スイス第2の都市ジュネーブ。スイス最西端にあり、フランスと国境を接する町です。中世の面影が残る旧市街や、レマン湖畔の遊歩道は、古き良きヨーロッパの雰囲気にあふれています。
同時に、国際連合や赤十字など数多くの国際機関の本部が置かれ、国際的な都市の様相も併せ持っています。
スイスを旅する方の多くは、登山やハイキングをメインの目的としています。ジュネーブはそのための通過点となることが多いようです。
しかし、ジュネーブも魅力に溢れる町住んでいる私としては、ぜひじっくりジュネーブの町も見学して欲しいと常々思っていました。
今回は、元海外旅行添乗員で在ジュネーブ歴約3年の筆者が、1日でジュネーブを観光し尽くすためのプランを考えてみました。※1スイスフラン=114.67円
ジュネーブで国際連合ヨーロッパ本部を見学しよう
赤十字やWHO(世界保健機関)など、200以上もの国際機関がひしめくジュネーブ。その中心となっているのが、国際連合ヨーロッパ本部 Palais des Nations(パレ・デ・ナッシオン)です。
フランスのベルサイユ宮殿に匹敵すると言われる総面積を誇り、世界最大の国際会議場として、重要な国際会議が開かれています。
この国際連合ヨーロッパ本部の中を見学ツアーで訪れることができます。所要時間は約1時間。
ツアーでは、テレビのニュースに映るあの有名な会議室や議事堂を見ることができます。
国際政治に興味のある方や、国際機関、報道関係に興味のある方にはたまらないですよね! 普段は足を踏み入れることのできない、格式高い国際連合本部に入れるなんて素晴らしい経験です。
見学ツアー実施時間は、10:30、12:00、14:30、16:00の1日4回です。受付は、ツアー開始時間の30分前からです。
人気の観光スポットなので、30分前には到着しているようにしましょう。
見学ツアーに参加希望の方は、14, Avenue de la Paix アヴニュー・ド・ラ・ペ通り14番地にあるPregnyプレニー門より中に入ってください。
入場には身分証明のため、パスポートが必要です。忘れないように注意しましょう。見学ツアーの費用は、12スイスフランです。
国際連合ヨーロッパ本部の前に立つ、壊れた椅子のオブジェも必見。壊れた椅子の脚に、地雷反対の想いが込められている作品です。
ジュネーブを象徴するランドマークのひとつです。
基本情報
- 名称:国際連合ヨーロッパ本部
- 住所:Palais des Nations, 1211 Geneve
- アクセス:ジュネーブ公共交通機関TPGバス8、28、F、V番 Appia アッピア下車。5、11番 Nations ナッシオン下車。
- 見学ツアー実施時間:10:30/12:00/14:30/16:00
- 休業日:土曜日、日曜日
- ビジターセンター電話番号:+41 22 917 48 96
- 公式サイト:https://www.unog.ch/
ジュネーブのハイライト、レマン湖畔を散歩
ジュネーブといえばレマン湖。アルプスの雪解け水が流れ込むため、透明度が高く、爽やかな雰囲気に満ちています。
オーストリアの王妃シシィの愛称で知られたエリザベートや、 オードリー・ヘップバーン、チャーリー・チャップリンを魅了した美しい湖です。
ジュネーブに来たらどんなに時間がなくても、レマン湖畔だけはぜひ訪れて欲しいです。
国際連合ヨーロッパ本部の隣には、 レマン湖を見渡せる美しい公園Parc mon repos パルク・モン・ルポがあります。
直訳すると私の休息公園! その名の通り、レマン湖を眺めながらゆっくりするのに最適な心地の良い場所です。国際連合見学のあとにぜひ立ち寄ってみてください。
公園を抜けてそのままレマン湖畔沿いを散歩して行くと、高級ホテルの立ち並ぶエリアに出ます。
湖畔には広い遊歩道が整備され、観光客に混ざって散歩やランニングを楽しむジュネーブ市民の姿も見られます。
晴れている日には、対岸に雪を抱いたモンブランの姿を臨むこともできる絶景スポットです。
ランチにおすすめのジュネーブのテラスレストラン
レマン湖畔を歩いて行くと、湖にかかるモンブラン橋の手前に、 教会の尖塔のような美しいモニュメントが置かれた小さな広場Square des Alpes スクエア・デ・ザルプがあります。
こちらにあるレストランがCottage café コタージュ・カフェ。
テラス席のある小さなレストランですが、いつも満席!特に季節の良い時期のテラス席は大人気で予約がないと入れないほどです。
メニューは日替わりで、地元の新鮮な食材を使用して作られた肉料理、魚料理、パスタ、サラダなどがあります。
オーソドックスなヨーロッパ料理の他、タイカレーなどのエスニックメニューも時に登場します。
