英語とフランス語のバイリンガル都市と称されるケベック州モントリオール。フランス語圏でありながら、英語も通じる街としてよく紹介されています。しかし、本当に英語だけで生活できるのでしょうか?やはりフランス語が必須?
語学留学先や海外移住先を検討する中で、言語がネックになっている方は多いと思います。ここでは、実際のモントリオールの言語事情について紹介します。
カナダ・ケベック州の公用語概要
カナダの公用語とは
カナダの公用語は英語とフランス語の2言語だということはご存知でしたでしょうか?カナダの商品のラベルには、必ず英語とフランス語が書かれてあります。
ケベック州の公用語はフランス語のみ
カナダには10の州がありますが、モントリオールのあるケベック州がフランス語のみを州の公用語としており、その他の州は英語を州の公用語にしています。
カナダの公用語は2言語であるものの、実際はケベック州以外のカナダ人で、フランス語が話せる人は少ないのが現状です。
ケベコワフレンチ
ケベック州に住んでいるフランス語を話すカナダ人のことを、フレンチカナディアンやケベコワと呼びます。
彼らはフランス語を話しますが、実はフランス本国のフランス語と少し違います。文法や発音に違いがあり、単にフランス語ではなく、ケベコワフレンチと区別されています。
特徴としては、英語に近い借用語があったり、フランス本国ではすでに使わないような表現や発音が未だに使われています。本国でフランス語を勉強しても、ケベックではなかなか通じなかったり、聞き取れないこともあります。
ケベック州モントリオールで英語は通じる?
ケベック州はフランス語が公用語ですが、モントリオールは少し特殊で、バイリンガル都市として知られています。
もちろん公用語はフランス語であることに変わりはありませんが、ダウンタウンを中心に英語話者もたくさんいて、短期で生活する分には英語だけでも生活できます。また日本人が少なく、短期留学であれば英語学習には最適な場所と言えます。
ボンジュールハイ?
モントリオールにはバイリンガル都市ならではの挨拶の仕方があります。それは「ボンジュールハイ!」。ダウンタウンのカフェやレストランがお客様を迎えるときによく使われています。
ここでお客が、「ボンジュール」とフランス語で返せば、店員はフランス語で対応しますし、英語で「ハイ」と返せば英語で対応してくれます。
店員のほとんどの人がバイリンガルで、お客様によってすぐ言語を切り替えられるのはモントリオールならでは。かっこいいですよね。
地域別のフランス語と英語の比率
バイリンガル都市といわれるモントリオールでは、地域ごとにフランス語話者と英語話者の比率が異なっています。
ダウンタウンはやはり中心地であるため、英語の比率も高いです。中心地のダウンタウンを境に、東部でフランス語が多く話され、西部では英語が多く話されています。
東部にあるメトロのベリーユカム駅(Berri-UQAM)周辺は、英語が通じにくい傾向にあります。それに対し、西部にあるウエストアイランド(West island)は英語が主体でフランス語が話せない人もいます。
確かにモントリオールではバイリンガル話者は多いですが、どちらかの言語に得意・不得意の偏りがある方も多いです。
フランス文化を守る人々
ケベックシティやモントリオールの魅力はそのフランス文化や街並みにあります。ケベコワと呼ばれる人たちは、彼らのフランス語やフランス文化に誇りを持っています。
石造りの建物はそのままのため、建物に駐車場はほとんどありません。街の看板もフランス語表記であることが多く、地下鉄メトロの放送もフランス語のみです。
ケベコワは意地悪?
ケベコワは愛想が悪いとか、意地悪だ、ということをたまに耳にします。特にケベック州を出て、オンタリオ州やBC州の英語圏に行くと、同じカナダ人でもケベコワのことをよく思わない人が実はいます。
その理由は、ケベコワがフランス語しか話したがらないためです。これは少し語弊がありますが、確かに年代が上になるにつれ、フランス文化に強く固執する人もいるからです。
英語で話しかけても無視されたり、フランス語で話さないといい顔をされない時があるのも事実です。
やっぱりフランス語が公用語
実際、モントリオールに住んでいる筆者は、フランス語があまり話せません。でも、そのことで何か酷いことを言われたり、無視されたりしたことは今のところないです。
ほとんどの方はバイリンガルで、フランス語が話せないとわかると英語に切り替えてくれます。確かに、フランス語しか話せない、もしくは話さない人もいますが、それは彼らが意地悪だとか、性格が悪いということではありません。
特にモントリオールはバイリンガル都市のため、徐々にフランス文化が衰退していくのを危惧する人も多くいます。ケベックの魅力の1つでもあるフランス文化を守るため、フランス語に強い思いがあるのです。
覚えておこう!フランス語の役立つフレーズ
ほとんどの場所で英語が通じるので、英語で押し通してしまいがちになりますが、「ありがとう」の一言でもフランス語で言えたら印象は変わりますよね?
ここでは、簡単なフランス語(ケベコワフレンチ)をご紹介します。
あいさつ
- はじめまして
enchanté(アンシャンテ)
- おはようございます
bon matin(ボンマテ)
- こんにちは
bonjour(ボンジュール)
- こんばんは
bonsoir(ボンソワー)
- ありがとうございます
merci beaucoup(メルシーボクー)
- どういたしまして
bienvenue / de rien(ビエンベニュー/ドーリエン)
英語でいう、You’re welcomeとNo problemにあたります。特にビエンベニューはケベックで良く使われているフランス語です。
カフェで使えるフレーズ
- 〜をもらえますか?
est ce que je peux avoir〜?(エスクジュプアボア〜?)
注文する時によく使うフレーズで、英語でいうCan I have〜?にあたる言葉です。この文章の後に、注文するものを入れるだけなので覚えておくと便利です。
- サイズ
S=petit (プティ)
M=moyen (モイヤェン)
L=grand(グラン)
サイズを聞かれたら、一言これを言うだけで通じます。
- 持ち帰りです/ここで食べます
pour emporter / pour ici (ポ アポティ/ポ イシィ)
お持ち帰りですか?こちらでお召し上がりですか?と聞かれた時にどちらか答えれば大丈夫です。
- 〜でお願いします
〜s’il vous plait (〜スィルブププレ)
英語でPleaseにあたる言葉で、最後の支払いやサイズを選ぶ時に使えます。
例)
- moyen s’il vous plait (モイヤェン スィルブプレ):Mサイズでお願いします。
- par débit s’il vous plait (パ デビ スィルブプレ):デビットカードでお願いします。
まとめ
カナダのフランス語圏ケベック州は、同じ国でありながら、異色な街でとてもユニークです。
その中でモントリオールはバイリンガル都市であり、英語も通じます。英語だけでも生活できますし、英語の短期留学でもおすすめの場所です。しかし、あくまでフランス語圏であることを忘れないで下さい。
少し気難しいと思われがちのケベコワですが、実際はとてもフレンドリーで優しい方が多いです。フランス語や文化を大事にする彼らをリスペクトする意味でも、ちょっとした一言を現地の言葉で言うと喜んでくれます。
カナダは英語だけじゃなく、フランス語も平等に公用語なのです。
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