どうすれば桃源郷ラオスに定住することができるのか?在住者が教えるアドバイスとは

ラオス 東南アジア

※首都ビエンチャン北部の山岳部、自然の力強さが伝わるでしょうか?

東南アジアで最も開発が遅れているといわれているからこそ「桃源郷」と呼ばれるラオス。

しかし、ビザの問題や、日本円の暴落以降一向に回復する気配を見せない円安の為替相場の問題などから、「実はラオスは外国人にとって意外と住み辛い国では?」という声が聞こえてくるのも事実です。

この数年日本人や欧米人の旅行者や新規入植者の数は若干の下降線を辿っていることを感じますし、定住者の本帰国や移住場所の変更が目立っています。ラオスに定住するにはどうすれば良いのでしょう?

今回はラオス移住者がラオス定住のヒントとアドバイスを紹介します。

実際のラオスの住み心地はどうなのか?

ラオスの山

※山頂部分が姿を現すことがめったにないこの山(パァ・ティヤオ)は仙人が隠れ住んでいるようにも思えます。

「桃源郷」、「東南アジア最後の楽園」などと称されるラオスは、経済発展が進む現在でも多くの自然が残されています。非常に穏やかな国民性もあり、シャイなラオス人は外国人に対して過度の干渉をして来ることが少ない(慣れるまでは、ですが)と言えるでしょう。

かと言って決して排他的な訳でもないので、外国人にとってはちょうどいい良い距離感と感じる方は多いようです。

ラオスで手に入る日用品などの充実度は?

近年経済発展したと言っても物質的には隣国のタイや中国には到底及ぶことはなく、決して恵まれた環境とは言えないのが事実です。しかし、タイや中国からの輸入品が街には溢れていますから、生活するのに取り立てて不便を感じることはないでしょう。

実際にラオスでの生活を続けていると段々と物欲が無くなってきますので、今話題のミニマリスト的な「持たない生活、シンプルライフ」を実践することができます。

ラオス国内のインフラ整備の状況は?

インフラの整備は年々進んできていますが、まだまだ脆弱と言っても良いでしょう。残念ながら停電や断水は頻繁に発生します

公共交通機関と呼べるものは、各地方を結ぶ路線バスやトラックバス、個人経営の1ボックス車を利用したバスしか存在しません。首都ビエンチャン内は市内の循環バスとバイクを3輪車に改造したトゥクトゥクなどが市民の足となっています。

ラオスの物価は?

物価は近隣諸国よりは若干高めです。自国生産品がほとんどなく、調味料ですら輸入品に頼る状態ですから致し方ないと言えるでしょう。

海外移住を考える際に物価指数は気になるものですが、「物価が安そうだからラオスで暮らす」というアイデアは現実的ではないかもしれません。

ラオスに惹かれて「ラオスに住みたい!」という気持ちが強くないと正直住み心地は良くない国なのかもしれないですね。

ラオスに長期滞在する際のビザ事情はどうなのか?

パスポートの印鑑

※私も法人登記の手続き中はビザランをして待機していました。

ラオスのビザ事情は過去記事「働くのには必須アイテム!ラオスのビジネスビザ取得方法とは」で掘り下げて紹介しました。

現在ラオスにはタイやマレーシアが発給しているような「リタイヤメントビザ」のシステムがありません。

長期滞在するためには

  • 「就学ビザ」
  • 「就労ビザ」
  • 「結婚ビザ」

の3つくらいしか思い当たるものがないのですが、ここではノービザ滞在と観光ビザに付いて紹介します。

現在ラオスでは日本のパスポート所持者に対して「15日間以内のビザなし滞在」を許可しています。入国スタンプに入国日と出国期限日のスタンプを受けるだけで、15日以内の観光目的の滞在の場合ビザなしで大丈夫です。

何度でも出入り可能

出入国回数に対する規制はなく、1年のうちに何回でもラオスに出入りすることができます。つまり2週間に1回隣国へ出国しそのままラオスへ再入国(ビザランと言います)すれば、何度でも15日以内の滞在許可を得ることができるシステムなのです。

しかし現在はタイが陸路越境がビザなしでは年間2回までの規制を始めたので事実上タイへのビザランは非現実的となりました。カンボジアはビザが必要となりますし、ベトナムはビザなし入国をすると出国後30日が経過しなければ再度ビザなし入国ができません。

ミャンマー入国にはビザが必要ですし、ラオスとミャンマー間の国境は現在外国人に対して開かれていません。中国が何度でもビザなしで入国できる唯一の国となりました。

ビエンチャンでのビザなしの長期滞在をするモデルケースとは

現状でビエンチャンでのビザなしの長期滞在をするモデルケースをシュミレーションすると、日本から空路でビエンチャン空港に入国(15日間)、ベトナムにビザラン(15日間)タイにビザラン×2回(30日間)、ベトナムにビザラン(15日間)で75日間の滞在が可能となります。

