日本人が慣れない海外での暮らしをスタートさせるにあたって何よりもハードルが高いのは、やはり住居探しではないでしょうか。
何においても親切で丁寧な日本とは勝手が違う異国での住居探しには、言葉の問題だけではなく多くのややこしい手続きが必要だったりと不安はつきないですよね。
今回は日本からの駐在や留学など、1番多く日本人が集まる首都パリに絞って住居探しの方法をご紹介致します。
パリで物件が見つかりやすい時期
まず、住居探しをするにあたって、物件が見つかりやすい時期を知っておくことがとても大事です。
フランスでは7月のはじめから8月の終わりにかけて、街が一気に静まりかえるほどの長いバカンスに入ります。
長い夏のバカンスが終わる9月からが新学期のスタートなので、日本人に限らずヨーロッパの国々からやってくるニューマーカーによる住居探しや引っ越しが多いのもこの時期です。
しかし、長い夏のバカンスの間は、大家さんだって不動産屋さんだってみんなお休みモードです。今住んでいる場所を引き払い新しい地に移動する人もバカンスに出る前に引っ越しを済ませることが多いです。
ですので、引っ越しにより多くの空き物件が出て不動産屋さんも大家さんも新しい居住者を探しているのはバカンス前の5月6月ということになるのです。
パリで自分に見合った物件探しの方法を見つけよう!
一言で「物件を探す」とは言っても、探し方は様々です。パリでの物件探しは、日系関連の手助けがない地方都市よりは簡単だとは思います。
それでも賢い物件の探し方や、押さえておかなければならない注意事項をしっかりと把握し効率の良い物件探しをするためには、まず、自分に見合った方法を見つけることが大切です。
パリでの住居探しには、以下の5つの方法がありますので、順次詳しく説明していきたいと思います。
- 日本人向けの掲示板で探す
- 日本人向けの無料情報誌のアノンスで探す
- 日本人向けの不動産屋さんを利用して探す
- 地元の不動産屋さんを利用して探す
- インターネットで探す
日本人向けの掲示板で探す
パリには日本食材店や日本食レストランが多く集まる『日本人街』と言われる地区が何カ所かあります。1カ所目はラーメン屋さんが多く立ち並ぶパリ1区のオペラ座界隈、もう1カ所は日本からの駐在員の方が多く住んでいるパリ15区です。
この日本人街の食品店や書店などの一角に日本人のための専用の掲示板が設置されています。
その掲示板には住居情報だけではなく、求人広告や習い事・ベビーシッター募集などの情報も載っていたりしますが、多くの人が住居探しをしていますので、こまめに掲示板へ足を運んでチェックし、気になる物件があったらすぐに連絡をしてみることが大事です。
掲示板が設置されている場所の例
※写真は京子食品の掲示板です。(2017年5月撮影)
ジュンク堂書店(JUNK DO)
- 住所: 18 Rue des Pyramides, 75001 Paris
- オフィシャルHP:https://www.junku.fr/jp/
- アクセス:メトロ1番線・14番線のPyramides(ピラミッド)駅から徒歩3分
京子食品
- 住所:46 rue des Petits Champs,75002 Paris
- オフィシャルHP:http://www.kioko.fr/fr/
- アクセス:メトロ1番線・14番線のPyramides(ピラミッド)駅から徒歩3分
在仏日本人会
- 住所:19, rue de Chaillot 75116 Paris
- オフィシャルHP:http://nihonjinkai.net/
- アクセス:メトロ9番線Iena(イエナ) / メトロ9番線ALMA MARCEAU(アルママルソー) / メトロ6番線BOISSIERE(ボワシエール)
日本人向けの無料情報誌のアノンスで探す
フランスでは、生活お役立ち情報が記載された日本語の無料情報誌「OVNI」が月に1回、「FR JAPON 」が2週間に1回発行されています。
これらの無料情報誌にはアノンスと呼ばれるいわゆる掲示板的なページがあり、住居募集の情報や、求人などが記載されています。
これらの無料新聞は、在仏日本大使館や日本人会、日系書店や食品店などに置かれていますし、最近ではネットでも配信されていますので、無料新聞を取りにいかずともネット上で情報を確認することもできます。
- OVNI(オヴニ):http://ovninavi.com/
- FR JAPON(エフ・アール・ジャポン):http://www.fr-japon.com/frj/
実際に私はかつてOVNIに掲載されていたアパート情報に興味を持ち、すぐに載っていた連絡先に連絡をし、大家さんと面接の後あっという間に家が決まったという経験があります。
日本人の方が情報を載せている場合もありますが、私のお借りしたアパートの大家さんは「きれいに使ってくれる日本人に家を貸したい。」という希望をお持ちのフランス人のご夫妻でした。
あくまでも私の場合ですが、不動産屋さんを通して物件を借りる場合に必要な保証人もOVNIのアノンスで見つけたこちらの物件では必要なく、「日本人に貸したい」と信頼を置いて下さる大家さんでしたので当時学生だった私は日本の親からの仕送り額の提示のみでこちらの物件を借りることができたというメリットがありました。
