私はドイツのさまざまな建設現場でドイツ人チームの一員として仕事をしていました。
国籍の違いだけで一概に性格を判断してはいけないと思いながらも、一緒に働いている同僚を見て、お国柄が表れるなと思ってしまうこともしばしば。また、こちらの日本人的な言動からは真意が伝わらず、ぎくしゃくしてしまうこともありました。
騒がしい現場だからこそ、意思の疎通は仕事をスムーズに進めるために重要です。ドイツ人の考え方の傾向を、建設現場で使われる独特の表現とともに解説します。
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ドイツ人は自分の気持ちに正直
空気を読まない・周りに合わせない
行間を読み、空気を読むことは、日本では大切にされますよね。嫌な沈黙、変な空気、実際に衝突がなくても、日本人なら大半の人は状況を察し、目立った行動は控えます。しかし、ドイツ人にはこれがまったくありません。
寝坊して遅刻しても、申し訳なさそうに登場することはありません。「遅れましたが何か?」と言わんばかりです。
また、基本的に黒い服装でと言われていてもお構いなく、お気に入りのTシャツでやって来る友人もいます。彼曰く「気持ちよく仕事できた方が能率が上がるだろ?」
個人主義、いや自由、それともわがままなだけでしょうか?
本当にいいと思わなければほめない
ドイツ人には「素敵だね」「いいね」というお世辞も通じません。彼らは、よほど気に入った時にやっと「悪くないね」と言います。ドイツ人からこれを言われたら、最高のほめ言葉と受け止めてください。
逆に、ドイツ人に「これいいね!」と言うとやたら喜びます。きっと、こういう背景があるからですね。
NOははっきり伝える
ノーを言えない日本人にお伝えしたい。ドイツでははっきりノーと言っても何ら問題ありません。
機嫌が悪くておざなりな返事をしてしまうとそういう人だと捉えられてしまい、ハイハイと喜んで引き受けると仕事好きな人だと思われて、あり得ない量の仕事が回ってくるはめになります。
できないことや、する必要のないことはきっぱり断りましょう。
ドイツ人には日本人の怒りが通じない
誰かが勝手な手順で仕事をしたので自分の作業が進まない、貸した工具が戻らないから手作業になって時間がかかる、だらだらと意欲なく働いている人がいる……。
そういうことで私が一人腹を立てても、ドイツ人達は「?」となっています。
- 迷惑だと思ったら本人に言うことでしか解決しないよね?
- 貸したの?だったら貸したその日に取り返しておかないと。
- だらだらしてるように見えるけど、もしかしてあれで一生懸命なんじゃないの?
首をかしげながらこんな正論を言われると、ぐうの音も出ません。あっさりさっぱり、自分のできることを淡々とやっていく、ということなのでしょう。
ドイツ建設現場での不思議な合言葉、赤ずきんちゃんが来る?
現場で義務づけられる各種ルール
展示会や特定のお店の設営など、関係者が多い設営現場ではIDの携帯が義務づけられています。短期関係者の場合は、名前がプリントされたシールを入店時に指定場所に貼ったり、首から下げるIDを渡されたりします。
セキュリティはどこでも厳重なので、IDをなくしたら入店できずに仕事ができない=その分の時給が稼げないのでしっかり管理しなければいけません。
また、大規模な設営現場ではヘルメットの着用も義務づけられます。でも、細かい作業や狭い場所での作業には正直言って邪魔になるんです。そこで、ヘルメットを脱いで作業する輩が出てくるのですが、どの作業所にもそんな義務違反者を監視する人が雇われています。
監視員の赤いヘルメットからできた隠語
この監視員たちは大体、赤いヘルメットを被っています。そう、ドイツ人チームからドイツ語で「赤ずきんちゃん」と呼ばれるその正体は監視員。
「赤ずきんちゃんが来る!」の合言葉でさっと身だしなみを整える建設作業員のおじさんたちは、まるで小学生に戻ったようでかわいいです。
赤ずきんちゃんたちはIDを見てチェックしているので、違反が多いと出入り禁止になり、仕事ができなくなります。
ドイツで働く人にとって休暇は当然の権利
現場が殺気立つほどてんやわんやの時でも、申請していた休暇の日が来ると悪びれもせずささーっと退勤するドイツ人には、むしろ感動します。それに同僚も、「あいつこれやっていかなかったけど?」とはなりません。
ドイツでは、休暇は「権利」として尊重されているんです。「休暇いいな〜」はあっても、「休暇なんてやることやってから!」というようなことを言う人にはドイツで会ったことがありません。
人生の中で、たま〜に職場に来て少〜しだけ仕事でもしようか、というイメージです。
ドイツの建設現場で働くなら覚えておきたい独特の表現
自分が持っていても「彼が持っている」
建設現場の仕事でよく耳にする、聞き慣れないドイツ語があります。ドイツ語で「私が持っている」はIch habeです。でも、建設現場では本人が持っていても「彼が持っている」という意味のEr hatと言います。
ハシゴの上にいる同僚に木材を渡したりすると「Er hat, er hat!」と言われて、え?誰?とぽかーんとしてしまいましたが、どうやらそういうものだそうです。
「Alter!」は「マジで!」
設営や建築現場でまたまたよーく耳にするのが「Alter!」という言葉です。直訳すると「古い」とか「クラシック」です。
- 「今日車ぶつけちゃって……」「Alter!」
- (繁華街を夜歩いている時にいきなり酔っぱらいに殴られて)「Alter!」
- 「◯◯のコンサートチケット取れた!」「Alter!」
という調子で、良い時も悪い時も使います。「えぇぇ?」「マジで!」と日本人が言う感覚でしょうか。
その他に、kanten(回す、違う側面を上にする)や、ausschwenken(途中からぶらぶらする、例えばトラックの運転席と荷台の関係)という動詞も、日常生活ではほぼ出会わないものの建設現場ではよく使われる単語です。
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まとめ〜口に出しても後腐れがないから気持ちよく働ける
日本人と久しぶりに仕事をすると、「察する」能力の高さに驚かされます。でも、気遣ってばかりいると、ドイツでは疲れてしまうこともあるのです。
何もかも口に出して、後腐れなく。これがドイツの建設現場で学んだ姿勢です。とはいえ頭で理解していても、日本で生まれ育った私にはなかなかできず苦労しました。
ドイツでの仕事経験が増えるたびに「自分の仕事じゃないけれど、私がやっておけばみんなのためになるし」は次第に薄れてきました。「これ終わってないから一緒にやろう」とか「やっておいて」と言い出せることが多くなってきたと思います。
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