世界中の主要な都市には日本人会と呼ばれる組織があります。その規模や内容はさまざまですが、シンガポール日本人会は「世界一の日本人会」とうたっています。
確かに、アダムストリートにある日本人会館は、威容を誇るたたずまいです。ご一緒に中に入って、シンガポール日本人会会員になった場合のメリットを考えてみましょう。
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日本人医師のいる日本人会クリニック
玄関を入ってすぐ右手にあるのが、日本人会クリニックです。海外生活で何より不安なのは病気です。自分の病状を伝えるために、日本語での意思疎通に勝るものはありません。
日本人会クリニックには日本人医師が常駐しているので、その点安心して受診できます。もちろん健康診断も可能で、医療器械も揃っています。絶食で検査の後、日本人会のレストランで使えるバウチャー券がもらえます。
ポイント
この日本人会クリニックのポイントは、心療内科があることです。慣れない海外生活と仕事などのストレスで、身体だけではなく心も疲労している人が多いです。不眠や食欲不振などのサインを見逃さずに、カウンセリングを受けましょう。
もちろん駐在員保険のキャッシュレスにも対応しています。具合の悪い時こそ日本仕様がありがたいですね。
日本食レストラン「どんぐり」と「茜」
どんぐり
「どんぐり」はファミレスタイプのレストランで、平日のランチには小さなお子さん連れの方も大勢いらしています。メニューは多彩で「今月のおすすめ」があります。ちゃんと秋にはサンマ、春には筍と、日本の旬の食材が登場します。
値段の目安
お値段はラーメンで日本円で1,000円弱、定食だと2,000円くらいで、シンガポールではリーズナブルです。
茜
「茜」は高級志向で、平日はお子さんは入れません。お寿司や天ぷらは日本と遜色ないというよりも、シンガポールにいることを忘れてしまうくらいのレベルの高さです。
こちらの今月の旬メニューには鮎などが登場します。
支払い方法
どちらのお店も支払いは現金や通常のカードではできません。日本人会の会員カードを提示して、月会費と一緒の銀行引き落としになります。ですから会員外の人だけでは食事できません。
実は日本人会は日本人以外でも会員になれます。シンガポール人で日本食が好きな人の間でこの2軒のレストランは有名です。「茜」を利用したくて会員になっているセレブのシンガポール人もいるくらいです。
充実の図書室
2階の図書室には、ゆったりしたソファで最新号の雑誌類を読む人たちがいつもいます。もしもあなたが活字中毒者だったとしたら、海外生活はちょっとつらいかもしれません。
シンガポールには紀伊国屋があり、日本の本は簡単に手に入ります。でも、だいたい倍くらいの値段で品揃えも物足りない感じです。
日本人会の図書室は充実しています。地方の小都市の図書館くらいの蔵書数はあるように思います。子供用図書室は別にあり、漫画もたくさん揃っています。休日に一家で来てそれぞれ楽しめます。
1家庭で20冊まで借り出しできるので、ショッピングカートを引いて来るご家族もいます。もちろん定期的に新刊書も購入していますが、本の補充の多くは会員からの寄付です。地下の駐車場に本を寄付するための大きなボックスがあります。引っ越す時にたいていの人は本は置いていきます。
ボックスの本があまりに大量にたまるので、定期的に古本市が開かれ安く売られます。そして読み終わるとまたそのボックスへ行き、というように本が循環するのです。蔵書にはビジネスマン好みの作家の本が多いです。
池井戸潤のコーナーには各本数冊づつありますし、日本からのお土産に頂くのかベストセラーになった本は必ず複数冊あります。
講座と行事で人脈を
日本人会の講座には語学やフィットネス系だけではなく、シンガポールならではの、ローカル料理教室や二胡や中国茶などもあります。働いている人向けに夜間や週末の講座もあり、最近では男性向けヨガが人気とか。
月に1度の会報「南十字星」には講座や行事の情報が載っています。
4階建の会館の中にはステージのある講堂や、フィットネススタジオ、調理室、カラオケルームや麻雀ルームまで完備しているので何でもござれです。
主催行事も多く、運動会を始めとしてサッカー、ソフトボール、バレーボールの大会があり、老若男女ともに盛り上がります。外国に住んでいると、初対面でもちょっとした共通点でグッと距離が縮まります。
趣味を通しての仕事以外の人脈ができると、シンガポール生活の奥行きが広がります。
日本人コミュニティの役割
日本人会は在住日本人のための組織ですが、シンガポールではそれだけではありません。多民族国家シンガポールで1つのコミュニティ、民族として地元に貢献しなくてはなりません。会館外での活動も大切です。
日本人会主催の夏祭りは、シンガポーリアンに大人気の行事です。日本人会には何百枚もの浴衣があり、着付け付きで10ドルで貸し出します。日本人の女性たちが着付けボランティアとして参加して、大勢のシンガポールの若い女の子たちに浴衣を着せます。
着付けができない人のために何度も講習会が開かれるので、何とか形にはなるのです。
中国正月に開催されるチンゲイパレードという国家的行事は、各民族のコミュニティで競う、よさこいソーランの様なものです。日本人会チームは優勝を狙って数ヶ月にわたり猛練習に励みます。
シンガポールF1サーキットのピットレーンで、ローカルの見物客の大歓声の中で踊ります。1度参加したらやみつきだと言う人も多いです。
まとめ
シンガポール日本人会の設立は、太平洋戦争前の1915年です。驚くほど古く100年以上の歴史を誇ります。日本人コミュニティとして、シンガポール社会に深く根ざしています。
その上、2つの日本人小学校と中学校の管理運営も日本人会が担っています。
世界一の日本人会と自負するだけのことはあります。もし日本人学校に通うお子さんがいらしたら、日本人会加入は入学の必須条件です。会社が法人加入していない場合は、個人で1家庭日本円で約5,000円の月会費です。
それを高いと感じるか、シンガポールでの生活を円滑にするための必要経費と考えるか、検討の価値は充分あると思います。
- シンガポール日本人会:The Japanese Association Singapore
- 住所:120 Adam Road
- 電話番号:65918136
- 連絡先:mailto:info@jas.org.sg
※施設により利用できる時間が違うので、確認して下さい。
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