日本人向けの不動産屋さんを利用して探す
パリには日系の不動産屋さんがいくつかあり、パリに到着したばかりで右も左もわからない日本人にとっては心強い味方です。
ただし、紹介される物件の値段は割高なことが多いようですし、手数料がかかりしっかりとした書類審査が行われるなど、やはり個人同士での貸し借りよりは手間も料金もかかる方法ということになります。
それでも、日本語を話せる不動産屋さんの方が親身になって紹介して下さる点においてとても安心できるのが利点です。
日系不動産屋さんの例
- パリ不動産:http://www.paris-fudosan.com/
- リュテス不動産:http://www.lutece-fudosan.com/
- パリ・アパルトマン・ロジス:http://www.lodgis.com/ja/
- ユーロエステート:http://www.euestate.com/?lng=jp
- JAFIS不動産:http://www.jafis-online.com/
地元の不動産屋さんを利用して探す
フランス系の不動産会社を利用する利点は、なんといっても物件の数が豊富で自分の要望に見合った物件を見つけることができるという点だと思います。
しかしほとんどの物件で、自分が家賃を払えなくなった時に家賃を代わりに払ってくれるある程度の収入のある保証人が必要で、借りる本人自身も仕事をしている必要があることが多いようです。
学生やワーホリで来たばかりでまだ仕事が見つかっていない日本人にはこの条件をクリアするのは大変難しく、1年分の家賃をすべて前払いする「Caution bancaire」などという方法などが通用するかどうか、ここは交渉のしどころです。
インターネットで探す
今の時代、1番多くの人が取り入れる方法がやはり「インターネット」を活用した探し方ではないでしょうか。
「日本人向けの無料情報誌」「不動産屋さん」とリンクしているサイトに加え、個人貸しの物件を扱う専門のサイトなど、物件の豊富さは1番だと言えるでしょう。
インターネットで探す場合には、パリだけではなく地方の物件探しができることや、更新頻度が高いため常に最新情報を手に入れることができるのが最大の利点です。
個人のやりとりが多いので、不動産屋さんを通さず(=手数料がかからない)保証人が必要ないと言ったメリットもありますが、ある程度のフランス語力が必要だったりします。
日系のアノンスサイトの例
- MIXB:http://fra.mixb.net/
- P COMME PARIS:https://sites.google.com/site/pcommeparis/home
- ハヤクー:http://www.hayakoo.com/
フランス系のアノンスサイトの例
- particulier a particulier:http://www.pap.fr/
- APPARTAGER:http://www.appartager.com/
フランスのサイトの中では「particulier a particulier」が どこよりも情報量が多いサイトです。
私もかつてお世話になったサイトですが、更新頻度も高く日系サイトで紹介されている物件よりも割安な個人物件が多いのが特徴的です。
ただフランス人の多くも利用するサイトなので、気になる物件があったら即連絡し、即見学のアポを取り付けるなど素早く行動を起こすことが重要になります。
パリでの物件探しのアドバイス
最後になりますが、物件探しのアドバイスをいくつか書いておきます。
まず何よりも気にしたいのは「治安」ですよね。フランスでは、パリに限らず家賃の安い地域は治安が悪く家賃の高い地域は治安が良いと言われています。
低所得者は少しでも安い地域に住もうとする結果、特定の地域に低所得者が集まり治安が悪くなるわけです。
ですので、物件を決める前にできれば、自分の住もうと思っている地域を1度訪ねてみることをおすすめします。
路上に止められた車に破損はないか、アパートの外壁に落書きはないか、ゴミが大量に捨てられている場所はないかなど、治安の悪い地域を見分けるいくつかのポイントをチェックし、その地域の雰囲気を見ておくと物件を決める際に役に立つこと間違いなしです。
治安の次に気にしたいのは「利便性」ですね。これもまたその地域を訪ねた際に「近所にスーパーがあるか」「駅までの距離」などを簡単に見ておくと良いと思います。
治安の悪い場所ほど家賃が安くなりますので、家賃の安さだけで即決せず、ご自分の納得いく地域を選び、安心して生活できる環境を整えて下さい。
まとめ
時代は変わり、今はインターネットで情報収集が簡単な時代になってきていますが、それでも、実際に自分の住む場所には足を運び、付近の治安や周りの生活環境などを事前にチェックすることが大事だと思います。
また「日本人だから」をマイナスにとらえず「日本人であること」をプラスにとらえて物件を探すのもひとつの手立てだと思います。
日系のサイトや物件を利用し、要領を得た頃にはフランス人向けのサイトでお得な物件を手にすることができるようになっているのではないでしょうか。
これからの時期が1番物件の動く時期ですので、ぜひ、この機会を逃さず頑張ってみて下さい。
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