日本と比べて物価の安い中国。確かに、1ヶ月の生活費は日本より安いです。でも、日本と同じくらいの価格のものや、日本より高いものもあります。
私が調べた範囲では、長春市で募集されている日本語教師のひと月あたりの給料は約4,500~7,000元(約74,000〜115,000円)です。
長春で妻と2人暮らしをする日本語教師の私がどんな水準の生活をしているのか、1ヶ月にかかる費用を具体的にご紹介します。
※1元=16.4円
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中国の一般的な給料はどのくらい?
なぜロバの写真?そう思われたかもしれませんね。単純にロバが可愛くて撮ったのですが、後で改めて見ると中国の経済格差の大きさを感じさせる1枚になりました。
日本にも収入格差はありますが、中国は急速に経済が成長しているので経済格差はとても大きいです。ポルシェに乗っている人もいれば、この写真のようなロバを引いている人もたくさんいます。
中国では、日本ほどにはアルバイトの仕事は充実していません。例えばケンタッキーなどでバイトした場合、給料を時給で計算すると約10〜15元(約160〜250円)です。
多くの人は1日10時間ほど働いています。中にはもっと拘束時間の長い人もいます。週6~7日出勤の人さえいます。
職業によりまったく異なる1ヶ月の収入
飲食店においてフルタイムで働いている人の月給は約3,000元(約50,000円)です。通りで掃除の仕事をしている人の月給は約1,500~2,000元(約25,000~33,000円)。これよりも安い賃金の人もたくさんいます。
その一方で、月給5,000~10,000元(82,000~164,000円)を得ている人もいます。あるいは、日本人の平均所得よりもはるかに高額な月給を手にしている人も存在します。
こうして比較すると、日本語教師の給料は一般的な水準よりも少し高いものの決して高給ではないことがわかります。
大都市ほど給料は高い
また、地域によっても格差があります。
私の友達も以前、上海で日本語教師をしていましたが、月12,000元(約197,000円)の給料をもらっていたようです。これと比べると、長春市の給料は決して高くはありません。
高給な分、ストレスも多め
しかし、上海や北京などは生活リズムが速いためストレスも多いと聞きます。例えば上海は人口密度がとても高いので都会が好きな人には向いていますが、もっとゆっくりとしたリズムで生活したい人には長春市をおすすめします。
発展を続けつつもゆとりのあるペースなので、現地の人々にも笑顔や活気があります。ストレスの多いピリピリとした空気は感じられません。
たまに日本へ帰国すると、電車で座っているサラリーマンたちの表情が辛そうに見えます。ほとんどの人がしかめっ面。一方、長春市では笑顔で歩いている人もよく見かけます。
中国・長春での食費
外食派か?それとも自炊派か?そのどちらかで食費は大幅に変わりますね。ちなみに我が家では、外食半分、自炊半分といったところです。
外食費:フードコートはリーズナブル
日本と違って、長春市には居酒屋やお洒落なカフェは多くはありません。あったとしても、日本人の好みとは違うものが多いです。したがって、日本で生活している時より居酒屋やカフェに行く頻度は減ると思います。
ちなみに、スターバックスはたくさんありますが、日本とはかなり味が違うので私は行きません。
しかし、中国で生活していて食に困ることはありません。街中どこにでも、日本で言うところのフードコートに該当する「美食城(メイシーチェン)」という場所がたくさんあるからです。上の写真はその一例です。
格安なのにボリュームたっぷり
美食城にはたくさんの種類の料理があり、どの料理も約10〜20元(約160〜330円)で食べることができます。お粥や饅頭なら5元(約80円)です。
東北地方に該当する長春市では、現地の人の食べる量がとても多いです。そのため、たった10元(約160円)でお腹いっぱいです。女性なら食べきれない人も多いでしょう。
仮に自炊なしの1人暮らしでも、1日30元(約500円)もあれば十分です。つまり、1ヶ月900元(約15,000円)で食費は足ります。日本語教師をするなら学校の食堂を利用できるので、さらに安く抑えられるでしょう。
飲み物の値段は?
