ニュージーランド・オークランドのマーシュウッド・モンテッソーリ(Marshwood Montessori)で幼稚園の先生として働いている、Kawai Mioさん。2019年現在で先生になって13年目になったそうです。
今回は、彼女のモンテッソーリ幼稚園の先生としてのお仕事についてインタビューさせていただきましたので、出勤時間や残業、1日のタイムスケジュールなどについて詳しくご紹介。
また気になる服装や髪型についての規定など、ニュージーランドならではの興味深いお話も伺えましたので大公開します!
私が働く幼稚園
私が働く幼稚園・マーシュウッド・モンテッソーリは、20世紀初めにイタリア人医師マリア・モンテッソーリ博士が考案した「幼児期から思春期にかけておのおのの学習意欲と理解、そして自主性を促し尊重する」というモンテッソーリ教育法を採用している幼稚園です。
全生徒数は現在30名で、KiwiとPukekoという名前の2クラスに分かれており、私はPukekoクラスのヘッドティーチャーとして働いています。先生の数は6人で、比較的小さめの幼稚園です。
預かっているお子さんは2歳児から6歳児までで、クラスはモンテッソーリ教育法に則って年齢別に分けず、年長さんが年下の子を面倒見て守ってあげるという心を育ませるため、このような年齢層になっています。
幼稚園の先生の朝は早い!
朝は6時40分に起きて8時に出勤し、子どもたちをお迎えする8時半までにいろいろな準備をします。
私の職場は自宅からとても近いので天気が良いときは自転車で通勤しますが、オークランドの冬場は雨が多く、その時季は車で通勤しています。
職場に着いて朝まずすること
職場に着いてまず、窓を開けて空気の入れ替えをします。そして、前日クリーナーさんが椅子を机の上に上げたままにしてありますので、それらを下ろしたりして家具や遊具などを所定の位置に戻します。
子どもたちが登園してきたらすぐにアクティビティに入れるようにしたいので、例えばアートアクティビティをする日は絵の具をそろえたり、食べ物を使ったアクティビティをする際はバターなどを小さく切ってタッパーに入れたり食パンを焼く準備をしたりします。
こうして前もってきちんと準備をしておくことで、アクティビティの最中は子どもたちに注意を払うことができますので、スムーズにそして安全に授業を進める上でもとても重要です。
週1回のミーティング
ミーティングは週1回、全員の先生と園長が集まり、遠足などの行事プランを立てたり、クラスの授業内容の改善点や各子どもの勉強プランなどをみんなで相談したりします。また、政府規定に基づく学校側のさまざまなポリシーの再確認も大切な議題です。
最近ははしかがはやっていますので、先日は子どもが熱を出したときの対応方法などについて話し合いました。例えば、嘔吐や下痢をした際の衛生面でのポリシーや対処方法などについては、使う手袋や掃除用具についても細かく決定していきます。
また他には、アレルギーの子に関する情報を共有し、入念に先生同士で確認し合うなどします。
就業時間・休憩・ランチブレイクについて
就業時間は8時から4時まで。ランチブレイクは30分間の交代制で、かわりばんこにあらかじめ決まった時間にスタッフルームで取ります。
休憩時間は特に決まっていません。喉が渇いたりお茶が飲みたくなったりしたら各自自分の水筒などに入れて仕事をしながら飲んだり、小腹が空いたら給湯室でササッとバナナなどを食べたりしますので、ゆっくり先生同士おしゃべりをしながら休憩したりすることはありません。
幼稚園の先生の平均的な1日
1週間の中でバランスの取れたカリキュラムにするため、毎日少しずつ違ったアクティビティを取り込むようにしていますが、ここでは平均的な1日をご紹介します。
午前
8:30…子どもたちが登園してきます。お迎えの挨拶をしながら、親御さんに連絡事項を伝えたりし、それぞれ子どもたちはロッカーを選んで自分のお弁当や着替えなどを入れて名札を貼るので、そのお手伝いをします。
10:30…天気が良ければ園庭を開放し、室内・室外自由にアクティビティを選んでいきます。
11:30…生徒全員で使った遊具をお片付けします。全ての児童が責任を持って参加するように促しています。
11:40…サークルタイム。子どもたちと一緒に歌やダンス、また本の読み聞かせをしたりします。また、自分自身の身の回りで起こったニュースを発表する「ニュースタイム」という枠もあり、これは生徒の積極性・社会性の育成を目的としています。
ランチタイム
12:00…ランチ。各自が持参したものを食べます。この時間は子どもたちが食べ物を喉に詰まらせたり誤嚥(ごえん)してしまったりしないように、またアレルギー持ちの子が過って他の子どものランチボックスからアレルギーのある食べ物を食べないよう細心の注意を払います。
午後
12:30…お外遊び。中庭には家庭菜園もあり、子どもたちと季節ごとにいろいろな野菜を育てています。
13:00…お外で遊んだ遊具などを定位置に戻すように指導します。
13:10…室内でレッスンやアクティビティをします。
15:00…下園前の教室のお片づけを子どもたちと一緒にします。
15:15…各自の生徒が自分自身でスクールバッグをパッキングするので、そのサポートをします。
15:20…サークルタイム。歌、ダンス、本の読み聞かせ、ニュースタイムなど。
15:30…親御さんたちが子供たちをお迎えにきますので、それぞれの親御さんにその日にあった出来事やお子さんの体調などについてお伝えします。
退社前にすること
子どもたちが全員下園したらプロの清掃の方が毎日来てくれますが、テーブルやアクティビティで使ったオモチャなどは私たちで拭いたりしてきれいにします。また整理整頓や、次の日のカリキュラムのための教材の準備などをします。
残業はあります。ただし、ほとんどの先生が子どもや家族を持っていたりしますので、皆ペーパーワークを家に持ち帰って仕事をしています。これは残念ながらサービス残業ですが、週に2、3時間あるかないかです。
ちなみにタイムカードはありません。出勤時刻と退社時刻は自己申告でタイムカードに記入しています。何時に来て何時に帰ってもどんなに残業しても給料は変わらないので、あまり意味はないのですが。
職場での服装は?
職場での服装は動きやすいものですね。私が働いている幼稚園は2歳児から6歳児を預かっており、6歳児などは動きも早くなりますし、アクティビティでダンスやヨガを子どもたちと一緒にしたりするので、服装は伸縮性があって靴はヒールがないものを着用しています。
オークランドは多国籍でいろいろな人種の先生がいますので、もちろん髪の色などについての規定はなく、染めていても大丈夫です。また、マニキュアなどもしていても全く問題ありません。
日本で幼稚園の先生をしている友人は「髪を染めたりマニキュアなんてありえない!」ということなので、この点はニュージーランドと日本の幼稚園の先生との一番の大きな違いかと思います。
まとめ~インタビューを終えて
Mioさんの幼稚園の先生としての1日は終始緊張感があるようでしたが、通常4時には退社し娘さんとの時間を大事にしている点はワーク・ライフ・バランスがうまく取れていてニュージーランドならでは、と思いました。
またMioさんはモンテッソーリ教育にのっとって先生をしているわけですが、ただ幼児教育をしているのではなく、幼児たちの長い人生を見据えての人間形成としての場として捉えてお仕事をされているようで、とても感銘を受けました。
補足情報
ニュージーランドのモンテッソーリ教育法などについて興味のある方は、下記のサイトをご参考ください。
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