写真:ホーチミン中央郵便局内部。ゴシック建築と言うのでしょうか、ラオスにも欲しい完成度の高さです。
18年ぶりに訪れたベトナムはラオスに比べると工業化が進み、生活レベルはラオスよりも高いのではないかと感じました。
しかし現実的にはベトナムで起業するよりもラオスで起業した方が儲かると、非常に多くのベトナム人がラオス国内で宿泊施設を営んでいます。
前編、中編で書き記したフエを起点にしてのホーチミン、ニャチャンの旅行を通じて感じたことは「ラオスと比べて物価が安い」ということです。2週間のベトナム旅行の終盤と、ラオス帰国後に感じたことをレポートします。
ニャチャンからダナン、そして再びフエへ!
写真:ニャチャンの漁港、風情があって良いのですが、中国人ツアー客目当ての物売りが凄かったです。
18年ぶりのニャチャンは若干空振りだった印象を受けましたが、中国人、ロシア人のニーズにあった観光地へと発展していくような予感を感じさせる街でした。暑かったニャチャンから次の目的地ダナンへと向かいます。
ベトナム国内初の夜行寝台バスでの移動!
写真:ニャチャンの観光スポットの島、チェー島。右手のロープウェイで島に向かうようです。次回の行き先候補かな?
写真:漁を終えた漁師さん!漁船から小舟に乗り換えて帰ってきていますが、なんか違和感?
写真:これって小舟じゃないと思うんですけど!ってもしかして一寸法師?
ダナンへは1晩かけて移動する夜行寝台バスで向かうことにしました。2泊お世話になった宿をチェックアウトし、町中に操車場兼オフィスがあるバス会社に向かいます。
乗車券を購入し「出発まで荷物を置かせて」と頼むと、まさかの「ノー!」。渋々宿に戻り荷物を置かせてもらいました。最後までニャチャンは侮れない町です。
20:30発のダナン行きの夜行寝台バスは、寝台のはずなのになぜか小型のバスに乗せられました。とは言うものの乗車率は低く、新車に近い小型バスの乗り心地は悪くありません。
かつてインドネシアのスマトラ島からバリ島までの2泊3日の悪夢のようなバス移動を経験したことがある私にとって、小型バスは快適そのものでした。
しかし、現実はそんなに甘いものではなく、30分ほど走ったバスターミナルで全員が降ろされました。乗り換えの寝台バスはというと、当然そこに停まっているはずもなく、「ここで1時間待て!」とのお達しです。
ところが1時間経ってもバスは登場しません。結局2時間半近く待たされて、寝台バスに乗り込めたのは深夜00:00近くでした。
しかしベトナムの道路状況はラオスとは比べものにならないほど良く、到着したのはほぼ予定どおりの07:00でした。道路が良いと無理が利くのでしょうけれど、一体どの位のスピードで走ってきたのかを想像すると恐ろしくもあります。
バスターミナルで降車すると、目をランランと輝かせたベトナム人にしつこく付きまとわれ、何をするのにも親切に仲介してくれようとします。
さすがに嫌気がさして「うるせぇ!あっちいけコノヤロー!」と怒鳴りつけてしまいました。恨みがましい目で離れたものの、また遠くの方から「あーだ、こーだ」と口を挟んできます。
ウンザリしたのでダナンには立ち寄らず、このままフエへ移動することにしました。
バスターミナルの中ではフエ行きのマイクロバスが出発しかけていたので、そのバスに飛び乗るようにしてダナンを出発、約4時間ほどで心安らぐベトナムの古都フエに到着しました。
ラオスへの帰国、フエからラオスの首都ビエンチャンへ!