とはいえ、ビールなどの飲み物も必要でしょう。幸いにもビールは激安です。
- 中国のビールなら350ml1本で2〜5元(約30〜80円)
- ドイツやベルギー、デンマークなどのヨーロッパビールなら7〜15元(約115〜250円)
ビール好きには最高ですね。
また、
- コーラ350mlは1本2元(約30円)
- 店頭販売している「珍珠奶茶(ジェンジューナイチャー=タピオカミルクティ)」は10〜15元(約160〜250円)
です。
自炊費:スーパーの食材価格は意外に高い
中国の食材は思ったより安くないです。厳密に言うと、ある食材は日本と同価格かそれよりも高価で、ある食材は日本よりも安価という具合です。
以下に例をあげます。価格はこの地域で有名な欧亚超市(オウヤーチャオシー)というスーパーマーケットや、淘宝(タオバオ)というネットショップの価格をもとに計算しています。
実を言うと長春市には、上海などのように日本企業のスーパーはありません。2018年現在は、ローソンやファミリーマート等のコンビニもありません。代わりに現地ブランドのコンビニがあります。
日本とほぼ同価格か高価な物
- 卵1玉=20円
- アボカド1個=130円
- 牛乳500ml=130円
- バター200g=250円
- ベーコン180g=230円
- 安いピザ用チーズ100g=200円
- ごま油200ml=300円
- 醤油1.8L=450円
- 料理酒500ml=100円
- ポテトチップス1袋=100円
- レモン1玉=70円
- レタス1玉=75円
その他、輸入のお菓子類や洋食の食材等は高価です。節約したい場合は、現地の人たちと同じ食材を買う必要があります。
日本より安い物
- ペットボトル水500ml=35円
- 豚バラブロック肉100g=50円
- 牛肉細切れ100g=100円
- バナナ1本=20円
- サラダ油1L=200円
- ケチャップ300ml=110円
- トマト中1玉=25円
- ナス1本=20円
- きゅうり1本=20円
- 人参1本=20円
- お米5kg=1,000円
チートスやポッキー、オレオなど日本人に馴染みのあるお菓子もたくさん売っています。
1ヶ月の食費は2人で約2万円
ここにあげることができたのはほんの一部ですが、このように中国の物価も上昇しています。
毎月の食費は妻と2人で1,000~1,200元(約16,400〜20,000円)です。日本にいた時は外食することが少なかったのですが、同じく2人で毎月2万円程度でした。今は半分自炊とはいえ、それほど安くなるわけではないことが分かります。
むしろ、日本にいる時のようにおいしいものを食べたいと思うと、日本で生活するよりも高くつきます。ここで暮らしてみて改めて、日本はあらゆる食材が安く手に入る良い国だと実感しています。
しかし、中国には日本にはない魅力的な野菜や果物がたくさんあります。ぜひ、日本とは一味違う中国大陸の食材を味わうことをおすすめします。
中国・長春での水道光熱費
日本語教師として中国の大学で働くなら、大学が提供する宿舎で生活するケースが大半です。この場合、水道光熱費は学校負担の契約が多いと思いますが、私たちは賃貸物件を借りているので、水道光熱費は自己負担です。
支払い方法はいくつかありますが、今はとても便利です。水道、電気、ガス、それぞれに自分の家の番号があり、その番号をスマホアプリの微信(ウェイシン)か支付宝(ジーフーバオ=アリペイ)に入力して、好きな金額を指定・チャージするだけです。
毎月の支払いというより、いつでも自由なタイミングで支払いが可能です。チャージ金額が0になると数日後に停められてしまいますが、支払うと再び使用できます。
毎月の支払額は約2,500円
月ごとの支払いではないため、1ヶ月あたりの光熱費を計算するのが難しいのですが、およそ以下のとおりです。
- 水道=約850円
- ガス=約150円
- 電気=約1,500円
合計約2,500円
ご覧のとおり、値段に大きな差があります。ガスの単価の安さに驚きます。
一方、電気が高いのには、単価が高いという以外にもう1つ理由があります。日本と違ってガスの湯沸かし器がないため、お風呂や洗い物の際のお湯も電気で作ります。よって、ガスより電気の方が頻繁に利用するため電気代が高くなるのです。
日本で生活している時は、夫婦で水道・ガス・電気合わせて1ヶ月10,000〜15,000円でした。今はその約4分の1です。
