れてしまっていたのを覚えています。

この学校は実践的で、卒業後にすぐ現場で使いものになる人材を育成することを目標としていますので、実習授業は現場さながらでした。特にランチブレイクなどもなく、パンを発酵させている間にサンドイッチをつまんだりして、常に時間を意識して授業をしていましたね。

年齢はただの数字

学校に通い始める前は、周りの意見もあり50代という年齢は正直なところ不安な点でした。クラスメイトは、20人中50代は私1人で、40代が2人、30代が1人で残りはすべて20代。

実際に授業を受けてみて感じたことは「年齢はまったく問題ではなかった」ということです。確かに体力的に疲れはしましたが、それはみな同じでした。

若い子たちはとても親切で、私の代わりに率先して重いものを持ってくれたりと本当に優しかったですね。

英語で”Age is just a number”(年齢はただの数字に過ぎません)というフレーズがありますが、まさにそのとおりだと思います。

まとめ~インタビューを終えて

インタビューを終えて感じたのは「勉強するのに何事も遅いということはない」ということです。とてもよい刺激を受けました。

大学のクラスメイトは就職が決まり、一流レストランでパティシエとして活躍されている人もいれば、海外に渡り就職された方もいらっしゃるそうです。

Mizukiさんはというと、なんと今は料理の勉強をされているとか。「将来は自宅を改造して料理と菓子作り教室を開こうかな……」と更なるプランを立てているようです。

補足情報

記事中の情報は2019年時点のもの、Mizukiさんが卒業した学校の情報となります。それぞれの教育機関により入学に必要なIELTSポイントなどが違ってきます。

Mizukiさんが通われた大学のパティスリーコースに興味のある方は下記のサイトを参照ください。

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この記事を書いた人

ニュージーランド・オークランド在住。オークランドで語学学校受付、デンタルラボでオフィスマネージャーとして働く。

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