「空港は何で囲まれている?」と聞かれた時、どのようなイメージが頭に浮かびますか?羽田空港や成田空港周辺のように、水や木を想像されるかも知れませんね。
でも私が住む台湾にある臺北松山機場(タイ・ベイ・ソン・サン・ジー・ツァン=台北松山空港)では、飛行機が離着陸する時に、周辺に見えるものはマンションや車です。
しかも「こんな所に空港があって大丈夫なのか?」と思わずにはいられない程、機内の窓からはっきりと見えます。それは、空港が市内のほぼ中心部にあるからです。台北市の街の中にある台北松山空港とは、一体どのような感じなのでしょうか?早速ご案内します。
台北松山空港は市内にある最高のロケーション
台北松山空港からの移動が便利
台北松山空港は、台北市のほぼ中心部に位置しています。そのため、滞在時間が限られている海外からの旅行者やビジネスマンにとっては、行動しやすく非常に便利な空港です。もちろん台湾に住む私達にとっても同様で、飛行機に乗ることがとても身近に感じられます。
しかし、これだけ街の中にあると、やはり気になるのが騒音問題。確かに空港付近に住む住民は、騒音問題で悩まされている人がいて、防音の窓を設置するというような工夫をしています。
しかし中には、飛行機の音に慣れて、生活の一部になってしまったという声も聴かれます。台北松山空港を郊外に移すという声もあがっていますが、経済発展、交通、国防等の問題があり、なかなか話が進まない状況です。
台北松山空港から台北101までわずか20分
では、その便利さを観光地までの所要時間で例えてみましょう。毎年大晦日に1万発以上の花火を打ち上げることで有名な、台北101(タイ・ベイ・イー・リン・イー)。空港からは、車で約20分の距離です。
台北松山空港から25分でいける観光地
そして故宮博物院(グゥー・グゥオン・ボォー・ウ・ユエン)という、ゆっくり見学すれば1日はかかる博物館。また、参拝客でいつもいっぱいの、龍山寺(ロン・サン・スー)というお寺。
これらの人気観光スポットは全て別々の方向にあるにも関わらず、空港からそれぞれ車で約25分です。しかも車内から、日本とは違った街の様子を見学しつつ目的地に向かうので、感覚的にはあっという間に到着です。
台北松山空港から臺北車站まで15分
また、台北市以外の所に移動する場合にもアクセスが便利です。空港から車で約15分で、臺北車站(タイ・ベイ・ツァー・ザン=台北駅)に行くことができます。
そしてそこから、高鐵(ガオ・ティエ)という新幹線や、一般的には火車(フォ・ツァー)と呼ばれますが、臺鐵(タイ・ティエ)という電車に乗ることが可能です。
また、時間をかけてゆっくりバスの旅を楽しみたいという場合も、台北駅から各方面へバスが出ています。
このように、空港から直接目的地に向かう場合や、台北駅に行って新幹線、電車、またはバスに乗り換える場合にも大変便利です。
交通手段は色々
さすがに街の中の空港ということで、あらゆる交通手段が利用できます。まず、空港を出ると外にはタクシー乗り場があります。
到着した飛行機が何便も重なってしまう時間帯には、タクシーの利用客が列を作ることもありますが「どのくらい待つのかな?」と、心配する必要はありません。次から次へとタクシーがやってくるので、長時間待たされることはほとんどないからです。
バスは路線バスと高速バスが利用できます。1番から8番のバス停が、タクシー乗り場付近から横断歩道を渡った所にあります。チケットを予め購入する必要はなく、バスに乗ってから現金で支払うことができます。
小銭を用意する必要がある場合には、空港1階のロビーにあるコンビニや軽食店で何か買ってお金をくずしてから、バスに乗るほうが良いでしょう。
そのタクシー乗り場の近くに捷運(ジエ・ユン)またはMRTと言われる電車の駅の出入り口があります。エレベーターもあるので、スーツケースなど大型の荷物を持っている時でも安心です。
また、上の写真にあるのは1番の出入り口ですが、ちょうどこの反対側には2番の出入り口もあります。地下に下りたところで繋がっているので、どちらからでも出入り可能です。
規模は大き過ぎず、でも小さ過ぎない
台北松山空港のターミナルは2つあります。第1ターミナルは国際線用、第2ターミナルは国内線用です。でも、1階のロビーは2つのターミナルに繋がっているので、自由に行き来ができます。
外から見ても分かるように建物はそれほど大きくはなく、1階のロビーを端から端まで歩いても5分はかかりません。私たち日本人には馴染みのある羽田空港や成田空港と比べると、少し小さく感じませんか?
