私は2015年、ニュージーランド最大の都市オークランドに留学生としてやって来ました。
2017年までオークランド中心部にあるホスピタリティー専門学校で、海外のレストランやカフェ、ホテルでマネージャーとして働くための知識などを学び、その間約2年、パートタイムで日本食レストランのウェイトレスとして働いていました。
仕事探しや面接、仕事内容など日本と異なる点が多々あり、驚きや不安の連続でした。それらの情報とともに、実際に海外で働いてみて感じることをご紹介します。
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ニュージーランドには日本食レストランがたくさん
※働いていたオークランドの日本食レストラン
オークランドへ来て驚いたことの1つが、日本食レストランやお寿司屋さんの数の多さです。オークランドの中心街を歩いているだけで、たくさんの日本食レストランや寿司屋、日本食等の輸入スーパー、ダイソーなどを見かけます。
日本食への人気、日本製品の質の高さ、アジア人の移民・留学生・旅行者増加などの理由から、毎年のように新しい日本関連の店がオープンしています。
オークランド郊外においても、ショッピングセンターの中では必ずと言っていいほど日本食レストランや日本雑貨店、寿司屋を見かけます。また、ニュージーランドの観光地であるロトルアなどへ行っても、オークランドより数は少ないものの日本食店があり、ニュージーランド都市部から田舎まで全国的に日本食レストランが存在しています。
経営者にとっては厳しい環境
日本人に限らず、アジア人や、ニュージーランド人など地元の人が日本食レストランを経営している例もあります。
同じように、中国・韓国レストランなども豊富にあり、消費者にとっては選択肢が多いのですが、その分、次々とライバル店、新しい店が出店しているので、経営者は生き残るために日々、試行錯誤しています。
ニュージーランドで日本食レストランの仕事を探す方法
ニュージーランドはワーキングホリデー先や留学先として日本人に人気で、日本食レストランでは多くの日本人スタッフが働いています。
そのため、最も見つけやすい仕事として、日本食レストランのウェイトレスや調理師、調理補助、洗い物担当などが上位に上がっています。
仕事探しの方法はいくつかあります。
インターネットを利用する
ニュージーランドに滞在している日本人向けの「ニュージーランド大好き」というサイトにはたくさんの求人情報が載っており、ネット上で直接応募できます。
友人などから紹介してもらう
海外でも、やはり日本人同士はどこかでつながっています。語学学校の日本人スタッフ、日本食レストランで働いている友人、長期滞在者のコミュニティなどからの紹介が期待できます。
張り紙を見る
日本食レストランに限らず、多くのレストランやカフェなどがお店の外など目立つ場所に求人募集の張り紙をしています。
レストランに直談判する
少し勇気が必要ですが、直接日本食レストランへ履歴書を持って行く方法です。たまたま人を探していた店側から仕事を得たり、面接のチャンスをもらえたりするケースが多いです。
ニュージーランドでの就活に必要な履歴書(CV)の書き方
ニュージーランドでは履歴書のフォーマット等はなく、パソコンのワードで作ったものを履歴書として面接時に持参、もしくはメールで担当者へ送付します。
実際に私が書いた履歴書をサンプルとして紹介します。
※年齢や性別等の記載は不要です。
※車を持っているかどうかは特に地方での面接の際に聞かれます。
※働ける時間や曜日も書いておきましょう。
ニュージーランドの日本食レストランで面接を受ける際の注意
面接の際に遅刻は厳禁です。万一、道に迷った場合などのために、履歴書を送り面接の約束をした段階でお店の電話番号を聞いておくことをおすすめします。
面接の服装はカジュアルでいい場合がほとんどで、派手な服装でない限りジーンズでも構いません。私が実際に面接を受けに行った時は、どのレストランもとても気軽な雰囲気でした。
働けるビザを実際に持っているか、英語力、日本での職歴、ニュージーランド滞在予定期間、働ける曜日・時間等は必ず聞かれる事柄ですが、それ以外はとてもカジュアルでリラックスした雰囲気で、ニュージーランドに関わる話を中心に盛り上がることもありました。
面接は、面接者1人に対しマネージャーもしくは店長で、1対1が多かったです。
ニュージーランドの日本食レストランでのトライアル
レストランでは、面接に受かるとトライアルがあります。経験がある場合、知人などからの紹介の場合はトライアルを飛ばすこともあります。
トライアルでは実際に2~3時間ほどの短時間働きます。通常、このトライアルで給料は出ませんが、レストランによってはトライアルから給料が発生し、まかない等が出る場合もあります。
お互いの意向を確かめる目的
トライアルはお互いに、ここで働きたいのか、スタッフとして働いてもらいたいのかを確認するためのものです。
難しい作業を任されることはほとんどなく、ウェイトレスなら料理を運んだり、既に経験があり英語が多少できるならオーダーを取ったり、キッチンスタッフなら簡単な調理補助や洗い物等の仕事をしたりします。
このトライアルが終わった後、もしくは後日、レストランのマネージャーもしくは店長と話し、実際に勤務するかどうかを改めて相談します。
ニュージーランドの日本食レストラン、職場の雰囲気と仕事内容
※オークランド中心部にある回転寿司店にて
気さくでカジュアルな雰囲気
私はニュージーランドへ来る前、日本で3年間、社会人として仕事をしていました。そこからニュージーランドで働いてみてまず驚いたのが、職場の雰囲気がとてもカジュアルだということです。