写真:ダナンのバスターミナルでの貴重なショット。ダナンも次回かな?多分。
今回2度目となるフエでは10日ほど前に泊まった宿に戻り、気に入った居酒屋で美味しいローカルフードを堪能しました。
最初の滞在で利用していたローカル茶屋が「おー、暫く見かけなかったけど、どこ行ってたんだ?」といつも通りの美味しいアイスコーヒーを出してくれるのはありがたく感じました。
フエの街でおすすめしたいローカル居酒屋
写真:焼きサバです。塩を振っただけでこんがりと焼きあげています。
写真:こちらは蒸しサバ。毎日のように通ったのでサバメニューも別のものに挑戦です。
写真:サバの身をほぐして付け合わせの野菜と共に生春巻きの皮に載せて。
写真:クルッと巻けばでき上り!春巻きの皮は塩っけが強くてビールが進みます。
写真:残念ながら居酒屋の名前は不明ですが、分かりやすいようにマッピングしておきますので探してください。
中編から何度か登場するフエのローカル居酒屋は、ツーリストエリアに位置しながらも来店客は現地人ばかりでラオス語も英語も全く通じない店です。
壁一面に大書きされたメニューと渡されるメニューはベトナム語表記のみですが、ベトナム語はアルファベット表記なので焼く、煮る、蒸すなどの調理方法と、素材となるビーフ、ポーク、チキン、ダック、フィッシュなどの単語を覚えればなんとかなります。
グルッと周りを見回して美味しそうな料理を見つければ、それを指差して注文できるので、ぜひ挑戦してみてください。
ラオスでも鯵や鯖、イカなどがマーケットに並びますが、ベトナムから輸入されたものが多くお世辞にも鮮度が良いとは言えないので、私がラオス国内でシーフードを口にすることはまずありません。
今回はラオスでは食べることが難しい魚介類を中心に食べていましたが、どれも新鮮で美味しく頂くことができました。
今回のベトナム旅行で特に印象に残ったのは、
- 鯖の丸焼きが2尾で1セットの焼き鯖 70,000ドン(約3ドル:約330円)
- 焼き牡蠣6枚 120,000ドン(約5ドル:約550円)
魚介以外では
- 牛肉の酢鍋 90,000ドン(約4ドル:約440円)
- 牛肉とクレソンのサラダ 80,000ドン(約3.5ドル:約390円)
- スペアリブのソース掛け 120,000ドン(約5ドル:約550円)
などです。ビールはフエの地ビール、フーダの大瓶1本が10,000ドン(約0.4ドル:約45円)でした。
鯖の丸焼きはまさに丸焼きで、しっかりと焼かれた鯖がゴロッと2尾並んでいます。
焼き牡蠣は中型の牡蠣が良い火加減で焼かれていて、プリプリの牡蠣の食感がたまらない逸品でした。「東南アジアで牡蠣なんて恐ろしい!」と感じる人もいるかも知れませんが、東南アジアで牡蠣は好んで食べられているので大丈夫でしょう。
バンコクのビアホールの名物は掌大の生牡蠣で、2000年代初頭は1枚200バーツ程度(当時のレートで600円程度)で食べることができました。
牛肉の酢鍋は鍋の出汁に酢が入っているもので、酢が肉を軟らかくする上に肉の臭み(東南アジアの牛肉は若干臭みがあるものが多い)を消し去って、驚くほど美味しく仕上がっています。
牛肉とクレソンのサラダはたっぷりのクレソンの上に、厨房の酢鍋でボイルした牛肉がこれまたたっぷりと載っているサラダでした。
ベトナム料理はラオスやタイ料理と違って香辛料を大量に使っていないものが多く、日本人の味覚に合うアジア料理の代表ではないでしょうか?
こうしてベトナムのローカルグルメを楽しみながら過ごすうちに、ベトナムの出国期限が迫って来ました。
ビエンチャンで感じたベトナムとの違い!
写真:日本では見慣れた風景の鉄橋も、鉄道がないラオス生活をしていると新鮮に見えるものです。
ベトナム出国期限当日になってしまい、後ろ髪を引かれる気持ちでベトナムを離れ、ラオスに帰国することになりました。
フエのバスターミナルを08:00時に出発する寝台バスでラオス・ベトナム国境に向かいます。国境到着は昼前で、その近くの飯屋で最後のベトナム料理を食べた後に出国・入国をします。
出国期限当日であったものの全く問題なく出国手続きが終わり、ラオスへの入国手続きを行います。ここまで帰ってくればラオス語が通じるので、気分的にも「帰国した」という気持ちになります。
ベトナム国境からラオスの首都ビエンチャンまでは、休憩を挟みながら一気に走り抜けます。ドライバーが頑張りすぎたためか、ビエンチャン南バスターミナルへの到着は翌03:00頃となりました。
タイムテーブルは存在せずバスターミナルのスタッフやドライバーに到着予定時間を聞いても「朝」という答えしか返ってきませんでした。
私は「多分5~6時に到着するだろう」と思っていたので想定外の到着です。もう少しゆっくり走れば良かったのにドライバーたちが早く休みたかったんでしょうね。
誰もいない?夜中のビエンチャン南バスターミナル
写真:ラオスに向かうバスも物資が山積みです。床下の荷室にもベトナム製品がパンパンに詰みこまれています。
ベトナムからラオスに入って、最初に違いを感じたのはラオスの道の悪さです。ラオスで生活している分には全く気にならないのですが、道路環境が良い国から直接乗り入れると、さすがに気になるものです。
