2012年~2017年までの5年間、私はドイツでパン職人として働いていました。日本でもドイツでも、パン職人は主に深夜仕事をしているため、その生活リズムは他の職業と大きく異なります。
奥さんや子供がいる同僚たちは、家族で過ごす時間がなかなか取れずいつも文句を言っていたのを思い出します。確かに私自身も、友だちとの約束に時間の制約がかかってしまったため、お互いの理解と協力のもと何とか都合を付け合っていたものです。
それだけではなく、やはり夜勤が続くということで体調を崩したりと体の変化もありました。この記事では、ドイツで経験していた、そんなパン職人の特異な一日の様子をお伝えしていきます。
起床 23:30
私の一日は深夜23:30の起床から始まっていました。1時から勤務を開始するには、最終の電車である00:20に最寄り駅から乗らなければいけません。物件探しの際に第一条件にしたのは職場との距離が近いことでした。
深夜はやはり電車やバスがなくなってしまうため、距離が遠いと車通勤しか手段はなくなってしまうからです。まだ暗い夜道を一人駅に向かうときはいつも、外国という不慣れな場所ということもあり警戒していました。
また電車に乗ってからも乗り合わせた酔っ払いにからまれることもあったため、仕事前に疲れてしまうことも多々ありました。
仕事スタート 1:00
パン屋ではオーバーナイトという、前日から冷蔵庫に入れて発酵させたパン生地を、その日に焼き上げるという手法を使っていたので、仕事が始まると全従業員が一斉にそれぞれの業務を行います。
私が配属されたのはTaffel(タ-フェル)という、ロールパンやプレッツェルといった小さいパンを成形する部門でした。捏ねあがったパン生地にも、各種決まった重さや形があるので、合わせて形を作っていきます。
1種類につき一日約600個ほど、それを20種類ほど作るため手早く・丁寧にしなければなりませんでした。
休憩
職場では、作業が止まってしまわないように順番に、一人ずつ休憩に行くためみんなで一緒には休めませんでした。時間は主任の支持のもと、2~4時ころに30分もらえました。
その際は焼きあがるパンを自由に、いくつでも食べることができ、また休憩室にはコーヒーが完備されていたのでここで朝ごはんを済ませます。
土曜日にはポテトサラダやハム、ソーセージといったものが置かれているため、これも自由にパンと一緒に楽しむことができました。ただ、この深夜の休憩をずっと続けていたため、私自身も最高で約10キロも太ってしまいました。
不規則な生活と食事習慣により同僚もまた太っている人ばかりでした。
終業 10:00
空が明るくなってくるといよいよ仕事も終わりだと実感できました。6時にはその日出荷のパンを全て焼き終えて、その後は片付けや掃除、次の日用に型にバターを塗ったりと準備をします。
仕事終わりには、形の不備や少し焦げたパンなどは自由に持って帰ることができました。また更衣室にはシャワー室も完備されていたため、汗を流して帰る同僚もいました。
帰宅後の余暇
ドイツでもやはりランチは安く食べることができるため、仕事帰りにそのまま同僚とご飯に行くこともありました。
一般の会社員は仕事中のため、お店やスーパー、銀行などがすいていることが多く、明るいうちに一日を余暇として好きに過ごすことができるのはメリットです。
就寝 16:00
私の場合、7時間ほどまとめて寝ないと体力が回復しないため、16時には就寝していました。家族がいる人などは、帰ってすぐ3時間ほど仮眠したのち、子供と遊んでから3時間また寝るというように分ける人もいたようです。
確かに明るいうちから眠ることは簡単ではなく、みなが活動している時間のため騒音に悩まされるときもありました。
記事まとめ
昼夜が逆転する生活は、やはり体の負担が大きく疲れが取れないときもありました。ただ、次の日が休みのときは10時に仕事が終わってから、ほぼ2日間休みのようなものだったので、少し得した気分になります。
また、日本との時差が8時間ありますが、このパン屋の生活リズムとは時差が関係なくなるため、日本の家族や友だちと、リアルタイムに連絡が取りやすかったのも大変助かりました。
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