テラス席からは、ジュネーブのシンボルである大噴水Jet d’eau ジェッドーとレマン湖が見える絶好のロケーションです。
Geneva Price「ジュネーブ値段」と揶揄されるほど物価の高いジュネーブではお手頃価格で、 内容と値段の釣り合いの取れたレストランです。
基本情報
- 名称:コタージュ・カフェ
- 住所:Rue Adhemar Fabri 7, 1201 Geneve
- 電話番号:+41 79 136 86 75
- 公式ホームページ:http://www.cottagecafe.ch/
レマン湖クルーズ?!レマン湖を渡る船に乗ろう
昼食が終わったら、レマン湖を渡り旧市街があるジュネーブの左岸地区に移動します。レマン湖にかかるモンブラン橋を徒歩で渡るのも良いのですが、おすすめの移動方法は渡し船です。
国連本部のある右岸から左岸に移動するため、ジュネーブ公共交通機関TPG社の運営する渡し船が通っています。
バスやトラムなどの他の公共交通機関と同じ扱いなので、 ジュネーブのホテルに宿泊していて公共交通機関に無料で乗れるカードをもらっていれば、そちらを利用できます。
無料カードを持っていない場合、船の乗り場にある公共交通機関の切符券売機でチケットを買うことができます。
片道の渡し船チケットは2スイスフラン。ジュネーブの公共交通機関1時間乗り放題チケットが3スイスフラン。
つまり、2~3スイスフランでレマン湖のプチクルーズを楽しむことができるのです! 乗り場は、ホテル・ケンピンスキーの前にあるPaquis パキという船着き場です。
M2ラインに乗って、対岸のEaux-Vives オーヴィーヴで降りてください。待っているとmouette ムエットと呼ばれる黄色い小さな船がやってきます。
大噴水のそばも通るので迫力満点です。ぜひこの渡し船でレマン湖を渡ってみてください。
間近で見るレマン湖の水は透き通っていてとても綺麗ですよ。
- 公式ホームページ:https://www.mouettesgenevoises.ch/
ジュネーブの人気の観光名所、英国庭園で記念写真を撮ろう
渡し船は対岸のEaux-vives オーヴィヴ地区に到着します。
湖沿いを歩いて、英国庭園まで行ってみましょう。英国庭園はジュネーブを代表する観光スポットです。観光ツアーのバスがいつも所狭しと停まっています。
公園の背後には高級ブティックやハイソなホテルが立っているので、ジュネーブのセレブな雰囲気が漂ってきますね。
6500株の花で作られた直径5mの有名な花時計、そして、大噴水Jet d’Eau ジェッドーとレマン湖。
「これぞジュネーブ!」という写真がたくさん撮れるスポットですので、滞在時間が短くても「ジュネーブに来た」という証拠写真を残したい方にはうってつけの場所です! ジュネーブならではの記念写真をたくさん撮ってくださいね。
ジュネーブの歴史豊かな旧市街を散策
英国庭園の散策が終わったら、中世の雰囲気が残る旧市街へ行ってみましょう。
小高い丘の上に建つサンピエール大聖堂を頂きに、急な坂道に古い家々が並ぶジュネーブの旧市街。
坂が急で歩くのに少し骨が折れますが、古き良きヨーロッパの雰囲気をそこかしこに感じることができます。
オシャレなお店も多く、歩いているだけで楽しいエリアです。
また、旧市街に隣接するRue de la Croix d’Or リュー・ド・ラ・クロワ・ドール=クロワ・ドール通りと Rue du Rhone リュー・デュ・ローヌ=ローヌ通りは、ジュネーブいちのショッピングストリートです。
パテックフィリップやエルメス、シャネルなどの高級ブランドショップが立ち並ぶローヌ通り。
そして、スウォッチやヴィクトリノックス、デパートなどもう少し庶民的な店が並ぶのがクロワ・ドール通りです。 お土産の調達にぴったりのエリアです。
また、お手洗いに行きたいときは、デパートGlobus グロビュス、Coop City コープシティ、Bongenie ボンジェニーを利用しましょう。
お買い物のついでに無料で綺麗なお手洗いを利用できます。海外では、日本と違い、無料できれいなお手洗いを見つけるのは至難の業です。ぜひ覚えておいてください。
サンピエール大聖堂
旧市街の見所です。4世紀、キリスト教の解禁とともに布教が始まり、この場所に教会が建ちました。
1116年から1232年に建て替えられ、現在の大聖堂の姿になったと言われています。
1536年から30年近くもの間、宗教改革家カルヴァンが説教を行ったことで知られており、 聖堂内にはカルヴァンが使用した椅子が飾られていす。
大聖堂の尖塔を登るとジュネーブ市街を一望することができます。
狭いらせん階段を上るのは骨が折れますが、塔の上から見る景色は絶景です。現在でも日曜日にはミサが行われ、多くの市民が礼拝に訪れます。