またラオスの道路には家畜として飼われている牛や水牛、山羊などが我が物顔で歩いているので、クラクションの回数や急ブレーキの回数もベトナム走行中とは比較できないほどの頻度です。ラオスの道路インフラの脆弱さを感じざるを得ませんでした。
ベトナム人と比べるとガツガツしてないのがラオス人の良いところで、ラオスの大きな魅力だと言えますが、真夜中の03:00にバスターミナルに到着しても数台のトゥクトゥクが停まっているだけです。
先を争うように声をかけてくるベトナム人とは違って、運転手たちは「トゥクトゥク」と数回言うと、誰も乗らないことを察してサッサと帰ってしまいました。
この時間にビエンチャン中心部に移動してもどこの宿も空いていないことは間違いないので、朝までバスターミナルで時間潰しをするしかありません。
何の店も空いていないバスターミナルで路線バスが動き出すのをジッと待ち、路線バスに乗って町の中心地のツーリストエリアへと向かい始めたのが05:30でしたが、定宿の入口が開くまで宿の前で更に1時間ほど待ちました。
しつこく勧誘してくるベトナム人としつこくないラオス人、旅行者にとってはラオス人の方が魅力的に映るかもしれません。
しかしラオスに住みラオス人に囲まれて暮らす私にとって、ラオス人の行動はやる気がないようにも見えて物足りなくも感じます。
ベトナム人が自分の経営する宿のある路地までしっかりと掃き掃除をしている姿を何度も見かけ、几帳面さを感じました。
ラオス人の場合は室内から廊下に掃き出せば掃除は終わり、廊下を掃除しても屋外へ掃き出せば終わり。路地や通りを掃除するのは風や雨などで、自分で掃除しようという感覚がないようです。
掃除1つとっても満足にこなせないラオス人にとって、ベトナム人の几帳面さは学ぶべき価値があると思いますが、当分の間は学べないだろうとも感じます。
今回のベトナム旅行のトータルコストは?
写真:ベトナムの通貨ドンは単位が大きいので、慣れるまではピンとこないかもしれません。
ラオスの首都ビエンチャン近郊で暮らす私にとって、最も身近な外国は隣国タイです。
桁の大きなラオスキップと桁の小さなタイバーツの為替は頭に入っているので、タイバーツに慣れていない旅行者のように両替バブルを感じることはないのですが、タイを訪れる度に「タイは安いなぁ」と感じます。
これはコストパフォーマンスが高いという意味での安さで、ある程度の金額を支払えば一定のレベルのサービスを受けることができるという意味です。
そして今回の18年ぶりのベトナムの感想は「ベトナム激安」です。タイほどのレベルの高さには届かないものの、ラオスよりも品質の高いものが激安価格で提供されていると感じました。
14日間のベトナム滞在にかかったトータルコストは?
写真:ベトナムの主要都市にはコンビニが!今回、一体何本のビールをコンビニで買ったのか分かりません。
まず最初に、今回のベトナム旅行にかかったトータルコストを紹介します。今回は私と妻の2人で旅行をしていますから、2人分の料金となります。
トータルコストは783ドル(約86,000円)で、これにはラオス国内で使用した移動費用や食費、宿泊費や事前に予約したフエからホーチミンへの航空券代金が含まれています。
ベトナム国内での支出は13,291,800ドン(約578ドル:約63,600円)でした。ベトナム国内で支払った金額を街別に紹介します。
- フエ(往路):2,085,000ドン(約91ドル:約10,000円)
- ホーチミン:6,808,800ドン(約296ドル:約32,600円)
- ニャチャン:2,598,000ドン(約113ドル:約12,450円)
- フエ(復路):1,800,000ドン(約78ドル:約8,600円)
次に宿泊代金を街別に紹介します。宿泊したのはツーリストエリアに位置するゲストハウスで、全てエアコン付き個室の料金です。
- フエ(往路)・3泊:480,000ドン(約21ドル:約2,300円)
- ホーチミン・6泊:1,500,000ドン(約65ドル:約7,150円)
- ニャチャン・2泊:400,000ドン(約17ドル:約1,900円)
- フエ(復路)・2泊:320,0000ドン(約14ドル:約1,550円)
ベトナム国内で車中泊は1泊でしたので宿には13泊しましたが、宿泊費の総額は2,700,000ドン(約117ドル:約12,900円)となりました。
滞在中の食費は次のとおりです。
- フエ(往路):1,011,000ドン(約44ドル:約4,850円)
- ホーチミン:4,191,000ドン(約182ドル:約20,000円)
- ニャチャン:1,493,000ドン(約65ドル:約7,150円)
- フエ(復路):650,000ドン(約28ドル:約3,100円)
ベトナム国内での食費のトータルは7,345,000ドン(約319ドル:約35,100円)となり、ベトナムでの支出の半分以上を食費が占めています。
これ以外にも昼食や軽食、ビール代が加算されるので、下手をすると6割以上が飲食費に消えているのかもしれません。
こうして見ると、いかに私が食事に偏った旅行をしているのかがよく判ります。もう少し観光をしないといけないと反省しています。
これからラオスやベトナムを訪れる人へのアドバイス
写真:ベトナムは道路インフラだけでなく、橋梁の作りもしっかりしているのには驚きです。ラオスにも欲しい!
