スペイン人と出かける約束をした時に感じる日本人との感覚の違い

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私はスペインのアンダルシア地方にある都市セビリアに住んでいます。セビリアでスペイン人(主にアンダルシアの人)と出かける約束をした時や出かけた時には、日本人の感覚からしたらちょっと驚くようなことが起こり得ます。

どこかに遊びに出かける際に私が感じる、スペイン人(主にアンダルシア人)と日本人の感覚の違いをご紹介します。

スペイン人は先の予定を決めない

スペイン

スペイン人はあまり先の予定を前もって決めません。例えば日本で大きなイベントがあったら、半年前に日付や時刻などのイベントの詳細が出ていて、イベントに参加する側もそれに合わせて予定を組んだりしますよね。

旅行に行く際も、行くと決めたら3ヶ月くらい前から交通手段や宿泊先の手配を開始する人が多いのではないでしょうか。

スペインでは半年前にイベントなどの予定が出ていることは稀です。例えば結構大きな劇場で行う公演の予定が出るのが1ヶ月前だったり、2週間前だったりします。

もちろんとても有名なアーティストのコンサートの予定などはもっと前から出ているものもありますが、それでもみんながチケットを買うのは直前(早くても1〜2週間前など)です。

そのため、あまり先の予定を決めようとしても「近くなったら話そう。」と言われるので、いつも予定が決まるのが直前です。旅行の予定を1ヶ月前に決めようとしたら「準備早いね。」と言われたことがあります。

日本にいた頃は、1ヶ月前にはせめて行き先と宿泊先くらいは決まていたことが多かったと思います。

コンサートなどのチケットは直前に購入する人が多いので、発売開始のタイミングで購入すると結構いい席をゲットできたりします。

なお、大人気歌手Alejandro Sanz(アレハンドロ・サン)のようなアーティストのコンサートは例外で、発売開始と同時に売り切れると聞いています。

人気のあるアーティストの場合は、直前行動のスペイン人でも前もってチケットを買うようです。

そもそも約束はあってないようなもの

約束

大きなイベントごとであっても先の予定を決めないスペイン人なので、そうでない約束は当日までどうなるかわかりません。

例えば、どこかに遊びに行く予定をしたとして「連絡するよ。」と言われたけど、前日になっても一向に連絡が来ないということはよくあります。

当日の朝になっても連絡が来ないので「今日どうする?」とメールしたら、「今日は家族に会いに行くから行かない。」などとメールが返ってくることは珍しくないでしょう。

多くの人が集まるイベントがあって「イベントに行く?」と聞かれたので行くと伝えたら、「私も行きたいから現地で会おう。」と言われたけれど、現地に行ったら彼女は来ていなかった、という経験もよくあります。

スペイン人にとって、事前にした遊びに行く約束は守らなければいけないものではないのです。その日「気が向いたら」行くもので、その約束よりも大切なイベントや、やりたいことが見つかればそちらを優先します。

「先に約束したから」という考えは、スペイン人にはあまり通用しません

ある意味はっきりしているので、この考え方が理解できたら「約束をすっぽかされた」と思うことも少なくなると思います。そもそも約束したこと自体を忘れる人も多いのですが・・・。

最近はスペイン人と約束をしたとしても、当日までどうなるかわからないことを鑑みた上で予定を組めるようになりました。

例えば予定が2つ重なった時、基本的には先に約束した方を私は優先しますが、先約が当日なくなる可能性もあるので、もう1つの予定の方には「当日行けることになるかもしれない。」と伝えておくようにしています。

夜飲みに行く時の集合時間が遅い

お酒

誕生日のお祝い、外国に行く人の壮行会などで夜飲みに行くことになった場合、その集合時間が遅いです。

日本では飲み会の集合は19時頃が一般的だと思いますが、スペインで夜飲みに行く時の集合時間は22時過ぎてからが一般的です。これは未だに個人的には感覚が慣れないことの一つです。

そもそもバルが開くのが20時過ぎてからだったりするので、日本の飲み会のように19時に集合というのは現実的ではないのですが、それでも22時集合と聞くといつも「遅いな。」と感じてしまいます。

先日21時半に集合という飲み会があって、周りのスペイン人がみんな「早くない?」と言っていて、本当に感覚が違うのだなと思いました。なお、セビリアの春祭りに遊びに行った時も集合は22時でした。

たいてい遅刻してくる

時間

集合時間がそもそも遅いのに、さらにスペイン人は約束した時間には来ません。たいてい遅刻して到着します。例えばみんなで決めた集合時間が22時だったとしたら、来るのが22時半とか23時頃です。

日本人のような15分前行動の人はいませんので、約束時間通りに到着していればたいてい1番乗りです。

スペイン人の30分遅れ、1時間遅れはよく発生するので、私も慣れて飲み会に時間通りに行くことは少なくなりました。約束時間通りに到着してしまうと30分待たなければいけなかったりするので……。

