カナダでホームステイしても英語環境じゃない?移民の街「トロントの言語事情とは

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皆さんは“カナディアン”と聞いた時に、一体どういったイメージを持つでしょうか?「白人で、金髪で、英語を喋っていて…」など、典型的な欧米人像を思い浮かべるかもしれません。

しかし、トロントという街は移民で構成された社会であり、一口にカナディアンと言っても様々な人々がいます。

そんなトロントにおける英語ですが、実はこの多民族社会という点をしっかり把握しておかないと、渡航後に「イメージと違った」なんてことになりかねません。

それでは、移民で構成された街という要素は英語学習とどのように関係しているのでしょうか。

理想と現実のギャップにもなりかねないトロントの英語事情。できれば渡航前に擦り合わせをしておきたい点ですよね。今回は、移民の街トロントの言語事情についてお話します。

トロントの言語事情とは

トロント

語学留学のためにトロントへ渡る前、かく言う私も、トロントに対して特にこれといったイメージを持っていませんでした。

しかしトロントは北米に位置しています。渡加さえすれば英語漬けの毎日が始まり、英語学習がどんどん捗るという様な期待は抱いていました。

しかし蓋を開けてみると、そこにはギャップがありました。トロントは英語だけの社会ではなかったのです。

様々な言語が飛び交う、それがトロント

トロント

そもそもカナダの公用語は英語とフランス語です。日用品などには必ずこの2言語の表記が求められます。

しかし、日常にある言語はそれだけではありません。トロントは、まさしく多民族社会で、異なる人種や様々な言語が入り乱れています。

ここでは、肌の色の違う人々も、ぞれぞれの母国語を話す人々も、そこに住む全ての人を、“カナディアン”と呼ぶのです。国民のほぼ全てが日本人である国、日本で生まれ育った私は、この多民族の環境に衝撃を受けたのを強く覚えています。

カフェにいる時や、地下鉄に乗っている時。聞こえてくる言語が何語なのかも分からない…なんてことも日常茶飯事です。

ふと気が付くと、英語がまったく聞こえてこず、カフェの店員も英語が不自由なんてことまでが、トロントではよくあることです。

カナダの多民族の共生社会、それがトロント

カナダは、アメリカと近いその立地からも、なにかとアメリカと比べられることの多い国です。またニューヨークとトロントは、移民が多く集まる国の中心地としても、よく似ています。

そんな2つの国ですが、よくアメリカは「人種の坩堝(るつぼ)」、カナダは「人種のサラダボール」という呼び方をされます。

坩堝とは、様々なものが溶け合い、お鍋の中で混ざり合ったような状態を意味する言葉です。移民して来た人それぞれがアメリカという社会に溶け込み、身も心も“アメリカ人”として変わっていくため、このように呼ばれます。

一方のカナダは「人種のサラダボール」です。これは、アメリカと同様に移民で構成された国ではあるものの、それぞれの人種が、それぞれの国のアイデンティティを持ったまま共生していることに由来しています。

サラダボールの中では、トマトや卵といったそれぞれの具材をそのまま認識できますよね。「人種のサラダボール」とは、自分たち独自の文化を失わずに生きているカナディアンの姿が形容された表現なのですね。

この言葉からも分かる様に、カナダでは各人種が、それぞれの民族コミュニティを形成し、生活しているのです。

カナダの中心地、トロントでは特にそれが顕著です。各地にチャイナ・タウン、コリアン・タウン、グリーク・タウンやリトル・イタリーといった、各国家の名前を付けられているのが見られます。このことからも、その多民族性がうかがえます。

トロントのホームステイ先でフィリピン語を学ぶ?

食事

トロントに来て英語環境に浸かるためにも、まずはホームステイをするという人も多いのではないでしょうか?私もその選択をした一人で、トロントに来てから初めの1か月間はホームステイを利用しました。

私のホストファミリーは、フィリピンから移民をしてきた家族でした。これは全く珍しいことではなく、留学生からは、ホームステイ先がフィリピンの家族だったという話を本当によく聞きます。

さて、ここで出てくるのが言語の問題です。私のホストファミリーは、私と話をする際には英語で会話をしてくれました。そのため、コミュニケーションを取る分には問題ありませんでした。

しかし、家族同士で話をする際には、会話が全てフィリピン語で行われていました。そうなると、家族間の会話が分からず、話しかけるタイミングを見つけるのも難しいです。

日常的に英語のリスニング練習ができるわけでもありません。加えて、フィリピンの方の話す英語は強いアクセントがあるケースが多いです。私たちが期待するような“綺麗な英語”とはギャップがあります。

トロントに来て、英語漬けの生活が始まると考えていた私でしたが、蓋を開けてみると英語生活は語学学校にいる数時間だけ。家に帰ると聞こえてくるのはフィリピン語で、フィリピン語のリスニングをしているような状態になりました。

英語環境に対する期待を持っていた私は当時、思う様に英語に浸る時間が作れない状況に、大きなフラストレーションを感じたのを覚えています。

トロントの日本人コミュニティと言語

ひな祭り

トロントにはもちろん、移民した日本人も多くいます。語学留学生やワーキングホリデーも含めると、日常的に多くの日本人がいることを感じられます。

中国や韓国といった、他アジア圏のコミュニティと比べるとその規模は小さいものの、トロント北部にはJ-Townと呼ばれる日本人街もあります。

また、日本食の人気は高く、日本食レストランの数は年々増え続けています。日本人のためのコミュニティは確実に規模を大きくしているのです。

寿司

日本人の同僚と共にレストランで働き、日本人コミュニティの中で知人を多く持てば、英語をほとんど話さずとも、日本語を使って生活することが可能です。

そのため、英語を勉強しに来たはずのトロントで結局日本語でばかり話している、なんていうのも、日本人からよく聞く悩みの一つです。日本語が通じるというのは便利でもあり、英語学習者にとっては危険にもなるポイントですね。

しかし、一歩コミュニティの外に踏み出せば、そこには英語に触れる機会があふれています

移民社会であり、日常に多言語が行き交っているトロントですが、すぐ隣には共通語である英語があります。やはりそこが、日本と海外であるトロントの違いですね。

まとめ

トロントは、各民族がそれぞれのコミュニティを形成し、共存している社会です。コミュニティにより、使われる言語も様々です。到着後に大きなギャップを感じてしまわないためにも、この点はしっかりと把握しておきたいですね。

しかし、やはり多民族間の共通語となるのが英語。自分の行動範囲と人間関係の形成により、いかようにも生活の中に英語を取り入れる機会は見つけられます

トロントの言語事情、どの様に感じましたか?しっかりと事前に知識を持てば、不要な懸念に悩まされるリスクも減ります。

日本を出れば英語環境になるという過度な期待を持つのは止めて、自分の活動が、そのまま自分の英語学習に繋がるのだと考えていきましょう。

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