香港の飲茶(ヤムチャ)の習慣を知っていますか?日本人の感覚では、食事をしながらお茶を飲んだり、会話をしたりというイメージだと思いますが、本体の飲茶の習慣は「おしゃべりを楽しみながら、お茶を飲む」ことなのです。
香港人の飲茶では会話がメインになり、お茶が2番目です。そして、蒸篭に入って出てくる様々な点心は、二の次ではなく、三番目ということになります。あくまでも飲茶のメインはお茶とおしゃべりなのです。
今回はそんな香港の飲茶のマナーについてご紹介します。
飲茶とは
まず、飲茶とは何かをもう一度おさらいしてみます。
飲茶(ヤムチャ)とは、中国広東省、香港、マカオを中心に行われている習慣で、中国茶を飲みながら点心を食べることである。
楽しくお話ししながら、お茶と美味しい食事を楽しんでみてください。
ありがとうは「指」で3回ほどこんこんやる
飲茶に行ったら、周りにいる香港人の様子を確認してほしいのですが、急須のお茶を相手に注いであげると、相手が指(人差し指と中指)でこんこんと2回もしくは3回程度テーブルをたたくシーンに出会うと思います。
これがまさに、「おしゃべりを楽しむ」ことこそが飲茶の目的であるということを象徴しているシーンなのです。
お茶を注いでくれたら、本来なら「ありがとう」と口で答えなければいけないのですが、おしゃべりを遮りたくないので、かわりに指でこたえるのです。指でおじぎをして、「ありがとう」と伝えているのです。
こうすることで、いちいち会話を中断しなくてよい、というわけなのです。
飲み物は男性が注ぐ
それから、「お茶を注ぐ」という行為は香港人にとって、とても大切な行為で、相手への尊重の気持ちをあらわします。目上の人には、必ず自分のほうからお茶を注いてみましょう。
目上の人や、上司にお茶を注ぐのは日本人も同じですから、抵抗なく自然にできるかと思いますが、ひとつ気をつけないといけないのは、女性ではなく男性がお茶を注がないといけない、ということです。
日本であれば、食事の席でお茶を注いだり、料理をオーダーしたり、料理を取り分けたり、というのは、女性がすることが多いですが、香港ではレディーファーストの習慣が根付いているので、こういう席では男性が動くことのほうが多いのです。
女性は何もせずに、おしゃべりに専念しているだけ、ということも多く、甲斐甲斐しく働く男性の姿が目につきます。食事の席では座っているだけ、という状態に慣れている日本人男性は、気をつけたほうがいいかもしれません。
それでは注文してみましょう
写真の右端の茶色いカステラ「馬来糕(マーライゴー)」がおすすめ
マナーの話をいくつかしてきましたが、それではいよいよ、飲茶を注文してみましょう。注文の仕方は、テーブルにある紙にチェックを入れる方式が多いです。気になるものにチェックを入れてみてください。
その他の注文方法には、点心がのったワゴンが客席のあいだをぐるぐると回っていて、それを見て指さしてオーダーする方式のお店もあります。言葉がわからない場合は、指指し方式の注文のほうが嬉しいですね。
ワゴン式の場合は、蒸篭のふたをどんどん開けて、中をのぞいても大丈夫なので遠慮せずにガンガン見てみましょう。
おすすめの「マーライゴー」はふわふわ
点心の定番といえば、えびシューマイ、蒸し餃子、小龍包、チャーシューバオなどだと思いますが、おすすめは「馬来糕(マーライゴー)」です。
馬来糕(マーライゴー)はマレーシア風カステラとも呼ばれるもので、ふんわり甘い蒸しパンで、昔なつかしい味がします。
茶色いのは、実はしょうゆの色なんです。蒸しパンにしょうゆって面白いですよね。でも、しょうゆ味ではないので安心してください。
控えめのちょうどよい甘さで、食べ始めるとやめられなくなります。
パン屋さんでも買えるときがありますが、やはり蒸したてが一番おいしいですので、飲茶に行ったらぜひ注文してみてください。
まとめ
香港の食事……いえいえ、飲茶では、美味しい食べ物を食べるのですが、目的はあくまでおしゃべりです。また、日本とは違ったマナーもあるので覚えておくと便利です。「この人は香港の習慣がわかっている人だな」と思ってもらえるので、距離が近くなります。
飲茶だけではなく、通常の食事の際も同様です。お酒をついでもらったら、人差し指と中指でこんこんと軽く3回ほどテーブルをこんこんと叩いてみてください。きっとニコニコしながら注いでくれると思います。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
香港で働くには?香港で就職・転職したい日本人向けの仕事と求人の探し方
あわせて読みたい