【バジャウ生活してみた】バジャウ族の村に潜入体験!フィリピンのセブ島にいるバジャウ族とは

バジャウ族の子供 東南アジア

皆さんは、フィリピンのセブ島と言われるとどんなものが思い浮かびますか?綺麗な海、甘くて美味しいフルーツ、リゾートホテル……たくさんの魅力があるセブ島の中で、今回は少し変わったおすすめスポットを紹介します。

私がおすすめしたい場所は少数民族バジャウ族の村です。海辺の一角でひっそりと暮らす少数民族の村を訪れて、探検したり、船で無人島に行ったりすることができるのです。少しずつ有名にはなっていますが、知る人ぞ知るセブ島のおすすめスポットです。

少数民族バジャウ族の村、とだけ聞いてもまだ不安や疑問だらけだと思いますが、私自身も現在バジャウ族の村で彼らと共に生活しています。そんなバジャウ族についてこれから詳しく説明していきます。

セブ島のスラム街で暮らすバジャウ族とは

バジャウ族の村

バジャウ族とは、本来はフィリピン、インドネシア、マレーシアの海の上で船に乗って生活している漂海民です。彼らは一生を船の上で過ごします。海の遊牧民といったイメージが分かりやすいかと思います。

そんなバジャウ族ですが、近代化や海の汚れなどの問題によって、現在は陸地や海辺に家を建てて生活しています

セブ島で生活するバジャウ族はアジア最大級のショッピングモール・SM seaside(エスエム・シーサイド)の近くにあるMambaling(マンバリン)地区にて海に高床式の家を建てて集団で生活しています。

本来の生活ができないバジャウ族

海といっても水は近代化の影響で汚れきっていて、本来のライフスタイルを突き通すのは困難な状況です。

街に出てタオルやネックレス、ブレスレットなどを売り、お金を稼いでるバジャウ族がいる中で、陸地に上がりフィリピン人と同じように働く生活にうまくなじめずに、仕事をしていなかったり物乞いをするしかない人も多いのが今の現状です。

貧困、水質汚染、ゴミ問題など多くの問題を抱えたバジャウ族ですが、彼らは毎日を楽しそうに生き抜いています。もしあなたが村を訪れれば、多くの人が優しい笑顔で微笑みかけてくれます

また、村には子供たちが多く、元気に走り回る姿を見ると自然とこちらも笑顔になれます。最初は少し警戒していた子供たちが話しかけてくれた時には、嬉しさが爆発すること間違いなしです。

バジャウ族と暮らす日本人・松田大夢

松田大夢

バジャウ族と日本人をつなぐ架け橋となっている存在が、バジャウ族と共に生活をしている日本人、松田大夢(まつだひろむ)さんです。

松田さんは新潟県・佐渡島(さどがしま)の高校に通っていましたが、自分の人生に違和感を感じて卒業式の3日前に学校を中退します。

その後は国内外を問わずに人の家を泊まり歩いたり、お金がない時は公園や道端で寝たりと、破天荒な生活を送っていました。

そんな中で行き着いたフィリピンのセブ島。街で物乞いをしていた子供たちと仲良くなり、その子供たちについて行ってたどり着いたのがバジャウ族の村だったそうです。

バジャウ族のみならず、フィリピン人の中にも物乞いをしている人たちは存在するので、この出会いは奇跡のようなものです。

それから松田さんは、バジャウ族の村によく足を運ぶようになります。そしてついには、村に自分の家を建てて、バジャウ族と共に暮らすようになったのです。

そんな松田さんは2016年にバジャウ族の女性、シャイマさんと結婚し、現在は私を含めた二人の日本人を合わせた4人で1つの家に暮らしています。

バジャウ族の村でできること

それでは、皆さんが実際にバジャウ族の村を訪れた時にできることを紹介します。

村散策

バジャウ族の村の散策

バジャウ族の村では海の上に木や竹で道を作ったり家を建てたりしているので、村を散策するだけで十二分にワクワクします

場所によっては細い木が一本あるだけの道や、木がグラグラする道などもあるので怖いかもしれませんが、逆に言えばスリル満点で楽しいです。

日本人の方が恐る恐るゆっくりと慎重に歩く道も、バジャウ族の人たちは荷物を持ちながらスイスイと進んでいきます。子供達にとっては走って木を渡ることも簡単です。

また、村の中で街中ではあまり見かけないような食べ物が売っていたりするので、食べてみるのもおすすめです。

フルーツを堪能しよう

私がおすすめするのはグリーンマンゴーというフルーツです。

マンゴーなのに甘くなく、酸っぱいマンゴーに辛いソースをかけて食べます。1つ食べるとクセになって何個も食べてしまいます。

民族衣装を買ってみよう

バジャウ族の村を散策していると、綺麗な模様のカラフルなズボンや布をよく見かけます。

これはバジャウ族の伝統的な衣装のようなもので、村の中で買うこともできるので、お土産にとってもおすすめです。

高くてもズボンは500ペソ、布は1000ペソほどで買うことができます。

ゲストハウスに宿泊

バジャウ族の村には現在建設中のゲストハウスがあります。

仕事のないバジャウ族に建設作業員としての雇用を与える、村を訪れてくれる日本人に宿泊や休憩スペースを提供する、といった目的から松田さんが中心となり計画したゲストハウスです。

