語学力アップのためのタンデム学習を試してみよう!ヨーロッパでオペラ歌手として働く私のタンデム体験談

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※ドイツ・ミュンヘン

「タンデム学習」とは、外国語を勉強中の者同士がお互いの母語もしくは得意な言語を教え合うシステムのことです。ヨーロッパでは大学生を中心にとてもメジャーな勉強方法です。

マンツーマンでじっくり会話の練習ができる上、無料で語学力アップを図れるのでとてもおすすめです。

私はドイツに在住し、イタリア、フランスなどの近隣諸国を含めヨーロッパでオペラ歌手として働いています。ここでは、私が英語とドイツ語の練習のために実際に体験したタンデムをパートナー別にご紹介します。

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タンデム体験1. 英語と日本語の交換学習(イタリア)

初めてタンデムを体験したのはイタリアでした。イタリア語はすでに習得済みだったのですが、イタリア語を覚えることですっかり衰退してしまった英語力を取り戻したいと思っていました。

そんな折にタンデムパートナー募集の張り紙を見つけ、すぐに連絡を取ります。張り紙を出していたのは日本語を勉強中のイタリア人大学生で、ロンドンへの留学経験があるため英語も堪能という23歳の男の子でした。

SMSで待ち合わせ場所を決め、町中のカフェで初対面。彼は典型的な「日本文化を愛する外国人」といった雰囲気の、上品で控えめな好青年です。変な人が来たらどうしよう……という不安もあったため、心底安心しました。

英語で日本語を教える

イタリア人相手ではありますが私が練習したいのは英語だったため、基本の会話は英語で、日本語の授業をする、というスタイルに徐々に固まっていきました。

基本は自由におしゃべりするスタイルで、分からない表現や単語が出てくればノートにメモを取ります。彼が日本の子供用のドリルを持って来て、私が英語で説明しながら勉強を進めたこともあります。

彼とは馬も合い、とても楽しく勉強することができました。おかげで記憶の奥底へ忘れ去られていた私の英語も、少しずつ回復しました。

彼はその後、日本の文化庁からの奨学金を勝ち取り、念願の日本上陸を果たします。今でも時折連絡を取っては近況報告などをし合う仲です(イタリア語で、ですが……)。

タンデム体験2. ドイツ語とイタリア語の交換学習(ドイツ)

ケーキ

2度目のタンデム体験は、ドイツに引っ越してからになります。相手は22歳の女子大生で、半年後にイタリアへの短期留学が決まっていたため、イタリア語の練習相手がほしかったそうです。

私はドイツに移住したばかりだったので、もちろんドイツ語の訓練のためにコンタクトを取りました。

ドイツでは、各都市の大学が管理しているホームページでタンデム学習のパートナーを探すことができます。たくさんの広告が載っていて、自分から連絡を取ることも、誰かからの連絡を待つこともできます。

勉強というより心地よい会話

この女子大生パートナーとは半年間、週に1度のペースで勉強会を重ねました。町中のカフェでコーヒー1杯を片手に1時間から2時間ばかり、その1週間にあったことなどをテーマに、イタリア語とドイツ語で前半・後半に分けてしゃべるスタイルです。

お互いがある程度しゃべることができるレベルだったため、彼女との勉強には筆記は一切ありませんでした。唯一、勉強会らしかったことと言えば、毎回テーブルの上に2冊の辞書を置いていたことくらいです。出てこない単語などがあった場合に、手を伸ばして辞書を引きました。

穏やかな性格の子で会話も心地よく続き、とても良い日常会話の練習になったと思います。

タンデム体験3. ドイツ語と日本語の交換学習(ドイツ)

ドイツ語の本

2で紹介した女子大生と並行してもう1人、ドイツ語訓練のためのタンデム・パートナーを見つけていました。日本が大好きな19歳の大学生で、ドイツ人の男の子です。

彼は大学で日本語を選択していたのですが、会話をするチャンスがあまりないからとタンデム学習を始めたそうです。3、4か月ほど、彼とも週1のペースでお茶をしながら会話の練習をしました。

相手の質問から話を広げる

彼の日本語は日常会話も難しいくらいのレベルだったので、基本の会話は全てドイツ語で、私が日本語の初歩的な授業をするようなスタイルになりました。

教材などは使わず、彼が「これは日本語で何て言うの?」と聞いてくるところから始まり、話を広げていきます。ドイツ語で上手く説明できないことも多く、辞書は手放せませんでした。

私の就職が決まって引っ越すことになった時には、これからのドイツ語学習に役立ててほしいと言って、簡単に読めるドイツ語の本をプレゼントしてくれました。若いのに落ち着いていて、気楽に一緒にいられるパートナーでした。

タンデム体験4. ドイツ語と日本語の交換学習(ドイツ)

ここからは失敗談とでも言いましょうか、すぐに会うのをやめてしまったパートナーの話です。

彼は33歳のサラリーマンで、日本が大好きなため趣味で日本語を勉強するためタンデム相手を探していました。

とても物静かで内気なドイツ人男性です。タンデムのために会っているというのにほとんど口を開こうとしない彼を前に、最初は私がたどたどしいドイツ語で頑張って話題を振りました。

ですが、唯一の共通の話題であるはずの「日本」についても質問してくるでもなく、「何か日本語で言ってみたいことはない?」という質問に対しても「……難しいね」とドイツ語で返してくるばかりでした。

フリートークでは間が持たない

もちろん悪い人では絶対にないのは分かったのですが、初回からかなりヘビーな展開になったため、私の方から次回の約束を取り付けることはしませんでした。

彼から2回目、3回目のお誘いがあって出かけて行きましたが、私の方から次の約束を切り出さなかったため、4度目の待ち合わせはありませんでした。

今考えれば、彼とのタンデムでは教材などがあればうまくいったのかもしれません。フリートークでは間が持ちませんでした。

タンデム体験5. ドイツ語と日本語の交換学習(ドイツ)

もう1人、NGだなと思ったパートナーがいます。彼はドイツで生まれ育ったドイツとイタリアのハーフで大学生。イタリア語の上達のため、私にタンデムのアポを申請してきました。

会ったとたん、文法めちゃくちゃのイタリア語で、一方的にマシンガントークをお見舞いされます。タンデム学習なので間違いを指摘したかったものの、そのスキを与えないほど彼はひとりでしゃべり続けました

「私のドイツ語は……?」という疑問が終始頭の中を行ったり来たりしている中、間違いだらけのイタリア語を浴びせかけられるのは正直苦痛でした。

2回目の約束はお断り

彼は果たして本当に勉強する気があったのか疑問です。教材はもちろん、辞書すら引っ張り出さずに終わりました。

もちろん悪い人ではないのですが、2回目のお誘いは適当な言い訳をつけてお断りしました。1回目が盛り上がらなかったことは彼にも自覚があったらしく、再度誘いがかかることはありませんでした。

まとめ~気の合うパートナーを探してみよう

見知らぬ人と一対一で待ち合わせをするというのは少し不安なものです。私も1回目は毎回かなりドキドキしました。

しかし、大学のホームページなどを介して知り合えば危険な目にあうことは稀であり、人通りの多い場所で会うようにすればまずおかしなことにはなりません。

無料で利用できる、とても便利なタンデム学習。相手が変わればその内容も大きく変わり、気の合うパートナーが見つかれば語学が上達する上に、新しい人脈も広がるかもしれませんよ。

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