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ドイツの飲食店に就職するとどんなトラブルが起こるのか?仕事中に起こったトラブル集

ドイツの展示場

私は渡独する前、周囲の人から聞いたりネットに書かれていた「ドイツ人は勤勉で日本人と同じく良く働き、気まじめな性格」という情報を信じていました。

そして渡独後、デュッセルドルフの日本食レストランで働く事になったとき、ドイツ人は本当に日本人と似ているのか?たとえば、「行列に並ぶ」という事が通じるのか、あるいは、「座敷では靴を脱ぐ」ことが通じるのか、などが心配でした。

今回は、そんな私の心配事に対して実際はどうだったのか、ドイツの飲食店に就職しドイツ人をおもてなししていて感じたことをお話ししていきます。

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目次

お座敷席は鬼門

ドイツの道路

私の勤める日本食レストランは、2人掛けのテーブル席が20席程と4人掛けのお座敷席が1つありました。

実際、ヨーロッパでは少ない畳と床高の席で掘りごたつでもなかったため、「靴を脱いで下さい」と言った説明をしなければ、靴を履いたままお座敷にあがる人が半数位です。

”座敷では靴を脱いで座る”という日本では当たり前の決まりが通じないのです。

そして理解して下さる人もいれば、「なぜ靴を脱ぐの?」と質問が返ってきて納得しないと脱がない方も少なからずいらっしゃいました。他にも、「どうやって座るの?足をのばすの?それとも曲げるのが正解?」といった質問も。

納得するまで座らず、座り方や靴を脱ぐ理由まで全て理解してからやっと着席するという流れでした。

ここまでは最初に触れた「気まじめな性格」に当てはまると思いましたが、問題はここからです。

なんと、料理を出して食べだしてからテーブル席に移りたいと言う方もチラホラいらっしゃったのです。店内の込み具合や外の行列を見ても、「自分たちがどれだけ快適に食事が出来るか」が第1なのだなと感じました。

卓上の料理を移動するのも大変、並んでいるお客さま用に片付けた2人掛けテーブルも2つ確保する時間も必要なので、「次のお客さまが2名さま並ばれているので・・・」と説明しても、「私たちも待ったんだから」と。

分ります、分りますがそこは1度納得した席で過ごしてほしいというのが、スタッフの願いでした。

でも、ドイツ問わずヨーロッパにはチップ制度があるので、こういった時の対応もお会計時のチップとして反映するのだろうなぁと思い、よほど無理な状態ではない限りなんとか対応していました。

放浪者には要注意

ドイツ

当時、私が務めていた日本食レストランは、4~9月にかけてテラス席を開放していました。ドイツでは短い夏を満喫するため、お客様さまは多少の雨や曇り空でもテラス席でゆっくりとくつろいで食べていました。

店内へのドアは空調も付いていたため閉めており、定期的に店内からテラス席のチェック(追加オーダーはないかなど)を行っていました。

するとある日、お会計を終えて席を離れたお客さまの席を片付けに行こうとテラスへ出ると2人分のお皿があるはずが1人分しかなかったんです。おかしいな?と思いながらも2人でシェアして食べたのかな?と思い店内へ食器を持って戻ろうとしました。

すると、5mほど離れている隣のカフェのスタッフが何かを言いながらこちらに走って来ているのが見えました。

話を聞くと、うちの食べ残しと思われる食器に入った料理をもった放浪者(ホームレス?)が隣のカフェの空いた席に座ってその料理を食べている、あれは料金を払っているのか?食器はあげたのか?というものでした。

ドイツの風景

私は、親切なカフェの店員さんに、「教えてくれてありがとう!もちろんだめです。」と言いました。

食べ残しだろうとやはり他のお客さまへの印象も悪いし、食器も返してもらいたいし、なにより大目に見てしまったが故に繰り返されても問題です。

男性スタッフが対応に行ってくれ事なきを得ましたが、注意した際のホームレスは逃げるどころか、「これはどうせ捨てるんだからいいじゃないか!冷たい奴め!」と言い返してきて、口論になったそうです……。