人によっては集合時間になったら家から出る準備をする(シャワーを浴びて着替えて化粧する)人もいるので、時間通りに全員が揃っていることはとても珍しいです。

以前に15時半にあるバルに来て欲しいとスペイン人に言われ、15時半に行ったらもう一人の日本人の子は来ていて、呼び出したスペイン人に電話したら「今家でご飯食べている。」と言われて、びっくりしたことがあります。

大幅に遅刻することがわかっていても連絡をしない、という人も結構います。

ただ、このような状況に慣れて「だいたい遅刻してくるだろう。」と予想していたのに、稀にスペイン人が時間通りに来ることがあります。

そういう時はメールで「今どこ?」「あとどれくらいで着く?」と連絡が来て焦ったりします。このあたりの気まぐれ度合いは人によるので、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。

バルが開いている時間が短い

バル

集合が22時でとても遅いのに、バルは24時過ぎに閉まるところも多いです。

バルによっては夜中の2時、3時まで開いているところもありますが、たいていのバルは24時過ぎには閉まり始めるので、「もう少し飲みたいな。」という雰囲気になった時はバルを移動する必要があったりします。

前述の通り22時集合で約束しても時間通りに来ない人が多いので、実際に飲み会を楽しんでいる時間は1時間〜2時間程度です。

「楽しむぞ!」と決めて飲み会に行く感覚でいると、物足りない感じで終わってしまうかもしれません。日本で朝5時まで開いている居酒屋を知っていると、バルってなんて商売っ気がないんだと思ってしまいます。

情報収集の方法がアナログ

アナログ

住んでいる地域とは別の都市に電車やバスで移動する時、今の時代インターネットでたいていのことは調べられるはずなのに、スペイン人はかなりアナログな方法で人づてに情報をもらっていたりします。

例えばセビリアからグラナダに行く時、インターネットで調べれば電車とバスの時刻表が出てきます。

でも、スペイン人はグラナダに住んでいる人に連絡して、セビリアからどのように行けるかを聞いていたり、以前にセビリアからグラナダに行ったことがある人に聞いていたりします。

交通手段における情報は、インターネットの正規の情報の方が信用できると思うのは私だけでしょうか。

ただ、このアナログの情報収集方法が吉と出ることもあります。例えば、セビリア外の都市に出かけた時「どこのバルが美味しいか。」の情報はインターネットに頼らず、知り合いに聞いたり地元の人に聞きます。

そうすると、ローカルな美味しいバルに巡り合うことができたりします。

また、人づてに聞いたらインターネットでは出てこなかったオスタル(宿泊先施設)の情報をゲットできたこともあり、アナログな方法もあながち悪くないなと思いました。

恐らくスペイン人は、インターネットの情報よりも人に聞いた情報の方が信頼できる、と思っているようです。ケースによってはその通りだと思います。

なかなか帰らない

友達

これも慣れないことの一つです。スペイン人は、飲み会などの大勢の人がいる場で「そろそろ帰ろう。」と言ってから帰るまでが異常に長いです。もはや帰りたくないのではないか、と思うほどです。

帰ると言い出してから何をしているかと言うと、まずは一服します。その一服の間に色々な話に花が咲き、一通り話し終わるまで時間がかかります。そして、話が終わったら今度はみんなに挨拶。

ベシートという頬と頬をくっつける挨拶をしながら友達のところを順番に回っていたら、そこでまた各友達と話に花が咲いて盛り上がってしまいます。

こんな感じで、「帰ります。」と言ってから実際に帰るまで、だいたい1時間くらいかかります。

これは本人たちも認識しているようで、「スペインでは帰ると言ってから帰るまで時間がかかるから、それを予測した上で帰ると言い出さなければいけない。」と言っていました。

飲み会などのケースはたいていの人が徒歩で帰れる場所に住んでいるので、日本のように「終電で帰らなければならない。」という感覚がなくて、ついダラダラとしてしまうのだと思います。

友達の車で別の都市へ出かけていて、「一緒に帰ろう。」と言われてから1時間待たなければいけないような時は、結構辛抱が必要だったりします。

スペイン人と出かける時の参考に

お出かけ

スペインでの在住期間が長くなってくると、スペイン人と一緒にどこか出かける機会も増えると思います。

そのようなお出かけの約束をした時や、出かけた時に、日本人の感覚からしたら「えっ?」と思うようなことが起こり得ます。

私も初めは慣れずにいろいろ考えたり、無駄な労力を使ったりしていましたが、在住2年でだいぶ慣れてきました。

慣れるとは言っても私は日本人の感覚で過ごしていますので、自分が同じことをするかというと、それはありません。

スペイン人(特にアンダルシア人)の習性とも言えるべきこれらの事柄を事前に理解していれば、予測しながら対応することができると思います。

なお、スペイン人でも全く遅刻しない人、すごくきっちりしている人はいます。全てのスペイン人がこうだというわけではありませんので、あくまでも参考程度に読んでいただけると幸いです。

また、ビジネスの場においては状況が全く異なりますので、上記は遊びの予定のケースだと思ってください。

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