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ドイツで働くことのメリット・デメリットとは?

  • 公開日:
ドイツ

日本とドイツの両方で働いてみると、2つの国の働き方の違いがよくわかります。ドイツで働いていて気がつくのは、男女関わらずほとんどの人が働きつつ、夫婦で一緒に子育てをしているということです。

ドイツ人は仕事をしながら、自分のプライベートの生活もとても大事にしています。そして、それを可能にするための社会保障制度もかなり充実しています。

今回は、ドイツで働くメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。

ドイツの通勤は渋滞しらず

ドイツ

ドイツには大都市があまりなく、20〜30万人の小中都市が多いです。人口もそれほど1か所に集中しておらず、適度に散らばっています。そのため通勤時も渋滞はほとんど起こりません

都市には交通機関が充分通っていますし、車で通勤する場合も至る所に高速道路が整備されています。ドイツの高速は無料で速度も無制限のところが多いので、通勤に余計な時間がかかりません。

郊外の一軒家に家族で住んでいても、通勤時間が1時間以上かかる人はまれです。

ちなみに私の通勤時間は、最初は50分くらいかかっていました。これは比較的長いほうといえるでしょう。というのも、会社が比較的郊外にあったため、地下鉄とバスを乗り継がなくてはいけなかったからです。

自宅と会社の距離は約6-7キロだったので、車通勤をするようになってからは渋滞しらずの高速を通って、通勤時間は約15分に激減しました。

ドイツの有休消化率は100%

ドイツ

ドイツでは、すべての社会人が有休を100%取ります。有給の日数は最低は年間25日と決まっており、概ね25〜30日の間です。経営者は従業員に100%の有給を取らせる義務があり、守っていない経営者は、国のチェックによって罰せられます。

そのおかげか、有給100%消化制度はドイツ中に浸透しています。担当者が休暇でいなくても取引先は全く苦情をいいません。逆に「良い休暇を」と言われることも多いです。

自分も休暇を取るのでお互い様ですし、仕事から解放されて、リフレッシュできる時間が大切で必要なものだと理解しているからです。休暇明けは行ってきた旅行の話で盛り上がります。

休暇は日数だけではなく、年に一度は最低1週間以上続く休暇を取るように、長さまで決められています。

そのため、ほとんどのドイツ人にとって、休暇イコール旅行です。ドイツ語の「休暇 / Urlaub」という単語にすでに”旅行”という意味が内包されており、休暇を取ると話すと必ず「どこに行く予定ですか?」と聞かれます。

こちらでは、休みをとって一日家にいることを休暇とは呼びません。

さらに休暇日数はしっかり労働契約書に明記されているので、後からうやむやになることもありません。

基本的には1年間ですべての休暇日数を消化しますが、やむを得ない理由で年内に消化できなかった休暇日数は、会社側と話し合い次の年の3月まで延長することができます。

そこで休暇を消化できないと、残りの休暇は会社の買取りになりますが、ほとんどの場合は買取りのケースになることはなく、全員がしっかり休暇を消化します

ドイツには病欠の義務がある

ドイツ

ドイツには、休暇とは全く別に病欠の義務もあります。体調が悪いと思ったら病院に行きますが、大抵の場合、医者の診察後に、黄色い紙を渡されます。

これは”労働不可能証明書”というもので、例えば風邪の場合、通常三日から一週間程度、働いてはいけません、という証明書です。

社員は、この証明書を会社に提出します。会社は、労働不能証明書に書いてある日数は従業員を休ませる義務があります。この期間中に無理に会社に出てきて、もし事故が起きると、保険の対象外となるので、働かせるようなことはしません。

周りの同僚も、無理に出てきて風邪をうつされる方が怖いので、具合が悪い社員には治るまで会社に来ないことを望みます。取引先も病人には非常に寛大で、急かすようなことはありません。

また、社内でも常に有給時に代理で仕事を回しているので、誰かが病気になっても基本的には代理をすることができます。

休んだ社員にはそのまま給与が支払われます。会社はその日数分の補助金を健康保険会社から受け取ります。

6週間以上の長期療養になると、扱いが変わります。企業は給与を支払う必要がなくなり、病人は給与の代わりに病人補助金を受け取ります。補助金で代理を雇うことも可能です。

このように、病気の社員は、治るまで経済的な心配をせずに安心して休むことができます

基本的にドイツには残業がない

ドイツ

基本的にドイツ人は残業しません。特別な場合でも、1日2時間以上、週に10時間以上は残業してはいけないという決まりがあります。

週末の休日出勤ももちろんありませんし、もしやむを得ずする場合は、 通常の残業手当のほかに特別に残業手当が上乗せされます。

みんなが定時に帰ることが定着しているので、平日もプライベートの生活を充分に楽しむことができます。特に夏は夜の11時近くまで明るいので、仕事のあとテニスをしたり、家族と外に出かけたり、屋外で楽しむこともできます。

最近さらに労働時間短縮の傾向にあります。金曜日は終業時間が2時間ほど早まり、平均的な一週間の労働時間は30時間台の後半に移行しています。

ドイツでは基本的に、平社員は残業しません。社長などの責任者になるほど、多く働く傾向があります。多く給与をもらう方が重い責任を負い、労働時間も長くなるのが普通です。

ドイツは社会保障制度がしっかりしている

ドイツ

ドイツでは社会保障制度がしっかりしています。医者にかかるのは基本的に無料です。唯一の例外は歯医者で、最低限の治療以外は有料になる場合が多いです。失業保険も1年間保証されます。

年金も5年間納めれば、年金の年になった時に受け取る権利が発生します。ありがたいことに、日本とドイツは年金の提携条約を結んでいますので、将来年金受給の年齢になったら、日本とドイツを合算した年金を受け取ることができます

