南半球の国ニュージーランド。豊かな自然に恵まれて治安も良いこの国は、移住や留学に大変人気があります。しかし実際に家族と共に住むとなると、色々と気になることがありますよね。
そこで、お子さんのいる家庭では気になるニュージーランドの教育システムについて義務教育を中心にまとめてみました。
ニュージーランドの教育システム
ニュージーランドでは、公立の教育は5歳から19歳まで無償で受けられます。この期間中、義務教育と定義されているのは6歳から16歳までで、5歳時および17歳以降の通学は任意です。
実際には、5歳の誕生日を迎えると同時に(時期に関係なく)学校に行き出す子供が多くいます。
16歳を過ぎると半数の学生は学校を卒業して働いたり専門学校に行き、大学受験を目指している学生は17、18歳まで通学を続けて大学受験をします。
私学もありますが後述の通り数は少なく、大半の子供は公立の小~中高へ通います。
ニュージーランドの学校制度
日本では学年を「小学校1年生」、「中学校1年生」のように学校単位で呼びますが、ニュージーランドではすべて統一されて1年(Year 1)から13年(Year 13)という呼び方をします。
また、日本で中学校と高校に当たるのがSecondary Schoolとして一括りにされており、中高一貫のようなシステムになっています。
つまり、
- 小学校=「Primary School」→Year1~Year8(5歳~12歳頃)
- 中・高校=「Secondary School」→Year9~Year13(12~17歳頃)
ニュージーランドの学期制度
日本では前期・後期となっていますが、ニュージーランドの小学校は4期制で、各学期10週間となります。
各学期の間に2週間の休みがあるほか、年度末(12月)に4学期目が終わると、次年度が始まるまで4週間の夏休みがあります。
ちなみに夏休みや学期の間での宿題などはありません!
ニュージーランドの学期制度
- 学年度始め:1月末または2月初め頃
- 1学期:1月末/2月初め~4月中頃
- 中間休み:4月後半
- 2学期:5月~7月初め
- 中間休み:7月初め~7月中頃
- 3学期:7月後半~9月末頃
- 中間休み:9月末~10月中頃
- 4学期:10月中頃~12月中頃
- 夏休み:12月後半~1月後半
各年ごとの詳しい日程が知りたい方はニュージーランド文科省のホームページを参考にしましょう。(http://www.education.govt.nz/)
ニュージーランドは学区制
ニュージーランドの公立学校は、小・中高共に基本的に学区制です。
そのため、評価の良い(教育水準が他よりも高い)学校に子供を通わせるためにわざわざその学校の学区へ引っ越す家族も多く、必然的に良い学校の周りは物件の価値が上がります。
通学は徒歩や両親による車での送り迎えの他、ほとんどの学校でスクールバスが運営されており、学校から自宅前まで送迎してくれます。
ちなみに日本では、小学校入学の際に住民票に基いて区役所から入学のお知らせが来ますが、ニュージーランドでは自分で小学校に連絡をして、入学の手続きを進める必要があります。
学校生活:小学校から制服があり、お弁当を持参する
公立の小学校でも制服があります。
制服と言っても白いポロシャツに学校のロゴが入ったセーター、学校で決められた短ズボン(男子)かスカート(女子)というのが一般的です。スクール鞄が決められている学校もあります。
小学校から給食は無く、各生徒はお弁当を持参します。
典型的なお弁当は、大きめのプラスチックケースの中にサンドイッチとフルーツ(丸ごとのリンゴやバナナなど)、そしておやつ(ポテトチップスやクラッカーの小袋)を入れてお弁当として持ってきます。
学習の様子:少人数制度、選択科目
1クラスの人数は20~25人程度と日本と比べるとかなり少人数です。
授業時間は午前9時ごろから午後3時ごろまで、お昼にはたっぷりと1時間ほどの休憩があります。小学校では国のカリキュラムに基いた基礎科目を学習していきます。
中高と学年が上がってくるにつれ科目が選択制になり、生徒は自分で学習科目を決められるようになります。高校では英語が必修に加えて理系ならば生物・物理・化学から2つ、文系なら歴史や第2外国語などを選びます。
多くの学生は美術や音楽・体育などの実技系も選択して、合計が5~6教科になるようにします。
各科目の最終成績は学年度末の試験結果と、年度を通して行ういくつものアセスメントの得点の合計で決まります。
アセスメントは、自由研究レポートであったり、パフォーマンスや作品の提出だったりと、教科により様々ですが、ペーパーテストだけではなく実技を反映させようとする姿勢が伺えます。
また、ほとんどの学校では、成績が特に優秀な生徒のための特進クラスが設けられています。特進クラスでは授業の進みが普通クラスに比べてかなり早く、飛び級での大学受験が認められる場合もあります。
留学生・外国人用の英語の授業がある
移民や留学生の多いニュージーランドでは、ほとんどの学校で英語が苦手な学生のための特別科目があります。
English as a Second Language(第二外国語としての英語)、略してESLと呼ばれるこの科目では、英語の基礎的な文法や単語についての授業が提供されます。
留学・移住したての学生には英語力を高める大変良い機会であるとともに、他の留学生たちと出会う機会ともなります。
まとめ
中々日本と違う点も多いニュージーランドの教育システム、日本と比べて良い点も悪い点もあると思います。
細かな情報が欲しい場合は、ニュージーランドMinistry of Education ホームページ(http://www.education.govt.nz/)または、通学予定の学校に問い合わせるとよいでしょう。
ニュージーランドの教育システムのポイント
- 義務教育は6歳から16歳まで
- 小学校~高校までほぼ学区制
- 制服あり、給食無し
- 少人数のクラス編成や選択科目
- 留学生・移民向けの英語の授業がある
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