聞けばどこの飲食店でもこの様なことは多々あるらしく、テラス開放時期は要注意なのだとか。こんなこと日本ではあまりないだろうなぁ、と思い印象に残っています。

メニューにない料理の注文

ドリンク

餃子

例えば、りんごジュース・水・ビールの3つしかメニューには載っていないにも関わらず、「ファンタください」と注文があります。ドイツ人に限らず、来店される外国人のお客様からは、たまにメニューにないものの注文がありました

私の勤めていた日本食レストランの来客者割合は、外国人:日本人=8:2でした。

また、メニューにない注文があった際「ファンタありますか?」と質問として私たちスタッフに問うのではなく、まるでそのメニューが存在しているかのような顔で注文が入ります。

実はそのメニューは存在しているのに、私が見落としているのかと思う程でした。メニューにないのになぜ注文されるのか・・・・・・。

「申し訳ありません、ファンタは当店にありません」と説明し納得して頂きますが、時には「じゃあラムネは?」と別のメニューを注文されるお客様も。

そしてこの現象はドリンクに限らず、料理についても同じようなことがたびたび起こっていました。

最初は不思議でなりませんでしたが、接客に慣れてきた頃には、こういった注文を面白く感じてきて、そこからお客様とコミュニケーションをとるきっかけができ、お互い笑いあって楽しく注文をとり終えることが増えました。

行列での出来事

アート

ドイツの人々

ドイツでは、美術館やミュージアムへ入る時以外に行列をあまり見かけません。

日本では、話題のレストランや最新機器を販売する家電店などでよく「行列」が生まれますが、ドイツでは行列というものの意味が分っていない方も多くいると感じました。

私たち日本人は例え席が空いているように見えても、行列で待っている人たちが見えたら、とりあえず最後尾に並ぶ事が当たり前と思いますよね。

でも、ドイツでは席が空いているのが見えたら、スタッフの案内を待たずに「なぜ皆座らないの?だって空いているのに」と、勝手に行列を無視して着席する人が結構いました。その度に注意しますが、口論の幕開けです。

店内は満席、行列は前先頭から4人組、2人組、2人組と続いていました。先頭で待っている人は4人組なので、今2人席が空いていても隣の2人席が空くまでスタッフは待っているのです。

にも関わらず、少し目を離すと2番目の2人組が前の4人組を飛ばして2人席に座っているんです。

4人組からのクレームも入りかねないし、気付いていないスタッフが新規客だと思ってオーダーを取ってしまうと料理が来てしまいます。

そうなったら大変。何とか説明して並び直してもらっていましたが、外に説明文を掛けても実際に口頭で説明しなければ納得してくれない場合が多かったです。

でも、説明を聞き納得した後の「そうだったの、ごめんなさい」と潔く謝罪してくれた時は、憎めないなぁと感じていました。

そして、例えば待っていて飛ばされた4人組にも必ず謝罪していました。4人組も「いいのよ」とお互いが笑顔で事なきを得る場合が当たり前でした。

スタッフも日本人が多かった事もあり、日本だと引っ込みがつかなくなったという理由で悪態をついて去る、というパターンがなきにしもあらずなので、「ドイツ人の良いところを学び、日本人としてもこうでありたいね」と皆で休憩室でよく反省していました。

違ってあたり前

ドイツ

「ドイツ人は日本人と似ている」と言われていますが、私は全く似ていないと感じました。働き方までは分かりませんが、あくまで「お客さま」として迎えたドイツ人と日本人は似ていませんでした。

日本人は少しくらい不満があっても我慢するか、不満を店員に伝え対応してもらえたとしても、「私たちはお客だし、不満だったのだから対応してくれて当たり前」という印象でした。

しかしドイツ人はとりあえず不満や疑問は小さなものでもすぐ伝える、我慢しない

そして口論になったとしても、その口論に負けても勝っても最後には「素晴らしい対応だった、ありがとう!」というのです。負けてもですよ。笑顔で握手してすっきり終了です。

ドイツでの就労を通じて、育った文化も環境も違うのだから違って当たり前で、お互いが学び合うところもあって反省し合うところもある、皆違って皆良いんだ、ということを学びました。

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この記事を書いた人

ドイツ・デュッセルドルフ在住。ドイツで働きながら、これからもドイツを拠点に色んな国へ旅行する予定です。そこで感じた事や今まで体験してきた出来事を詳しくお伝えしていきます!

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