海外に出かける時には、いろいろな書類が必要です。日本出国の際に必要なもの、渡航先への入国の際に必要なもの、滞在生活において必要なもの……。
様々なドキュメント類は準備の中でも一番重要で、最初に念入りにチェックすべきものですが、特に初めての海外長期滞在となると、忘れているものがないか心配になるのではないでしょうか。
実際にアメリカに渡航した私から、必要な書類や手続きをまとめてご紹介します。
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海外長期滞在に必要なもの:パスポート
まず、なんといってもパスポート。海外に行く上では最重要書類と言っても過言ではありません。
渡航に必要なだけでなく、海外での身分証明書としてあらゆる機会に提示を求められます。有効期限もきちんと確認しておきましょう。
計画的に更新を
海外滞在中に有効期限が切れる場合には、滞在国の日本大使館・領事館で切替発給してもらえます。
ただし、注意したいのは、戸籍謄本または戸籍抄本を提出しなければならないケースがあること。切替発給の際に氏名や本籍地に変更がある場合、または期限が切れてしまい新規に発給を申請する場合にも必要となります。
大使館や領事館では戸籍謄本類は発行していないので、日本の本籍地のある市役所や区役所から郵送での取り寄せになります。時間も手間もたくさんかかり、大変です。
出発前、すでに有効期間が1年を切っていれば、日本でパスポートを更新してしまうという手もありますね。
先に述べたように、身分証明書としてもよく使うので、常に有効なパスポートを所持できるようにしておきましょう。
- 外務省「日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類」:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_5.html
海外長期滞在に必要なもの:ビザ
海外に渡航する際、パスポートとあわせて必要なのが「ビザ」つまり入国査証です。観光、留学、ビジネスなど渡航目的に合った適切なビザを取得しましょう。
無事にビザが発給されても油断は禁物!申請の際に用意した書類またはそのコピーをファイリングして、いざという時に提出・参照できるようにしておくと安心です。
渡航先のビザ情報をしっかり確認
目的と期間によってはパスポートだけで入国・滞在できる国も多くあります。少し長めの旅行なら、アメリカ(ただし後述のESTAが必要)、韓国、タイ、イタリア、トルコ、ペルー、モロッコなどあらゆる地域の多くの国にビザなしで行けます。
逆に、1日の滞在でもビザが必要な国もあります。例えば、ロシア、インド、エジプト、ブータンなどは入国の際に必ずビザを取得しなければいけません。
滞在予定国のビザ情報をよく確認しましょう。航空会社ANAのホームページに各国のビザ情報がまとまっていて便利です。
- ANA「旅券(パスポート)・査証(ビザ)のご案内」:https://www.ana.co.jp/ja/jp/inttour/info/007/
現地でのビザ取得が可能な国も
また、パスポートのみで入国し、その後、現地で居住ビザなどの申請ができる国もあります。
現地でのビザの申請を考えている場合、必要な書類を確認し、戸籍謄本のようにあらかじめ日本から持参できる書類は準備しておきましょう。現地での手続きが少し楽になります。
海外長期滞在に必要なこと:電子渡航認証の申請
意外と忘れてしまいがちな電子渡航認証。ビザと同様、入国時に必要となる書類で、ビザの代わりにこの電子認証を求める国が多いようです。
アメリカのESTA(エスタ)でおなじみかもしれませんが、同様の電子渡航認証はカナダでeTA(イーティーエー)、オーストラリアでETAS(イータス)して導入されていて、他にも同じシステムを採用している国があります。
有効期間や申請料はそれぞれ異なります。
アメリカESTAの場合
ESTAはビジネスビザなどを持たずパスポートのみでアメリカに入国する際に必要となるものです。
他の国に行く場合でも、アメリカで乗り継ぎがある場合は要注意。アメリカではトランジットも入国とみなすため、ESTAがなければ目的地にたどり着けません。
いったん認証されると2年間有効です。ただし、有効期間内であっても、申請の際に使ったパスポートの期限が切れればESTAも失効します。
ESTAの申請について
オンラインでの申請が一般的で、渡航する72時間前には申請するよう勧められています。
申請の際は、必ず下記の「.gov」のついた政府公認のウェブサイトから申請しましょう。初めは英語で表示されますが、日本語表示への切り替えもできます。2018年5月現在、申請料は14ドル(約1,540円)です。
- ESTA公式サイト:https://esta.cbp.dhs.gov/esta/
以前、公式サイトによく似たESTAの取得代行サイトを見つけたことがあります。日本語で表示されており、申請も日本語でできるようでしたが、なんと70ドル(約7,700円)も代行手数料を取るというもの。気を付けてください!
