「スナックでアルバイト」というタイトルを読んで、きっとびっくりした方もいるでしょう。フランスの「スナック」は、日本で言うような夜のお店ではありません。飲み物だけでなく、軽食を出すお店のことです。
フランスの街では「SNACK」の看板を数多く目にします。いわゆるカフェよりも温かいメニューが充実し、手軽に軽食を取れるので、フランス人の生活になくてはならない存在です。
私はフランス留学後半、そんな現地のスナックで帰国直前までアルバイトをしていました。
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フランスのスナックは現地生活に欠かせないお店
冒頭でも説明しましたが、フランスの「スナック」はファーストフードに近い飲食店のことです。といっても、チェーンの飲食店のように出来合いのものを温めるというのではなく、オーダーを受けてから調理します。
パニーニやハンバーガーなどのサンドイッチ類やサラダ、クレープなどのデザート……。メニューも豊富です。ハンバーガーは肉の焼き加減を選べ、具の増減やソースのセレクトもできるので、まるでレストランのよう。
日本でおなじみのファーストフード店を想像していると、あまりの違いに驚くかもしれません。
朝から晩までお客さんが絶えない
営業時間はたいてい朝から夜まで。朝はコーヒーとクロワッサンのような典型的なフランスの朝食、ランチからは温かいメニューが登場し、ティータイム、そしてディナーまで開いています。
お茶に軽食にと非常に使い勝手が良いので、常にお客さんが訪れるお店。それがフランスのスナックです。
フランスのスナックで働くことになった経緯
学生ビザでフランス留学中だったので、週の労働時間に制限がありました。また、ネイティブレベルでフランス語ができるというほどでもなかったため、パートタイムであっても通常の会社勤めは難しいという状況でした。
日本人留学生のアルバイト先というと、すぐに雇ってもらえるのは日本料理店などだと思います。
でも、せっかくフランスに住んでいるのに職場が日本語というのはちょっと……と思っていたところ、顔なじみのスナック店主からアルバイトを募集していることを聞きました。
働いていた日本人が退職することになり、代わりを探しているとのこと。渡りに船とばかりに応募し、仕事を開始しました。
フランス人に囲まれて働くのはやっぱり難しい
初めは掃除担当として入ったものの、周りのスタッフはフランス人。フランス語が飛び交う状況での仕事は、なかなかに難しかったことを覚えています。
その後、職場になじむとともに接客や調理といった業務も増えました。
スナックで働いて良かった点:語学上達、地元客との触れ合い
スナックで働くにつれ、私のフランス語はめきめき上達しました。フランス人スタッフに囲まれ、接客もフランス語でこなしていたので、当然といえば当然でしょうか。
ファーストフード店に近いとはいえ、そこはフランス。型通りの接客は求められず、「接客用マニュアル」なんてものは存在しません。ベストな方法を自分の頭で考えて自分で行動する必要があります。
お客さんとの距離の近さに驚く
注文を取り、世間話をし、時には知らないお客さん同士が混ざり合った話の輪に加わる……。それは非常に心温まる体験で、日本の「ハンバーガーショップ」をイメージしていた私は目からうろこがボロボロ落ちる思いがしました。
スナックで働くことで、フランス語はもちろん上達しました。しかし、それ以上に現地の人の生活に溶け込み、コミュニティに入れてもらえたことが何よりも大きい経験です。
スナックで働いて大変だった点:やっぱり言葉
スナックで働いて良かったことは「言葉」ですが、大変だったことも同じく「言葉」でした。
何しろ、調理器具をはじめ学校では習わない単語が日々飛び交います。お客さんは容赦なく早口のフランス語で話しかけてきます。接客を始めた直後は「お客さんが来なければいいのに……」と思うくらいでした。
注文はメモを取らずに暗記
さらに、スナックはレストランではないため、注文を取るのにメモは使いません。口頭で言われた注文は暗記するしかないのです。
例えば、あるお客さんが次のように注文したとします。
「チーズバーガーのレタス抜き、パプリカ追加、ソースはバーベキュー。フライドポテトにはケチャップとマヨネーズを付けて、飲み物はコーラ……ではなくてセブンアップ。デザートはレモンシュガーのクレープ。デザート時には単品でエスプレッソを1つ、お砂糖は3つで」
これらをメモすることなく覚え、調理を開始しながら同時に会計もしなければなりません。
何事も慣れればうまくいく
慣れればどうってことないというのが店主の話ですが、フランス語にハンデがある私は冷や汗タラタラ。聞き取れなかったらどうしよう、注文を間違えたらどうしようと不安に思うことも多くありました。
しかし、店主の言った通り慣れとは恐ろしいもので、いつしか落ち着いて注文を受け、忘れた時はパニックにならずに聞き返すこともできるようになっていたのです。
フランスのスナックは利用する客にとっても魅力的
仕事場としてだけではなく、客として利用するのにもスナックはおすすめです。
軽食店なので単価は高くありません。またメニューが豊富なため、毎日利用しても飽きません。さらに、朝昼晩といつでも開いていて、気軽に立ち寄ることができます。
常連さんがいるスナックも多く、通っているうちに現地の人と仲良くなれる可能性も。基本的におしゃべり好きなフランス人なので、毎日顔を合わせていれば自然と話すようになります。地域密着型のお店だからこその利点ですよね。
海外でバイトを探すなら常連になって顔を覚えてもらうのも手
海外に住むチャンスがありアルバイトをするなら、現地に密着したお店で働くのがおすすめです。そうは言っても、どうやって職を見つけたらいいのと思うかもしれません。
私の場合、まず好きなお店を見つけて通いました。何回か通っているうちに、店主はこちらの顔を覚えてくれます。
そして、世間話のついでにアルバイトを探しているという情報も付け加えてしまいましょう。そのお店が募集していなくても、飲食店の店主同士は意外とつながっているので、別の人に話を持って行ってくれたりすることもあるんです。
まとめ~現地でしかできない体験をしておこう
海外でのアルバイトに興味があるなら「言葉に自信がないから」「飲食店で働いたことないから」などの理由であきらめず、一歩踏み出してみましょう。
せっかくの海外生活です。現地でしかできない体験を積極的にしておくべきではないでしょうか。
確かに、特に最初は大変なことも多いですが、思い切って行動してみれば語学上達以上に大きな成果を得られるかもしれませんよ。
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