アメリカではたくさんの日本人が働いています。日系企業もたくさんありますが、アメリカ企業に勤めてアメリカ社会にどっぷり浸かりながら仕事をしている人も多いです。
では、アメリカで働く場合、どんな条件、待遇になるのでしょうか?日本の会社と違う点はどこでしょうか?ニューヨークのローカル企業で働く私の例をもとにして、アメリカのお給料事情や税金などを細かく見ていきましょう。
※1ドル=約110円
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アメリカで私が勤める会社
この記事では私の勤める会社のお給料事情をお伝えするので、まずはどんな会社なのかをご紹介します。
ニューヨークにある専門職のローカル企業で、アーティストの作品制作、マネジメント業務を行っています。従業員数は約50名。私は勤続12年で、制作部門に所属しています。
アメリカで働く私の給料はどのくらい?正社員なのに時給制
給料は時給制で、1時間40ドル(約4,400円)です。単純計算すると、1日8時間労働なので1日320ドル(約35,000円)となり、1週間で1,600ドル(約176,000円)になります。1カ月で6,400ドル(約70万円)ですね。
でも、これは税金を引かれる前の給与額です。税金については詳しく後述しますが、ここからすごい額の税金が引かれることになるのです。
ちなみに、正社員で時給制という給与体系はめずらしいと言えます。一般的にはやはり月給制が多いでしょう。時給制は、技術専門職によくあるようです。
毎週火曜日に振り込まれる
チェックでの受け取りも可能ですが、基本的には銀行振り込みになります。週払いで、毎週火曜日に税金を引いた額の給料が振り込まれます。銀行の指定などはありません。
ボーナスは業績に応じて年1回、昇給には出勤率も影響
ボーナスは年末に1回、額はその年の成績によって決まります。
また、昇給は年始にあり、上司が一人ひとりの成績や出勤率などのリストを作って評価し、それに基づいて行われます。
出勤率はアーティスト畑ならでは?
出勤率って面白いですよね。制作部門で働いている人々はみんなアーティストなので、割と気まぐれな人が多く、毎日会社に来ないんですね。普通の会社ならあり得ないと思うのですが、いきなり休んだり、午後から来たりするわけです。
うちの会社では持っている制作技術が何より重視されるので、技術の高い人にはいろいろなことが甘いんです。でも、さすがに昇給の際にはチェックされる仕組みになっているようです。
なお、年に3週間の有給休暇、7日間のSick day(病気で休むことのできる日)は保障されています。
世界的な金融危機は業績にも影響
リーマンショックのあった2008年には、ボーナスも昇給もさすがにありませんでした。
この年は会社もいろいろと大変だったようで、通常行われる社員旅行やホリデイパーティーもありませんでしたね。会社が潰れるんじゃないかとみんなでヒヤヒヤしていました。
アメリカでは福利厚生を期待できない
住宅手当や交通費の支給はなし
住宅手当は日系企業には多いようですが、ローカル企業で手当を支給しているという話はなかなか聞きません。
交通費の支給も基本的にありません。ただ、残業で夜遅くの帰宅になったときに使用したタクシー代だけはレシートを提出して受け取ることができます。最近は安全になったとはいえ、やはりここはニューヨーク。遅い時間の帰宅にはタクシーの使用を義務付けられています。
高額な健康保険料
日本には国民保険という素晴らしいシステムがありますが、ここアメリカにはありません。基本的には自分で保険会社と契約しなければなりません。オバマケアができ、これはフリーランスの方々には重宝されているようですね。
会社勤めの人は、会社が加入している保険会社に入ります。会社が何パーセントか負担してくれます。全額カバーしてくれる会社も少なくありませんが、うちの会社は50パーセント負担。月に600ドル(約7万円)は自分で保険会社に支払わなくてはなりません。
アメリカで働くなら知っておこう、給料の約3分の1が税金
先に述べたお給料からガツンと引かれるのが税金です。まずは連邦所得税、そしてニューヨーク市税、ソーシャルセキュリティー税(公的年金)にメディケア税(高齢者医療保険)。これらを合わせると給料額の約3分の1になります。
したがって、単純計算で6,400ドル(約70万円)のお給料の手取りは、だいたい4,200ドル前後(約46万円)になってしまいます。
これはニューヨークの税金の一例です。アメリカは州ごとに税金のシステムも違うので、自身の働きたい州の税金システムを事前によく調べることをおすすめします。
アメリカで働くなら覚悟しよう、ニューヨークの高い生活費
仕事もたくさんある実力主義のニューヨークでは、頻繁な昇給も夢ではありません。
しかし、物価が高く出費が多過ぎます。とにかく家賃、不動産が高いです。また、外食すれば税金とチップ20%、食材もなかなか高いです。
マンハッタンでの家賃
家賃はマンハッタン内であれば1DKでも最低1,500ドル(約17万円)からで、2LDKともなれば3,000ドル(約33万円)以下では見つけることができないでしょう。
オーガニックの牛乳はなんと8ドル
また、食材は一般的なものとオーガニックのものとの値段の差が激しいです。例えば、オーガニックでない牛乳が1パックで約4ドル(約400円)とすると、オーガニックの牛乳1パックは倍の8ドル(約800円)だったりします。
それでも健康志向の強いニューヨーカー達はオーガニック食材を手に取ることが多く、そうなると毎月の食費は結構かさんでしまいます。
貯金は厳しいかも…
生活費の高いニューヨークには、毎月やっとのことでやり繰りし、なかなか貯金ができないという中流家庭がたくさんあります。桁違いのお金持ち、貧困層はまた別なのですが、一番多いとされる中流家庭の人々には、ニューヨークは優しい土地ではないようです。
それでもここに居続けたいと思わせる何かが、この街にはあるのでしょうね。
まとめ〜給料アップやキャリアアップは自分でかなえる
お給料事情は、職種によって本当にさまざまですよね。
ひとつ言えるのは、アメリカでは仕事上のお金の話はタブーではないということ。昇給などの交渉も、遠慮することなくどんどんしていいのです。自分の価値に給料が見合っていないと感じたら、みんなすぐに交渉します。
それがかなわないとなると、他の会社を探して転職するんですね。そのようにキャリアアップしていく傾向があります。ひとつの会社に身を置いて、そこでずっと耐えるということはあり得ないという感じです。
自分で昇給やキャリアアップをコントロールしたい人には、アメリカはおすすめですよ。
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