でも私は以前、ある南の島に旅行した時、小屋のような空港を目の前に「え?ここが?」と驚いた事があります。逆に、世界を代表するような大きい空港を訪れた際には、歩くのが嫌になったこともあるので、台北松山空港の規模はちょうど良いと思います。
台北松山空港には必要な施設が充分にある
館内には必要な施設が、国際線のターミナルだけを見ても、ひと通り揃っています。まず1階にあるのは、退稅服務櫃檯(トェイ・スェイ・フー・ウ・グェイ・タイ)。こちらは、条件付きですが、台湾旅行中に支払った税金を払い戻す手続きができる所です。
航空会社のカウンターで荷物をチェックインする前に手続きをします。必要な書類は「パスポート」と、税金還元サービスカウンターを設けた特約店舗で、2千元以上購入した場合に発行してもらえる「外国人旅客購買特定商品還付明細申請表」です。
そして観光について教えてくれる、トラベルサービスセンター。国際線到着ロビーを出てすぐ目の前にあり、カウンターの上の表示板に日本語でそう書いてあるので、一目で分かります。
そちらのカウンターの脇にはパンフレットが何種類も置いてあり、フェスティバルなどの催しについてや、観光スポットの情報が得られます。
また、銀行は2箇所に別れてあり、もちろん両替が可能です。
コンビニは1階に、コーヒーショップや軽食店は1階と2階にあります。
「お腹が空いて、機内食を食べる時間までは待てない!」という場合にはありがたい存在です。お店の中に席がない場合でも、ロビーには椅子がたくさんあるので、テイクアウトすれば大丈夫です。
3階には展望台があります。広い滑走路で離発着する飛行機を見学するだけでも気分が良いものです。また、エレベーターの乗降口と階段、そして展望台にある大きな壁が色鮮やかにペイントされており、遊び心を感じます。
台湾のお土産が勢ぞろい
お買い物は台北市内だけではなく、空港内でも充分に楽しめます。同じ店の同じ商品であれば、空港内でも街中で売られているものと同じ値段で買うことができます。
出国審査を受ける前で言うと、ロビーの1階と2階にそれぞれお店があります。台湾の豊富な果物を使用したお菓子や、肉や魚の卵の加工食品、そして香り高い台湾のお茶など、目移りするほど種類が豊富です。
コンビニでは庶民のお菓子やおつまみを、雑貨店ではマグネットや、いかにも台湾らしい湯呑みなどを扱っています。
また、出国審査を受けた後には、同じく豊富に商品を取り揃える免税店があるので、そちらでお買い物をすることも可能です。お店から搭乗ゲートまで近いため、ぎりぎりまでお買い物が出来ますよ。
ちなみに食べものに関しては、街中ではたくさんの安い商品が売られていますが、その分味が落ちるものや、添加物がたくさん入ったものが多いので気をつけたほうがよいでしょう。
基本情報
- 名称:臺北松山機場
- 住所:臺北市松山區敦化北路340之9號
- アクセス:タクシー、電車 / MRT文湖線(ウェン・フー・シェン)、バスの場合、共に松山機場下車
- 空港オープン時間: 05:00 ~ 23:00
- 電話番号:(02)8770-3430
- 公式サイト:https://www.tsa.gov.tw/
まとめ
2010年に台北松山空港と羽田空港間で定期便が就航した当時、私は台湾の首都にあるこの空港にいたのにも関わらず、全くわくわくしませんでした。そればかりか空港の外観や館内の施設に不満すら感じました。
ところが今は、その便利さと充実したサービスに非常に満足しています。表現するなら「外見ではなく、中身で勝負!」、そんな感じの空港です。もし羽田空港から台北にいらっしゃることがあれば、街の真ん中に飛行機で降り立つ感覚を皆さんもお楽しみ下さい。
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