中国で就職する方法は大きく分けると2つです。留学先でそのまま仕事を見つける方法と、日本での仕事を辞めて中国転職する方法です。
ここで紹介するのは、それらとは異なる第3の方法です。学歴や資格、経験がなくても日本語教師として現地採用を目指すことができます。
私は中国企業に現地採用され、日本語教師として働いています。日本語教師になる夢を持っている方、ブラック企業で働くすべての非正規労働者のみなさん、海外就職なんて自分には無理と決めてしまう前に、この記事を読んでください。
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中国で日本語教師として働くこととは
日本語学習者の2つのタイプ
日本語教師といっても働く環境はさまざまで、生徒のニーズに合わせた授業を行う必要があります。
日本語を勉強している生徒は大きく2種類に分けられます。仕事でのスキルアップを目的に学んでいる人と、趣味や興味から勉強している人です。
大学で日本語を専門に学んでいる人も同様で、日本の漫画やアニメが好きで日本語を専攻している学生もいれば、日本語を身につけて日系企業で働きたいという学生もいます。
ビジネス用日本語枠が狙い目
前者の学生は、日本の文化に惹かれて、より日本を知るために日本語を学んでいます。そのため、日常会話にとどまらず、日本文学や古典といったより深い分野を研究している人もいます。
こういった学生を教えるとなると、さすがにこちらも大学でそうした専門分野を学んでいる必要があります。
しかし、後者の学生は日本語を正確に話すことに重点をおいて勉強しています。
発音は正確か、文法は正しいか、日本人の視点でものごとをとらえられているかといった点を重視しているため、特に専門の研究をしていなくても指導することが可能です。
日本の文化・慣習も教える必要性
「日本人の視点」と書きましたが、これは具体的には相手を高め、自らを低めるといった日本人独特の考え方のことをいいます。その代表例とも言えるのが、謙譲語と尊敬語です。
ネイティブの日本語話者であれば、これらの表現の違いを自然に身につけています。しかし、中国人にこの違いを教える場合、いつどんな時に使うかを説明するだけでは不十分です。
そもそも中国では、フランクに話し合うことが好まれます。そのため、中国人に対して頻繁に謙譲語を使って話しかけるといやがられてしまいます。友達同士なのだから気軽にやっていこうというわけです。
日本語に含まれる価値観を伝える
言葉はその国の人間の考え方を表しています。その国の伝統や文化とも密接な関係があります。それらを知らなければ、社会人としてのマナーを身につけることはできません。
中国人が日本語を勉強して日系企業で仕事をしようと思う場合、日本人の視点を学ぶ必要があります。実際私も、謙譲語と尊敬語を教えるのに大変苦労しました。
専門知識や資格がなくても可能
日本語教師になるには、いくつかの募集条件を満たす必要があります。求人サイトにはよく次のような条件が載っています。
- 日本語教師養成講座420時間修了者、または修了予定の者
- 日本語教育能力検定試験合格者
これ以外にも、大学で日本語教育を専攻していたことが条件になっている場合もあります。
確かにこうした専門知識があれば、より的確に日本語のルールを教えることができます。しかしここでは、このような資格がなくても日本語教師になれる方法をお伝えしたいと思います。
中国で日本語教師になるために勉強しておくべきこと
教師として中国人に日本語を教えることにはたくさんの難しいミッションがあります。しかし、私は転職前の準備のおかげでそれらをこなすことができました。
資格よりも中国語を習得
海外での日本語教師を目指す方の中には、先に挙げたように日本語教師養成講座に通った人もおられることでしょう。
しかし実際には、採用条件は学校や企業によって異なるので、必ずしも資格を取得しなければならないというわけではありません。むしろ生徒が理解できる言語で日本語を教えることが大切です。
特に海外の学校で日本語を教える場合、必要になるのはその国の言語が話せるかどうかです。
学校によっては、日本語で授業をする場合もあるようです。ただ現実的には、中国なら中国語で丁寧に日本語のルールを説明してあげる方が生徒のためになります。
そうした点を踏まえると、生徒が理解できるレベルでその国の言語を話せるかどうかがとても大切になってきます。
動画やサイトで教え方を学ぶ
日本語をどうやって教えるかは、YouTubeなどの無料動画コンテンツやウェブページで学ぶことができます。ここで文法のルールのポイントをしっかり押さえておけば十分でしょう。
無料動画コンテンツで私が参考にしていたのは「旭文日本語学院」「ryo81042」のYouTubeチャンネルです。また、「東京外国語大学言語モジュール」というコンテンツもよく利用していました。
日本語学習者向けのサイトやアプリを活用
さらに、中国には日本語学習者向けに作られたウェブサイトがたくさんあるので参考にできます。
適切なウェブページを探すためには、「日本語学習」というようなあいまいなキーワードで検索するのではなく、「日本語形容詞」といったより具体的なワードを入力するようにします。
「い形容詞」「な形容詞」のように、文法のより深い部分を知るための検索も効果的です。