素材は木と竹で2階建てで、ロフト付きの立派な造りとなっています。現時点での完成率は8割〜9割ほどで、まだ完成はしていませんが、宿泊は可能です。最終的には30人ほどが宿泊可能なゲストハウスになる予定です。

宿泊費は1泊700ペソで、他のゲストハウスに比べると少し高めの値段設定となっています。

その理由は、安い値段で泊まりに来る人を増やすのではなく、お金を払ってでもバジャウ族の村を訪れたい、興味がある、といった考えを持った人に泊まって欲しいからだそうです。

実際に700ペソを払ってゲストハウスに宿泊してくれた人は皆、お金を払う価値は十分にあったと満足してくれています。

無人島ツアー

無人島ツアー

バジャウ族の船で無人島に行くことができる、無人島ツアーがあります。松田さんを含めたバジャウ族の船員数名と共に船で海に出ます。

2時間〜2時間30分ほどで、見たこともないほど綺麗な海の中に突如現れる砂浜があり、そこに船を停泊させて、泳いだり写真を撮ったり自由な時間を過ごすことができます。

砂浜は潮の満ち引きによって広くなったり、狭くなったり、完全に無くなったりと姿を変えます。砂浜があるのかないのかとドキドキする時間もツアーの醍醐味です。

魚

実際にバジャウ族の人たちが海に潜り魚を獲ります。ここでは、本来のバジャウ族の姿を見ることができます。

傘の骨組みから小さなモリを作り、それをゴムで飛ばして魚を獲る姿には、目を奪われます。獲った魚はその場で刺身やスープや煮物にして食べることができます。

また、バジャウ族は歌や楽器の演奏が得意で、ゴミから作った手作りの太鼓の音色に合わせて歌を歌ってくれます。

特に太鼓の演奏は素晴らしく、一見簡単そうに見えても慣れてない人が叩くとほとんど音がなりません。ここでしか聴けないような珍しい演奏も必見です。

ツアーは事前予約が必要で、基本的には土日に開催されますが、5人以上の人が集まれば、相談次第では平日に行うことも可能です。また、日帰りではなく近くの島で1泊して次の日に帰るキャンプツアーも可能です。

気になるツアーの料金は?

値段は日帰りツアーが2,500ペソ、キャンプツアーが3,000ペソです。他のツアー会社などを通して砂浜まで行くと2倍以上の値段がかかることもあるようなので、非常にお得です。

ツアー当日には市内の有名なショッピングセンターなどまでお迎えに来てくれるので、安心です。

また、予約方法なのですが、ツアーに行きたい場合は、バジャウ族ツアーに関するFacebookページ「Life Of Badjao」にて予約が可能です。

バジャウ族の村までのアクセス方法

バジャウ族の村

村を訪れる時におすすめの方法は、タクシーとトライシカルです。トライシカルとは、自転車の横にサイドカーのような座るスペースがある、自転車バージョンのタクシーのようなものです。

まずはタクシーに乗って運転手に、ガイサノ・アヤライと伝えましょう。ガイサノ・アヤライとはバジャウ族の村の近くにあるスーパーマーケットです。

ガイサノ・アヤライに着いたら辺りに何台もトライシカルがいます。次は、運転手に、バジャオワンと伝えてください。村の入り口まで連れて行ってくれます。

ガイサノ・アヤライから村の入り口までは15ペソで行くことが可能なので、もし高額な料金を請求されてもきっぱりと断りましょう

バジャウ族の村を訪れる際の注意点

バジャウ族の村周辺は、貧困層のフィリピン人が多く住んでいるスラム街です。

貧困だから悪い人が多い、などとは私は思いませんが、念のためにカメラや携帯、財布などはあまり目立たないように所持することをおすすめします。

最低限の盗難対策等をしていれば、神経質になる必要はなく、話しかけたりしても何も問題はありません。ただし、村を訪れすには事前に連絡が必要です。

まとめ

バジャウ族の子供

いろいろな国に旅行に行ったことがある人でも、少数民族の村を訪問したり、宿泊したりした経験がある人は少ないと思います。

また、セブ島の旅行といえば綺麗な海ですが、ただ海に行くだけでなく、普段は関わる事ができないような人たちと、他にはないシチュエーションで楽しむ海の方が魅力的だと思いませんか?

あなたも是非セブ島で一生の思い出に残る経験をしてみてください。

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旅の魅力にはまり、大学を中退してフラフラしています。
国内外問わず旅することと写真を撮ることが好きです。現在はフィリピンにて少数民族の村でインターンをしています。

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