古来よりジュネーブ市民の信仰の柱となる大聖堂です。
武器庫
15世紀に穀物庫として建てられ、1720年には武器庫となりました。17~18世紀のジュネーブ砲兵隊の大砲5問が飾られています。
アレキサンダー・サングリア作の壁のモザイクも必見です。
シーザーのジュネーブ到着、中世のブール・ド・フール広場のマーケット、16世紀にユグノー難民を受け入れるジュネーブ市民の様子が描かれています。
タヴェル館
1300年代の建物で、ジュネーブ旧市街に現存する最古の建物のひとつ。
1986年から博物館となり、1850年代当時のジュネーブの模型などを見ることができます。
昔は町の周りに要塞が築かれていたことがよくわかりますね。
ギネスに登録された世界一長い木製ベンチ
武器庫の目の前にある市庁舎の裏に、小さな公園があります。
この公園は高台になっており、ジュネーブ市街を見下ろすことができるビューポイント。
しかし、必見なのは景色ではなく、ギネスに登録されている前長1013mの世界一長い木製ベンチ! ぜひこのベンチに座ってジュネーブの町を眺めてみてください。
バスティオン公園とルター像
Parc des Bastions(パルク・デ・バスティオン=バスティオン公園)は、ジュネーブの旧市街のほど近く、 Place de Neuve(プラス・ドゥ・ヌーヴ=ヌーヴ広場)に面した公園です。
園内には、1559年に宗教改革家カルヴァンによって設立されたジュネーブ大学や、宗教改革記念碑があります。
夕食はスイス名物フォンデュを!
スイスに来たら絶対にはずせない名物料理、チーズフォンデュ。ここ、ジュネーブでも様々なレストランで味わうことができます。
でもせっかくなら名店と呼ばれるところで食べてみたいですよね。
おすすめは、旧市街の武器庫の隣にあるレストラン、Les Armures レ・ザルミュール。 ジュネーブで最も古いレストランのひとつで、アメリカのクリントン元大統領が立ち寄ったことでも有名です。
木造であたたかみのある建物ですが、鎧や暖炉など重厚感のある装飾に高級感も感じられます。
チーズフォンデュの他にも、巨大なチーズを熱し、溶けたチーズをジャガイモにかけて食べる名物料理ラクレットも楽しむことができます。
ジュネーブに来たらぜひこちらで食事を楽しんでください!
基本情報
- 名称:Les Armures レ・ザルミュール
- 住所:1, rue Puits-St-Pierre, 1204 Geneve
- 営業時間:毎日23時まで営業
- 電話番号:+41 22 310 34 42
- 公式ホームページ:http://www.hotel-les-armures.ch/
ジュネーブのヴィクトリアホールでコンサートを楽しむ
まだまだナイトライフを楽しみたいという方におすすめなのが、 ジュネーブのコンサートホールVictoria Hall ヴィクトリアホールでの音楽鑑賞です。
指揮者の小澤征爾が招かれたり、スイス管弦楽団や著名人が演奏することも多い由緒あるコンサートホールです。
しかし、満席になることは少なく、たいていの場合直前でもチケットが取れるのがヴィクトリアホールの良いところ。
思い立ったらインターネットで演目を調べて、コンサートへ行ってみましょう。服装はカジュアルすぎなければ大丈夫です。
旅行中でカジュアルな服しかもっていない!という人は一番安い席を購入すれば問題ありません。演目とチケット販売元はこちらのページで確認することができます。
夜のコンサートは20時から始まることが多いので、夕食は早めに済ませておきましょう。
基本情報
- 名称:Victoria Hall ヴィクトリアホール
- 住所:Rue du General-Dufour 14, 1204 Geneve
- アクセス:トラム12番、バス3、5、18番、Place de Neuve下車 トラム15番、バス1、2、19番、Cirque下車
- 電話番号:+41 22 416 35 00
- 公式ホームページ:https://www.ville-ge.ch/
まとめ
スイスといえば牧歌的な風景や雄大な山々を思い浮かべる人がほとんどでしょう。
ジュネーブは、「スイスにありながらもスイスではない」といわれるほど、独特のアイデンティティを持つ町です。
ジュネーブの持つ様々な側面を1日で巡り、スイスに来たらぜひ食べたいチーズフォンデュや、夜のコンサートまで味わい尽くせるコースを考えました。
スイス旅行を計画されている方は、ジュネーブを通過するだけでなく、ぜひ1泊してその魅力を味わってください。
スイスにもこんな町が存在するんだ!と驚かれると思いますよ。
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