こうしたウェブサイト以外にも、日本語学習者を助けるアプリケーションがたくさんあるので、それらを使って教え方をアレンジすることができます。私がよく使っているのは「日本語を学ぼうDrops」というアプリケーションです。
実際に日本語教師の仕事をはじめる前に、こうしたコンテンツを授業でも使いこなせるようしっかりと準備しておくことが大切です。
- 旭文日本語学院:https://www.youtube.com/
- ryo81042:https://www.youtube.com/
- 東京外国語大学言語モジュール:http://www.coelang.tufs.ac.jp/
- 日本語を学ぼうDrops:https://play.google.com/
中国で日本語教師になるにはコネが最大の武器
転職サイトを利用して仕事を探す方法もありますが、中国の現地採用で大切なのは人脈です。では、日本人が中国でどのように人脈をつくればいいのでしょうか。
私は次のような方法でいろいろな人とつながることができました。
情報収集ツール、WeChat(微信)は必須
もっとも役立つのは、中国版LINEともいわれているWeChat(微信)です。中国で生活している日本人ならほぼ誰もがアカウントを持っています。
WeChat(微信)にもLINEと同じように投稿機能が存在します。相手のアカウントを登録できれば、その人が投稿している写真やコメントをチェックすることができます。WeChat(微信)に日常の出来事を投稿している人はかなりたくさんいます。
FacebookやTwitterが禁止されている中国では、WeChat(微信)がそれらの役割をになっています。WeChat(微信)を使えば、相手がどのような職業なのか、どういった趣味を持っているのかを知ることができます。
人脈をつくるために、なくてはならないアイテムなのです。
アルバイトをする
中国での就職活動期間中に、あえてバイトをやってみるのも一つの方法です。
駐在員向けのサービスを行うものやコールセンタースタッフなどいろいろな職種があります。中国語が話せるなら友達の幅も広がり、アルバイトを通して人脈をつくることができます。
アルバイト先での出会いがきっかけとなって転職先が見つかったというのはよく聞く話です。
就労ビザサポートがあるかも
最近は、日本人向け転職サイトで「Skype面接対応」と書かれた求人をよく見かけます。現地に行かなくてもオンラインで面接してくれる企業もあるので、移動に時間とお金をかける必要は少なくなりました。
しかし、それでも時間を取られるのが就活です。「少しでも条件の良い企業を」という思いが強ければ強いほど、時間がかかってしまうものです。
ですが、そういう時にこそアルバイトをいくつか掛け持ちでやってみるのです。
なぜなら、アルバイト先として勤務する会社の中には、滞在に必要なビザの取得を助けてくれるところもあるからです。そのような会社が見つかれば、就労ビザを取得するために慌てて就職先を探す必要もなくなります。
中国での採用前に疑問や不安は解消しておく
海外現地採用枠での就職活動で大切なのは、希望の会社に不安な要素がないかをとにかく徹底的に知ることです。
海外は、日系企業といえども日本の法律がおよばない場所です。中国であれば中国の労働基準法が適用されます。
つまり、日本ではブラック企業にあたる会社でも、国によっては合法的に活動できるということです。さらに、働いていた企業が突然倒産することも考えられます。
そうしたトラブルを避けるために、就職希望先企業を知ることが大切なのです。
面接で会社の情報を引き出す
私は面接の際に、担当者にいろいろと質問しました。特に私の場合は現地企業との契約だったので、面接担当者にはかなり突っ込んだことも聞きました。
日本企業との関係や、その地で日本語学校を開校するにいたったいきさつまで、根掘り葉掘り聞き出しました。
知りたいことや疑問に思うことを聞いておくのはとても大切です。
自分が一方的に面接されているだけでは、相手に必要な情報を渡すだけで終わってしまいます。面接を受けるこちら側も、積極的に質問して情報を得ましょう。
そうでないと、採用後にいろいろな問題が発生して働けなくなってしまうこともあり得ます。
採用証明書を忘れずに
採用後には必ず、採用されている事実を証明できる文書を受け取るようにしましょう。そうした資料がないと、就労目的を証明できません。
中国を含む海外では、日本では考えられないことが起こるものです。雇用契約書に不備がないかどうかもしっかり確認することが大切です。
まとめ~コスパのよい開発途上国で働こう
同じ日本語教師として働くなら、開発途上国をおすすめします。
物価が安いだけでなく、日本で発生する所得税や市県民税などの納税義務がなくなります。毎月の税金額を考えると、日本で生きることがいかにハイコストか分かります。
今、日本の富裕層が海外に拠点を移すのはズバリ日本の税金が非常に高いからですが、富裕層以外の人でもやり方次第では日本での納税が一切不要になります。
日本語教師という仕事は、ローコストで暮らすための可能性を広げてくれる職業でもあるのです。
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