ベトナムエアラインの日本~ハノイ便や日本~ホーチミン便の航空運賃がリーズナブルなこともあり、ベトナムはタイに並ぶ東南アジアの観光国として日本人に人気の高い国だと言えます。
かつて東南アジアのゲートウェイといえばバンコクでしたが、現在はベトナム経由で東南アジアを旅行する人も増えています。
ラオスやベトナムは食費、宿泊費共に安いので気楽に遊びに行ける!
写真:記念すべきベトナム1食目はなぜかロッテリア!ロッテリアはビエンチャンにも登場しています。
今回のベトナム2週間の旅行のトータルコストは783ドルでした。現在の為替レートが1ドルが110円程度ですから、日本円で約86,000円です。
14日の旅行でしたから1日当たりのコストは約6,150円、夫婦2人ですから1日1人当たり3,075円で旅行したことになります。
私は元バックパッカーですが、切り詰めた旅行をするのが嫌いだったので、節約旅行をしたことがありません。予算が尽きれば帰国すれば良いと思いますし、せっかくの旅行なので我慢したくないとも思っています。
バックパッカーというよりはバジェットツーリストだったのかも知れません。快適さとコストのバランスを取りながら旅行しています。
プライバシーが欲しいので個室に泊まりますし、暑いと不快なのでエアコンは必須です。言葉がわからなくても現地の放送をテレビで見ますし、CNNやBBCなら英語でニュースを確認できるので、テレビもあれば良いと思っています。
よく「食費は1日いくらまで!」と決めている旅行者を見かけますが、現地で美味しそうなものを見つければ積極的に試してみますし、一口食べてみて口に合わなければ別のものをオーダーします。
東南アジアは食べ残しの文化なので全く問題ありません。
逆にキレイに食べると「お腹一杯にならなかったの?」、「足りなければもう一品頼めば良いのに」と思われます。陰で「犬みたいに食べるね」と笑われることもあります。
日本では犬みたいという比喩を耳にすることは余りありませんが、海外の多くのエリアでは侮蔑的なニュアンスを含めて犬に例えます。
現地人が呆れるほど切り詰めた予算で旅行する旅行者も存在し、何から何まで「節約、節約」と言っているのを目にする事もあります。
節約旅行者に「今まで行った国でどこの食べ物が美味しかった?」と尋ねると「焼き飯しか食べてないんで、どこの国もほとんど一緒です。」との答えが非常に多く返ってきます。
「どこの街が魅力的だった?」と尋ねても「宿の外に出るとお金がかかるので、ほとんど出歩いてない」という返答が増えています。
確かに時間とお金をかけて外国まで出てきて、何もしないという旅行スタイルもあるかもしれませんが、「旅行してて楽しいのかな?」とも感じます。
せっかくの海外旅行ですから「出す時は出して、締めるところは締める」のメリハリを付けると良いのではないでしょうか?
レストランやローカル居酒屋で出会った現地人とのコミュニケーションの時間は面白いと思いますよ。年々激安感は失われていますが、ラオスもベトナムも割安で旅行しやすい国であるのは間違いありません。
まとめ
ラオスやベトナムを含む東南アジア諸国は、旅行しやすいエリアとして数多くの旅行者から長年愛されてきたエリアです。
近年の東南アジアは経済成長著しいこともあり、以前のように激安で旅行することはできなくなりましたが、現在でも予算的に魅力あるエリアであることに変わりはありません。
ベトナムをゲートウェイにラオスまで足を伸ばす旅行者も増加していますので、ベトナム経由ラオスの旅にいらしてみて下さい。魅力的なラオス人たちの溶けるような笑顔はまだまだ健在です。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
【ベトナム求人】未経験からでもベトナム就職を狙える転職サイトまとめ
ベトナムで働くには?ベトナムで就職・転職したい日本人向けの仕事と求人の探し方
あわせて読みたい