また、共働きの多いドイツでは、子どもを預ける施設も充実しています。しかも自分の給与額に対応して、補助金制度もあります。実際に、子どもがいるドイツ人の同僚たちは、この制度を大いに活用していました。

自然災害が少ないドイツ

ドイツ

ドイツには自然が多く、街中にも緑がたくさんあり、鳥や小動物を見かけることも多いです。地形的には平坦で、あまり高い山脈もありません。そのような地形のためか、自然災害が少なく、特に地震はほとんど起こりません。

どれくらい少ないかというと、ドイツでは一生のうち一度も地震に合わない人も大勢いるくらいです。私も18年のドイツ生活で、地震にあった覚えがありません。

博物館に行っても、何百年も前の貴族が使用していた食器や貴金属が、昔からの様子を保ったまま、棚の上に無造作になんの固定もせず、そのままの状態で陳列されています。

今でも無傷で残っているということは、何百年もこの土地では地震が起きていないのでしょう。

また、ドイツでは個人で自分の家を建てる人も多いのですが、その際も特に耐震対策をする様子はありません。実際に私の知り合いで自分で家を建てて長い間住んでいた人もいます。

自然災害の多い日本からすると、本当に恵まれていると思います。

ドイツから気軽に近隣のヨーロッパ諸国へ行ける

ドイツ

ドイツはヨーロッパの中央に位置し、国境からなんと9か国もの国と陸続きでつながっています

北にはデーンマーク、東はポーランドとチェコ、南にオーストリアとスイスと接しており、西はフランスとルクセンブルク、そしてベルギーとオランダともつながっています。

そのため、わざわざ長い休暇を利用しなくても、週末を利用して気軽に近隣の諸国に遊びにいくことができます。

私も、南ドイツに住んでいたころは、週末を使って国境近くにあるフランスやベルギーに遊びに行ったり、北ドイツに越してからは、ポーランドやチェコ、オランダやデーンマークに気軽に行かれるようになりました。

大げさに旅の支度をしなくても気軽に行かれるにも関わらず、言葉も違えば文化も違います。食事や建物、場所によっては通貨も異なります。ほんの少し移動しただけなのに、明らかにドイツとは違う外国を経験できるのは、非常に刺激的です。

ドイツはもともと移民が非常に多い、国際色豊かな国です。それに加えて、子どものころから気軽に他のヨーロッパ諸国に行かれる環境で育つことで、自然に国際的なものの見方と、自分と違う他者の意見に対する尊重が生まれます。

ドイツのデメリットは税金が高いこと

ドイツ

このように、良いことばかりのドイツの労働環境と生活ですが、一つデメリットがあります。それは税金が高いということです。

どれくら高いかざっくりいうと、給与総額の4割は税金で、手取りは6割と思っていただければいいです。医者も無料、失業保険も年金も手当が厚い、その結果としてどうしても税金が高くなってしまうのです。

税金の内訳は、所得税・健康保険・年金・失業保険、その他東西格差をなくすため、旧西ドイツの労働者は”連帯税”という税金も支払っています。日本と違い住民税はありません。

ドイツの物価は、商品にもよりますが、今のレートだと若干日本より安いです。消費税は19%ですが、食料品などの日用品は7%に抑えられています。

日本と違い、ゲームセンターやパチンコ、遊園地等のアトラクションや娯楽施設が少なく、日曜日は法律によりお店が閉まっているので、日常生活にあまりお金を使いません。

更にここで言及したように、社会保障制度がしっかりしているので、それほど貯金をする習慣もありません。このような環境なので、貯蓄をするのはなかなか難しいといえます。

経営者からみると

ドイツ

経営者からみると、労働時間が短く、休暇も多い、残業や休日出勤もなく、税金も高い。ドイツは人件費が高い国です。

そしてどのドイツ人も、自分の権利をよく把握しています。ですから、どうしてもこれまで述べた従業員権利が適応外の、経営側の負担が厳しくなります。

このように労働者にはやさしいドイツですが、経営者にとってはいささか厳しい国だと言えます。私も実際経営者だったときは、社員の権利を守ることにかなり努力しました。

会計事務所なども、従業員の労働条件は守られていますが、そのぶん所長が働いていることも多かったです。さらに工場を持つ企業などは、メインオフィスはドイツに置き、実際の工場は比較的人件費の安い東欧に構えることも多いです。

まとめ

ドイツ

ドイツの労働環境と、ドイツで生活するメリットをまとめました。労働時間が短く、通勤に時間もかからず、有給消化率100%消化で、社会保障制度もしっかりしているドイツ。

これらの環境で、多くのドイツ人が毎日の仕事と、プライベートの生活の両方を楽しんでいることがわかっていただけるかと思います。

プライベートも楽しみながら、世界で有数の経済大国として成功しているのですから、これ以上のことはないでしょう。気軽に他のヨーロッパの諸国を訪れ、異文化を体験できる環境も、望んでもなかなか簡単にできるものではありません。

みなさんも一度ドイツで働いて、この環境を実感してみませんか。

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Fujiko

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投稿者プロフィール

プロフィール 札幌出身。2000年よりドイツ在住。語学知識ゼロからドイツ語を始める。2009年南ドイツの大学にて修士課程卒業。2010年北ドイツのIT企業に就職、のちに代表を務める。本業のIT業務のかたわら社内ベンチャーにて、2015年当時都市で唯一の専門飲食店を立ち上げ繁盛店にする。現在はフリー。趣味はテニスと読書。ブログ等でさまざまな方向からドイツ情報を発信しています。

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