※1ドル=約110円(2018年5月)
申請に必要なもの
- 有効なパスポート
- クレジットカード
申請の際に入力する情報
- 申請者情報(氏名・生年月日・国籍・パスポート情報・連絡先など)
- 渡航情報(入国の際に搭乗する便名・米国滞在先住所など)
- 適格性に関する質問(犯罪歴など)
- 支払い情報(クレジットカード情報・日本国内住所)
必要事項をすべて入力・送信し、許可が下りるとESTA「申請番号」が表示されます。番号が表示されたページを印刷して持参、または申請番号を控えておくのを忘れずに。
海外長期滞在に必要なもの:航空券
空港に着いてから、航空券がない!というような事態を避けるため、予約した際に受け取ったEチケットの控え、旅程のコピーを2、3部用意しましょう。予約番号を携帯やタブレットなどの電子機器にメモしておけば、さらに安心です。
片道の場合は要注意
長期滞在を予定していて片道航空券で出発する際、行き先の国の有効なビザがあるかどうか確認されます。ビザを所持せず片道の航空券だけで渡航すると、渡航先の入国審査で不法滞在を疑われ入国拒否されることがあります。
さらに、復路の航空券がない場合、行きの飛行機への搭乗自体を拒否されることもあります。
ただ、いろいろな国を周遊するつもりだったり、帰国日の予定を立てていなかったりする場合もありますよね。
マイルで日程変更できる航空券を買う、払い戻し可能な航空券を入手して復路をキャンセルする、安い往復の航空券を購入して復路を捨てるなど、方法はいろいろあります。
少し損をすることになっても、対策はしておいた方が安全です。
海外長期滞在に必要なもの:海外旅行保険証券、健康保険証
海外でトラブルに巻き込まれた、ケガをした、病気になった……考えたくない事態ですが、もしものことも想定しておきましょう。
海外旅行保険証券
海外での病気・ケガの治療は高額になることがしばしば。保険料は安くはないですが、安全をお金で買うという気持ちで海外旅行保険に加入しておくのがベターです。
加入すると、その保険証券が手元に届きます。加入したプランや加入期間、保険番号などが記載されています。
万が一のことがあった時、提携している病院への問い合わせや実際の治療の際に必ず必要になるので、原本・コピーを携帯しましょう。
健康保険証
会社の健康保険や国民健康保険などに加入していると、海外でかかった治療費の一部払い戻しが受けられることがあります。
大方の保険では、海外でかかった医療機関に記入してもらう書類などを用意しています。渡航前にチェックし、携帯しましょう。備えあれば憂いなしです。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「海外で急な病気にかかって治療を受けたとき(海外療養費)」:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3120/r138/
海外長期滞在に必要なこと:クレジットカード類の厳重な管理
海外では現金以外にクレジットカード、ネットバンクなどの国際キャッシュカードを使う機会が多いと思います。ネット上で金銭管理ができるカードは、海外長期滞在では外せないアイテムです。
ただし、カードの利用にはスキミングや盗難などの危険が付きもの。気が付いたら多額のお金が引き出されていた、ということにもなりかねません。
不正利用された場合に備えよう
悪用・盗難されてしまった場合に備え、カード会社の問い合わせ先をきちんと確認・メモしておきましょう。通常、カードの裏面に連絡先の記載がありますが、カードを盗られた時にはメモが役立ちます。
また多くの場合、国際キャッシュカードやクレジットカードを利用した際にメールで知らせてくれる機能があります。これとあわせて利用履歴を自分で定期的に確認することで、不正利用された場合にも素早く対応できます。
外出中、滞在しているホテルの部屋に残していったクレジットカードを従業員によってスキミングされるという被害もあり得ます。カード類の管理には細心の注意を払いましょう。
海外長期滞在に必要なもの:運転免許証
海外でも運転したい、もしくは運転する必要に迫られることもあるかもしれません。海外で運転免許を取得するには以下のような方法があります。