レストランによって多少違いはあると思いますが、日本人スタッフ同士でも割と気さくに何でも質問できる雰囲気で、上司、部下、年齢に関係なく、仕事や私生活における相談もしています。
多岐にわたる業務を経験
私はウェイトレスとしてスタートし、最初はお皿を下げること、オーダー取り、レジ、掃除等が主な仕事でした。
慣れてきてからは電話の対応、また日本での事務経験がありニュージーランドの専門学校でホスピタリティーの勉強をしていたことから、パソコンを使っての仕事、英語に関わる仕事にまでアルバイトスタッフとして携わっていました。
専門学校卒業後はそのまま働いていたレストランでマネージャーの資格を取り、接客はもちろん、スタッフの教育、面接、取引先との連絡など幅広い仕事をさせて頂きました。
なお、サービス残業は基本的になく、勤務時間が終われば残っているスタッフまたは翌日へ仕事が引き継がれます。
ニュージーランドの給料
2018年現在、ニュージーランドの最低時給は16.5ドル(約1,300円)です。トレーニング期間を除き、地元の人はもちろん外国人も含めた全ての労働者に対して1時間当たり最低16.5ドルの支払いが法律で義務づけられています。
しかし、一部のレストランや会社で最低時給以下の給料しか支払われていないなど、国全体で大きな問題になっています。
給料の支払い方法は銀行振り込みが主流で、会社によって1週間ごと、2週間ごと、1か月に1回などと決まっています。また、フルタイムで働くスタッフは会社によって時給制や年俸制などに分かれています。
※1NZドル=79円(2018年6月)
ニュージーランドで外国人と一緒に働くために必要なこと
※オークランド中心部で人気の店のラーメン
ニュージーランドへ来て初めて働いた日本食レストランは日本人スタッフのみでした。しかし、その後に勤務したレストランやインターンシップ先では、アジア人を中心とした外国人のスタッフもいました。
近年、ニュージーランド国内におけるワークビザの取得が厳しくなりました。また、ワーキングホリデービザの場合は有効期間の1年を超えて働くことはできないため、多くの日本食レストランでスタッフが常に不足している状態です。
そのため、ニュージーランド国内の日本食レストランにおいても、アジア人を中心とした外国人と働くことがめずらしくない状況です。
英語力とともにお互いの文化への尊重が必要
多くの場合は中国人、韓国人ですが、その他の国籍の人と働くこともあり、日本語を話せるスタッフ以外とのコミュニケーションは英語が中心です。
些細な伝えミスから大きなミスが発生することもあるため、分からないことは何度も確認する、指示は明確に伝えることが必要です。
また、育った環境の違いから、出勤時間ぎりぎりに来てユニフォームに着替えるスタッフや、忙しくない時間はすぐに携帯電話を触るスタッフなど、日本人の感覚では想像できない問題も発生します。
外国人と一緒に働くことを通して、英語のレベルよりもお互いの文化、育ってきた環境の違いを尊重し、疑問があれば話し合い、大きなミスや誤解につながらないよう日頃からのコミュニケーションが重要だと学びました。
ニュージーランドでの日本食レストラン以外の仕事
ニュージーランドでは、日本人が日本食レストランで働いている例が多いですが、他の仕事に就いている日本人も多くいます。
- フルーツピッキング、牧場での仕事
夏シーズンが最も多く、インターネット、語学学校の掲示板などで募集しており、田舎での勤務が中心になります。
- 日本食レストラン以外のレストラン勤務
ワーキングホリデービザ保持者や調理師としての長期滞在者、永住者などで、英語力がありレストランなどでの勤務経験がある場合は比較的仕事が見つけやすいです。
- 日系企業勤務
日本食や車などの輸入会社で働いている人もいます。
ただ、ビザなどの問題から、1年以上ニュージーランドで生活している方は調理師などレストラン関係の仕事に就いている人が多いです。
海外で外国人として働くということ
私は現在、オークランドを離れて田舎の日本食レストランでウェイトレスとして働いています。
普段日本人と接することのない地元の人からはよく、日本の文化、環境や日本語について聞かれます。これは前にいたオークランドでも同様で、たくさんの外国人が日本に非常に関心があり、様々なことを質問されました。
日本人代表というと少しオーバーかもしれませんが、日本人がどういう働き方をするのか、自分を通して接客の姿勢などを見られているように思います。
やっぱり大切な英語力
お客さんとのコミュニケーションは英語です。
英語でコミュニケーションを取り、接客を通して日本の文化や言葉を紹介し、帰り際にお礼を言っていただいた際の喜びはとても大きく、日々のモチベーションになっています。
一方で、あまり英語を話せなかった頃は、オーダーの取り間違えや、聞かれた質問にどう返していいか分からないこともしばしばあり、お客さんの前で固まったことも何度もあります。
約2年半の経験がある今でも、聞かれていることが分からず、言いたいことをうまく言えず、失敗や苦い思いをすることもあり、日々、英語力上達のための勉強は続けています。
まとめ~海外就職は自分の成長につながる貴重な経験
日本食レストランに限らず海外で働くことは、言葉やビザの問題、文化の違いなどから、特に長期の場合には容易ではありません。
しかし私自身、2年半以上ニュージーランドで働き、最初はできなかったことが一つずつできるようになりました。取引先との交渉など大きな仕事を任せてもらえたこともあります。
また、海外で働くことによって、今まで知らなかった日本を外から改めて感じることができています。
この記事が、これからニュージーランドへ来る方、到着して仕事を探している方などの参考になれば幸いです。
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