国境で30ドル支払えば30日間の観光ビザが加給されます。こちらはビエンチャン市内で最大2回まで延長でき、90日間は滞在することが可能です。

観光ビザを再取得する場合

観光ビザを再取得する形のビザランをシュミレーションしてみます。

空路でビエンチャン空港に入国(30日間)、ベトナムにビザラン(30日間)タイにビザラン×2回(60日間)、ベトナムにビザラン(30日間)で150日間の滞在が可能となります。

ビエンチャンでのビザ延長を行う場合ならば、空路でビエンチャン空港に入国(30日間+60日間)、ベトナムにビザラン(30日間+60日間)タイにビザラン×2回(30日間+60日間×2)、で約1年が経過します

ただし観光ビザはシングルビザなので、1度出国すると無効になります。ビザラン時以外に出国するとこのシュミレーションは無効となります。

各国のビザ発給事情や入国条件はすべて暫定的と言えるので、ここで紹介した条件(2017年10月現在)がいつ変わるかも知れません。事前に最新情報を確認してください。

ラオスに定住するコストはどのくらい必要なのか?

ラオスで生活するのに必要なコストは過去記事「移住希望者必見!ラオス・スローライフに必要な生活費とは?」で詳しく紹介しました。定住するのに必要なコストは次に挙げる7つです。

  1. ビザ取得のための諸経費
  2. 家賃
  3. 食費
  4. 光熱費
  5. 通信費
  6. 被服費
  7. 嗜好品代金

1年のトータルコストで120万円もみておけば余裕で暮らしていけます。節約すればさらにコストダウンを図れますので、ライフスタイルに合った生活水準で定住コストは変動します。

近隣諸国と比べてラオスは住みやすいのか?

日本と変わらない生活を送ることが可能なタイ、日本の大型ショッピングモールが進出して劇的に暮らしやすさが向上したと言えるカンボジアとベトナム。

大きく姿を変えていくことを予感させる中国やミャンマーなど、ラオスを取り巻く国々は在住日本人にとって快適な生活環境が確保しやすくなっています。

ラオス国内にもショッピングモールが次々と誕生しているのですが、全て中国資本のショッピングモールで若干残念な品揃えになっています。首都ビエンチャン市内には日系食材店が2軒あります、自炊派なら困ることはないでしょう。

複数軒の和食レストランもあり、外食でも日本の味を楽しむことができます。ただし、東南アジア唯一の内陸国ラオスでは、新鮮な魚介類が手に入り辛く海魚の種類が少ないのは弱点と言えます。

タイなどでは屋台でカツオの丸焼きなどが売られているのを考えると、食材のバラエティには欠けると言えるでしょう。

近隣諸国と比べて、ビザ関係以外の住環境に対する利便性に劣るラオスは「ラオスが好き」な方以外には残念ながら魅力が薄いかもしれないですね。

都会と田舎ではどちらが住みやすいのか?

ラオスの屋台

※約3ヶ月お寺に篭って集中的に修行を行う期間が終了したことを祝うオークパンサー(出安居)に沸く首都ビエンチャン、屋台の数が物凄いです。

ラオスの最大の魅力は「大自然の中でゆっくりと時間が流れていること」ではないかと感じます。この記事を書いている今でも、窓の外から鶏や七面鳥、野鳥の鳴き声が聞こえますし、遠くには放し飼いの牛や山羊の群れが草を食んでいるのが見えます。

ローカルな住宅地の中に住んでいるのにもかかわらず、人工的な音がほとんど聞こえることがない、自然派にとっては最高の生活環境と言えるでしょう。

ラオスに住んでしまうとビエンチャン市内がとても便利に感じるようになります。英語でコミュニケーションを取れる確率も劇的に向上してきました。便利になっていく反面大自然も、ゆっくりとした時間の流れも失われつつあると感じます。

一方田舎はラオス的魅力に溢れているものの、物質的に恵まれない状態や言葉のハードルが上がる側面があると言えます。人間関係が都会より濃密になるのも、好き嫌いが分かれるところでしょう。

月並みですが利便性を求めるのならば首都ビエンチャン、ラオスらしさを満喫するのなら田舎という結論になります。私は田舎が好きなので田舎に暮らしていますが、たまのビエンチャンはテンションが上がるのも事実です。

まとめ

かつて東南アジアへの移住のメッカと言われたタイがこの数年で、観光ビザで不法就労を行う外国人やビザなしで長期滞在する外国人に対しての規制を強める方向に路線変更しました。

就労ビザを持たない不法就労の外国人労働者(日本人を含む)が、あまりにも多すぎることが原因だと言えます。

東南アジアのハブ空港を持つタイが行ったこの措置は、ラオスに定住する外国人にも影響を及ぼしています。これから東南アジアへの移住や長期滞在を考えている方にとっても、当分目を離せない状況になったと言えるでしょう。

今回紹介したラオスのビザラン・プランは、なかなか有効ではないでしょうか。

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記事を書いた人
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2000年から東南アジアを中心に滞在型の旅行(タイに1年半、中国に2年など)を続け2008年にラオスに移住しました。
現在は飲食店の経営や旅行商品の開発を行いながら暮らしています。
趣味はバイクツーリングとビールを飲みながらギターを触ること。
ラオスに興味がある方はご連絡ください。

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