日本で国際運転免許証を取得する
国際免許証は、有効期間は1年と短いものの、いろいろな国で運転できます。
- 警視庁「国外運転免許証が有効な国(ジュネーブ条約締約国一覧)」:www.keishicho.metro.tokyo.jp/
国際運転免許証は、日本各地の運転免許センタ―などで発行してもらえます。
申請に必要な書類
- 日本の有効な運転免許証
- 申請用写真(縦5×横4センチ、申請前6か月以内に撮影したもの ※無帽など細かい規定があります)
- 外国に渡航することを証明する書類(パスポート、ビザ、航空券のコピー等)
- 印鑑(スタンプ式以外)
- 申請料
- 以前に国際免許証を取ったことがある場合はその古い免許証(以前のものを返納しないと新しく発行してもらえません)
※申請先により若干異なることがあります。
ちなみに、私はアメリカ渡航前に国際運転免許証を取得しました。その際、渡航証明としてチェックされたのはパスポートとビザ、航空券です。
平日の夕方だったので免許センターはガラガラ、ほとんど待たずに発行手続きをしてもらえました。取得を考えている方、平日夕方が狙い目ですよ!
- 警視庁「国外運転免許証取得手続(本人による申請)」:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai01.html
滞在国で運転免許を書き換える
現地で運転免許試験を受ける方法もありますが、日本の免許の書き換えが一番簡単です。必要書類は各国の大使館で確認できます。
国によっては、日本大使館で日本の有効な免許証をその国でも有効にするための証明書が発行されます。
私はグアテマラ滞在時に免許の書き換えをした際、この形式でした。書き換えといっても、実際には証明書(日本の免許の有効期限、番号、日本大使の署名入りの「この免許は有効です」と書かれた書類)を出してもらい、日本の運転免許証と一緒に携帯します。
この証明書のメリットは、日本の免許の有効期間内はずっと使用できることです。
もちろん、申請には日本の有効な免許証が必要なので、必ず持っていきましょう。
海外長期滞在に必要なもの:処方箋、医師の紹介状
日本でいつも服用している薬がある場合、薬の一般名が書かれた処方箋のコピーを持参しましょう。海外で病院にかかった時、処方箋があれば同じ薬、または同等の成分の薬を手に入れやすくなります。
慢性的な病気、アレルギーがある場合には、かかりつけのお医者さんに英語で紹介状を書いてもらっておくと安心です。
海外長期滞在に必要なこと:緊急連絡先のメモ、在留届の提出
海外では、携帯の電話帳に頼れないシチュエーションに遭遇するかもしれません。そんな時のために、緊急連絡先メモを常に携帯しましょう。
滞在国の日本大使館の番号も忘れずに。トラブルが起きた時に相談・SOS発信できます。
大使館に居場所を知らせる
3か月以上にわたって外国に滞在する場合、滞在先の国の日本大使館・領事館に「在留届」を出すことが必要です。
滞在地域で災害やテロなど危険な状況があった場合、安否確認・救助がスムーズになります。また、事態の詳細や危険を避けるための情報がメールで送られてきます。
インターネット上で簡単にできるので、海外での滞在先住所が決まったら必ず届け出ましょう!
- 外務省「海外へ渡航される皆様へ」:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/
まとめ~入念な確認と管理が必須
たとえ旅行であっても、一定期間、海外で「暮らす」ことを考えると、ドキュメントの準備は慎重に行うことが必要です。何かあってからでは取り返しがつかないこともあります。
ご紹介した各書類のコピーを2、3部ずつ用意し、分散して保管しましょう。万が一、盗難にあった場合も、書類のコピーがあれば必要な手続きができます。
抜かりなくチェックして、快適な海外ライフを楽しんでくださいね!
※申請書類や手続き方法などは変更になることがあります。最新情報をご確認ください。
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