中国・長春での携帯電話・インターネット料金
携帯料金
中国の携帯通信会社は主に3つです。
- 电信(ディエンシン)
- 联通(リエントン)
- 移动(イードン)
日本のau、docomo、SoftBankのようなものでプランは3社とも似ています。
私が利用しているのは电信です。1ヶ月19元(約320円)のプランで、内容は200分の通話と1GBの通信量です。自宅にWi-Fiがあり、外へ出かけても無料Wi-Fiがたくさんあるので、この契約で足りています。
自宅インターネット料金
住宅用のWi-Fiは日本のように1GBの通信速度の出るものはありません。100MBか200MB、あるいはADSLです。
我が家では、1年で700元(約12,000円)の100MB速度のWi-Fiを契約しています。
中国・長春での交通費
交通費は格安です。
- バス=1路線どこまで行っても1元(約20円)、路線によっては2元(約33円)
- 地下鉄=2〜4元(約33〜70円)
- タクシー=初乗り5元(約80円)
車やバイクを所有するのは難しいと思います。運転マナーやルールが日本と大きく違って危険なので、中国での生活がよほど長くない限りおすすめできません。
一般の交通機関がとても便利です。ただし、頻繁に渋滞するので歩いた方が早い時もあります。私も日本にいた時は車ばかり使っていましたが、中国へ来てから歩くことが多くなりました。健康に良いですね。今では毎日約10,000歩、歩きます。
中国・長春での日用品代(衣類、靴)
衣類や靴は日本より高いです。
厳密に言うと、500円前後で買える靴はあります。しかし、とても履けるレベルではありません。安すぎる靴はすぐに壊れてしまうので、友達の中国人からも買わないようにと言われます。
日本で2,000円で買える靴は、中国だと2,500~3,000円ほどします。場合によってはもっと高価です。
服も同じです。例えば、中国にもユニクロがあります。しかし、値段は日本の約1.3倍。私はいつも日本に帰国した時にユニクロで買い物しています。
ただ、日本向けに中国で生産された商品の中で、日本への出荷基準に満たなかった品物が激安で売られていることがあります。上の写真の帽子は約170円でした。こういう掘り出し物を見つけるのは楽しいですね。
お気に入りは日本で保管するのがベター
中国で自分好みの満足できる服や靴を見つけるのは簡単ではないと思います。日本からの持ち込みがメインになるでしょう。
ただ、中国で生活すると、日本にいる時ほどには服にこだわらなくなります。私も初めのうちは日本からお気に入りの服を持ち込みましたが、時とともに着なくなりました。
理由は、汚れることが多いからです。エレベーター、フードコートの椅子、バスの中などなど、日本では汚れることのない場所で汚れることがあります。大切で高価な服は日本で保管していても良いでしょう。
中国・長春での夫婦2人の1ヶ月の出費
簡単にまとめると以下のようになります。
- 家賃=2,000元 (約33,000円)
- 食費=1,200元(約20,000円)
- 水道光熱費=150元(約2,500円)
- インターネット・携帯料金=110元(約1,800円)
- 交通費=180元(約3,000円)
- 外食・交際費=300元(約5,000円)
- 雑費、消耗品代=100元(約1,600円)
合計4,040元(約66,000円)
学校提供の宿舎に住む場合は家賃や水道光熱費が必要ないため、1ヶ月2,000元(約33,000円)ほどで生活可能です。給料が月5,000元(約82,000円)と仮定すると、なんと3,000元(約50,000円)も貯金できます。
まとめ~暮らしやすく美しい街
まだまだ発展途上の中国・長春市。ヨーロッパなどにあるようなお洒落なものは少ないかもしれませんが、上海などの大都市と比べて物価も安く、生活は快適です。
冬の外気はマイナス25度にもなりますが、中国北部特有の暖房機のおかげで家の中はいつもホカホカ。また、優しい気質の人がたくさんいるので、ほっこりとした気分になることも多いです。
生活リズムのゆっくりとした素敵な街、長春で轻松(チンソン=気楽な)暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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